京都大学ELCAS(エルキャス)

実施レポート

[基盤コース後期]地球環境学 II (微生物と環境)

2017年2月4日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 総合研究5号館 地球環境学堂大講義室1

  • 当日の講師

    宮下 英明 教授(環境生命技術論分野)

  • チューター

    武藤 清明、今城 葉月、野中 瞳

  • 実習の内容

    前回の話し合いで分担して作成したスライドの内容を統合して発表のあらすじを組み立てた。さらに出来上がったスライドを使用して発表練習を行った。

  • 地球環境学 II (微生物と環境)_実習風景スライドの内容を統合して全体を整える
  • 地球環境学 II (微生物と環境)_実習風景出来上がったスライドを基にして発表の内容を話し合う
  • 地球環境学 II (微生物と環境)_実習風景スライド発表練習の様子

今回の活動を通して学んだこと(抜粋)

  • 発表するメンバーがそれぞれ作ってきたスライドを一つにまとめて発表のリハーサルを行った。他のメンバーのスライドは綺麗にまとめられていて見易いものが沢山あり今後自分がスライドを作っていく上で大変参考になる部分も沢山あった。一方、自分は実験結果を表だけで表そうとしたために何を伝えたいのかが明確にされていなかったのでそれに関するグラフを追加した。すると実験のデータをよりわかり易く、明確にする事が出来た。また、実験結果で物の量などを表すときに身近なものに例えて表示するといったことも聴衆に研究内容を理解してもらう上でとても重要であるということを学んだ。
  • 前回でまとめた実験の概要と結果、考察のスライドを作り、話の大まかな流れの構成と、考察をさらに深めるということに取り組みました。数値が多い上にたくさんの要因が絡んでいる事象なのでまとめるのが大変で、また実験からいえることは厳密に表現しなければならないので、とても苦労しました。でも、他の3人や先生方に助けてもらいながら、なんとかまとまった発表ができそうです。発表の事前練習でも、実験の結果の図が小さくて見えないなど、具体的な課題点がいろいろ見つかったので、それらも含めてスライドや発表の原稿を完成させ、先生から宿題として出された発表の最後の考察の文章も考えてきて、次回いい発表ができるようにしたいです。

2017年1月21日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 総合研究5号館 地球環境学堂大講義室1

  • 当日の講師

    宮下 英明 教授(環境生命技術論分野)

  • チューター

    武藤 清明、今城 葉月、水島 洸

  • 実習の内容

    まず、実習の結果について総合的な考察を行った。次に、スライド作成と発表をする為の講義を受けた。その後、各分野に分かれて発表の構成と担当について話し合いながら決めていった。

  • 地球環境学_実習風景実習の結果について宮下教授の指導を受けながら総合的に考察
  • 地球環境学_実習風景スライド発表に必要な要素についての講義
  • 講義の内容を踏まえ、今回の実習で得られた結果をどのように発表するかを議論

今回の活動を通して学んだこと(抜粋)

  • 実験結果の整理をすると、今までやってきた藻から油をとることがとても効率が悪いことを改めて感じました。一台の自動車の燃料を満タンにするためには、ユニットバス902杯分の培養液を1ヶ月間プール二つ分の面積を使って培養して、そこから水分をいくつもの工程を経て抜き、油をとりだし、燃料化する、という手間もお金も時間もかかることが必要でした。けれど、代替燃料は今後必要であろうから、もっと効率がよくなるといいです。 発表の方法を教えてもらいました。パワーポイントで発表をするということで、コツを教えてもらったのですが、それがもの凄く分かりやすく、色・字体・行間・字間・中身など大事なポイントが全て詰まっていました。私はパワーポイントを使ったことが無いのですが、上手く作れるコツを理解できました。けれど、頭ではわかっていても実際にそれ通りやることは難しいだろうし、内容を時間内に何も知らない人達に伝わるようにまとめることも難しいと思うので、みんなで協力して頑張ります。
  • 各土壌の採取場所の違いで、アンモニウムイオンと硝酸イオンの生成量が異なる。例えば、吉田山で採取した土壌には有機体窒素が元から多かった(市街地が近いからかもしれない)。つまり、土壌中に有機体窒素が多くあるから、硝化に使われたアンモニウムイオンが多いのではないかと予想できる。硝化(硝酸化成)において、硝酸イオンが生成される時、水素イオンも生成されるので酸性の度合が強まる。逆に、もともと酸性条件下であるなら硝化は抑制される。

