社会・環境の科学の2016年1月9日の内容はこちら
実習指導
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越後 信哉(都市衛生工学研究室 准教授)
浅田 安廣(都市衛生工学研究室 助教)
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チューター
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賀 凱 (都市衛生工学研究室)
中西 智宏(都市衛生工学研究室)
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ボランティア
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なし |
実施場所
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桂キャンパス CクラスターC1-2棟 |
実習内容
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本実習では、下水二次処理水、下水処理放流水、河川水、各浄水処理過程の処理水(凝集沈殿、急速砂ろ過、オゾン、粒状活性炭、塩素処理)を対象サンプルとして、化学分析と微生物の分析を行った。
化学分析では、カフェインの濃度を測定した。前処理として固相抽出による濃縮を行った後、高速液体クロマトグラフィー-タンデム質量分析計(LC-MS/MS)を用いてカフェイン濃度を定量した。
微生物の分析では、水質基準や水質管理目標設定項目としてあげられている大腸菌および大腸菌群と、従属栄養細菌の濃度を測定した。測定はXM-G、R2A寒天培地を用いた平板培養法によった。
以上の分析によって各試料中の対象物質の濃度を測定することで、下水処理や浄水処理を経て水道水に至る過程での人為由来の化学物質や微生物の挙動を理解することができた。
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高速液体クロマトグラフィー-タンデム質量分析計(LC-MS/MS)についての説明を聞いている様子

寒天培地上に形成した微生物のコロニーを観察している様子

吸引ろ過によって水中の微生物をフィルター上に濃縮している様子
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受講生の感想
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液体中に含まれるカフェインの量を調べる方法は分溜をしたことがありますが、それよりも大変で時間がかかる調査だと思いました。菌を培養させるのは初めてのことでしたが、楽しかったです。また、使用した器具が僕の学校にあるものだったので、学校でもできればやってみたいです。
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授業で今回行った事をとりあつかったことがあったのですが、その時はほとんど先生が行っていたので今回実際に自分で行えるところがありとても興味深いものでした。また次回の結果がとても楽しみです。日常生活で当たり前のように使っている水道水がこんなにも多くの浄水作業をしているとはじめて知り、もし、その作業ができなくなればどのようになってしまうのか考えていくべきだとも感じました。
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生物、化学の2分野にわたる内容で、とても面白かった。実験を自分たちの手でたくさんさせてもらって、理解も深まったし本当に楽しめた。身近な下水について考え直そうと思った。
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下水処理の過程で少しずつ水がきれいになっていくのが目で見て分かった。やっぱり下水処理前はだいぶ汚いのが濃い濃度で見ることではっきりとわかった。今までの中で一番色々実験することができて楽しかった。寒天培地も初めて自分で作って、コロニーも確認できてよかった。
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実験が主の回で化学実験と生物実験を行ったりきたりとせわしなかったが、日頃絶対に目にしない実験室の様子や実験などを見学・体験し、また他に実験をされている学生さん方を見て高校とは異なる大学の実験の雰囲気が感じられた。先生の立てた方針通りではなく、自分で考えて実験をしていることがスケジュール表から伝わってきて大学は「自分で考えて学問を進める場所」であることを改めて強く意識した。クロマトグラフィーを操作するためのソフトの、入力する情報の細かさに驚いた。先生の「高校時代に習った学問が実験の場で思いかえされた」という話が印象的だった。
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