京都大学ELCAS(エルキャス)

実施レポート

[基盤コース後期]植物細胞の構造と機能

農学研究科 樹木細胞学分野

2017年2月4日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 農学部総合館S246

  • 当日の講師

    粟野 達也 助教

  • チューター

    有泉 慧、辻野 賢太、櫻井 みづき

  • 実習の内容

    地衣類班とコケ班に分かれ、発表用スライドの内容について討議した。その後、まだ写真の足りないコケの葉の透過電子顕微鏡写真を撮影した。受講生は、自主的に図書館などで地衣類やコケに関する本を借りてきており、それをもとに顕微鏡写真に何が写っているのかを議論しながら、スライド作製した。とりわけ、コケ班は議論が沸騰したまま時間切れとなり、スライド作製が進まなかった。各自が写真を持ち帰り、自宅でスライド作製を行うことになった。

  • 植物細胞の構造と機能_実習風景コケの葉の透過電子顕微鏡観察
  • 植物細胞の構造と機能_実習風景発表スライドのとりまとめ

今回の活動を通して学んだこと(抜粋)

  • 私は主に、地衣類のウラと、オモテに近い側の断面から菌糸と藻類の関係について分析した。まず地衣類には、普通の植物にはある、細胞同士を繋げる細胞骨格がない。その役割を担っているのが菌糸であり、断面図からも菌糸と藻類が密接していると分かった。密接している2つの細胞のうち、細胞壁が厚い方が藻類であり、菌糸は三層の構造をしているのではないかと考えた。まずウラの表面にあったチョロギ細胞の断面から菌糸は、一本の管の中にもう一本管が通っており、その中心の二層が植物細胞でいう維管束の働きをしていると考えた。また、チョロギ細胞が沢山集まり、仮根を形成するのではないか、という予測もたてた。すると、地衣類の成長に長い時間かかかるという事も分かる。
  • 今回は今までの活動が一つの線になってつなげることができました。プレゼンテーションのため観察した苔の特徴や、種の特定するため、本で調べるうちにその苔の構造の特色が様々な顕微鏡で観察した像によってはっきりと浮かび上がってきたからです。またほかの生徒とこれほどいろいろな議論をしたのは初めてだったのでとても刺激を受けました。ほかの方のプレゼンテーションの骨を綿密に作るという考え方は、とても参考になり自分の今後に生かしていきたいと思いました。残念ながら、観察を行っているうちに、時間が過ぎてしまいパワーポイントが全くできなかったので、次回は頑張りたいです。

2017年1月21日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 農学部総合館S246

  • 当日の講師

    高部 圭司 教授

  • チューター

    田中 千晴、辻野 賢太

  • 実習の内容

    教授の高部より本日のスケジュールの説明後、地衣類のトルイジンブルー染色された1μm厚さの切片の光学顕微鏡写真を撮影した。引き続いて、コケの茎の超薄切片を透過電子顕微鏡で観察した。受講生は、それぞれ数枚の電子顕微鏡写真を撮影した。さらに、地衣類の超薄切片を透過電子顕微鏡で観察し、同様に写真撮影も行った。

  • 植物細胞_実習風景地衣類の切片を光学顕微鏡で撮影
  • 植物細胞_実習風景チューターが透過電子顕微鏡の使い方について説明
  • 植物細胞_実習風景受講生による透過電子顕微鏡写真の撮影

今回の活動を通して学んだこと(抜粋)