2017年1月7日

  • 実施場所

    吉田南キャンパス 吉田南2号館2階生物実習室2

  • 当日の講師

    宮下 英明 教授(環境生命技術論分野)

  • チューター

    武藤 清明、陳 俊峰、今城 葉月

  • 実習の内容

    前回の実習で凍結乾燥した藻体の乾燥重量の秤量および油脂抽出を行った。さらに油脂を改質し、より燃料に適したものにするためにアルカリ分解を行った。最終的に今回の実習で培養した藻類から抽出された燃料油を燃焼させることができた。

  • 地球環境学_実習風景藻体から油脂抽出を行う1
  • 地球環境学_実習風景藻体から油脂抽出を行う2
  • 地球環境学_実習風景今回の実習で得られた藻類由来の燃料油を燃焼させる

今回の活動を通して学んだこと(抜粋)

  • 一ヶ月間ほど培養を行ったが油は微量しか抽出することができず、実用化にはもっと工夫が必要だと思った。
  • 今回の実習では凍結乾燥した藻類細胞から油脂を抽出した後乾燥藻体に含まれていた油脂含量を算出した。また、抽出した油脂をアルカリ分解して燃料化した後に燃えるかどうかを確かめた。藻体からの油脂の抽出ではボルテックスを用いて細胞を壊してから遠心分離を行ったが、この操作を繰り返し行わなければならなかったので油脂の抽出には思っていたよりも時間がかかるということが分かった。藻類燃料の燃焼実験ではアルカリ分解して燃料化した油脂をキムワイプで作った紙縒りを乗せたステンレス製薬さじの上に垂らして火をつけた。予想していたよりも激しく燃えたり、長く燃えるものがあったのでとても驚いた。

2016年12月17日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 農学部総合館S-575

  • 当日の講師

    舟川 晋也 教授(地球環境学堂 陸域生態系管理論分野)

  • チューター

    野中 瞳、水島 洸、今城 葉月

  • 実習の内容

    農学部総合館にて、培養土壌から放出された二酸化炭素量および無機態窒素量の測定法に関する講義および測定を実施した。

  • 地球環境学_実習風景アンモニア態窒素の定量
  • 地球環境学_実習風景アンモニア態窒素の定量に用いた機器

今回の活動を通して学んだこと(抜粋)

  • 土壌分析の基礎的な手法及び土壌における詳細な窒素動態について今回の実習で学ぶことが出来た。さらに、4週間における土壌別の呼吸量、加えてNH4+・NO3-の蓄積具合についてのデータを得ることが出来た。NO3-のデータは現時点で手持ちにないのだが、それ以外のデータをまとめてみると様々な面白い傾向が見られた。ここでは2点取り上げ、それを解釈してみる。1点目に、C・N無機化量(Nについて正味)にゆるい相関が見られた。(N=9,R2=0.53) これは吉田山(森林土壌のサンプル)を除き、畑のサンプルのみとするとより強い相関を示した。(N=7,R2=0.81) 単純に解釈すれば、畑では土壌従属栄養微生物の利用可能エネルギー源が、森林よりもタンパク質中心であったと考えられる。それぞれの土壌に対する落葉落枝供給量の違いが原因なのではないか。2点目は、森林土壌においてのみNH4+の蓄積が顕著であったことである。NO3-のデータがないため硝化の面から考察しにくいところではあるが、おそらく土壌pHが低かったのではないかと推測される。(微生物によるアンモニア酸化は低pHで特に大きく抑制される)また、2週間後~4週間後において、突然正味のNH4+の変化が見られなくなったサンプルもあった。大胆な仮説になるが、2週間後まではCN比の低い有機物が残存していたが、2週間後~4週間後にはそれが尽き、CN比の高い有機物しか残らなかったと考えると、この変化を説明できる。(利用できる有機物のCN比が細菌体のCN比と増殖効率の積より高い場合、細菌はNH4+を吸収し同化する必要がある。)
  • 今回は前回と同じ、滴定による無機化炭素測定以外に、無機化窒素の測定も行なった。これは、サンプルの土壌に塩化カリウム溶液を混ぜたのち濾過して得た試料液を比色定量することで測定した。吸光度は溶質の濃度に比例するという物理法則を用いて溶液の濃度を求め、そこから土1gあたりの無機化量に換算するというものであった。滴定に比べて原理が高尚で、大変面白かった。この手法は様々な場面でよく使われるそうなので、覚えておきたい。また、無機化された後の窒素のそれぞれの段階の量も求めたので、これによって森林や水田といった土壌の種類ごとの特性が分かるので、結果をまとめるのが非常に楽しい。まだまとめきっていないが、窒素汚染問題などの重要な課題への理解が深化する結果が得られることは間違いなさそうだ。窒素汚染は生物多様性の減少、気候変動と並び21世紀の三大環境問題の1つなので、非常に興味深い。次回までにまとめておきたい。

