京都大学ELCAS(エルキャス)

実施レポート

[専修コース]海洋生物の健康増進機能ペプチド

農学研究科 海洋生物機能学分野

2017年8月28日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 農学研究科

  • 当日の講師

    佐藤 健司 教授

  • 実習の内容

    これまでのデータをもとに論文の作成をおこなった。

2017年8月10日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 農学総合館 N566

  • 当日の講師

    佐藤 健司 教授

  • 実習の内容

    これまでのデータをもとに発表スライドの作成をした

2017年8月5日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 農学総合館 N566

  • 当日の講師

    佐藤 健司 教授

  • チューター

    渡辺 隼人、吉川 和伸

  • ボランティア

    荻野 達也

  • 実習の内容

    イトゴカイの抽出物のLC-MS/MSによる分析を行った。その結果、通常のタンパク質構成アミノ酸以外の低分子アミノ化合物と短鎖ペプチドの存在を見出した。特に分泌粘質液中にAsp、GluとIle、 Leuからなるペプチドの存在が示唆され、イソペプチドの存在が示唆された。これらの結果をこれまでの結果と一緒にパワーポイントに取りまとめた。

  • 海洋生物の健康増進_実習風景結果の取りまとめ風景

活動を通して学んだこと

  • 今回はパワーポイントの作成を行い、実験の目的、背景、結果や考察を再度確認しまとめた。スライドを作成し、原稿ができていない状態でも一度通しておくことで一通りの流れを掴むことができた。
  • 今回の活動では、専修コースの成果発表会に向け、今までの研究のまとめ及びプレゼンテーションの作成に取り組んだ。 この活動の中で、私は、とても重要なことを学んだ。それは、いかなる場合においても、初心を忘れてはいけないということだ。今回は、研究の集大成にあたり、今までの実験の意義や流れ、また実験方法について振り返りると共に、実験で得た膨大なデータの考察や分析に関して入念に吟味しつつ取り組んだ。私は、これらの活動に懸命に励む中で、改めて「初心忘るべからず」という言葉の重みをひしひしと感じた。研究の過程では、学ぶことの大切さを体感したり、知ることの喜びを実感しつつも、自分の無知さに気付かされたり、もどかしい思いをしたりと、多くのことを吸収し、また各場面で様々な自分と出会い、貴重な経験を積むことができたと思う。そして、私は、学んだ。研究において、どんな時でも初心、つまり飽くなき探究心を抱き続けることが、何より大切であること。その心と強い精神が、自分を支える活力、原動力の源になるということを。この専修コースでは、本当に貴重な経験を積み、私自身、多様な観点を育み、視野を広げることができた。この初心を胸に、成果発表会に向けて、研究のまとめに今一度取り組みたい。

2017年7月22日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 農学総合館 N566

  • 当日の講師

    佐藤 健司 教授

  • チューター

    荒川 貴行、木村 理沙

  • ボランティア

    荻野 達也

  • 実習の内容

    サイズ排除クロマトグラフィーで分画した画分中のアミノ化合物を6-aminoquinolyl-N-hydroxy-succinimidyl carbamate (AccQ)で反応させ、反応物をLC-MS/MSのプロダクトスキャンを行い、フラグメントイオンを検出し、構造の推定を行った。

  • 海洋生物の健康増進_実習風景LC-MS/MSによるデータの採取および解析
  • 海洋生物の健康増進_実習風景LC-MS/MSによるデータの採取および解析
  • 海洋生物の健康増進_実習風景LC-MS/MSによるデータの採取および解析

