京都大学ELCAS(エルキャス)

実施レポート

[専修コース]海洋生物の健康増進機能ペプチド

農学研究科 海洋生物機能学分野

<実施日>

2017年4月15日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 農学総合館S-103

  • 当日の講師

    佐藤 健司 教授

  • チューター

    渡辺 隼斗、中本 洋子

  • 実習の内容

    実習のテーマ決め。その結果、海洋無脊椎動物に存在する短鎖および長鎖ペプチドに関する研究となった。さらにペプチドを分離するのに必要なクロマトグラフィーについてサイズ排除、イオン交換、逆相クロマトグラフィーの順で原理と注意事項を説明した。その後、高性能液体クロマトグラフィー質量分析計の実物を用いて装置の説明を行った。

  • 海洋生物の健康増進機能ペプチド_実習風景ペプチドの化学とその分離法に関するレクチャーを行っているところ
  • 海洋生物の健康増進機能ペプチド_実習風景

活動を通して学んだこと

  •  今回の活動では、まず研究テーマを決めた。候補として、主に3つのテーマが挙がっており、どのテーマも興味深かった。 話し合いの結果、海洋無脊椎動物に変わったペプチドは含まれているのか、泥の中に住んでいる免疫のない動物が、抗菌ペプチドのような、細胞壁に穴を開け、菌のDNAの合成を止めて殺す物質を持っているのかなど、海洋無脊椎動物に関するペプチド調査に取り組むことになった。各候補のテーマの内容について学んでいく中で、ラットなどを用いる動物実験では、実験前と実験後に、人間の血液検査をする必要があることを知り、驚いた。実験後、人間が動物のウイルスに感染していないかどうかを調べるためだそうだが、実験をする上で求められる慎重性と正確さの必要性について改めて考えさせられた。 調査対象としては、生きている状態の動物に焦点を当てる。これは、生きている動物でなければ、実験途中で、その動物の性質などが変化したのではないかなどの懸念が生じ、結果の信憑性が低くなるためだ。今回の研究では、ナマコやクラゲ、ゴカイの類を実験で扱う予定だ。生のナマコやクラゲに接したことがあまりないため、どのようにそれらの生物をサンプルとして活用するのかについても、とても気になるところだ。この実験は前例がないため、どのような結果が出るのか、とても楽しみである。また、魚の粘膜のような、ねばねばとした部分のペプチド調査(今回はナマコで対応)も、新しい発想だと強く思う。 研究テーマの決定後は、今回、研究でメインとなるペプチドやペプチドの分離法など、実験に関する内容について、佐藤教授から、様々なことを教えて頂いた。 いくつかのアミノ酸の構造式をもとに、ペプチドがもつ性質について学んでいくと、ペプチドには、大きさの違い、pHによる電荷の違い、また、pHによる親水性と疎水性の変化があることが分かった。また、上記の3つの性質を利用したペプチドの分離法について、1つずつ詳しく学ぶことができた。その中でも、分配クロマトグラフィーの仕組みに大きな関心を抱いた。移動相と固定相が一定の比で何度も分配されていく過程を学び、最初は、それぞれの値がどのようにして打ち出されたのかを理解することが難しかったが、佐藤教授が1つずつ丁寧に説明して下さり、だんだんとモヤモヤとした気持ちが少なくなっていくのを感じ、嬉しく思った。 また、実験に用いる物質の性質によって、実験器具の使い分けも必要であることが分かり、実験器具の用途や使用目的を事前に理解しておくことの必要性を改めて実感した。特に、低分子であるか、高分子であるかによって、使用するカラムが異なるが、低分子と高分子を見分ける基準となる値はないことを知り、私たちの研究では、それをどのように区別して判断するのかについて疑問に感じた。 学んでいく中で、まだ習っていないことや知らない言葉や仕組みなどがたくさん出てきて、難しく感じるところが多かったが、実験前に、このように少しでも知識を深めることができて良かったと思う。 次回からは、いよいよ本格的に実験が始まる。サンプルからペプチドを抽出して、具体的に調査していくので、今回学習したことをもう1度見直しておきたい。
  • 今回は実習のテーマ決めから入った。いくつかのテーマがあったがその中でも全く結果が見えていないものを選んだ。テーマを選ぶときの説明でネズミなどに物質を投与してどのように体内の様子が変化したのかを調べたいとき実験をする人はウイルスに感染していないかを調べるために事前に血液を採取し実験後に変化がないか調べなければならないということを知った。様々なアミノ酸があり、親水性のものと疎水性のもの、酸性のものと中性のものと塩基性のものがあった。また、色々なクロマトグラフィーがあり、それぞれ特徴があった。メタノールよりアセトニトルの方が粘度が低く、圧力が低いためクロマトグラフィーの溶媒としてはアセトニトルの方が優秀であるということを学んだ。アミノ酸がふたつ以上あるものがペプチドであり、タンパクを分解してできたペプチドと生物が元々持っているペプチドがあることを学んだ。ペプチドの分離方法は大きさで分離する方法、電荷で分離する方法、疎水性で分離する方法があった。

平成29年度 実施レポート

年度別の実施レポート