2016年12月3日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 農学部総合館S-575、
    吉田南2号館2階生物実習室2

  • 当日の講師

    宮下 英明 教授(環境生命技術論分野)
    渡邉 哲弘 助教(地球環境学堂 陸域生態系管理論分野)

  • チューター

    武藤 清明、水島 洸、今城 葉月

  • 実習の内容

    農学部総合館にて、培養土壌から放出された二酸化炭素量についての講義と測定を実施した。
    その後、吉田南2号館に移動し、培養した緑藻の回収とその凍結乾燥器による乾燥を行った。

  • 地球環境学_実習風景培養が進み緑藻の濃度が増加している培養装置
  • 回収した緑藻を乾燥させる凍結乾燥器
  • 地球環境学II(微生物と環境)_実習風景培養土壌から放出された二酸化炭素の滴定による定量

今回の活動を通して学んだこと(抜粋)

  • 今回は前回の実習で用意した様々な場所の土壌から発生する重炭酸イオン量の定量を行った。重炭酸イオンの定量では酸−アルカリ滴定を行ったが、自分は滴定を今まで行った事が無かったのでとてもいい経験になった。滴定では第一滴定点や第二滴定点を調べたが土壌によって滴定点が異なっている事が分かった。また、正しい滴定の方法についても学ぶ事が出来た。油脂蓄積藻類の観察では微細藻類を入れた培養フラスコの液体の色が黄色く変色している事を確認できた。ここでは遠心分離機を用いて微細藻類細胞の回収を行ったが遠心分離機を初めて見る事が出来、その仕組みについてより深く理解する事が出来た。その後の凍結乾燥では液体窒素を用いて細胞を凍結した後、凍結乾燥機にセットした。ここでも液体窒素を扱う時の注意点など自分が知らない事をたくさん学ぶ事が出来、大変勉強になった。
  • 土壌の方では、前回採集して2週間置いておいた土壌で、微生物により発生したCO2の量を計りました。けれど、計るといっても気体なので計りで重さを量ることはできず、今回は計測方法とその仕組みを学びました。方法は、発生したCO2を溶け込ませておいたアルカリ溶液に、HClを二段階にわたって加えていくことで、最終的にCO2が溶液から抜け出し、加えたHClの量から溶け込んでいたCO2の量が分かる、ということだと理解しました。でもその仕組みは完全に化学反応で、化学をまだ習っていない私には難しかったです。また、適定・定量するのは実験器具に慣れていないので難しかったです、けど本格的な気がして楽しかったです。 また、藻類の方では、1ヶ月前に培養を始めた、油を貯めているはずの微細藻類を回収して水分を除いて細胞だけを取り出しました。培養液は1ヶ月前は少しの微細藻類を培地で薄めたものだったのに、1カ月後の今回はとても培養されていて、下に見えるくらい溜まっていて驚きました。けれど、遠心分離をして水分を除くと、1Lあった培養液がたった10mlくらいになりました。次は冷結乾燥されてもっと減り、いよいよ油脂を抽出して火を灯してみるということで、とても楽しみです。

2016年11月19日

  • 実施場所

    京都市北部にて土壌試料の採取後
    吉田キャンパス 農学部総合館S-117、S-575

  • 当日の講師

    渡邉 哲弘 助教(地球環境学堂 陸域生態系管理論分野)

