京都大学ELCAS(エルキャス)

平成27年度以前のレポート

生物学

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実習指導

東 浩司  (植物系統分類学研究室 助教)

チューター

野田 博士  (植物系統分類学研究室)
江口 悟史  (植物系統分類学研究室)
李 忠建  (植物系統分類学研究室)

ボランティア

山本 武能 (植物系統分類学研究室 教務補佐員)

実施場所

吉田キャンパス 北部構内 理学研究科2号館114号室

実習内容

 カタバミとイモカタバミを材料に、実体顕微鏡を用いて花を解剖し各部位の説明と、花粉稔性と花粉の大きさの比較を行った。また、花粉のついた雌蕊を取り出し固定・染色して、蛍光顕微鏡で花粉管を観察した。
 実験の待ち時間を利用して、京都大学総合博物館地下の植物標本庫を見学し、さく葉標本の学術的価値や植物分類学の歴史について学んだ。

イモカタバミのガク片と花弁を除去し、スケッチする。
イモカタバミのガク片と花弁を除去し、スケッチする。

受粉したカタバミの雌しべをFAAや水酸化ナトリウムで処理する。
受粉したカタバミの雌しべをFAAや水酸化ナトリウムで処理する。

処理したカタバミを蛍光顕微鏡で観察し、花粉管が発芽している様子を撮影する。
処理したカタバミを蛍光顕微鏡で観察し、花粉管が発芽している様子を撮影する。


受講生の感想

  •  初めて花粉管を見ました。花粉が発現している様子を見ることができ、よかったです。カタバミとイモカタバミは見た目は似ていても、花粉の構造などはかなり違っているようで、不思議だなと感じました。自分の取ったものは、あまりきれいに見れませんでしたが、きれいに花粉管が伸長し胚珠に侵入している写真を見せていただき、とても感動しました。また、花粉を染色し観察したのも初めてのことで、一種の花粉でも染まるものと染まらないものがあることに驚きました。
  •  カタバミとイモカタバミの違いについて学んだ。見た目は同じようでも花弁とがくをはずすと、めしべやおしべの基本構造が全然違い、またイモカタバミでは花粉が機能を失っており、受粉をしても花粉管がのびていないことが顕微鏡で見るとよく分かった。顕微鏡を通して見ながら、花を解体するのが難しかったが、とても楽しかった。よい経験となった。
  •  今まで、雄しべ、雌しべを観察するのに、ルーペしか使ったことがなく、おおまかな外観しか理解できていなかったので、今回の実験でより細部まで観察することができて良かったです。「コットンブルー」という染色液は初めて知ったので、新たな知識が増えて嬉しいです。カタバミ、イモカタバミは文字上では2文字しか違わないけど、花粉や花の構造は異なっていて、案外「同じもの」ではないのだと分かりました。
  •  イモカタバミのように受粉しても花粉管が伸びずにイモで増殖していく植物があることを初めて知りました。また、花粉管を紫外線で光らせて観察することで、イモカタバミとカタバミの違いがよくわかりました。植物標本の保管室に行ったとき、100年以上も前の植物が多く貯蔵されていることにとても驚きました。この研究室では、シークエンサーを使ってDNAの解析を行っていると聞いたので、もっと詳しく知りたいと思いました。
  •  学校では柱頭に花粉をつけると花粉管が伸びて受粉するという事実を軽く学んだだけだったので今回の実験はとても興味深かったです。カタバミはよく道で見る雑草ですが、種が少し違うというだけでおしべ、めしべの位置が違っていたり、花粉の中身がつまっていなかったり、花粉管がのびていたりと多くの違いがありました。確かに、全てのカタバミが同じように受粉してしまうと環境が変化した時など全滅してしまうかもしれないので、多様性というのは必要だと改めて感じました。イモカタバミの方はイモで増えるので花粉の中身がつまっている必要があまりないと分かりました。今日は花粉管が伸びている様子が見えにくかったのでまたいつかもう一度実験してみたいです。
  •  顕微鏡を使ってがくや雄しべを丁寧にはずす作業は難しかったが植物の細部までの様子をしっかりと観察することができて、とても楽しかった。また、紫外線を用いた装置で撮影した写真は非常に神秘的で花粉感の伸びが分かり嬉しかった。しかし今回はめしべをほぐさずに写真を撮ったので花粉管が胚珠に入っているという様子は観察できなかった。もし、また機会があれば今度はめしべをほぐしてやってみたい。今日のELCASでは博物館に行ったことなども通して植物における多様性を知ることができた。植物に関する関心がますます高まったと思う。
  •  知識としてしか知らなかったのものを実際に観察することはとても大切なことなんだなと実感しました。カタバミとイモカタバミの双方の違いは雄蕊の場所だとは知りませんでした。花粉の稔性を見る実験ではあきらかな違いがみられてよかったです。カタバミはほとんどの大きさがそろっている上に全てのものが稔性をもっていました。逆にイモカタバミは稔性を持たないものも多く、サイズもバラバラだったのでイモカタバミはカタバミより繁殖力は低いんだろうなと思いました。でもイモカタバミは花粉がこのように受粉に向かない分、地下茎で増えることを知ったときはどの植物もそれぞれに適した方法で繁殖しているんだなと思いました。イモカタバミの花粉の大きさや稔性のものの割合が少ないのはそもそもイモカタバミは花粉があまり必要ないため、花粉を造るはたらきが退化したんではないかなと考えました。
  •  カタバミのなかまには、以前から興味があったので、とても良い体験となった。少し前に出町柳から京大理学部までの道で、ムラサキカタバミを発見したと思っていたが、学生スタッフさんとのお話の中で、イモカタバミであるとわかってよかった。実体顕でのぞきながらがくや花弁をとりのぞくのが楽しかった。イモカタバミとカタバミの計算結果があってよかった。同じような形に見えても、ここまで生殖形態にちがいがあることにおどろいた。イモカタバミは、花粉が退化していったように感じた。

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