活動を通して学んだこと

  • 今回の活動では、いよいよ「Precursor scan」の結果の分析を行うので、とても心待ちにしていた。この分析では、AccQのフラグメントのみ検出できるため、イオン化される物質は全て検出されたTICに比べると、やはり、クロマトグラムの形態にも、その高い特異性が表れており、より精密なデータを得ることができた。また、クロマトグラムの特徴を捉えていく中で、新たな学びがあった。分子量がそれぞれ異なるにも関わらず、同時刻に、ピークが一致したクロマトグラムがいくつか見られたのだが、これらの物質は、サンプル由来のものではない「ポリマー」であることを佐藤教授が教えて下さった。ポリマーとは、複数のモノマーが重合してできた化合物であることを学び、自分の知識がより広がったことを実感すると共に、LC-MSは定量分析に秀で、検出機能が優れているために、サンプル以外のもの:例えば、サンプルが入っているプラスチック由来のものまでも検出するという、性能の良さに私は大変驚いた。このように、実験や結果の分析においては、多くの新たな学びや気付きがあり、毎回、それらとの出会いへの新鮮な喜びや驚き、感動を胸に活動に励んでいる。
  • 今回は前回のLCMSの結果から含まれている物質を探した。分子の大きさからペプチドなのかタンパクなのかなどがわかった。説明についていけないときもあったがメモを取ってできる限りわかるようにした。予測された物質がどのようなものか次回までに調べたい。

2017年7月15日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 農学総合館 N566

  • 当日の講師

    佐藤 健司 教授

  • チューター

    渡辺 隼人、吉川 和伸

  • ボランティア

    荻野 達也

  • 実習の内容

    前回行ったイトゴカイの抽出物のサイズ排除クロマトグラフィーおよび液体クロマトグラフィー質量分析のデータを再評価し、アミノ化合物を特異的に検出することとした。アミノ基と反応する6-aminoquinolyl-N-hydroxy-succinimidyl carbamate (AccQ)と反応させ、反応物をLC-MS/MSのプリカーサースキャンで特異的に検出した。

  • 海洋生物の健康増進_実習風景原理の説明とAccQ誘導化の様子
  • 海洋生物の健康増進_実習風景原理の説明とAccQ誘導化の様子

活動を通して学んだこと

  • 今回は前々回のSECでできてたサンプルを使った。何度もクロマトグラフィーなどの実験器具の仕組みや使い方を聞くことで、最初は全然わからなかったが、徐々にわかってきた。大学院生にも質問して、さらに理解を深めた。次回のLCMSの結果が楽しみだ。
  • 今回の活動では、サンプルB(ゴカイの本体),C(ゴカイの粘質物)にAccQを加え、LCMSにかけるというところまで実験を行った。今回の実験は、AccQをラベル化して、アミノ酸化合物のみを検出し、前回のトータルイオンクロマトグラフィーのグラフと比較して、ピーク時の物質を推測するという、さらに特異性が増したものだ。
