京都大学ELCAS(エルキャス)

実施レポート

[基盤コース後期]物理工学

2018年2月3日

  • 実施場所

    桂キャンパス C3棟 b3N07室

  • 当日の講師

    藤本 健治 教授(工学研究科 航空宇宙工学 専攻制御工学分野)

  • 実習の内容

    これまでの実習の内容を報告するためのプレゼンファイルを作成してもらいました。プレゼン資料の作り方の基礎を学び、チームワークを発揮して1つのプレゼン内容を作成するなどの学習を行ってもらいました。プレゼンの練習まで行いたかったのですが、時間の都合で行えませんでした。

  • パソコンを使って資料を作成している様子1
  • パソコンを使って資料を作成している様子2
  • パソコンを使って資料を作成している様子3

活動を通して学んだこと

  • 誰がどの分野を担当するかを争いなく決められ、私も一番担当したい分野を発表することとなり、順調に進んだのではないかと思います。具体的に「金ミラーの作製」の実験についてパワーポイントを作りました。グループは四人ですが、私が一番早くに完成したので全員のUSBをまとめて一つのパワーポイントを作ることができました。英語のプレゼンテーション大会に出場した経験があるので、スライド作りはスムーズにすることができたと思います。グループでまだ完成できていない部分もあるので、私も本番までに家で準備や練習をしたり、発表会の前の時間に完成させるなど発表会には完璧な状態で挑めるようにしたいです。一人でも多くの人に一つでも多くのことを伝えたいです。また、スライドのためのスキャンや手助けをしてくださった先生、ありがとうございました。再来週、エルキャスの集大成となる良い発表ができるよう全力投球したいです。
  • 今までに学んだことを今度はまとめたりして、発表の形にすることで理解が深まった。
  • 今までの実習のまとめでした。次回の成果発表に向けて、実際に自分たちが学んできたことをじっくりと振り返り、それらへの理解を深めることができた良い機会になりました。自分たちが何時間もかけて学んだことをたったの十分程度でまとめるため、わかりやすく伝える難しさを改めて感じました。また、今回の実習では、パワポの使用も上達することができました。今まで使ったことのない機能なども挑戦することができて、将来、仕事をする際の役に立つと思いました。
  • パワーポイントは色合いや図が重要だと知った。以前の実習内容を忘れていたので人前で話すには勉強が必要だなと気づいた。
  • 良いプレゼンの資料を作るためには、時間がかかるということが分かった。また、とても分かりやすい絵などをコンピュータ上で描いている仲間もいて、すごいな、上手だな、と感じた。良いプレゼンをするために、良いpower pointを作りたいと思う。今回の時間内では、つくり終えなかったので、次回までには必ずよいものを作っておきたい。
  • パワーポイントは色合いや図が重要だと知った。以前の実習内容を忘れていたので人前で話すには勉強が必要だなと気づいた。

2018年1月20日

  • 実施場所

    桂キャンパス C3棟講義室5

  • 当日の講師

    宮寺 隆之 准教授(量子物理学研究室)

  • チューター

    濵村 一航、吉川 雅紀、角谷 誠哉

  • 実習の内容

    量子論と古典論の違いを学修する。Popescu-Rohlich boxのシミュレータを用い超量子論の相関が可能とする不思議なプロトコルを体験する。

  • PR-boxを用いたプロトコルをシミュレータで実行しているところ
  • PR-boxを用いたプロトコルをシミュレータで実行しているところ
  • PR-boxを用いたプロトコルの説明図

