京都大学ELCAS(エルキャス)

平成27年度以前のレポート

化学

数学の2013年9月7日の内容はこちら

実習指導

武田 和行(分子構造化学研究室 講師)

チューター

なし

ボランティア

なし

実施場所

理学研究科6号館 化学専攻分子構造化学研究室

実習内容

原子核には磁性があり、電気信号として検出できるその振る舞いは、自身が属している分子の構造や物質の性質を反映している。これが化学で広く用いられている核磁気共鳴(NMR)のポイントです。・・・という内容の講義の後、針金をコイル状に巻いて共振回路を製作した。自作コイル内にエタノール試料を入れ、7テスラの超伝導電磁石を用いてNMR測定を行い、エタノール分子の水素原子核から3:2:1の強度で現れる三種類の信号を観測した。実験前には文具用の永久磁石から生じる磁場をガウスメータを用いて計測し、7テスラという値が如何に大きいか感覚を養ってもらった。また実習を通して、NMRで化学するには物理・エレクトロニクス・フーリエ解析など、他分野に対する興味・理解が不可欠であることを強調した。

回路に試料を仕込んで超伝導電磁石に挿入する。
回路に試料を仕込んで超伝導電磁石に挿入する。

コイルの巻き加減によって共振周波数が変化する様子を観察する。
コイルの巻き加減によって共振周波数が変化する様子を観察する。


自作コイルを使ってNMR検出装置を組み上げる。
自作コイルを使ってNMR検出装置を組み上げる。


受講生の感想

  • 今回は初回だったので、核磁気共鳴について、さらっと知った程度でしたが、如何に核磁気共鳴が化学のみならず、物理、生物、その他さまざまな分野に役立っているのかわかりました。今回はエタノールとメタノールの成分(C, H, Oの量の比)を調べるためにNMR(核磁気共鳴)を使用しました。また、そのために必要な知識として、フーリエ解析(NMRの結果出てきたグラフを全て三角関数で表すのに必要。すべてのグラフは三角関数で表せるらしい)を学びました。実際によく知られたグラフ(y=xx)を使ってやりました。少し「信じられない!」と思いましたが、それはただの固定観念だったのかもしれません。今後11回の講習を通して、より詳しく理解していけたら、と思います。
  • 「化学」という体験分野にとらわれず、物理の量子やエレクトロニクス、波を見やすくする為の数学のフーリエ解析など、様々な分野が集結して研究が進んでいるのだということを実感しました。どういう波が、表現を変えたときに、2つや3つの波になるかというのはあまりつかめなかったので、もう少し調べてみようと思いました。別の科学イベントで原子力研究所に行った時に何も知らなかったSPINのことであったり、非破壊検査のことがよくわかった。今回はメタノール・エタノールでNMRの体験をしたが、未知の部分が多く、固体についても、様々な角度からの解析をしてみたいと思いました。「ホール素子によって磁力を測る」と言っていたが、ホール素子が一体何なのかは全くわからないので、これも調べてみたいと思った。ELCAS1回目ということでお互いに会話とか出来るのかなと不安で一杯ではあったが、みんな話しやすい人で、そんな不安もなくなりました。早く2回目が来てほしいです。
  • 今回はNMR(核磁気共鳴)について行った。NMRは原子核の磁性を利用して、その原子自身の存在を検査することができる。その検査のために、原子自身独特の周波数を原子に当て、帰ってきた振動を観測してどれくらい原子があるか測定する。今回は化学というより物理や数学、電気工学といった分野でのことが中心だった。原子の量を測定するのは化学だけではできないのかもしれない。NMRの基本となる原子核に磁性があることは物理のことであり、その得られたデータを分析する、フーリエ解析は数学のことである。また、さまざまなプログラミングや電子回路の作成は電気工学についてのことである。化学についてのことをしながら物理や数学、電気工学について様々な事を学べて、嬉しいが不思議な感覚になった。
  • まず、最初に原子核に磁性があるということに驚いた。今回は、化学的なところよりも物理など他の分野にも関連するような内容が多くあったが、非常に興味深かった。物質を見るということは顕微鏡などをはじめとするようなものやx線などで構造分析をするという方法もあると知っていたが、今回の超電導磁石を用いた分析は今まで聞いたこともなかったし、見たことがなかったので驚いた。また、NMRは自分の知らない所ではなく、身近なところで多く利用されていると知った。講義を聴くにも、装置を見るにもただただ驚かされるばかりであったが、楽しかった。次回は、更に化学的な実験、研究を見たいと思う。今回と同じ内容のことが後に再びできる(固体のNMRの実験)と知り楽しみだ。早く、再来週が来てほしい!
  • 初回のELCASをとても楽しみにしていたが、その期待は全く裏切られなかった。むしろすばらしい設備を見学させてもらったり、非常に興味深い講義も聞けてよかった。今日はNMRについて学んだが、NMRについては過去に本で読んだことがあったので、その時によくわからなかった部分を理解できるように意識した。実際に講義を聴くことで得られることは、非常に大きいなと感じた。講義中にはいくつか実習があり、たのしみながら取り組めた。特にNMRで測定するために用いる装置を自作するというのは非常におもしろかったし、過去に学んだ物理の振動回路やコイルのインダクタンスといった知識も必要となっていたので、“化学”といってもいろんな理学の知識があって成り立つものなんだなと思った。そういう観点では今日は数学の知識としてフーリエ解析というものが登場したが、少し理解が大変だった。ただELCAS試験で数学が課せられていたのが納得できた。NMR室では設備のすごさにただただ驚いた。さすが京大だと思ったし、このELCASに参加できて本当によかったと思った。最初はうまくなじめるか心配していたけど、化学メンバーはみんないい人そうでよかった。これからも協力して学んでいきたい。これからもよろしくお願いします。

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