     今回の実験では、アミノ基だけをもつ物質を検出できるので、私は少しほっとした。前回の自己目標では、私は、トータルイオンクロマトグラフィーで得たデータを基に物質を推測することを掲げていたが、苦難の連続だった。サイトの使用方法は難しく、物質の推測に行き着くまでの過程が大変だった。今回の実習を通じて、私は、その理由の一つには、前回の実習では、サンプルに含まれる物質をSECで全て取り出したため、データ量が膨大で、かつ、条件を今回ほど絞っていなかったため、判断材料が少なかったことも挙げられるだろうと思った。調べていく過程では、モヤモヤとした気持ちを抱え、自分がやっていることは正しいのだろうかと疑問に思うこともあった。しかし、そのことを佐藤教授にお話しすると、「Quick Search Results」を用いて物質を推測することは、データベースが豊富であるため、実際難しく、実験での様々な条件を絞り、考慮する中で、曖昧さは残るが、大まかな推測が可能になるとおっしゃられていた。私は、正直なところ、その教授の言葉を聞いて嬉しかった。自分で黙々と調べていった時には、時間が経つ一方で、思うように作業がはかどらない、調べても調べても難解な内容が膨らんでいく。ある時には、一通りのデータをまとめ終わった時に、調べた分子量から水素イオンの価数を引き忘れていたことに気付き、呆然となったこともあった。それだけに、佐藤教授の言葉は、私の心に深く響いた。そして、たとえ、失敗したとしても、そこまで自分が重ねた努力や味わった苦い思いは決して無駄にはならないことを切に学んだ。また、この探究の中で、私は新たな気付きに出合うこともできた。グラフに示される物質が何なのか、模索することを通して、候補に挙がる物質が治療薬や農薬の成分が多いことに気付いた。例えば、アルツハイマー病や記憶障害の治療に使われるガランタミンや、幻覚剤の一種であるαメチルトリプタミンなど、調べていくと、今まで自分が知らなかった物質がたくさん登場し、未知の世界を冒険するようだった。中には、ゴカイの体内に含まれているとは考えられないような農薬の成分が第2候補に挙がっていることもあった。データの量が膨大であるため、調べたことを基に考察を深めていくことは、時として、判断基準に迷うこともあり、難しかった。しかし、今このように振り返ると、やりがいを感じる。私は、佐藤教授のお話も含め、今回の探究の中で、やはり豊富な知識は必要不可欠であることを実感した。
     また、今回の実験では、「プリカ―サースキャン」という娘イオンから親イオンを特定する方法を用いて実験を進める。AccQイオンを生じる親イオンを全て検出して、クロマトグラムに表す。どのような結果が出ているか、今から次回の活動がとても楽しみである。同時に、私は、今回の実験方法に強い興味を抱いた。今回の実習の中で、佐藤教授に質問して、さらに詳しく教えて頂いたことだが、「プリカ―サースキャン」の他に、もう一つ「プロダクトスキャン」という方法がある。これは、構造解析に特化しており、分子量が既に分かっている物質の構造を調べる時に用いる。特定の親イオンから娘イオンを検出することで、特定の分子に焦点を絞りやすくなる。これらの双方の実験方法の特徴や利点を学び、実験に臨むと、実験後、同じ内容でも、スッと頭に入ってきやすく、理解を深めることができて、良かった。
     ELCASでの活動では、毎回新たな自分に出会い、そして、少しずつ成長することができているように思う。しかし、この専修コースの活動も、残すところ僅かとなった。この感動経験を大切にして、学びや自分のキャパシティーを広げると共に、今の自分の考えや思いをしっかりと心に書き留めていきたい。