活動を通して学んだこと

  • 前半の、古典論と量子論との違いの話は、とても面白かった。今、学校等で習っているような物理とは違うものなのだということを理解することができた。後半の、PR-boxを使った実験では、とても理解するのが難しく、そもそも自分が理解しているのかしていないのか分からないのだが、面白いと感じた。ELCAS全体を通して、初めての実験が主体ではない講義だったが、実験しない授業というものはこのようなものなのだ、と知ることができて良かったと思う。
  • 「量子論の基礎と量子情報」というテーマでした。量子論は高校生では全く習わないような分野なので半分楽しみでもあり半分不安でした。でも受付で待ってくださっていた先生から「他の物理工学の人も量子論は知らないと言ってたよ」と聞いて安心しました。いざ実習を受けてみると、量子論は難しいという印象をまず受けて、さらに量子論の概念すらあやふやなまま、実習が進んでいきました。エルキャス初めての授業形式で、初のノートは既に5ページ目に差し掛かろうとしていたとき、転機が訪れました。それはPR-boxを用いたゲームをしてみようというものでした。その前に実習で、[Aliceがa0とa1を持っていてどちらも0か1であるときa1をBobが当てるゲームをするときのことを考えます。遠いところにいるBobには当てる確率は普通に考えて当てずっぽう、つまり1/2の確率しかありません。しかし!Aliceが1bitだけ送ってもよいという条件下でPR-boxを持っているならば完璧に当てることができます。]ということを習いました。それをゲームとして私たちが試してみるのです。一見マジックのようなことを実践してみるのはとても楽しそうだ、と思うのが普段の私だと思います。しかしそこまで概念すらあやふやで来たものですから、ゲームの意味さえも理解できないまま私はAliceチームとして参加することとなりました。そんなとき周りのメンバーは初めに打つべき数字を計算して「1」と求めています。同じ授業を受けているはずなのに、理解にこんなに差が出てしまうのかと歯を食い縛ってゲームに参加していました。気づかぬうちにBobと計算結果が一致してゲーム成功!でした。悔しい。負けず嫌いの気性で15年間生きてきた私にとって、わからないままもう一度ゲームをするのは許されることではありません。モットーの全力投球でなんとかなる話ではありませんが、私はノートとパソコンの画面とを代わる代わる見て、考えて、そしてようやく頭の中に微かな光がともされました。メンバーの思考回路も確実に掴みました。入れるべき数字も求められました。0%から100%まで理解できたこの快感を味わってまさに幸せでした。私の努力は小さいものですが、大きな努力をした人には報いがある、と思いました。大学受験もそうだと改めて感じました。少し脱線してしましましたが、ここで戻ってPR-boxを用いたゲームについて考え方を述べたいと思います。[私たちAliceに与えられた数字はa0=0、a1=1でした。よってPR-box に入れるべき数字はa0⊕a1より1と求められます。(この⊕の記号は習ったもので、情報の世界ではbit計算で0⊕0=0、0⊕1=1、1⊕0=1、1⊕1=0とするそうです)そこでPR -box が1を示したなら、x=a0⊕Aよりx=1です。ここでBobがb=1でPR -box に入れてB=0を得たとき、a1=x⊕Bよりa1=1が出てきてゲーム成功となります。]続いてさらにややこしくしてゲームをしました。PR-boxを3つも使いました。この過程も先ほどと同じなので省略します。ここでは計算がややこしいので計算ミスが起こり、結果が合うことが少し難しくなってしましました。でもPR-boxの凄さに楽しくなってしましました。このゲームをしなかったら私は分からぬまま違う道をさ迷っていたかも知れないと思うと、PR-boxのゲームで遅れを取り戻すことができ、最後の実習で良いことを学べたと思います。 ここで私なりの理想像を考えてみました。PR-boxは現実には存在しないということでしたが、数少ない情報の中当てることができるのは凄いことだと思います。学校の情報の授業でも共通鍵暗号方式やシーザー暗号など習いました。ここでこのPR-boxを用いて情報を相手に少しだけ送るだけで相手に伝えられる、そしてその情報を暗号化できた機密情報など管理できると思います。PR-boxが実在しないのなら、この考えも実現しないのですが。でも最後に習ったことも2009年に提唱されたことで、つい最近なのでこれから量子論も大きく変わることがあると思います。私はこの実習で量子情報などに興味を持ちました。是非また習う機会があればいいなと思います。初めての授業形式で教授の説明も分かりやすくて最後にはさらに理解できて楽しかったです。大学院生の方もゲームの時は丁寧に教えてくださり、理解に大きく繋がりました。ありがとうございました。
  • 今回は量子論について学びました。量子論は数式なども使った少し複雑かつ理論的な話でした。だけれども、1つ1つ過程を辿っていくと、量子論について様々なことが分かりました。また、量子論を体感する、PRBoxという現実には再現不可能なものを再現したものを使ってゲームをしました。量子論は複雑だけれども、うまく使うと少量のbitでたくさんの情報を与えることができて、凄いなと実感しました。まだ、解明されていないこともあり、未知なる世界の広がる夢のある分野だと感じました。
  • 電子の運動を考えたときに古典論(Newton力学と電磁気学)が成り立たないこと。またそのことから量子論の枠組みができたことを知った。また、量子論では確率的な予言しか与えないことを知った。CHSH不等式が成り立たないことから量子力学が見えないパラメータのせいでないことが分かった。また現在、情報理論を用いて量子が議論されたいることを知った。
  • 量子力学は物理の最先端と聞き、難しいものと思っていた。実際に今回の内容は以前の授業よりも理解度は低いが、量子力学を用いて例えば相手の持つ情報を伝えるのにも便利で有用な特性があったりとその利用がとても未来的な分野であると分かった。

2018年1月6日

  • 実施場所

    桂キャンパス Cクラスター C3棟 bB1N02

  • 当日の講師

    蓮尾 昌裕 教授(工学研究科 機械理工学専攻 光工学研究室)