  • コケの茎の細胞小器官の葉緑体やゴルジ体を見れて感動しました。高等植物とコケ植物とで葉緑体の構造が少し違っていることがわかりました。高等植物の方がグラナ構造がより細かいことがわかりました。地衣類は表面側と内部では細胞の種類が異なっていたので驚きました。菌糸の構造などよくわからないものがあったので調べておきたいです。
  • 今回の活動で地衣類の内部を観察することが出来ました。地衣類は構造の中に細胞が並んでいるのではなく確認できるだけでの種類の異なる細胞が点々と散らばっていた。これらの細胞を菌糸が繋ぎ止めているのではないかという説が出ました。
  • 今回は、光学顕微鏡で地衣類を改めて観察し、透過型電子顕微鏡でコケの葉と地衣類の断面を観察して、写真を撮りました。前回光学顕微鏡で観察した「地衣類」が別の試料だったことが分かり、今回改めて地衣類を観察しなおしました。走査型電子顕微鏡で見た時に観察された袋状の細胞が観察され、想像していたよりもスカスカの構造でした。また、さらに断面を詳しく見るために、透過型電子顕微鏡を使いました。やはり細胞は丸く、中には細胞小器官が確認されませんでした。オモテに近づくにつれて丸い細胞が増えていき、ウラに近づくにつれて細長い細胞が増えていっていました。ただ、中はスカスカで、一体どうなっているのかさらに謎が深まりました。また、コケの葉も透過型電子顕微鏡で観察しました。コケの細胞には、ゴルジ体や葉緑体が見え、教科書に出てきたものの形を疑っていた私には、本当に細胞の中にあることが分かることが衝撃的でした。次回はまとめに入ります。これまでの活動が上手く伝えられるように下準備していきたいです。

2017年1月8日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 農学部総合館S246

  • 当日の講師

    高部 圭司 教授

  • チューター

    有泉 慧、辻野 賢太、酒井健吾

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    実習の内容

    高部教授より本日のスケジュールの説明があった後、前日に引き続き受講生各自がコケや地衣類の走査電子顕微鏡写真を撮影をした。撮影終了後、TAよりエポキシ樹脂に包埋されたコケ、地衣類から超薄切片を作製する方法について説明を受けた。また、あらかじめ1μm厚さに切削され、トルイジンブルーで染色されたコケと地衣類のプレパラートを用いて、受講生一人一人が光学顕微鏡写真を撮影した。

  • 植物細胞_実習風景走査電子顕微鏡用試料の作製
  • 植物細胞_実習風景走査電子顕微鏡写真の撮影
  • 植物細胞_実習風景光学顕微鏡写真の撮影

今回の活動を通して学んだこと(抜粋)

  • 納豆菌は2~3μm。
  • 今回の活動で最も興味深かったのは納豆の表面に納豆菌は存在しているか、ということです。結果それらしきものは発見出来ませんでしたが、納豆の断面から大豆の細胞を観察することが出来ました。
  • 今回は、走査型電子顕微鏡でコケの向きをそろえた写真を撮り、光学顕微鏡でコケの茎と葉、地衣類の断面の写真を撮り、透過型電子顕微鏡の試料作製の観察をしました。また、納豆の豆を走査型電子顕微鏡で観察しました。昨日は表面を観察したコケや地衣類の断面を見ると、予想していた形とは異なり、一方向から見ていた物は一側面に過ぎないことが感じられました。コケは花のように葉が囲まれていて、その葉の断面は教科書で見る画像とは異なるリボン状のような構造でした。また、地衣類はミルフィーユのような薄い細胞が重なっている構造でした。どちらも良い意味で予想を裏切ってくれ、とても興味深かったです。また、納豆から試料を作って下さった豆の観察もしました。残念ながら昨日のような納豆菌を見つけることはできませんでしたが、納豆菌のような形の大豆の細胞を見ることができ、今日の夜ご飯で食べた納豆を見て、少し親近感が持てました。もう少しで後期も終わってしまいます。1回1回を大切に実習していきたいです。

2017年1月7日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 農学部総合館S246

  • 当日の講師

    吉永 新 准教授

  • チューター

    有泉 慧、辻野 賢太、横畑 里美

  • 実習の内容

    吉永准教授より本日のスケジュールの説明があった後、走査電子顕微鏡での写真の撮影方法について説明があり、受講生各自がコケや地衣類の写真撮影をした。

  • 植物細胞_実習風景走査電子顕微鏡観察
  • 植物細胞_実習風景走査電子顕微鏡用試料の作製 金コーティング

今回の活動を通して学んだこと(抜粋)