2017年6月17日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 農学総合館 N566

  • 当日の講師

    佐藤 健司 教授

  • チューター

    蓮井 啓介、吉川 和伸

  • ボランティア

    荻野 達也

  • 実習の内容

    前回行ったイトゴカイの抽出物のサイズ排除クロマトグラフィーおよび液体クロマトグラフィー質量分析のデータをコンピューターに取り込み、次回分析する成分の同定を行った。

  • 海洋0617-1データー分析の様子

活動を通して学んだこと

  • 今回は前回までの実験結果をまとめた。実験データを整理するとき、パソコンでデータを読み込み、グラフにした。パソコンでのそういった難しい作業は初めてだったのでとても学ぶことが多かった。クロマトグラフィーの結果から分子量を見て、どれに目をつけて調べていくかを決めた。グラフの見方もわかったので分子量から調べていきたい。
  • 今回の活動では、前回サイズ排除クロマトグラフィーで分析したサンプルA,B,Cの結果の分析を行った上で、今後の実験の指針を話し合った。 私は今回の活動を通して、改めて結果の分析は慎重性と正確性が求められ、且つ根気と労力を要する大変な作業であると実感した。各データの重みをひしひしと感じ、結果の分析にこそ各実験の真価が問われるようにも感じた。コツコツと積み重ねていく地道な作業の大切さを身をもって考えさせられた。 今回の活動の中で難しかった点はデータの比較だ。分子量1~1000まで検出されている物質のデータを分子量の大きさごとに複数のグループに区分し、比較に必要な様々な処理をコンピューターに入力することも慣れるまでは難しかった。一瞬の入力ミスで思いがけないダメージを被ることにもなりかねないので、一つひとつの作業が緊張の連続だった。また、今後分析する物質を特定するために、グラフの起伏部(ピーク)の平均の分子量を一カ所ずつ調べていったが、私は膨大なデータ量に圧倒された。小さな起伏も含めて一通り全て丁寧に分析した。中には、グラフが微妙に重なっていて起伏が区別しにくいものや連続して山型の外形が連なっている箇所もあり、手元にあるグラフと投影されているパソコンの画面とをにらめっこして取り組んだ。調査後のグラフはたくさんの数字で埋まっていた。分子量を一通り調べた後は今後どの物質を更に分析するかについて話し合うため、再びグラフを比較した。私は、様々な機能や性能がいくら発達しても、人による手作業は欠かせないものだということを痛感した。 また、今回の活動の中で、実験内容の正確な理解や実験で用いる機械の仕組みを把握しておくことは基本中の基本であると実感した。例えば、今回の事例でいうと、サイズ排除クロマトグラフィーで検出された物質は化合物と水素イオンが組み合わさったものであるため実際の分子量ではないということだ。よって、その物質の構造や性質を調べる時には、引き算をする注意が必要だ。 分析は片時も気を緩めることのできない責任重大のものだ。時には、自分の分析を疑う、言い換えるなら「これで合っているのだろうか」と客観的な立場に立って考え直すことも必要だと思う。細かな部分にまで気を配り、思い込みで判断せず、きちんとした根拠のもと考察を広げていくことの大切さを実感した。その意味でも、一度原点に立ち返り、研究テーマを見直し、自分がこの研究に懸ける思いや考えを問うことも必要だろう。私は、結果に対して謙虚に向き合うとはどういうことなのか、また、どのような姿勢を指すのか改めて考えることができた。何事にも真摯に取り組むことが何よりも大切だ。研究のノウハウを間近に教授やチューターの方の姿を通して学ぶことができる、この貴重な経験を大切にしたい。