  • チューター

    角谷 仁郎、藤川 祥亘、寺本 達哉

  • 実習の内容

    光が目に見えることや色と光の波長との関係を概説後、実習内容、すなわちイオンスパッタリング装置によるミラーの作製と2重スリットによる光の干渉計測について説明した。一度に実験を行うことのできる人数の関係で、ミラー作製を先に行うグループと干渉計測を先に行うグループに分け、実習を開始した。
    ミラー作製においては、グロー放電プラズマを用いたイオンスパッタリング装置の原理について解説した。その後、実際にスライドガラス表面に金を成膜し、ミラーを作製した。その過程で真空についても体験した。また、成膜にかかる待ち時間を利用して、各種光源のスペクトルを観測し、その性質の違いを体験した。
    干渉計測においては、予め準備もしくは自ら作製したミラーに定規と針を使って2重スリットを切った。スリットを光学顕微鏡で観測し、スリットの間隔を計測した。赤色、緑色、紫色のレーザーポインターの光を2重スリットに入射し、光の干渉を観測した。
    全ての実習を終えた後、各グループで得られた計測結果をもとに、干渉縞の間隔と2重スリットの間隔、光の波長の間に成り立つ法則を考察した。

  • イオンスパッタリング装置によるミラー作製の様子
  • 2重スリットを作製している様子
  • 光の干渉の法則を見つけるために計測結果を検討している様子

活動を通して学んだこと

  • 光とプラズマに関する実習だった。まず初めにプラズマを利用した装置で、金色をしたミラーを作った。この装置は、イオンスパッタリンング装置という名前で、プラズマを用いて上部に取り付けてある金から金イオンを発生させ、そのイオンを下部に取り付けてあるガラス板に付着させることで、そのガラス板が金でコーティングされ、金のミラーになるという仕組みだった。装置から出来上がった金のミラーを取り出したときは少し感動した。最後に教わった公式の存在も驚きだった。全体的に見て、もう少しプラズマ関係の実験をしてみたかったと感じた。また、講義内容が非常に難しく、様々なことが不完全なまま終わってしまい、残念な面もあるが、様々な美しいシーンを観察することができ、とても面白い講義だった。
  • まず初めにプラズマとは何だろうと思ったので実習前に調べてみました。(気体を高温に加熱すると、分子や原子の運動エネルギーが増大して解離や電離が起こり、電子と陽イオンが混在するプラズマ状態になる。プラズマは正の粒子と負の粒子と中性原子から成り立っていて、プラズマ全体では中性である。真空放電をすると放電管内の発光部分にはプラズマが存在する。)私が調べたのはこのような感じでした。プラズマはテレビや空気清浄機などで聞いたことがありましたが、「プラズマ」と調べると、真空放電や加熱という言葉がよく出てきました。そこでプラズマについてさらに興味が湧いてきたところ、今回の実習で真空放電をさせていただいたので私としてはとても嬉しく楽しかったです。 まずは前半に金の鏡を作ることを行いました。真空状態を作ることができる装置(イオンスパッタリング装置)に透明のスライドガラスを入れて15分ほど待ちました。その間に驚くべきことがたくさんありました。まず、蓋が開かないのです。そして真空放電をしている間は何故か薄い赤紫色に光っています。イオンスパッタリング装置から取り出してきたスライドガラスが金メッキされています。しかもとても熱いです。今挙げたもので合計4つの疑問がありました。見たとき感じたときは疑問が私の中で大きく膨らんでいきましたが、教授の方や大学院生の方の説明を受けて、今はもう他者に説明できるほど理解できています。まず、蓋が開かないのは、中が真空状態なため大気が蓋を押しているから。さらに1㎠につき1㎏の力で大気が押しているため、イオンスパッタリング装置の蓋を100㎠と見積もるとおよそ100㎏もの力を蓋が受けていることになります。よって私たちの力では蓋は開けられないのです。次に、真空放電をしている間は薄い赤紫色というのは、先ほど調べたようにプラズマによる光です。なぜ赤紫色かというと、空気中の窒素による色だということを学びました。そして、スライドガラスが金メッキされている理由は、上の方に金がつけられていて、そこが負に帯電して電子が移動して下のスライドガラスに移ったのだとわかりました。最後に、とても熱かったのいうのは、中で電子が移動したり反応が起こった時の熱でした。このように、私の疑問点は綺麗に解決していきました。ここで学んだことは、すべての事象には原因があるということです。