京都大学ELCAS(エルキャス)

平成27年度以前のレポート

分子工学

分子工学の2015年12月19日の内容はこちら



実習指導

渡辺 宏 (化学研究所分子レオロジー研究領域 教授)
松宮 由実 (化学研究所分子レオロジー研究領域 助教)

チューター

なし

ボランティア

なし

実施場所

宇治キャンパス 化学研究所本館 N538 

実習内容

 分子運動を観察・推測する方法を説明し、参加高校生に分子運動と物性の関連についての考察を促した。
 まず、分子配向により複屈折が生じる原理を説明し、偏光板2枚と高分子試料(ポリエチレンフィルム)を用いて、参加者各人が、試料の変形で分子配向が起こると直交配置下の偏光板を光が通過すること、高分子鎖の運動で配向が消失すると光が通過しないことを確認・理解した。
 次に、液晶分子の電場配向の原理を説明し、参加者各人が導電性ネサガラスで液晶セルを自作して、電場下でネマチック液晶の分子配向が起こると複屈折が生じることを、偏光板2枚を用いて確認・理解した。
 さらに、LCR メータを用いてスメクチック液晶の誘電緩和測定を行い、参加高校生各人が、誘電損失の極大周波数の逆数として求められる個々の液晶分子の運動の時間は液晶試料の流動の特性時間より遥かに短く、後者は、分子集合体(スメクチックラメラ)の運動を反映することを確認・理解した。

偏光板2枚と高分子試料(ポリエチレンフィルム)を用いた複屈折の観察 1
偏光板2枚と高分子試料(ポリエチレンフィルム)を用いた複屈折の観察 1

偏光板2枚と高分子試料(ポリエチレンフィルム)を用いた複屈折の観察 2
偏光板2枚と高分子試料(ポリエチレンフィルム)を用いた複屈折の観察 2

自作セルを用いたネマチック液晶の電場配向の観察
自作セルを用いたネマチック液晶の電場配向の観察

LCR メータを用いたスメクチック液晶の誘電緩和測定 1
LCR メータを用いたスメクチック液晶の誘電緩和測定 1

LCR メータを用いたスメクチック液晶の誘電緩和測定 2
LCR メータを用いたスメクチック液晶の誘電緩和測定 2

受講生の感想

  •  これまでNMRなどで分子の構造などを観察することを学んできたが、今回は一変して分子一つの運動や分子の集団の運動などを観察した。私自身、分子の運動を深く学んだことが無く、少し難しく感じましたがまた1つ化学について新しく学べたことはとても喜ばしいことです。分子が規則的にならんでいることで光の偏光面が回転することを自ら見ることができ、それは大変面白く、また双極子モーメントを利用し、電気的な力をつかうことで無理やり規則的に分子をならばせるという発展的利用法には感動させて頂きました。少し、実験が成功しない時が有りましたが、それでもなお先生方がトライして頂き、こちらは講義をうけているのに何もできなく申し訳なく思いました。そのように熱心に教えて頂き有難うございます。あと、偏光板ってたんどちょうとかでうまく光をとおらないようにすると、赤シートみたいに使えそうです。どうでもいいことすみません。
  •  偏光板を使って光をさえぎっても間に高分子などを入れると光が見えて、また色々な色に見えるのがとても面白かったです。CDの材料を開発した人は本当にすごいなと思いました。光の進み方は興味が有るのでこれからも学習していければなと思います。楽しい講演ありがとうございました。
  •  偏光板を使った実験が楽しかった。ポリエチレンなどをのばすと光が偏光板を通過したのがとてもびっくりしました。最後らへんの説明は難しくて少しだけしかわからなかったけれど実際にデータがでたりしたのは良かったです。
  •  1. 面白いと思ったこと→とてもシンプルな実験から分子の様子が分かるのはすごく面白かったです。スプーンが印象的でした(固めた時の分子の様子が今簡単に見られるというのは面白いし素敵だなと思いました)。分子1つ1つの運動と数段全体の運動の速度が全然違うのも(驚くと同時に)興味深いと感じました。2. 反省→物理で習う電場や磁場について理解が無いので申し越し勉強しないといけないと感じました。
  •  偏光子と検光子による【複屈折】をりようして、ビニールやスプーンなどをみて、スプーンは作られた段階で偏りが有るので、辺区をつかってみると虹色に見えるとわかりました。家でも何か試してみたいです。やっぱり実験というものはなかなかせいこうしないということが分かりました。1つの分子が動くのは、目に見えないけど、物質全体としての動きは目に見えるというギャップも理由が分かったのでよかったです。
  •  今回は、本当にたくさんのこと電場から分子の運動まで教えていただきありがとうございました。分子の動きを肉眼で見ることはできないけれど、複屈折や電気的な力を加えることによって、それを感じたり測定できると知れて、驚きました。測定の結果から、分子の並ぶ速さを求められたのですが、含まれる分子によってその速さはどうなるのか、なぜ一緒に動かないのか、などまだまだ疑問が湧きました。また、分子1つ1つの運動が集団となり、私たちがみえる姿になっているんだというイメージを持つことができました。どんどん身近な動きを見て、分子の存在を感じていきたいです。
  •  知らない言葉ばかり出てきて難しかったのですが実験を通して理解することができました。偏光板の仕組みを詳しく知ることができ、面白かったです。偏光板の間に高分子の素材をはさみ、引き延ばすと見え方が変わったことにとても驚きました。液晶の観察ではエクセルを用いてグラフ化し、全体の分子運動の時間を求められ、分子1つ1つの動きは早くても、全体になると遅くなる、ということが分かりました。

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