2017年6月10日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 農学総合館 N566

  • 当日の講師

    佐藤 健司 教授

  • チューター

    荒川 貴行、中本 洋子

  • ボランティア

    荻野 達也

  • 実習の内容

    イトエラゴカイに含まれるペプチド、または低分子の活性成分を分離するために、イトエラゴカイのエタノール可溶性画分、30%酢酸抽出画分を前回調製した。前回の実習でイトエラゴカイとその分泌物の酢酸可溶性画分はサイズ排除クロマトグラフィーで分画した。本日はゴカイのエタノール可溶性画分をサイズ排除クロマトグラフィーで分画した。さらに30%酢酸抽出物の低分子画分(35-40分)をその中の成分を明らかにするため液体クロマトグラフィー-質量分析計で分析をした。次回は、この結果を解析する。

  • 海洋0610-1サイズ排除クロマトグラフィーによるイトエラゴカイエタノール抽出画分の分画
  • 海洋0610-2液体クロマトグラフィー-質量分析計による分析
  • 海洋0610-3液体クロマトグラフィー-質量分析計による分析

活動を通して学んだこと

  • 今回は前回ゴカイをすりつぶし、エタノールで沈殿させたものをゲルろ過しクロマトグラフィーにかけた。今回でやっと、サイズ排除クロマトグラフィーと逆相クロマトグラフィーの仕組みを理解することができた。サイズ排除クロマトグラフィーを使うときのインジェクターという機械にサンプルを入れるとき、初めに水を入れ、空気を抜いてから入れなければならないことを学んだ。さらに、サンプルを入れた後には今回のサンプルは綺麗なものではないため、水をもう一度入れ、洗い流さなければならなかった。また、前回のゴカイ本体と粘液のそれぞれのSEC画分をサンプルカップにいれ、逆相クロマトグラフィーにかけた。サンプルカップに入れるとき、気泡を抜かなければならなかったということや、サンプルカップなどをビニール袋から出すときは手を使わずに出した方が良いということなども学んだ。
  • 今回の活動は、サンプルB,Cをサイズクロマトグラフィーによって分画した結果の分析から始まり、私はどんな結果が出ているのか、とてもワクワクしていた。作成されたクロマトグラムには、非常に面白い結果が出ており、分子量が300~500でゴカイ本体にはあまり含まれないが、体外に出された拈出物には含まれる物質が検出されていた。それらの物質を詳しく調べて、もし低分子かつ抗菌作用があるものであれば、例えば「ゴカイ石鹸」として、殺菌効果がある商品に応用することもできる。実験では、どのような結果が出るか最後まで分からないため、期待や不安、ワクワクやドキドキなど様々な感情が交錯する。しかし、実験の成功や失敗に関わらず、私たちが結果から得られることは無限大にある。結果を通して、実験の過程を再び見直したり、新たな気付きや発見に出合ったりすることができる。このことは、実験の度に常々実感していることである。 私は、実験には、いつも緊張感をもって臨んでいる。少しの気の緩みが思わぬミスを招くため、慎重かつ丁寧に取り組むよう心掛けている。実験器具の扱い方や使い方は、どれひとつをとっても、結果に結びつく重要な過程だ。また、今回の実験では、LCMSという各サンプルの分子量の計測や構造解析に優れた機械を使った。3500万円もするというLCMSの、主に4種類に分類される多様な機能性に驚きの連続だった。また、クロマトグラムの分析に加えて、吸光度や各アミノ酸のフラグメントの方法などについて学んだ。佐藤教授が説明して下さる中に出てくる専門用語ひとつひとつが新たに知ることで、本当に難しい内容だったが、私は、脳をフル回転させ、懸命に手を動かした。次から次へと出てくる自分の知らない世界に圧倒されたが、分からない内容については、教授にお尋ねすることで、身近な道具や例えを用いて具体的に解説して下さった。私は、得た知識を整理する上で、自分の中の疑問や不思議に思ったことは、その場で解決することの大切さを実感した。解決が後回しになれば、自分のなかのモヤモヤとした感情が膨らむので、今後の活動に取り組む上での自分の姿勢に生かしていきたいと強く思った。 ELCASでは、チューターの方との交流も魅力的だ。チューターの方は実験のサポートをして下さったり、自分の研究内容について熱く語って下さったりする。また、教授を囲んで、研究室でのエピソードや他愛もない話で盛り上がり、楽しいひと時を過ごせることも魅力のひとつで、本当に貴重な機会だと思う。今回のお話の中で、チューターの方に教えて頂いた、アミノ酸のdプロリンを与えるとショウジョウバエが長生きするという実験がとても興味深かった。D体のアミノ酸とL体のアミノ酸について様々な事例を挙げながら詳しく説明して下さり、そのお話を聞くことは、まるで未知の世界に足を踏み入れるようで、頭の中の「なるほど!」が増えていくことが嬉しく感じられた。 新たなことを学べば学ぶほど、知れば知るほど、自分の知識不足を実感するが、同時に自分が今まで知らなかった世界の広さや奥深さ、そして、学問がもつ限りない可能性に魅了され、今後の自分の「学ぶ活力」に繋がっていく。この学ぶ喜びを胸に、今後も積極的に学ぶ姿勢を持ち続けていきたい。

2017年5月13日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 農学総合館 N567

  • 当日の講師

    佐藤 健司 教授

  • チューター

    蓮井 啓介、宮崎 葵

  • ボランティア

    荻野 哲也

  • 実習の内容

    海洋生物の特殊なペプチド検索するためイトゴカイおよびイトゴカイ捻出物を生理食塩水で抽出し、塩基性低分子タンパク質を30 %酢酸で、また低分子ペプチドを75%エタノールでさらに抽出した。V抽出物を限外ろかし、Superdex Peptideカラムを用いて30%酢酸溶液中のペプチドをサイズ排除クロマトグラフィーで分画した。その結果、280 nmに吸収のある低分子タンパク質のピークをいくつか確認できた(写真参考)。さらにイトゴカイが分泌する捻出物中には個体中のタンパク質と異なるピークが観察され、体外にタンパク質を分泌していることが示唆された。これらのピークは分取し、次回の実験で逆相HPLCによりさらに分画し、精製を行う予定である