この装置を見ているだけでは、光ってて綺麗だなぁとか、金がついてるとか、そういうことだけしか思わないかも知れないけど、それぞれの事象に疑問を持つと、解決したときの嬉しさ、楽しさを感じることができました。これが実験の醍醐味なのだと実感しました。 次に交代して、鏡を削ってスリットを作りました。その鏡を固定してレーザーポインターの光(緑、赤、青)をあてました。初めに、狭い隙間では光は曲がると習ったので、スリットを通ったレーザーは遠くのホワイトボードに達したとき長く伸びていました。習ったことを目で確かめることができました。その長さを測り、ひたすらデータとして書いていきました。その時、ノギスという定規を用いて測ったのですが、興味が湧いてきたのであとで調べました。ここで初めて使って0.05㎜まで測ることができると知って、とても驚きました。顕微鏡などを使わない限り、人間の目では、1㎜以下は測ることが不可能に近いと勝手に思っていたからです。個人的にマイクロ、ナノレベルの極微小の世界に興味があったので、この道具に感動させられました。最終的にこの数値は、x(暗線間隔)、λ(レーザーポインターの波長)、L(ホワイトボードまでの距離)、d(スリットの間隔)を用いて、dxとLλが比例することがわかりました。ただ並べていただけだけど、その数値には意味があるのだと学びました。 最後に、私の常識を覆されて最も印象深いことについて書きます。教授の方が緑と赤のレーザーポインターを壁に照らされて、どっちが明るいかというクイズでした。緑は非常に眩しいほどで、赤はあまり眩しくはありませんでした。よって必然的に答えは緑…と思い、簡単だからこれは引っかけなのかと思いつつも、やや自信満々に緑に手を挙げました。しかし、答えは緑でも赤でもない、両方同じだったのです!これには驚いてしまいました。アインシュタインの格言、「常識とは18歳までに身につけた偏見のコレクションのことをいう。」という言葉の意味がわかったような気がします。なぜ緑の方が明るく見えたのかというと、分光視感効率が緑の方が高いからです。私たちはより緑を感じやすいということです。これを応用して、LEDは分光視感効率の高いところを用いて、熱を殆ど出さずに光ることができるのだと学びました。ここで私なりの意見、あくまで理想像ですが、考えてみました。眼科などで視力検査をする度に視力の衰えを感じて嫌になりますが、この分光視感効率を利用して、目の悪い人、盲目の人でも光で何か感じることができたらいいと思いました。例えば画面から緑を多くだすと目は緑の光に敏感なため、危険を表し、赤や青の光は他の何かの役割を担うなど、分光視感効率を用いたらどうなるのだろうかと思いました。最近はレーシックなど発達していますが、光を感じるのは視力ではないと思うので、何かに利用できたらいいと思いました。今の意見は個人的に医療に興味があるので医療に結びつけてみました。そんな私にとって、胃カメラの仕組みを聞いたときも、とても感動しました!
  • 今回は、自ら書記やまとめ役を買って出たりと、かなり積極的に活動をすることができたので良かった。
  • まず、金メッキをしました。プラズマによる雷で金をガラス板につけました。金が濃く移ったところは綺麗な鏡になり、薄いところはガラスの奥が薄らと見えました。その境目に写る景色が不思議な感じでした。また、様々な光の色の識別を見ました。LEDは綺麗に虹色が見えて感動しました。普段見慣れているものの光の構成が分かり、楽しかったです。さらに金メッキしたガラスに傷をつけ、光の波についての法則を考えました。実験結果と、シュミレーションによる感覚をもとにみんなで様々な意見を出し合い、ひとつの答えを導き出すことは、大変だったけれどやりがいがありました。
  • 自分が今までに学習していて覚えているような公式でも、実際に実験を行ってその結果を基にして導きだすのはとても大変だった。
    また、様々な機械や器具を実際に使って実験を行うことが出来て、とても貴重な経験になった。
  • 自分でスリットを作り光の干渉を実験した。ステンドグラスにイオンスパッタリング装置で金属膜をつけた。ステンドグラスにつける金属に金を用いるのにはほかの金属ではステンドグラスにつきにくいからだと聞いた。金を薄くはったステンドグラスを通して蛍光灯の光を見ると青く見えた。
  • 光の波長や干渉に関する公式を一から発見するのはとても難しく、実際に間違えた公式につながってしまったが、実験の材料を自分で作りそこから考えるのはとても楽しかったし正しい公式に代入すると結果が1.00と出たのはとてもきれいで感動的だった。