  • コケ・地衣類・納豆菌の観察を行った。地衣類は表面の割れ目から内側が少し見えた。葉の表側の割れ目からは、とても細い糸状の物が見え、裏側からは沢山の管の中に棒状のものが一本ずつ通っているものが見えた。表面の凹凸は表も裏もあまり差がない様に思われたが、裏側は基物にくっ付いていた所と思われる突起が沢山あった。納豆菌は、私は俵型の菌が沢山あって、その隙間を菌糸などが覆い尽くしている物を予想していたが、意外にも俵型の菌が沢山詰まっているだけで、驚いた。また、納豆は常日頃食べているが、こんなにも沢山の菌が私達の体内で働き、胃酸にも負けずに腸まで届いているのかと思うと、納豆菌の構造やしくみの強さを感じ、もっと知りたいと改めて思った。
  • 走査型顕微鏡で苔と、地衣類の本格的な観察に加え、納豆の糸を引く部分と薬品で沈殿させ、それをすりつぶしたものの観察を行いました。特に興味を持ったのが地衣類の観察です。場所や倍率によって表情を変えます。あるところではかなり倍率を挙げているのに滑らかな表面の卵のような球が付着していたり、またあるところでは菌糸が盛んに伸びているところがあったりといつまでも飽きの来ない観察でした。私が観察したのは納豆菌でした。分裂の途中のものもみられ、印象深かったのですが、少し納豆を食べづらくなりました。 最後になりましたがご指導に当たってくださった先生方、院生の皆さんありがとうございました。

2016年12月3日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 農学部総合館S246

  • 当日の講師

    高部 圭司 教授

  • チューター

    高川 史香、田中 千晴、横畑 里美

  • 実習の内容

    スケジュールの説明の後、走査電子顕微鏡用試料の作製を行った。あらかじめ凍結乾燥されたコケ、地衣類が準備され、受講生一人一人が試料台に観察試料をマウントした。直ちにイオンコーターを用いて、試料表面に金コーティングを行い、走査電子顕微鏡観察を行った。チューターが写真撮影法を説明し、受講生一人一人に写真撮影をさせた。受講生は透過電子顕微鏡用試料の作製法の説明を受け、実際に超薄切片がきれる様子を見学した。

  • 植物細胞の構造と機能_実習風景走査電子顕微鏡用試料の作製 試料のマウント
  • 植物細胞_実習風景走査電子顕微鏡用試料の作製 金コーティングの説明
  • 植物細胞_実習風景走査電子顕微鏡による観察

今回の活動を通して学んだこと(抜粋)

  • 電子顕微鏡試料の切断では機械で切断し、銀色がBestな状態であるとわかりました。また、走査型電子顕微鏡試料の作製では試料台の上に両面テープで試料を接着し、銀ペーストでぬり、試料を真空中に入れ、イオンが金に当たって飛ぶ金原子が付着し金コーティングすることがわかりました。走査型電子顕微鏡ではコケと貝と地衣類を観察したのですが、貝の表面の構造に細かい穴の空いたものこ層があり、不思議だと思いました。また、何かの結晶も見られました。
  • 走査型電子顕微鏡での写真の撮り方、金コーティングの仕方。
  • 学校の教科書などでよく見かける髪の毛やノミの写真と同じような画像が撮れて感動した。コケや地衣類の平らな表面に凹凸があることに驚いた。

2016年11月19日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 農学部総合館S246

  • 当日の講師

    高部 圭司 教授

  • チューター

    高川 史香、田中 千晴、横畑 里美

  • 実習の内容

    農学研究科森林科学専攻樹木細胞学分野の研究室に集合した後、教授の高部より本日のスケジュールの説明があった。その後、スライディングミクロトームを使い、木材試料の切片作製を行った。ミクロトームの装置の説明の後、切片作製法を教授し、受講生一人一人に30〜40μm厚さの切片を作製させた。その後、サフラニン染色をし、脱水後にカナダバルサム封入して、永久プレパラートを作製した。光学顕微鏡を用いて、受講生が作製したプレパラートの写真撮影を行った。引き続いて、ガラスナイフの作製の仕方を説明し、実演した。受講生はガラスの割り方などを体験した。エポキシ樹脂に包埋された試料より、ガラスナイフを用いて1μm厚さの切片作製法を学んだ。

  • 植物細胞の構造と機能_実習風景切片染色法の説明
  • 植物細胞の構造と機能_実習風景受講生によるスライディングミクロトームを用いた切片作製
  • 植物細胞の構造と機能_実習風景光学顕微鏡写真撮影の説明