  • 海洋0513-1イトゴカイ
  • 海洋0513-2実習風景
  • 海洋0513-3サイズ排除クロマトグラフィーによる分画

活動を通して学んだこと

  • 今回はイトゴカイや、イトゴカイが出した粘液にアミノ酸やタンパクなどがないかを調べるため、すりつぶしたりろ過したりした後、それをクロマトグラフィーに入れ、イトゴカイ本体と粘液の違いを見た。すると大きく違っているところがあったため、それを調べていきたい。クロマトグラフィーの機械に液体を入れる入れ方や調べているときに出て来たサンプルの取り方を学んだ。入れる液体の量を間違えたり、ろ過の時にサンプルが飛び散ってしまったりしたがなんとか調べることができた。データをきちんととっておくことは重要だと感じた。
  • 今回の活動から、いよいよ本格的な実験に取り組んだ。この研究では海洋無脊椎動物に含まれる機能性ペプチドの探査を行うが、まず、実験のサンプルとして、ゴカイを扱った。実際にゴカイを育てて研究をされているチューターの方がゴカイについて説明して下さり、ゴカイの意外な生態を知ることができ、とても勉強になった。例えば、ゴカイは、泥についているバクテリアを食べて生きているが、自分の好みのバクテリアだけを増やす働きをもつらしい。だから、自分が嫌いなバクテリアを殺し、より生活しやすい環境を整えるために、抗菌ペプチドのような働きをもつ物質を持っているのではないかと考えることができる。このように、知識を深めていくと、さらに分からないことや疑問がどんどん出てきて、今までの自分の無知さに気付かされることもある。だが同時に、それまでに培った学びにプラスアルファして、考えを応用させたり、さらに発展的なものにつなげたりすることもできると学んだ。現在、実際に目の前で教授やチューターの方の姿を見て、私は、蓄えた学びを自分の観察力や思考力に生かし、研究を進めていくことができることに憧れを抱いている。憧れる姿に少しでも近づけるように、これからも活動に積極的に取り組んでいきたいと強く思った。 実際にゴカイを観察すると、大きさは2㎝程度であったが、予想していた以上に小さく、互いに粘液を出し合って、縦横につながっていた。この粘液は泥を固めて巣を作る働きをもつが、つながっている何十匹ものゴカイをピンセットで挟んで、粘膜を取り出していく作業やバイオマッシャ―でゴカイを潰していく作業は、手間がかかり、難しく感じられた。今回の研究には、前例がないため、結果がどのように出るかどうかは分からない。だが、ペプチドはタンパク質なので、遺伝子が分かれば、増殖でき、さらに卵の発現のように他の食品に応用することも可能である。そのため、(これは、他の研究にも通じることであるが)研究がもつ可能性は無限大であることを改めて考えさせられた。ここで大切なことは、前例がなく、最後までどのような結果になるのか分からないところは、研究としては、とても興味深く、未知の世界を探検するかのような魅力があるが、その反面、実験におけるデータなどの信憑性や結果に対する綿密な分析力が問われるということだ。だから、今回の実験では、今まで以上に一つひとつの作業に緊張感を抱き、改めて気を引き締めて臨みたいと強く思った。また、今回の実験を通して、利用目的に合わせて、実験で使用する機械や器具を選び、仕組みや使い方を正しく認識しておくことの重要性を再確認した。サンプルは手間暇かけて用意した非常に大切なものであり、また、機械や器具の中には高価なものもあり、その使い方によっては、誤ったデータが打ち出されたり、サンプルが台無しになってしまうこともある。そのため、強い責任感を持って取り組まなければならない。慎重かつ迅速に臨むには、経験が必要であると思うが、毎回の実験において、常に謙虚な気持ちをもってこれからも研究に励んでいきたい。

2017年4月15日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 農学総合館S-103

  • 当日の講師

    佐藤 健司 教授

  • チューター

    渡辺 隼斗、中本 洋子

  • 実習の内容

    実習のテーマ決め。その結果、海洋無脊椎動物に存在する短鎖および長鎖ペプチドに関する研究となった。さらにペプチドを分離するのに必要なクロマトグラフィーについてサイズ排除、イオン交換、逆相クロマトグラフィーの順で原理と注意事項を説明した。その後、高性能液体クロマトグラフィー質量分析計の実物を用いて装置の説明を行った。

