京都大学ELCAS(エルキャス)

平成27年度以前のレポート

天文

天文の2011年2月5日の内容はこちら

実習指導

余田 成男 (気象学研究室 助教)

チューター

竹下 愛実(修士課程1回生)
桜井 佳世(修士課程1回生)

ボランティア

なし

実施場所

理学部1号館462号室

実習内容

気象予報の仕組みとその問題点、また温暖化を含む気候予測の方法について学んだ。まず、簡単な運動方程式の話から出発して、観測とコンピュータ計算によって天気予報が行われる流れを概説した。また、必ず存在するカオスによって、将来を予測することの可能性の限界について説明した。カオス状態を実感するため、各自持参した電卓を使った繰り返し計算という簡易な方法で、実験を行った。それにより、計算の初期値がわずかに異なることによって、誤差が指数関数的に増大することを実感した。最後に、長期の気候予測に潜在する不確実性に触れ、温暖化予測の難しさを考えさせた。

 2人1組でチームを作り、電卓による実験を行った。 2人1組でチームを作り、電卓による実験を行った。

スライドを用いた講義であったが、難解な部分はホワイトボードも使用して高校生向けに説明した。スライドを用いた講義であったが、難解な部分はホワイトボードも使用して高校生向けに説明した。


全員で協力して行った実験を集計すると、高校生から納得の声が漏れた。
全員で協力して行った実験を集計すると、高校生から納得の声が漏れた。


受講生の感想

  • 今日はカオスとは何かについて学びました。電卓を用いた実験では、電卓の種類が異なるだけで、最初は誤差が少なかったのに、試行を繰り返すごとに誤差が大きくなっていきました。この実験から、カオスは思ってたよりも身近にある現象であることが実感できました。実際の天気予報では、計算もさらに多くなりますし、初期値のほんの小さな違いからも、結果が違うものになることがよくわかりました。また、地球温暖化についても同様のことが言えます。IPCCの予測などが発表されていますが、完全に正しいと言い切れるわけではないので、これからは、そのようなデータを見るときには、「不確実性のあるもの」であることを念頭に置きたいを思います。
  • 今日は、気象予測について学びました。方程式を立てて将来を予測する数値天気予報は初期値問題による障害があります。「カオス状態」においては、予測の限界があり、それをelcasメンバーのそれぞれの電卓で確かめました。その結果、計算が進んで30回あたりを超えると、電卓の種類によって符合などが逆転してきました。また、天体の軌道などをシミュレーションする時にも「カオス状態」は存在するようなので、そのことについてもまた調べてみたいと思いました。
  • 今日は気象学の最終回で、カオスについての話でした。カオスは日常用語としてなじみがあったのですが、科学的に考えたのは今日が初めてで、面白かったです。私たちは、電卓を使用してカオスを自分の目で見たのですが、初期値x(0)=1.33、パラメータ値c=2とおいてx(n+1)=x(n)^2-cをどんどん計算していったのですが、本当に値がどんどんずれていってびっくりしました。「コンピュータは正確」という概念が一気になくなりました。また、常にゆらいでいる気象予報において、初期値の設定がいかに大切かもわかりました。これから、天気予報をまた別の角度から見れると思います。(気象庁の、その日の予報の正確さが書かれているページの話が面白かったです。)今日まで全4回、とても勉強になりました。
  • 今日は時間が短かったので、あんまり実習ができなくて少し残念でした。電卓の種類によって計算結果が異なるなんて初めて知りました。とても不思議です。電卓で、「x=」を押すと2乗ができることも初めて知りました。感動しました。また、気象や大気も天文分野だということをelcasの体験学習コースを通して知ることができました。
  • 電卓のメーカーによって、計算結果が全然違うことにびっくりしました。その計算結果の差が指数関数的に大きくなっているのは、大変なことだと思いました。実際に計算して、初期値が少しでも違ったら、それもまた大きな誤差を生むのだと考えると、数値の正確さが重要なのだと改めて思いました。
  • 微分などが出てきた時はどうしようと思いましたが、実習自体は簡単で良かったです。しかも、結構理解できたのでよかったです。初期値がほんのわずか違うだけで、だいぶ先には大幅な差が出る…というのは本当にすごいことであり、危険なことであると思いました。最後に聞いた、「信頼性が疑われる」ということについて、確かにそうだと思いました。それが信頼できるようになるためにも、科学の進歩を妨げるようなことは少なくあってほしいです。

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