京都大学ELCAS(エルキャス)

実施レポート

[基盤コース前期]A群 2016年10月1日

生物と温度について

梅田 真郷 教授

私たちは、日頃から今日は暑いなあ、寒いなあ、と言っていますが、生物の長い歴史を考えると、生物種の存亡を左右する最も大きな要因の一つが温度です。一方、私たちの体は、炭素や水素、酸素などの限られた原子の組み合わせによって作り出されるタンパク質や脂質などの分子から出来ています。このような分子の働きや集合状態を規定するのも温度です。今回の講義では、地球温暖化による生物種の大量絶滅、生物の温度適応や温度センサー、動物の体温調節など、生物と温度の関わりについて分子から環境までの様々な視点から考えてみようと思います。

宇宙はブラックホールがいっぱい -X線天文衛星による宇宙観測

鶴 剛 教授

光もガスも何でも飲み込んでしまう天体「ブラックホール」は、1971 年に白鳥座から初めて見つかりました。その後の研究から、ブラックホールには色々な種類があることがわかってきました。質量も太陽の10 倍程度のものから、驚くべきことに10 億倍に達するものも存在します。ブラックホールは吸い込むだけではありません。X 線や高エネルギー粒子を放出し、銀河進化に大きな影響を与えます。つまり活動する宇宙の重要なプレイヤーです。講演ではブラックホール研究の世界、そしてそれを支えるX 線天文衛星を紹介します。

植物の光合成を実現する光と分子の関わりの原理とそれを調べる光物理化学

熊崎 茂一 准教授

光エネルギーを利用して無機化合物から生命活動に必須な有機化合物を作り出せる光合成は地上の生物圏維持に必須であり、地球環境の維持、食料生産、人工的エネルギー生産のためにも学ぶべきことが多い。光合成を実現する仕組みは複雑ではあるが、反応の素過程は物理や化学の原理で実現している。分子レベルや細胞レベルでの光合成の仕組み、光合成生物の仕組みを解き明かすためにも光を用いた物理的、化学的測定法が役に立つ。光と分子の関わり方を記述する科学の基礎、光合成反応を調べる測定科学の基礎について解説を行う。

平成28年度 実施レポート

過去の実施レポート