京都大学ELCAS(エルキャス)

平成27年度以前のレポート

微生物のバイオテクノロジー

微生物のバイオテクノロジーの2015年1月10日の内容はこちら

実習指導

小川 順 (農学研究科 応用生命科学専攻 教授)

チューター

光川 侑輝 (農学研究科 応用生命科学専攻 博士1年)
森川 直樹 (同 修士1年)

ボランティア

なし

実施場所

吉田キャンパス北部構内農学部2号館第4セミナー室

実習内容

当日の実習は大きく3つの内容

(① 微生物酵素の利用に関する講義、② ペルオキシダーゼを用いたグルコース濃度の推定実験、③ 単離した微生物を用いた休止菌体反応)に沿って進行した。
まず、小川順教授から微生物酵素の開発および反応に関する講義と、前回提出された感想文を元に質疑応答が行われた(①)。

次にチューターが用意した様々な濃度のグルコース溶液について、人の味覚による官能試験と酵素反応による定量試験の結果および精度の比較を行ってもらった。これは最初に各溶液を実際に試飲してその濃淡を推定した後、各溶液をペルオキシダーゼ反応液に加え、その呈色反応を観察することで行った。(②)。

その後、前回の実習で単離した微生物の培養経過を肉眼および顕微鏡で観察し、十分な生育が確認された菌株について休止菌体反応に供試した(③)。

最後に実習内容の振り返りと質疑応答を行い、感想用紙を記入、提出してもらって当日の実習は終了した。

単離された菌株の観察
単離された菌株の観察
および休止菌体反応への供試作業
(右円内は培養で得られた酵母(上)
およびカビ(下)
の顕微鏡観察写真:③)

微生物酵素に関する講義
微生物酵素に関する講義
(右下円内はペルオキシダーゼによる呈色反応の結果、
最左端はグルコースを含まない蒸留水で
右に行くほどグルコース濃度が濃くなる:②)


受講生の感想

  • 講義の始めに、前回質問したことに対する答えについて、詳しく話していただけたのでよかった。ラッカーゼのほとんどは酸性で活性化し、一部の中性で活性化するラッカーゼが電池に活用されていることは分かったのだが、今日習った「ペルオキシダーゼ」にはpHによるはたらきの大きさに違いがあるのか疑問に思った(はたらきの違いが変化しないものはほとんどないと言っていたので多分あるのではないか)。ペルオキシダーゼの活性化と、洗剤に弱酸性のものが多いことに関係があるのかということも疑問になった。 今日の体験実験でグルコース入りの水を舌で見分けるという実験では、「水に本当にグルコースしか甘味成分が入っていないのか?」という疑問が持てず、結局入ってはいなかったけれど、そういうところにもっと疑いの心を持ち、もっと深く考えて取り組むべきだったと思った。
  • ラッカーゼの酵素活性の話を最初にしてくださったが、最適pHについては学校で習っていたものの何故そうなるのかは知らず、pHにより電価が変わるからだということを知れて良かった。また、バイオ電池の話について、最終的に血にはたらく中性のラッカーゼを見つけたということだったが、それは自然の中で見つけたものなのでしょうか。生体内の酵素は中性が多いとの話でしたから生物の体内で見つけたのでしょうか。 ベロセンサーとペルオキシターゼの比較について、舌の感度の悪さに驚いた。また、試液でなく酵素でここまで正確に判別ができるということに驚いた。酵素の力…おそるべし…。最後に生えた微生物をパルプに移したので、次回どうなっているのか楽しみである。
  • 今日は体験実験が面白かった。私はAとDの2つだけ当てることができたが、純水と濃度が極めて低い砂糖水の区別は全くつかなかった。しかし、酵素の反応は目で見えるほど明らかに色が違ったので、人間の舌の鈍さと同時に酵素がいかに正確であるかを改めて感じた。 今日は菌を培養するのではなく、菌の持つ酵素のはたらきをみる行程へと入ったので、次回来たとき、反応が進んでいるかが楽しみだ。ELCASも早くも残りあと3回、少しでも多くのことを体験し、学んでいきたいと思う。
  • 今日は座学が多くたくさんのことが学べてよかったです。 特に化学結合の話や、ヨコ文字の物質名(あまりなじみのないもの)が多くてむずかしかったですが今現在の生活や、病気の人々にすごい役立っている大切なものなんだなっと思いました。私がELCASに入りたかった理由の1つに最先端のことを学ぶことにより少しでも人々を助けたいという思いがありました。その1つが少しかなえられたかなと思いました。現実なものにするためにはサイエンスというものを幅広く学び利用できるようにならないといけないなと思ったので、授業やELCASの1つ1つを今まで以上に大切にしようと思いました。
  • 前回にひき続き、質問から始まり”微生物予報”という点にすごく興味をもちました。個人的に更に調べたいと思います。ラッカーゼについて前回より詳しく、(農薬として殺菌作用、微生物由来のラッカーゼをつくるなど)より理解を深められました。関連してペルオキシダーゼ、ついてですが、前回の時から”洗たく”に関してラッカーゼが大丈夫なのか、とか利用できないか、など考えていたので、色移り防止のメカニズム、(H2O2の量による)のところにとてもわくわくしました。パンテーンや血清の各種成分測定など身近なものにすごくつながっていることにも驚き、微生物のすごさを改めて感じました。次回も楽しみです。(また、自分の採集した菌が無事に増殖していてよかったです。寒天培地を少し掘り気味になっていたので。) ファージの画像、解説ありがとうございました。若干範囲がちがうかもしれないのに…。 ※アメリカではファージを食中毒予防に用いてもOKらしいのですが、バクテリオファージを食べて、人間の腸内環境(腸内の微生物)に影響はないのでしょうか?
  • 酵素によってよくはたらくpHが異なることは知っていたがラッカーゼのように酸性化でよくはたらくもののほかに中性化でよくはたらくものもあるという酵素もあるということを初めて知った。ラッカーゼは他の微生物を攻撃する作用も持っているということも初めて知った。そのことを応用して私たちに悪影響を及ぼすものをラッカーゼに攻撃させるという試みをしているということをきいて改めて微生物には活用できる性質がたくさなるんだと実感した。ラッカーゼを配合したガムで虫歯を予防できるのなら、他の病気を予防することに応用することはできないのでしょうか。
  • 今回の授業ではラッカーゼについて学びました。私はまだ高校で化学を学習していないためわかりにくい部分が少しあり、難しかったです。しかしラッカーゼがどのように使われているかなど詳しく知ることができ、とても勉強になりました。特に、グルコースを見分ける体験実習は印象に残りました。自分ではわからなかったグルコースをすぐにわかってしまう、糖尿病の方に役立っているのを聞きすごく驚きました。
  • 講義では化学プロセスの過程が微生物酵素を用いたプロセスに変わっていき、環境への負荷が小さくなっていくことを知り、微生物が社会で用いられ、地球の環境状態をよりよくしていることを身近に感じました。また実験では、今まで多くの種類の微生物を観察していましたが、パルプに植えたことで、次回からは、自分たちの目的に合った微生物だけを観察するようになります。パルプで育つ微生物は、発見するのが難しいそうなので、次回、微生物の存在が観察できることを期待したいです。

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