京都大学ELCAS(エルキャス)

平成27年度以前のレポート

化学

化学の2013年2月2日の内容はこちら

実習指導

前里 光彦(固体物性化学研究室 助教)

チューター

橋口 良太(修士課程 1回生)

ボランティア

なし

実施場所

理学部6号館 559号室

実習内容

物性測定用に2次元高分子化合物Fe(pyridine)2Ni(CN)4を合成した。鉄(II)錯体Fe(SO4)2(NH4)2とニッケル(II)錯体K2[Ni(CN)4]の水溶液を混合し、クエン酸と1,3-ジアミノプロパンで析出した沈殿を溶かしpHを調整した。この溶液にピリジンを加えて薄黄色粉末、Fe(pyridine)2Ni(CN)4を得た。

1,3-ジアミノプロパンを加えると沈殿が溶解し緑色溶液になる。
1,3-ジアミノプロパンを加えると沈殿が溶解し緑色溶液になる。

鉄(II)錯体とニッケル(II)錯体を混合した溶液にクエン酸を加え、さらに1,3-ジアミノプロパンを徐々に加える。
鉄(II)錯体とニッケル(II)錯体を混合した溶液にクエン酸を加え、さらに1,3-ジアミノプロパンを徐々に加える。


さらにピリジンを加えることで薄黄色沈殿Fe(pyridine)2Ni(CN)4を得る。
さらにピリジンを加えることで薄黄色沈殿Fe(pyridine)2Ni(CN)4を得る。


受講生の感想

  • 今日は無機物性化学について学びました。今回は遷移金属の錯体(Fe(py)2Ni(CN)4)を合成する実験を行いました。初めはうすい黄色の溶液だったものが、試薬を加えると沈殿ができてにごる様子がはっきりと見えて驚きました。また、道路標識の青色は、銅フタロシアニンという遷移金属錯体の顔料が使われていることを知って、とても身近に感じることができました。遷移金属は色・磁性が様々で、たくさんの顔料に遷移金属錯体が使われているそうです。次は実際に作った遷移金属錯体をX線回折して構造を調べるのでとても楽しみです。
  • はじめの説明で遷移金属錯体と聞いた時、なんだか難しそうだなと思うと共に、すごく興味をそそられました。聞いたことがなかったので普段の生活になじみはないのかと思いましたが、色や磁性といったその特徴をいかして身の回りでも、顔料として使われていたりすると聞き、驚きました。遷移金属錯体の合成では、少し危険度の高いものを使うときいて緊張しました。色がどんどん変わっていく様子はきれいでした。まだまだ実験のプロセス全体を理解することはできていません。次回、もっと様々なことを分かりやすく教えていただけるということなのでとても楽しみにしています。今日はありがとうございました。
  • Fe(py)2Ni(CN)4粉末の合成を行った。とても細かい作業が多く、なかなか慣れなかったが、無事合成を成功させることができて嬉しかった。また遷移金属とその電子の特徴を詳しく知ることができて、より深く理解することができて良かった。これからも遷移金属や錯体について勉強していきたい。
  • 今回、前半は授業で後半は実験でした。遷移金属錯体は3d電子軌道をもっており、配位子場による分裂によって色が見えているということをきいて驚きました。様々な波長のエネルギーを出すことで色が見えるということは知っていたのですが、エネルギーの差を生み出すことで色が見えるということは知りませんでした。実験では、ただ試料をはかりとって、混ぜるだけだったのですが、色の変化を楽しめました。
  • 今日は電子軌道に関わるhigh spin、low spin状態の話やそれら両方の状態をつくることができるスピンクロスオーバー錯体についてのプレゼンテーションを受け、実際にその錯体を作りました。電子軌道の話は学校で聞いたことがあったので理解することができましたが、錯体はどうして2つの状態を示すのか、ということはなかなか難しかったです。再来週に、今日作った錯体がどのような性質を示すのかを見て、さらに理解を深めたいなと思いました。今日はありがとうございました。
  • 無機物性化学という名称から、物理系の研究室なのかと思っていたので、体験させていただいて、いわゆる「化学」色が強かったのでおどろきました。電子軌道と、目に見える形での物質の変化の関係を知ることができることにわくわくしています。今まで軌道の話は、普段の生活とは程遠い量子の世界、データや理論でしかわからない想像の世界という印象だったので、電子のスピンの差による物性の違いを色や磁性で確認できるということに感動しました。また学校で使っている吸引ろ過は、水を流しっぱなしにしてそれにより真空に近い状態を作り出すものでしたが、今回は直接真空にひいていて、装置の形も異なったので、新鮮でおもしろかったです。

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