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平成27年度以前のレポート

微生物のバイオテクノロジー

微生物のバイオテクノロジーの2015年1月24日の内容はこちら

実習指導

小川 順(農学研究科 応用生命科学専攻 教授)

チューター

光川 侑輝  (農学研究科 応用生命科学専攻 博士1年)

福田 大  (同 修士2年)
森川 直樹  (同 修士1年)

ボランティア

なし

実施場所

吉田キャンパス北部構内農学部2号館第4セミナー室

実習内容

当日の実習は大きく2つの内容

(①有望微生物の選抜および再単離、②医薬品原料の微生物生産に関する講義)に沿って進行した。
実験の前に、小川順教授による前回の実習に関する感想文への応答とそれを踏まえた質疑応答のための時間が取られた。その後、前回の休止菌体反応およびパルプ培地への植菌経過の確認を行い、その結果を参考に有望な微生物菌株を選抜、選抜された単離株に対して純化検定と菌体量確保のための再単離作業と休止菌体反応の反復実験を行った(①)。また、単離菌株のうち、特に興味深いものについては顕微鏡観察を行い、各人に自ら観察のためのプレパラートを作成してもらった。実習の後半は、微生物生産されている医薬品原料について、実習で扱ってもらっている反応との関連も示しつつ、その実際的な利用、開発についての講義が小川順教授より行われた(②)。最後に実習内容の振り返りと質疑応答を行い、感想用紙を記入、提出してもらって当日の実習は終了した。

ホールピペットを用いた
サンプルの測り取り
医薬品原料の微生物生産や
酵素反応に関する講義(②)

ホールピペットを用いた
サンプルの測り取り
有望な微生物菌株の選抜および再単離
(上段:単離下火生物菌株の観察および再単離作業、
下段左:クリーンベンチを使った無菌的単離作業、
下段右:顕微鏡による単離菌株の観察、①)


受講生の感想

  • 今日の講義では始めに前回での質疑応答が行われた。ラッカーゼなどの酵素のはたらきを他の病気の予防に繋げるためには、ラッカーゼを特定の場所まで運び、かつ、ラッカーゼの分解反応で酸化剤のはたらきをする酸素の供給し、さらに免疫やアレルギーなどを引き起こさないように工夫する必要があるなど、課題がたくさんあった。 酵素の機能は便利だが、活用には様々な困難があり、実用化は非常に大変だと改めて分かった。
  • 今回は薬学分野での微生物のはたらきについての講義で、微生物がどのように薬学に関わってきたのかが分かった。驚いたのは核酸医薬の存在についてである。RNAという根本的な部分にまで働きかけるという、技術の高さに驚いた。ところでこの核酸医薬は人間の遺伝子の変異から起きる失陥をやわらげるのに有効なのでしょうか。(RNAの一部分にだけはたらきかけると聞いた気がするので…) 実験について、パルプには想像以上に微生物生えていて面白かった。また、無菌状態で作業するための装置を使わせていただき楽しかった。
  • 先週の休止菌体反応の結果を見て、あまり顕著な反応が見られなかったので少し残念だった。しかし、Nの培地に珍しいかもしれないピンク色の菌が生えていたことは嬉しかった。今回は反応が見られそうな菌を選んで単離したので、反応が出てほしいと思う。 また、今日の講義で、核酸医薬についてのものがあったが、RNA干渉等の他に例として出されていた核酸アプタマーやデコイ核酸、アンチセンス核酸はどのようなものであるのかに興味を持った。
  • 免疫の話を講義でしていただきましたが、私は薬学の方にも興味を持っているので大変興味深かったです。ペニシリウムの周辺には腸炎の菌が生えなかったのでそこからペニシリンを発見した、という話でしたが、ペニシリウムがどのようにして抗生物質を放出しているのかが気になりました。単離の作業では、気をつけてはいたのに少し寒天培地を引っかいてしまったことが反省点です。 休止菌体反応では私の場合、キノコ由来の菌が反応しました。どのキノコなのか、次回までに図鑑で調べておこうと思います。
  • 今回は私が将来学びたいと思っていた医薬品について学べたのでよかったです。身近な薬が微生物の力によってできていたことについて再度理解でき、また深く知ることができたと思います。抗ガン剤は点滴というイメージがあったのですが祖母のによると錠剤もあると聞きました。これら両方とも同じもので同じ微生物から作られているのかと疑問に思いました。またはじめのQ&Aで血液型のはなしがありましたが、世界ではO型が多いと聞きました。O型はだれにでも輸血することができますがもらうのはO型だけ…なぜ世界でみるとO型が多いのでしょうか?
  • 今回の講義は一番楽しみにしていた医薬、また病原菌のコントロールについてのものでした。周囲の菌に対しての防御として菌が使っている物質をヒトに当てはめて利用するという発想には驚かされました。また抗ガン剤としてアクチノマイシンがDNAの二重構造に結合し、複写や転写の酵素の働きを妨げるということでしたが、具体的にどのようにしてガン細胞をピンポイントで狙っているのかが疑問です。代謝が他の細胞より早いという点を利用しているのでしょうか。 思いの他、自分が採取してきたものの中に反応する菌があり、嬉しかったです。次回も楽しみです。 RNA干渉の重要なそのRNAはどのように見つけ、またどのように注入するのでしょうか?
  • 微生物の性質を医薬品に応用する際には、酵素が活性できる環境を作る必要性があったり、アレルギー反応が起こらないために糖でコーティングしたりする必要があるということがわかった。医薬品は目的の場所にはたらかせる工夫が必要であるし、目的とは違う害が生じる可能性があるという点で難しいことがわかった。PDA培地で培養していたときとパルプで培養した場合と色が異なっている菌があり、なぜこのようにパルプとPDA培地とで見た目の生え方が異なるのか疑問に思った。
  • 今回は前回パルプに植えた微生物が活動していることを確認できました。なかにはパルプをどろどろに溶かすほどの活発さでした。講義の中でペニシリンの話がありましたが、チュータの方の話でペニシリンが青カビの一種だと聞きました。食品の面や医療の面などで幅広く利用される青カビに大きな魅力を感じました。

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