2017年12月16日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 物理系校舎

  • 当日の講師

    宇田 哲也 教授(工学研究科 材料工学専攻 表面処理工学研究室)
    谷ノ内 勇樹 特定准教授(工学研究科 材料工学専攻 非鉄製錬学講座)
    岸本 章宏 特定助教(工学研究科 材料工学専攻 非鉄製錬学講座)

  • チューター

    服部 和樹、久野 健治

  • 実習の内容

    非鉄金属製錬所が資源循環・都市鉱山リサイクルに果たす役割について講義をしたのち、製錬所で実際に行われている銅の電解精製、貴金属の溶媒抽出を題材として実習とメカニズムの議論を行った。
    事前講義:現代社会を支える製錬学
    実習①:銅の電解精製(電気分解を用いた銅の高純度化を通して、電気化学反応とその工業利用を学ぶ)
    実習②:金の溶媒抽出(溶媒抽出を利用した金とパラジウムの分離実験を通じて、元素の特徴や最先端の分離技術を学ぶ)
    実習中には「仮説の構築とその検証」を主体的に行ってもらった。

  • 銅の電解精製実験
  • 金とパラジウムの分離実験

活動を通して学んだこと

  • 私がエルキャスの応募の時に物理工学を第一希望に選んだ理由は、この「金・銀・銅を作ろう!」のテーマが魅力的だったからと言っても過言ではありません。金・銀・銅という言わばエリートな部類の金属に憧れがあった、というのもありますが、一番の理由はそこではありませんでした。金・銀・銅は自然に埋まっているというイメージがあるので、そんな金属を「作る」という言葉に違和感を覚え、そこに興味があったのからなのです。私は金属をたくさん挙げてと言われたら金・銀・銅をまず思い浮かべますが、世の中にはもっとたくさんの種類があります。レアメタル、これは資源が少なかったり、資源の枯渇が心配されている金属のことです。Au(金),Pt(プラチナ),Pd(パラジウム)は資源がもともと少ないのでレアメタルの一つです。そこで私はパラジウムという名前を初めて耳にしました。准教授の方のお話によるとロシアでしかとれない金属のようです。また、亜鉛や銅などの元素は資源の枯渇が問題となっています。銅は十円玉や銅メダルや導線でも見るのでレアメタルのイメージは一切ありませんでした。しかし、亜鉛は自動車のメッキとして、銅は様々な用途に使われているので量に限界があります。亜鉛が私たちの身の回りに使われていると思ったことはあまりなかったのですが、自動車のメッキに使うということは、かなりの量が必要になってくることがわかります。行く行くは自然破壊へと繋がる金属の採取を少しでも減らすべく使用済みの携帯電話などを用いてリサイクルして社会に貢献したいなと、講義を聞きながら思っていました。さらに私たちの身の回りは118個の元素のみでできているということを始めに習って、たった118個の組み合わせを変えることでこんなにも様々な物質sができるということに圧倒されました。どの元素を組み合わせようか、研究者のひらめきが今後の材料工学をはじめとする科学界を左右していくのだと思いました。国内には7つの銅製錬所があるそうです。まず製錬所とは何なのか考えました。錬金術の錬だから、銅製錬所とは銅を作る場所なのかなと考えていると、その予想は当たっていたようで、お話によると製錬とは「自然界のものから金属を作り出すこと」だそうです。国内の分布は東北付近と瀬戸内海付近の2つに分かれていて中部地方周辺、関東や近畿には殆どありません。なぜ内陸部にはないのか不思議に思ったので調べてみました。「銅製錬について言えば、中国の主力銅製錬所は現在、ほとんど内陸部にあるが、将来、銅地金の輸出制限がはずされ、銅地金の輸出が本格化すれば、輸送コストの面で有利な臨海地区に外資参入の大型銅製錬所が建設されることも考えられる。」(引用 http://mric.jogmec.go.jp/public/current/99_30.htmlより 閲覧日:12月16日)つまり、日本の銅製錬所は臨海部が殆どですが、私はその理由として銅の輸入に便利なため、が最もだと結論付けました。輸入に便利なため臨海部にするということはつまり、それほど輸入が多いからでしょう。ここは今回習った知識で解決できます。まず1310トンもの銅鉱石を輸入します。