京都大学ELCAS(エルキャス)

平成27年度以前のレポート

化学

化学の2015年1月10日の内容はこちら

実習指導

矢持 秀起  (理学研究科 化学専攻 教授)

チューター

上中 敬太  (理学研究科 化学専攻 修士1年)
大江 佳毅  (同 修士1年)

ボランティア

なし

実施場所

吉田キャンパス本部構内総合研究5号館302,402室

実習内容

 原子が原子核と電子から構成される点から出発し、原子・分子の電子構造(分子軌道)の考え方と芳香族性について解説した。その後、通常は電気絶縁体である有機物でも、電荷移動錯体を形成させることによって導電性物質を構築できることを説明した。  テトラシアノキノジメタン(TCNQ)の昇華精製の演示実験を行い、その過程を見学させた後、受講生自身に、テトラチアフルバレン(TTF)とクロラニル、および、TTFとTCNQの電荷移動錯体を作製させた。後者を構成する成分分子それぞれの単体は導電性を示さないが、錯体[(TTF)(TCNQ)]が高い導電性を示すことを確認させた。また、前者[(TTF)(クロラニル)]は導電性を持たない電荷移動錯体があることも知ってもらうために作製させたが、この錯体は温度変化に伴って成分分子間の電荷移動度が変化し固体として色変化を起こすことで有名である。液体窒素を用いて受講生自身にこの色変化を観察させた。

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(TTF)(クロラニル)錯体 室温状態

フェルマー数を使った証明の 説明をしています
(TTF)(クロラニル)錯体 低温状態
(ガラス板に挟まれた試料)

ユークリッドによる証明の 説明をしています
昇華精製したTCNQ
(白いシートの上で赤く見える部分)

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秤量したTTFをフラスコに加えている場面

フェルマー数を使った証明の 説明をしています
TTFとTCNQの溶液の混合・錯体生成

ユークリッドによる証明の 説明をしています
濾取した(TTF)(FCNQ)
錯体の電気伝導度の測定


受講生の感想

  • 最後にこぼしてしまったけれど、混ぜると電気を流す物質になるということがきちんと実証されたので安心しました。 理論的なことはいまいちはっきり分かってはいないけれど、有機物の中にも電導性があるものが存在しているというとか学べました。
  • 最初、難しい話を聞くと聞いていたが、それなりには理解できた。化学の分野はやはり自分にとって一番好奇心がそそられる分野であるようで、とても楽しんで実験をすることができた。実験は疲れたが、高校で行っている課題研究で少しついた経験のおかげで、緊張することなくできたと思う。
  • 電気が流れるというもの(有機)は初めてみた。電気が流れるものがあったり、流れないものがあったり、非常に不思議に感じる。また、小数点を含む結合(1.5重結合とか)というのもまた不思議でした。  作った結晶がキレイでなんか実験したなと単純ながら感じたのもうれしい。実力テスト前だったが、有意義な一日を過ごしたなあと感じた。
  • 色んな学校では触れることがないような器具があってちょっと嬉しかったです。また、TCNQの結晶と不純物が層になっていたのが綺麗でした。 分子の話もとても詳しくして頂いてとてもためになりました。ありがとうございました。
  • 電気を流す有機物と聞いてあるのかと思いましたが、よく考えると、知っている有機化合物なんて知れてるのであるんだなと思いました。また、有機物でも電子が動くのは知っていたが金属のように導電性があって、超電導状態にまでなるとは思わなかった。擬似的にも金属なようなものがあって、超電導になるものがあれば金属よりも安くすむので見つかればと思いました。
  • 実験の原理はあまりよく理解できませんでしたが、実験をしてみて、少し形が変わっただけで結果が変わるという面白さはとても理解できました。次またする機会があれば、今度は原理までしっかりと理解したいです。

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