京都大学ELCAS(エルキャス)

平成27年度以前のレポート

昆虫の生態と化学

昆虫の生態と化学の2016年2月6日の内容はこちら



実習指導

森直樹 (化学生態学研究室 准教授)
松浦健二 (昆虫生態学研究室 准教授)
土畑重人 (昆虫生態学研究室 助教授)

チューター

中田隆 (化学生態学研究室 専攻)
吉田達哉 (化学生態学研究室 専攻)
木村有希 (化学生態学研究室 専攻)
三高雄希 (昆虫生態学研究室 専攻)
藤田忠英  (昆虫生態学研究室 専攻)

ボランティア

なし

実施場所

吉田キャンパス  農学部総合館N-143資源生物科学科(応用生物科学専攻)第一学生実習室 

実習内容

第5回実習では、シロアリの集合フェロモンが体のどの部位で生産されているのかを特定するため、ヤマトシロアリのワーカー100頭を頭部・消化管・胸腹部に分解し、各部位ごとに分けて有機溶媒で抽出した。次に、胸腹部抽出液をGC-MSにかけて化学分析を行い、抽出液に何種類の化合物が含まれているのかを確認した。GC-MSの結果を待つ間、GC-MSの原理についての説明や、ダニが合成している化学物質をGC-MSを用いて特定した研究を紹介した。その後、各抽出液についてバイオアッセイを行い、どの部位の抽出液にシロアリのワーカーが集まるかを試験した。そして最後に、バイオアッセイの結果をグラフにして統計をかけた。統計にかける際、統計をやる意義とその考え方についても学んだ。

ガスクロマトグラフ質量分析計による分析
ガスクロマトグラフ質量分析計による分析

バイオアッセイ
バイオアッセイ


受講生の感想

  • シロアリの消化管を引き抜く際、数匹潰してしまったものの以前の触角を切り取る作業よりは易しく感じた。胸腹部の抽出液の分析結果が事前のものと全く異なっていたことが非常に興味深かった。前回は、化学分析の手法の1つとしてTLCを用いた単離・精製を行ったが、今回用いたGCの仕組みはTLCに比べ複雑で、より新鮮に感じた。電子を衝突させるという原子物理学的な手法が活かされているところに感動した。今回のバイオアッセイでシロアリの消化管に腹部の一部が混ざってしまったことが考えられるため、真に精密にできなかったことが心残り。統計については、円を用いた説明が最もわかりやすかった。
  • 今回はいよいよタイトルの通りの内容になったと感じました。シロアリのフェロモンがどこから出ているか化学分析で調べるという内容でした。シロアリの解剖を初めてしたのですが、千切っても神経がいろいろな場所にあるから動けるということに驚きました。千切っても他の昆虫と比べても活発な気がしました。物質の分析に使う機械が物理学の知識でできていることも興味深いことでした。結果をまとめるのには数学を使ったりするので、どの分野にも必要不可欠だなと改めて感じました。実験では消化管と胸腹部が優勢だったので、このあたりで作られている可能性が高いのかと感じました。
  • 前回休んだせいもあるのか、前回学んだ知識を使うところが全然理解できなくて難しかった。
    今回でシロアリの集合フェロモンの出所が消化管と胸腹部のどちらかだと分かったが、消化管にも胸腹部の一部が含まれていたので、胸腹部である可能性が高い。
  • 今回は今までとは違いシロアリを解剖してガスクロマトグラフィーを用いたりバイオアッセイを行ってフェロモンを調べたので面白かった。特に、成分の解析に使うガスクロマトグラフィーの構造と機能のレベルの高さに驚いた。自然界の物質の分析について以前から興味があったのでその仕組みを学ぶことができ良かった。分析結果は最終的に誤差が大きくなってしまったと思うがその原因は根本的な部分、つまり最初に行った解剖の出来によると思った。自分自身、昆虫という小さな生物を解剖するのは初めてだったので酷い有様だった。次の機会があれば、もっと慎重に行いたい。また、タカサゴシロアリの採集の様子や切り取った巣を見せてもらい、とても面白かった。あのような凄い採集をいつか自分もしてみたい。同様にダニのアルカロイドの話も興味深かった。成分の分析によって画期的な事実が分かることに感動した。現実的には難しいだろうが、そんな風にシロアリのフェロモンがどこから作られるかなどが分かることができればいいと思う。
  • 今回は、シロアリの集合フェロモンの抽出と分析を行った。抽出のための解剖は、前回に引き続き、一度慣れると簡単だった。最初は個体数を数えるだけでも大変だったので、少し成長できたと思う。次に、質量分析計の仕組を学んだが、内容が難しくて私はよく理解することはできなかった。しかし、実際に機械を使っているとことを見れてよかった。また、ヤドクガエルとダニの関係についても学んだ。実験結果から色々考えるのは難しかった。質量分析計で分析したデータが、元のデータと異なるのは何故なのかが気になる。そして、シロアリの頭・胴体・腸の抽出液でバイオアッセイを行った。すぐに、胴体と腸のサンプルに結果が現れたのは興味深かった。その結果を数値化して、グラフにすることで、胴体と腸に集合フェロモンがある、ということがよりわかりやすくなったと思う。
  • シロアリの頭部、胸部、消化管にわけて採取する方法を教えてもらいました。自分はピンセットを上手く持つことができないために、分けるのが難しかったです。カエルはダニを多く食べることで毒を蓄積し、毒ガエルと言うのならば、カエルがダニを食べない=毒ガエルにならない、ということを教えてもらい、サソリと少し似ている気がしました。シロアリの巣は土の中にあると思っていましたが、木に実っていて、蜂の巣と少し似ていました。切る映像を見せてもらい、巣がなくなったシロアリたちの逃避がすごく気持ち悪いですけど、あんな大きな巣が何ででき、完成するのにどれくらいかかるのかが気になりました。シロアリの胸腹部にワーカーが+の方向に行っていたので、胸腹部が集合フェロモンと言える可能性はあるが、それは断定できないと思います。なぜなら、胸腹部をひっぱってでる消化管が全部でると思えないからである。初めてしたことを1回だけで確証することは不可能であるため、自分は、胸腹部だけだと不安定だと思います。
  • ガスクロマトグラフィは存在自体今回初めて知ったのだが、その精密な構造と、そこから得られるデータがもたらす価値の大きさに驚いた。化学物質を単離するためにはこの技術は欠かせないらしく、化学分野の研究においていかに重要な技術であるかを知った。また、予め取っておいたデータと今取ったデータがかみ合わないところもあり、どうしてそうなってしまったのかをもう少し深く考えてみたいと思っている。今日の実験ではまだ消化管と胸・腹部におけるフェロモンの分泌に差は見られないような結果になってしまっているため、その2つで差が分かれるような新たな実験を加え、分泌腺の位置も断定してみたい。
  • フェロモンがどこからでているのか実験しました。今まで、集合フェロモンなどのことを調べていたけど、そのフェロモンがどこにあるのかわかりませんでした。なので、まず、シロアリを頭、腹、消化管の3つに分解して、それぞれをヘキサンに漬けて、そのヘキサンをろ紙にぬると、腹と消化管を漬けたヘキサンにはシロアリは反応してぬった方のろ紙にいったけど、頭を漬けたろヘキサンには何の反応もみせず、結果にバラつきがありました。だから僕たちはフェロモンはお腹の中か消化管にあると判断できました。

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