それらはもともと0.05%ほどしか銅を含んでいない銅鉱石を処理して30%ほど銅を含んだものです。そしてここから日本で処理を行い最終的には99.999…%、ほぼ100%に純度を近づけた銅を作ります。このことから純度100%のピッカピカの銅を作るためには輸入の量が莫大だということを学びました。また、銅製錬所の紹介DVDを見ました。銅が赤い液体となって工場の中を進んでいるシーンが多かったのですが、ここで私が製鉄所に行った時のことを思い出しました。製鉄所は内部の温度がとてつもなく高く、猛暑日に行ったにも関わらず、製鉄所から出たとき涼しいと感じたほどでした。この製鉄所のように銅製錬所もきっとこのくらいの温度があるのでしょう。そんなことを考えながらDVD を見ていたのですが、これが後々の実験に関わっているとは思ってもいませんでした。 実験の1つとして、金の抽出液とDBCを混ぜることを行いました。私は混ぜる役割を担いました。すると驚いたことに、有機相と水相に綺麗に分離しました。振っても振っても必ず分離していました。これと貴金属溶解液を混ぜて分液漏斗でビーカーに移しました。分液漏斗は初めて使ったのでちょっと興奮しました。この実験では魔法使いになったような気持ちでした。素直にとても楽しかったです。 初めに、わだかまりが残っていると述べました。その一番の理由は実験後の考察にありました。考察では、製錬所と今回の実験装置とはなぜ電圧が異なるのか、という内容でした。正直に言うと、その答えは全くわかりませんでした。電圧が異なると何に影響があるのかもわからなかったし、電圧の差は重要なことなのかもわかりませんでした。他にも、電圧がメッキ加減に関係しているのかもわからなかったです。こうやってわからなかったことを挙げると、わかるための鍵になります。私は様々な疑問を抱えつつ、考察の時間を迎えました。頭が沸騰するような瞬間にさしかかり、学生の方に質問をしました。その方は丁寧に教えてくださり、この議論の核心まで入っていくことができました。その前に実験装置の陽極と陰極の反応についてはよく理解できていたというのもあって、真剣に考えることができました。そこで、答えを共有するという時間になりました。私はまるで廊下に出て走って逃げたいくらいの気持ちに襲われました。全員何か1つは言うということだったので、一生懸命考えました。考えても考えても、しょうもないような発想が頭の中を渦巻いていたのが悔しかったです。例えば、「陽極を大きくする」「陰極陽極のセットを1つしかしていないから電圧が高くなっていると考えたので、複数個並べる」「溶液を撹拌させてみる」等…。しかし、他のメンバーの意見にはあ!と大声をあげたいものがたくさんありました。「距離が関係している」「温度が関係している」等…。距離はもうどんぴしゃりの答えでした。私も実験しながら「私が求めていた答えは距離だ…!」とついつい感動してしまいました。また、先ほどのDVD が暗示していたのか、温度は大きく関係しているそうです。そんな意見を考えられるメンバーを尊敬します。私はめげずに頑張ります!この実験の補足として、陽極を鉛、陰極を銅で実験を行いました。電圧は驚くほど増えていき、陽極が銅の時の4倍以上に達しました。これにはひどく驚いて、理由をいち早く知りたい気持ちに駆られました。なんと、鉛は反応しないので代わりに水が分解されているということを学びました。これぞ実験の醍醐味だと思う瞬間でした。実験をしないと実感がわかないようなことを、学べて私は幸せだと思いました。 私なりにいろいろな案を考えてみました。悔しさの残る「銅の電解精製」についてです。あくまで理想像です。この実験ではゴム手袋と保護眼鏡を着用しましたが、やはり危険性の高いものとして硫酸銅水溶液が挙げられます。銅の精製は1310トンもしている日本にとって危険な液体は不利です。硫酸銅水溶液が最も適しているのは承知の上で、臭いけど酢酸とか炭酸水とか、もっと危険性の低いもので代用できたらいいなと思いました。 最後に、20㎝四方厚さ2㎝ほどの銅を持ち上げたとき、身体が凹みそうなくらいとても重かったことは、私にとってインパクトが強かったです。