今回の活動を通して学んだこと(抜粋)

  • 今回は光学顕微鏡のプレパラートの作成を行いました。プレパラートといっても中学や高校の授業で体験するような簡素なものではなく、資料集に掲載されているような植物の幹や茎を薄く切った永久プレパラートでとても身になるいい経験ができました。 私が最も印象に残った工程は一マイクロメートルの切片を作る部分です。ガラスを割り45度になった部分をナイフとして用いて、それにスライドさせるように試料をハンドルを動かし試料を切って切片を作ります。その際に肉眼では見えずらいので付属の顕微鏡でその作業を見ながら行うのですがハンドルで上下する試料がうまくガラスナイフを薄く削られていく瞬間はとても美しくて見ごたえがありました。
  • 今回は、光学顕微鏡を使って、クスノキ、スギ、イチョウの植物組織を観察しました。滑走式ミクロトームや回転式ミクロトームで試料の切片を作ったり、回転式ミクロトームで使うガラスの刃を作ったりしたあと、実際に私達が滑走式ミクロトームで作成したクスノキ、スギ、イチョウの植物組織を光学顕微鏡(x4、x10)で観察し、写真を撮りました。広葉樹、針葉樹によって構造が異なり、普段見る木の表面からは見てとれない組織が並んでいて、とても興味深かったです。また、院生の方の慣れた手つきを見ると、ミクロトームが生きているみたいで面白かったです。また、今回の実施日である11月19日が私の誕生日ということで、盛大に皆さんに祝っていただきました。突然で驚きましたが、うれしかったです。最高の誕生日になりました。次回から、今回私が持ってきた地衣類(ウメノキゴケ)を、電子顕微鏡を使って見る準備を進めます。納豆菌や乳酸菌も、うまく菌が取り出せれば見ることができるそうなので、ぜひ見てみたいです。

2016年11月5日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 農学部総合館S246

  • 当日の講師

    高部 圭司 教授

  • チューター

    酒井 健吾、田中 千晴、横畑 里美

  • 実習の内容

    農学研究科森林科学専攻樹木細胞学分野の研究室で自己紹介から始めた。その後、教授の高部より本日の講義資料が配布され、資料とパワーポイントを使って電子顕微鏡の原理と電子顕微鏡用試料の作製法について講義があった。講義終了後、試料作製のためのミクロトームや、走査電子顕微鏡、透過電子顕微鏡を見学し、チューターがそれらの原理や使い方について説明した。

  • 植物細胞の構造と機能_実習風景顕微鏡の原理についての講義
  • 植物細胞の構造と機能_実習風景光学顕微鏡の原理と使用方法の説明
  • 植物細胞の構造と機能_実習風景透過電子顕微鏡の説明

今回の活動を通して学んだこと(抜粋)

  • 「1つの点がある」と認識しても、それは分解能の限界を超えているだけで実は「2つの点がある」という事もあるというのを実感した。電子顕微鏡が光学顕微鏡よりも1000倍近くの分解能であるというのを聞き、そんなに差があるというのがとても驚いた。電子を使う事により、よりミクロな世界を見れるという電子の魅力を改めて感じた、面白い。走査型顕微鏡で、反射電子は使わないのか、またそれは何故なのか、どこへ行ってしまうのか、などが疑問点である。切片を作るためのカッターの材料は炭素系の他のものや、ニッケルなど他の金属では駄目なのか、またそれはなぜか疑問.走査型顕微鏡の試料コーティングは金以外使えるものはないのか、X線を当てる顕微鏡はX線によって、形質が変化していってしまう事がないのか疑問。電子の魅力や可能性をとても感じた。
  • 光学・電子顕微鏡両方に大切な分解能について。光学・電子顕微鏡での像の拡大の仕組み(電子顕微鏡ではフレミング左手の法則を用いる)。透過型・走査型電子顕微鏡の構造。超薄切片法での観察試料の作成法。光学顕微鏡(双眼)、ミクロトーム、透過型電子顕微鏡、高圧冷凍機(?)、走査型顕微鏡、X線CTスキャナー、紫外線顕微鏡といったこれからの実習で使う予定のものを見学。

平成29年度 実施レポート

年度別の実施レポート