京都大学ELCAS(エルキャス)

平成27年度以前のレポート

社会・環境の科学

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実習指導

勝見 武  (地球環境学堂 社会基盤親和技術論分野 教授)
乾 徹  (同 准教授)

チューター

武本 怜真  (地球環境学堂 修士1年)
中澤 祐樹  (同 修士1年)
義経 浩平 (工学研究科 修士1年)

ボランティア

なし

実施場所

吉田キャンパス総合研究3号館地下会議室・実験室

実習内容

土や地盤を取り巻く環境問題(廃棄物埋立処分,大規模工事に伴う大量の土砂の発生,放射性物質による汚染等),粘土と水の界面作用のメカニズムを解説した上で,その作用を利用した環境問題の解決手法を紹介した。続いて,比表面積,粘土鉱物の種類が異なる3種類の土材料を対象に,電子顕微鏡による微視的構造の観察,水の塩類濃度が膨潤性能,遮水性に及ぼす影響について実験を行った。

説明に使った板書の一部
勝見教授による講義の様子

フェルマー数を使った証明の 説明をしています
土と水の界面作用に関する実験の様子1

ユークリッドによる証明の 説明をしています
土と水の界面作用に関する実験の様子2


受講生の感想

  • 汚染を遮断する土についての実験や電子顕微鏡を使ったりした。ベントナイトに釘を刺す実験では,ベントナイトの粒子が非常に細かく透水係数がとても低いので水が漏れないとわかった。勝見教授が言っていたようにひっくり返したとき上部の空気の逃げ道がある場合にどうなるかというのが気になるところです。また,最後に行ったベントナイトに水 or CaCl2水溶液を入れるという実験では,ベントナイト粒子の表面が-を帯びているということで,2価のCa2+が加わるとどのような理由で吸水量が少なくなるかを考えた。
  • 土というものはいつも身近にあってよく知っているものだと思っていたけど,粒の大きさや透水性などによってそれぞれの性質が異なることがわかった。地面の中でふくらむことができない場合は隙間に水を含み構造がさらに緻密になるので遮水性が高くなると思う。また,CaCl2の水溶液をベントナイトに入れたときベントナイトの負の電荷の表面にCa2+がH2Oよりも優先的にひっつこうとするために吸水性が低かったのではないかと思います。海水の場合も吸水しにくくなると思う。陽イオンの価数の違いによっての変化も考えてみたい。
  • 建設に伴って大量の建設発生土が発生するので,それを以下にして処理するかが重要な課題になっているということがよく分かった。ベントナイトの吸水性を測る実験では,イオン水から水を吸水させるのでは吸水性が大きく違い,イオン水はあまり吸水しなかった。これは通常の水では界面反応によって極性分子である水分子が引きつけられていたが,イオン水では水分子よりも優先的に陽イオンが取り込まれてしまうため,吸水性が落ちてしまうのだと考察できる。
  • 土の移動について学ぶことができたので良かったと思います。トンネル開発や震災の土砂などリアルタイムの事象についても知ることができたのはとても面白かったです。また,開発地から埋立地への土の運搬にETCのシステムが使われているなど,普段気にしていない身近な社会の仕組みもとても興味深かったです。ベントナイトが水を吸収するのは,-に帯電した粘土表面に極性分子の水の+電荷側が引きつけられ,土粒子の間に閉じ込められるからだと思います。カルシウム水溶液の場合に吸水が少なかったのは陽イオンが土粒子に吸着されてしまい水分子が吸着できないからなのかなと思いました。
  • ベントナイトの遮水性能を体験してすごさを知りました。CaCl2水溶液をベントナイトに入れたときに吸水膨潤しなかったのはベントナイトが溶媒である水を吸水することで,Ca2+,Cl-がイオンではなくなったことが原因で膨潤しなかったのではないかと考えました。釘をベントナイトに刺して抜いても水が漏れなかったのを見て,実際になぜ使われているかの理由がわかって面白かったです。
  • 土の処理には色々な問題があるというのは考えたことがありませんでした。水を通さない土の実験はとてもわかりやすかったです。ベントナイトを地下深いところに埋めたら水を吸って膨張しようとする力と上からの圧力で,ベントナイトを入れた土がコンクリートのように固まると思う。ベントナイトは海の近くでは使用が困難である。それは,ベントナイトの粒子が-に帯電しているので陽イオンの多い水は反応してしまって水を吸収させなくするので意味がないと考えました。
  • 毎度,社会と環境の講義では土のことについて学んでいるが,今回はその具体例についてであった。汚染物質(土)が周りに逃げないようにするためには水を通しにくい物質でその土を囲ってしまえばいいという事だった。そのためにベントナイトと呼ばれる土を通常の土に15%程度混合させて壁を作るそうであった。第2部では,それについての実験をした。Na型ベントナイト,カオリン粘土,珪砂7号を用い,水とCaCl2溶液がそれぞれどの程度吸水されるのかを確かめた。その内の興味深い結果として,ベントナイト50gが水を120gを十分吸水したのに対し,CaCl2水溶液では80gも吸水しなかったことだ。このことから,ベントナイト表面の負の部分?に対して水のH+が結びついた場合は体積が増えるがCa2+が結びついた時には水に比べ増えないことが考えられるのではないだろうか?雨や海水は必ずしも中性とは限らないため,ベントナイトは決して万能ではないのではないかと思う。

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