  • 今回の実験は、精錬所の工程の1つである、銅の電解精製と金の溶媒抽出を行なった。銅の電解精製では、金属のイオン化傾向の差を利用して陽極である粗銅から陰極であるステンレス板に電気を流し、粗銅中の銅がイオンとなり硫酸銅水溶液を通ってステンレス板に付着するという仕組みだった。驚いたことは、たったこれだけ(実際の精錬所ではもっと規模が大きいだろうが)で綺麗な銅ができるということだ。電解し終えた粗銅とステンレス板を引き上げた時は、感動を覚えた。ステンレス板に粗銅とは全く違う、精銅が付着していたのだった。また、このような現象は、自分の知識でも理解することができて、とても嬉しかった。銅の電解実験に関連して、電圧についての議論もした。様々な検証実験をしたが、陰極のステンレスを銅に変えてもあまり電圧が変わらなかったのには驚いた。また、陽極の銅を鉛に変えた時の酸素の発生もすごく面白いと感じた。
    金の溶媒抽出実験では、金とパラジウムを溶かした溶液から、それぞれを固体の状態で取り出すことができた。抽出実験の概要は理解できていたので、飲み込みは早かった。この実験で使ったDBCは、魔法の薬なのではないかと思ってしまった。金やパラジウムが攪拌のあとに出てきた瞬間は、とても感動した。ただ、疑問にのこったことは、この実験では、金を塩酸に溶かした溶液を使ったが、金は塩酸には溶けないと思うので、そこが疑問である。  エネルギー資源についての講義では、資源が不足している現状が分かった。携帯電話などの精密機械からのレアメタルの回収はとても大切だと感じた。また、他の国では、レアメタルの回収の工程で、危険な作業を行なっていると聞いたので、それらの国に、日本の技術を伝えることができるといいなと思うと同時に、日本の技術はとてもハイレベルなのだということを理解した。 今回の講義は、非常に実りの多いものであったと同時に、非常に楽しく面白かった。
  • 粗銅から純銅を作る「精錬電解」は教科書にも載っていてその全貌はとてもシンプルな式で説明することができる。しかし今回はその過程での、工業的製法での電圧と実験した実測値の電圧の違いに焦点を当てて考えてみた。電極版の距離や温度など様々な要因を考えることができ、それを実験で考察してみるとその原因であろうものが正しいことが分かった。
  • 今回は金属の析出についての実験を行いました。一つ目は金の析出です。金といえばとても貴重なもので高価なイメージがあり、それだけ析出することも大変だと思っていました。確かに含有率はとても低く、希少価値は高いなと思いましたが、析出方法は至って単純で、化学でも習った、イオン化傾向を利用したものでした。イオン化傾向が高いものを使って、低いものを析出する、ただそれだけだけれども、きちんと金が析出されて、その様子に圧倒されました。また、銅の析出から、効率のよい析出方法を議論する実験も行いました。工場で析出する際の電圧と実験時の銅の析出での電圧に差があることから、様々な考察が出て、それらを実際に検証して、結論を出す、その研究者の様な過程を辿れて、よい経験となりました。金属の析出では、既習内容である、イオン化傾向を利用した方法が使われているので、化学の内容がとても身近に感じられました。
  • 私たちの身近にある様々なものに使われている銅や貴金属などの精錬の仕組みを知ることができた。金の溶媒抽出ではこんなシンプルな方法で分離することができるのかと驚いた。今回の活動を通して、実験において差異が見られたときに、様々な原因を疑ってそれを確認してみることの重要性を強く感じた。
  • 海外で取れる銅鉱石にも銅は1%も含まれていないことに驚いた。銅の工場ででた陽極泥からレアメタルを取り出す実験で有機溶媒(DCB)を加えて溶液を攪拌子で振動させると金が溶けた溶解液から金だけが溶けた黄色の溶液とそれ以外の溶液に分けることができた。黄色の溶液にシュウ酸カリウムを加えることで茶色い金を得ることができた。最初、茶色い沈殿を見た時は金だと分からなかった。もう一度融かすことで金色になるそうだ。実験で初めて分液漏斗を使用した。正確に金の溶けた溶液とそれ以外の溶液に分けることが難しかった。実験で使用した攪拌子が磁石で出来ていてスターラーとひっつき効率よく中の液体を攪拌することができるという実験器具の工夫を知って感動した。また粗銅から電気銅を作る実験で実際にステンレス板に電気銅が綺麗にくっついていた。最後に実際に工場で行われている電気精製での電圧と今回実験室で行った実験の電圧が違うことをについて班のメンバーと議論した。でた仮説を実際に実験した、でた結果には先生もすぐには説明できないとおっしゃっていた結果もあり仮説を立てることの重要性を知った。