  • 海洋生物の健康増進機能ペプチド_実習風景ペプチドの化学とその分離法に関するレクチャーを行っているところ
  • 海洋生物の健康増進機能ペプチド_実習風景

活動を通して学んだこと

  •  今回の活動では、まず研究テーマを決めた。候補として、主に3つのテーマが挙がっており、どのテーマも興味深かった。 話し合いの結果、海洋無脊椎動物に変わったペプチドは含まれているのか、泥の中に住んでいる免疫のない動物が、抗菌ペプチドのような、細胞壁に穴を開け、菌のDNAの合成を止めて殺す物質を持っているのかなど、海洋無脊椎動物に関するペプチド調査に取り組むことになった。各候補のテーマの内容について学んでいく中で、ラットなどを用いる動物実験では、実験前と実験後に、人間の血液検査をする必要があることを知り、驚いた。実験後、人間が動物のウイルスに感染していないかどうかを調べるためだそうだが、実験をする上で求められる慎重性と正確さの必要性について改めて考えさせられた。 調査対象としては、生きている状態の動物に焦点を当てる。これは、生きている動物でなければ、実験途中で、その動物の性質などが変化したのではないかなどの懸念が生じ、結果の信憑性が低くなるためだ。今回の研究では、ナマコやクラゲ、ゴカイの類を実験で扱う予定だ。生のナマコやクラゲに接したことがあまりないため、どのようにそれらの生物をサンプルとして活用するのかについても、とても気になるところだ。この実験は前例がないため、どのような結果が出るのか、とても楽しみである。また、魚の粘膜のような、ねばねばとした部分のペプチド調査(今回はナマコで対応)も、新しい発想だと強く思う。 研究テーマの決定後は、今回、研究でメインとなるペプチドやペプチドの分離法など、実験に関する内容について、佐藤教授から、様々なことを教えて頂いた。 いくつかのアミノ酸の構造式をもとに、ペプチドがもつ性質について学んでいくと、ペプチドには、大きさの違い、pHによる電荷の違い、また、pHによる親水性と疎水性の変化があることが分かった。また、上記の3つの性質を利用したペプチドの分離法について、1つずつ詳しく学ぶことができた。その中でも、分配クロマトグラフィーの仕組みに大きな関心を抱いた。移動相と固定相が一定の比で何度も分配されていく過程を学び、最初は、それぞれの値がどのようにして打ち出されたのかを理解することが難しかったが、佐藤教授が1つずつ丁寧に説明して下さり、だんだんとモヤモヤとした気持ちが少なくなっていくのを感じ、嬉しく思った。 また、実験に用いる物質の性質によって、実験器具の使い分けも必要であることが分かり、実験器具の用途や使用目的を事前に理解しておくことの必要性を改めて実感した。特に、低分子であるか、高分子であるかによって、使用するカラムが異なるが、低分子と高分子を見分ける基準となる値はないことを知り、私たちの研究では、それをどのように区別して判断するのかについて疑問に感じた。 学んでいく中で、まだ習っていないことや知らない言葉や仕組みなどがたくさん出てきて、難しく感じるところが多かったが、実験前に、このように少しでも知識を深めることができて良かったと思う。 次回からは、いよいよ本格的に実験が始まる。サンプルからペプチドを抽出して、具体的に調査していくので、今回学習したことをもう1度見直しておきたい。
  • 今回は実習のテーマ決めから入った。いくつかのテーマがあったがその中でも全く結果が見えていないものを選んだ。テーマを選ぶときの説明でネズミなどに物質を投与してどのように体内の様子が変化したのかを調べたいとき実験をする人はウイルスに感染していないかを調べるために事前に血液を採取し実験後に変化がないか調べなければならないということを知った。様々なアミノ酸があり、親水性のものと疎水性のもの、酸性のものと中性のものと塩基性のものがあった。また、色々なクロマトグラフィーがあり、それぞれ特徴があった。メタノールよりアセトニトルの方が粘度が低く、圧力が低いためクロマトグラフィーの溶媒としてはアセトニトルの方が優秀であるということを学んだ。アミノ酸がふたつ以上あるものがペプチドであり、タンパクを分解してできたペプチドと生物が元々持っているペプチドがあることを学んだ。ペプチドの分離方法は大きさで分離する方法、電荷で分離する方法、疎水性で分離する方法があった。

平成29年度 実施レポート

年度別の実施レポート