  • チューター

    野中 瞳、水島 洸、今城 葉月

  • 実習の内容

    陸域における炭素循環、窒素循環に関する講義、京大圃場(ほじょう)の土壌および吉田山森林土壌の観察、有機炭素無機化実験および有機窒素無機化実験の開始

  • 地球環境学 II (微生物と環境)_実習風景講義開始時
  • 地球環境学 II (微生物と環境)_実習風景実験中

今回の活動を通して学んだこと(抜粋)

  • 窒素循環について。窒素は空気中以外に、土壌中にも多量に存在する。化学肥料が使われ始めるまでは これらの生態系のなかで窒素循環は安定していた。しかし、ハーバーボッシュ法の利用が始まる。窒素を直接アンモニウムイオンに変換することで、植物(食用)に還元して、70億を超える人口を支える作物を確保できるようになった。一方で生態系中の窒素が増加することで微生物(分解者)も増加する。分解は多量の酸素消費するため、水中の魚が住めない などの悪影響がでる。さらに、アンモニウムイオンが硝化して硝酸となる。窒素に戻すために脱窒が必要だが、温室効果ガスを発生させたり 硝酸イオンとなって水圏の窒素汚染を助長したりと問題も多い。そこで、これから学習していく藻類の利用というものが必要となってくるのかなと思う。培養の準備でいろいろな道具を使ってみて、学校の友達にも教えてあげたいと思うこともいくつかありました。自分だけではなく、いろんな人と今回の活動を共有したいと思います。
  • 窒素の話の前半までは、窒素を摂取するのは難しいということだったので、豆科の植物を育てていくべきなのではないかと思った。しかし、ハーバーボッシュ法により土壌などに含まれる窒素の全体量が増えすぎており、地球温暖化よりも深刻と言われるほどだということに驚いた。

2016年11月5日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 吉田南2号館生物実習室2

  • 当日の講師

    宮下 英明 教授(地球環境学堂 環境生命技術論分野)

  • チューター

    武藤 清明、陳 俊峰、今城 葉月

  • 実習の内容

    この実験では微細藻類をつかってディーゼル燃料を作って燃やしてみることを目的とした。今回の実習では微細藻類の観察と培養実験を行った。さらに一般的な発酵食品に含まれる微生物の観察も行った。また、これらの課題を達成するために基本的な顕微鏡の使い方や滅菌操作を学んだ。

  • 地球環境学 II (微生物と環境)_実習風景宮下教授の指導の下、培養器に微細藻類を植藻する
  • 地球環境学 II (微生物と環境)_実習風景植藻した培養器を培養装置に設置し、培養実験の説明を受ける

今回の活動を通して学んだこと(抜粋)

  • 微細藻類にはたくさんの種類があり、自重の60%の油を生産することもできるものもあること。また、納豆やヨーグルトや乳酸菌飲料にはとてもたくさんの菌類がいること。また、オートクレーブ滅菌の時間と温度は経験則で決められているということ。
  • 今回の実習の中で、ヨーグルトに含まれる微生物の観察が特に印象に残っています。少量のサンプルを取るためにマイクロピペットを使用しました。今までマイクロピペットは使ったことがなかったのですが、この実習の間に使えるようになったので良かったです。顕微鏡も初めて使うタイプだったのですが、TAさんや先生からアドバイスをいただいたおかげで、はっきりと観察できました。そこにはあの有名な乳酸菌、流行りのガセリ菌やビフィズス菌など、名前は聞いたことがあったものの、実際に見たことはなかったものがいて、それらがどんな形をしていてどんなふうに動いているのかを見ることができ感動しました。観察したヨーグルトが自分がつい先日食べたヨーグルトと同じものだったので、2段階で感動しました。先生はこれら乳酸菌などの微生物は、体に良いと商品にもなっているのにもかかわらず、なにがどう良いのかは実はまだよくわかっていないと教えてくれました。こんなに身近にいるのに、人の体内にもいるのに、まだまだ謎が残されているのだなあと、でもそれならまだわかっていない性質をこれから発見していったり新たな利用方法を開発していったりする余地も残っているのだなと、この生き物たちの可能性にワクワクしながらの観察でした。自分も未知の領域へ挑戦してみたいと思いました。

平成28年度 実施レポート

過去の実施レポート