京都大学ELCAS(エルキャス)

平成27年度以前のレポート

化学

化学の2013年2月16日の内容はこちら

実習指導

前里 光彦(固体物性化学研究室 助教)

チューター

橋口 良太(修士課程 1回生)

ボランティア

なし

実施場所

理学部4号館101号室、6号館 563号室

実習内容

前回合成した錯体、Fe(pyridine)2Ni(CN)4について粉末X線結晶構造解析を行い生成物の同定を行った。また、この錯体を液体窒素で冷却しスピンクロスオーバーによる色の変化を観察した。さらに、新たに2次元混合金属錯体、{(NBu4)[MCr(ox)3]}x(Bu = n-butyl, M = Mn, Co, ox = oxalate)を合成し、粉末X線結晶構造解析による生成物の同定を行った。またこの錯体について磁気天秤を用いて磁化率を測定した。

スピンクロスオーバーにより、Fe(pyridine)2Ni(CN)4の粉末の色が、黄色から赤に変化した。
スピンクロスオーバーにより、Fe(pyridine)2Ni(CN)4の粉末の色が、黄色から赤に変化した。

粉末X線結晶構造解析装置
粉末X線結晶構造解析装置


磁気天秤の原理についての解説
磁気天秤の原理についての解説

今回合成した2次元混合金属錯体、{(NBu4)[MnCr(ox)3]}x
今回合成した2次元混合金属錯体、{(NBu4)[MnCr(ox)3]}x


受講生の感想

  • スピンという言葉すら聞いたことがある程度だったので、今月の体験は楽しみにする気持ちの反面、不安な思いもあったのですが、丁寧な説明のおかげで、体験を楽しく終えることができました。色々合成させていただいたいので、たくさんの物質を見、扱い、大変勉強になりました。合成した遷移金属錯体の確認でX線を使ったり、磁性を測るために磁気天秤を使ったり、ELCASでないとできないようなことができました。また、今回は色を見るのもメインでやることとしてあって、先々週作っておわってしまっていた錯体が温度変化により、スピンクロスオーバーがおこって色が黄色から赤へがらっと変わる様子には感動しました。
    ありがとうございました。
  • 今回は、まず前回合成した物質をX線で測定し、本当につくりたいものができているのか調べました。次に、2種類の遷移金属錯体を合成してみました。2種類の遷移金属のスピンを同じ向きにして、磁石にするというものでした。最後に、遷移金属錯体を液体窒素で冷やしてスピンの状態を変えて、スピンクロスオーバーという実験をしました。色の変化にとても感動しました。
  • 今日は先々週のスピンクロスオーバー錯体の続きを行いました。
    先々週は生半可だった原理についても今日改めて説明を聞くことで、やっと他人に説明できるぐらいに理解できたので、良かったです。エネルギーの差の大小によってhigh spinとlow spinがそれぞれかわるが、両方を持つスピンクロスオーバー錯体を扱うと、冷却する以前と以後で、spinの状態がかわり、視覚的な違いになる、というのが確かめられました。今までの6回の実験の中で一番理解できて良かったです。今日はありがとうございました。
  • 磁力・電気・電子・光といった世界は、その場が目で確認しづらく、イメージがわきにくいのですが、今回の実験で、確かに温度に依存して物質の色が変化し、それがスピンの違いによるものだという説明にも納得ができました。普段あまり聞きなれない錯体を用いての実験で、何が起こっているのかよく把握できない場面もありましたが、物質の性質を理論的に計算し、実験して照合するという手順が面白いと思いました。AがBに変わるという変化の原因をこのような方法で研究するのが興味深いと思いました。
  • まず、先々週作った遷移金属錯体の結晶をX線で解析しました。以前のELCASでもX線回折を使ったことがあるので、より理解を深めることができて良かったです。今日はマンガンとコバルトの錯体を作ったのですが、マンガンは緑っぽい色、コバルトは紫っぽい色と、遷移金属のもつ色の多様性を目で確かめることができました。
    また、温度を低くすると、ハイスピンの状態からロースピンの状態に相転移する錯体があり実際にその様子を観察させてもらいましたが、うすい黄色から赤色に変化してとても驚きました。

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