京都大学ELCAS(エルキャス)

平成27年度以前のレポート

生物学

生物学の2016年1月23日の内容はこちら



実習指導

宇高 寛子 (環境応答遺伝子科学研究室 助教)
沼田 英治 (動物行動学研究室/環境応答遺伝子科学研究室 教授)

チューター

中山 貴之 (環境応答遺伝子科学研究室)
船越 昌史 (環境応答遺伝子科学研究室)
松田 直樹 (動物行動学研究室)

ボランティア

なし

実施場所

吉田キャンパス 北部構内 理学研究科2号館417号室

実習内容

昆虫などの無脊椎動物の低温耐性に関する2つの実験を行った。1つ目はホソヘリカメムシとナメクジが低温によって凍結するときの体温(過冷却点)を測定する実験で、種によって過冷却点が異なっていた理由を考察した。2つ目はキイロショウジョウバエが低温による麻痺から回復するまでの時間を測定する実験で、低温に晒した時間と回復するまでの時間との間に相関があることが結果から示された。また、メスのほうがオスより回復が早かった理由を様々な視点から考察した。

チューブに入れた動物の体温を測定する熱電対をつける。
チューブに入れた動物の体温を測定する熱電対をつける。

 キイロショウジョウバエが起き上がるまでの時間を測定する。
キイロショウジョウバエが起き上がるまでの時間を測定する。

 体温測定結果のグラフから過冷却点を見出す。
体温測定結果のグラフから過冷却点を見出す。


受講生の感想

  •  昆虫の中でも今回はホソヘリカメムシ、チャコウラナメクジ、マダラコウラナメクジ、キイロショウジョウバエを用い低温麻痺から回復した個体の総数や過冷却点を調べたりする実験を行った。0℃環境下においた時間と回復時間には相関関係があったことには感動した。雌と雄ではデータの結果に差がみられることが興味深かった。他の昆虫個体でも実験してみたい。
  •  今日、初めて動物は低温において3種類に分類されるということを知りました。また、体温と環境の温度を変化させたときに生じる「過冷却点」を超えた後のグラフが急に上昇しているところの原因が水→氷になるためであるというところに生物学と化学のつながりを感じました。今日ほどハエと向き合った日はこれまでなかったので、今日は良い経験を出来ました。ありがとうございました。
  •  ホソヘリカメムシとナメクジの冷却実験は、オスとメスではあまり違いがありませんでしたが、カメムシとナメクジで凍結する速度や温度が異なり、その理由を考えるのが楽しかったです。水分が多いからという理由だけでなくて、体の中身が複雑だから、など色々考えられて感心しました。自分でも最初にしっかりと仮説を立てておけば良かったなと思いました。キイロショウジョウバエの方は、回復するときの様子がとても面白かったです。初めてハエがかわいいなと感じました。メスの方が早く回復したのはメスの方が生き残る価値があるからだと思いました。人間も、女性の方が長生きするし、強い気がするからです。貴重な経験をさせていただきありがとうございました。
  •  昆虫が冬の寒さをどうやってしのいでいるのかについて色々教えてもらった。寒くなってくると体内の水分が凍ってしまうので、凍っても生き延びることができる低温感受性と凍ったら死んでしまう低温回避型の二つに大きく分けられる。昆虫の種類による違いや、個体差、雌雄の違いなどもあるが、実際に実験をして、その違いについて意見交換した。また、キイロショウジョウバエを冷やして麻痺から回復するスピードを調べ、オスよりメスのほうが回復が早いことや、スピードは冷やした時間に比例するというおもしろいことがわかった。講師である沼田さんがするどい観察眼をもっていらっしゃったので、私もいろいろ気づけるように広い視野と好奇心をもとうと思った。
  •  とても楽しい実習でした。やっぱり生物系の実験をする為に少し虫に慣れておく必要があるのかなと感じました。ハエの麻痺からの回復時間を測定する実験ではとても集中して観察することができました。裏がえっている状態で麻痺が回復してからしばらくは足、翅を動かして体が動くか確認しているようにも見えました。足が全て動かない状態では動いていた足もとまり、動くようになってから全ての足、翅を動かして表を向いているように見えました。ホソヘリカメムシとナメクジの過冷却点の測定計画がうまくいってよかったです。水分含有量が多いナメクジの方が過冷却点から上昇している時間が長いという理論はとても納得ができました。低温感受性、凍結回避型、凍結耐性型についてもっとたくさん知りたいなと思いました。1つ目の実験での♂と♀での麻痺回復時間が♀の方が早いのが、メスだからなのか大きさが大きいからなのかはとても気になったので機会があればぜひ研究してみたいなと思いました。楽しい実験をありがとうございました。
  •  今回は、マダラコウラナメクジとチャコウラナメクジ、ホソヘリカメムシ、キイロショウジョウバエに会うことができ、とてもよかった。特に、マダラコウラナメクジとホソヘリカメムシはこれまでに見たことがない種だったので、見とれてしまった。ホソヘリカメムシのにおい分泌腺の開口部や、ずっと気になっていたキマダラカメムシのことを知ることができてうれしかった。キイロショウジョウバエの餌培地のにおいが印象的だった。ナメクジ2種とホソヘリカメムシの過冷却点を調べる実験では、ナメクジとホソヘリカメムシに、大きな差が見られた。低温からのキイロショウジョウバエの回復時間を調べる実験では、オス、メスに明確な差があらわれた。メスの方が回復時間が短かったのは、脂質は関係ないとおっしゃっていたが、卵を持っていることで、何か影響があるのではないかと思った。例えば、卵があたたまりやすい成分でできているとかだ。また、低温にする時間が3倍になると、回復にかかる時間も3倍になっていたが、回復させるときの温度に関係ないのだろうか。さらに長く低温の中にいれば、長い時間回復にかかるのであれば、自然界の温度変化にあわせることができ、同じ時期に同種の個体が回復するのに役立つのだと思った。
  •  キイロショウジョウバエを初めて生で見ました。低温麻痺から回復するようすを観察していると足がけいれんしているような動きをし、その後大きく足と体を動かして正常位にもどっていました。見ていてとてもおもしろく、貴重な体験をさせていただいたなと思いました。なめくじとカメムシの過冷却点の違いについて、なぜそうなるのかのディスカッションをしましたが、このように実験後になぜそうなるのかをいろんな視点から考察することは大切で、きいていて楽しかったです。自分も参加し、発言できるようになりたいと思いました。
  •  普段身近にいるキイロショウジョウバエを凍らせて低温まひの状態にしてその回復時間を見る実験はキイロショウジョウバエを普段とは違った見方で見たのでよく見ているもののはずなのに新鮮な感じがしました。ホソヘリカメムシやナメクジを冷凍する実験では、化学の内容とリンクしていたところもありとても興味が湧きました。キイロショウジョウバエのようによく知られている動物でもわからないことがあるというところに驚きました。
  •  虫は苦手ですが、実験はとても興味深かったです。ナメクジとカメムシでは、過冷却点が大きく違っていることや、凍るときと溶けるときに大きく違っていることがよくわかりました。ナメクジの方が含水量が多いことが大きな理由であることも知りました。その水分にどんなものが含まれていて、どう関係しているのかをもっと知りたいです。キイロショウジョウバエの実験では、冷凍時間が長くなるほど、回復時間も長くなっていることを自分で仮説を立てて、確証できたので、とても良い経験になりました。

平成27年度以前の
実施レポート

年度別の実施レポート