京都大学ELCAS(エルキャス)

平成27年度以前のレポート

昆虫の生態と化学

昆虫の生態と化学の2016年1月9日の内容はこちら



実習指導

松浦 健二(昆虫生態学 教授)
土畑 重人(昆虫生態学 助教)

チューター

三高 雄希(昆虫生態学)
藤田 忠英(昆虫生態学)

ボランティア

なし

実施場所

吉田キャンパス 農学部総合館N-143資源生物科学科(応用生物科学専攻)第一学生実習室

実習内容

今回の実習では、シロアリは触角で集合フェロモンを知覚しているかどうかを調べるため、触角を切除したワーカーを用いてバイオアッセイを行なった。まず、昆虫は触角上に多数存在する化学感覚子で化学物質を受容していることを理解するため、走査型電子顕微鏡でシロアリのワーカーの触角表面の微細構造を観察した。その後、集合フェロモンを触角で検知しているか否かを調べるため、「両触角を根元から切除した場合」と「両触角を半分だけ切除した場合」、そしてコントロールとして「何も処理しない場合」の3つの処理区を用意し、各処理区のワーカーが集合フェロモンの匂いがついている濾紙に集まるかどうかを実験した。そしてその結果を踏まえて、シロアリにおける触角の重要性について考察した。

シロアリの触角を切除する
SEMでシロアリの触角を観察する様子

SEMでシロアリの触角を観察する
シロアリの触角を切除する様子


受講生の感想

  •  シロアリの触角を切るのは非常に難しかった。氷冷しすぎたのかピンセットで長く強く持ちすぎたのか、20匹の個体をほとんど死なせてしまった。もっと練習を積んでいつかもう一度挑戦したい。両方の触角を切った個体の動きが全くなかったのはカイコと同じで、改めて感動した。
  •  触角切除実験の条件を決めるまでは容易でしたが、するにあたっての労力がとてつもないことをやってみて分かりました。ただ決めてするだけでなく、私は人間であり限界があることを考慮していかなければならないということを今日は特に学んだと感じたところでした。今まで高校、中学といろいろな実験をしてきましたが、いつもテーマやその量を決めるのは先生で、自分は言われたことをやってきただけだったので、設定するのは難しいと感じました。サイエンス部に入っているのですがあまり行けてないので、課題設定能力を上げるためにも行こうかなと思いました。
  •  シロアリの触角を完全に切り取るという大変細かな作業は、自分にはとても向いているものだとは感じられませんでした。切り取ろうとした時に、シロアリが抵抗して大アゴではさみにかみついてきたときはシロアリが可愛らしく思えました。頭の中でわかっていても今回のような作業ができる技術もないと、実験すら始まらないので。
  •  今回は、一番はじめに走査電子顕微鏡で触角と頭を見ることができた。自分はこれを初めて生で見たので、その仕組みなどを知れた。また、実際に使っているところが見れて嬉しかった。とても細かいところまで見れて、シロアリの触覚と頭にはえている毛の違いや、その役割などを学べた。そして、自分たちで、集合フェロモンの感覚受容体は触覚であることを証明する実験を考えてそれを行った。実験を考えることはそう難しくなくても、準備がとても大変だということがわかった。顕微鏡の使い方がよくわからなくて苦戦したり、動くシロアリをふるえる手でとらえるのさえ難しかった。やっと触角をきれるようになっても、なれるまでに時間がかかってしまった。目標の数はできなかったけれど、楽しかった。
  •  シロアリをSEMで見たとき、じゅずのようにつながっているのを初めて見て感動したのと、根元の触角は全然毛のようなものがついていないことは疑問に感じました。先端の方はいっぱい毛がついているのに根元はつかないということは、根元はあまり使わないからだと考えました。触覚を切る作業はひどく難しく死なせてしまったことを悲しく思いました。次にまたする機会があれば、死なせずに早く切除していきたいです。触角を切る場所によってシロアリはどう変化するのか、触覚を全切り、右だけ、左だけ、残したままの比較もしたいです。
  •  シロアリの触角を切るのが難しかった。今まで生きてきた中でトップクラスに細かい作業だった。安定して処理することができるようになったりと、目に見えて上達してはいたので、楽しく作業を続けることができた。
  •  中学校や高校の実験では、実験するものを用意されている状態で自分は実験するだけでした。でも大学では自分が実験するものを自分で作らなければいけなくて、これが答えのあるものを調べるとまだ答えのないものを調べることなのだと思いました。実験するのは楽しいですが、このような作業もとても大切だと思いました。なぜなら実験物がなかったらそもそも楽しい実験ができないからです。

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