2017年12月2日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 工学部物理系校舎3階

  • 当日の講師

    花崎 秀史 教授(工学研究科 機械理工学専攻 流体物理学研究室)
    沖野 真也 助教(工学研究科 機械理工学専攻 流体物理学研究室)

  • チューター

    秋山 真作、高橋 充、川崎 貴大

  • 実習の内容

    円管内を流れる水の流れの可視化実験(レイノルズの実験)を行なった。円管の入口付近に設置されたノズルから放出される染料の軌跡(流脈線)を観察し、スケッチを描いた。円管内を流れる流量が小さい場合には流脈線は一本の直線状であるが、流量がある臨界値を超えると流脈線が不規則に振動・拡散する様子を確認した。次元解析に関する演習を通じて、流れの状態がレイノルズ数と呼ばれる無次元数によって決まることを導いたのち、円管内流れの臨界レイノルズ数を求めた。

  • 染料により可視化された流れについて議論
  • 流脈線の観察とスケッチ
  • 次元解析に関する演習

活動を通して学んだこと

  • テーマは「水の流れの可視化実験」でした。実習を受ける前に水の流れの可視化とは何なのか、勉強の合間を縫って調べたり考えていたので、想像はかなり膨らんでいました。しかし水の流れの可視化と言われても、水の流れは水道などでいつも見ている訳ですから、既に可視化されているのではないかと思ったりもしていました。それゆえ余計に、装置を見たときに驚いたのです。エルキャスではいつも他では絶対できないような実験をさせてもらいますが、今回も大きくて本格的な装置を用いる実験で、装置を見たときから気持ちが高ぶっていました。その実験装置はレイノルズ実験装置という名前で、実習の後半で計算をしたときに求めた「レイノルズ数」を調べるための装置でした。その実験の内容としては、そう難しいものではありません。水槽の中に横たわった円柱の片方がラッパ形になっているのですが、そのラッパ形の入り口からインクを入れます。そして水の流量を調節することでそのインクの流れの形(流脈線)を見ます。ここまでは難しい内容ではなかったのですが、難しいのはここからでした。私の予想としてはインクは円柱の真ん中に注入しているため円柱の真ん中を進み続ける、ということでしたがそれは殆ど間違っていた予想でした。なんと流量を調節することで、予想通りきれいでピンと真っ直ぐに伸びた流脈線を作ったり、逆に線とは毛頭言えない複雑な波が現れることもありました。ここで流脈線のスケッチをしながら、だんだん流量を変えてその変化を考察しました。私はそこで流量を調節する役目を担うことができました。なんと調節は自動ではなかったので、微調整がとても難しくて焦ることもありました。でも安定した値になるとそれをメンバーに伝えて、流脈線を観察していくことに慣れてきてだんだん楽しくなってきました。准教授の方に「流量の調節は坂口さんにお任せします!」と言われて初めはドキドキしたけれど、嬉しかったので頑張ることができました。ここでの目的は、層流か乱流か見分けてその境目を見つけることでした。私は下流側にいたので下流の流脈線をよく観察していたのですが、下流では乱流に思えても上流だと層流に思えるというような状況が何度かあり、意見が割れてしまいました。ではその間の流量で見てみようなど工夫してついに境目を見つけることができました。初め、2.80が乱流と思っている人は私しかいなかったのですが結局2.70以上は乱流だという結果に至ったので少し嬉しかったです。しかし①2.70の決め手は見た目だけ。②私の調節したたまたまの値が2.70だったわけで、それがぴったり答えということではない。③さらに実験全体の答えとして層流と乱流のきっちりした境目はない。これら3つの条件を合わせて実験したので、ここでの結果が正確な証明はできません。でもこの値で計算すると流速が8.5[m/s]と出て、なるほど!水の可視化実験をするとこのようなことが求められるのかと感動してしまいました。水は流れが一定値を越えると、見えないけど実は層流から乱流へと変化していてこれは回転しながら波を作っていることを学びました。その実験の間、准教授の方に質問されて今でもよく覚えていることがあります。それは「なぜ円柱の入り口がラッパ形をしているのか」ということです。なぜ?私はすぐさま頭をフル回転させ、「水の流れを見やすくするため」と答えましたが、それは間違っていました。正解は「静かに水が流れていくため」でした。ここでなるほど!と思い、私はこの装置や実験にまたまた感銘を受けることとなりました。そして流脈線について考察するときは「回転している」「二本の線に分かれている」等たくさん意見を発表でき、それが正解だと嬉しく、さらに鮮明に記憶に残るきっかけとなっています。 後半では、次元解析を通してレイノルズ数を計算する操作を行いました。まず例として振り子の物理量を考えて次元解析を行うための基礎を固めました。私はこの次元解析という考え方を割りと早く理解できたように思います。当てられたときも答えることができました。ペアで問題を解くときも、物理量を列挙したり単位を揃えたり、楽しく学べました。次元解析で出た答えが実際も矛盾していなかったりして、次元解析の面白さや奥深さに魅せられました。大学院生の方についてもらって解いたのですが、私たちの難所も詳しく一から説明していただき、京大の人は凄いなとただただ尊敬して、私もそのような人になりたいと思いました。 この実験と計算を通して、レイノルズ数を求めることができました。私はこの実験装置に初めから気持ちが高ぶっていたと先述しましたが、実験の最後には湧き出てきたたくさんの疑問を解決するべく様々な実験をしたい、実験欲とでも言えそうな気持ちになりました。流体の密度を変えるとどうなるのか、水が流れてくるときの円柱の断面(私たちが見たのは側面)が見てみたい、など……。そこで私が考えたのは、あくまで理想像ですが、円柱の断面は直接見ることはできないので断面に合うように、インクが付いた時間差を表現できるような紙を固定するということです。このことから波は円柱のどのあたり(側面に近い方なのか中心部なのか)が速くなっているのか、などわかると思います。紙は、インクに当たったらすぐ反応してその反応度合いを色で判断できるものがあればいいなと思います。私の予想では中心部が一番速いと思うのですが、外側は回転している時もあるのでそこが謎です。是非調べてみたいです。 気づかぬうちにこんなに文章を書いてしまうほど、楽しい時間でした。次から水を見るとインクを落としてみたくなりそうです。ありがとうございました。
  • 水の流れの可視化というテーマで、レイノルズの実験を行なった。実験の概要としては、流れる水の中のインクの動きを観察して、その水の流れが層流か乱流かを観察し、様々な流量で実験するというものだった。まずひとつ驚いたのは、層流の時でも、インクが綺麗に波打っていることだ。また、乱流の時は、その波の形が崩れ、様々な方向に回転運動をしていることだ。続いて、層流から乱流に変わる所の近辺の流量を調べた。また、円菅の内径を半分にして、層流と乱流の境目を調べた。その流速は、内径が小さい方が速くなっていることに驚いた。また、物理の単位の次元を調べて、ある値の次元を調べる次元解析という手法を学んだ。そこで、先程の実験を支配するレイノルズ係数という無次元数を学んだ。そこで反省すべき点は、基本的な物理の知識がないことによる次元解析の計算をする際手間取ってしまったことだ。このようなことがないように、もう少し勉強してから臨むべきだったと反省している。今回の講義は、僕にとって初めてのことばかりで、非常に難しく感じた。
  • 流体の中の流れの観察は一回目の風洞実験でも行ったが、今回の実験では全体像を簡単に見渡せるようなスケールであったので、より流れが分かりやすく、また水を使ったのでより身近に感じた。層流と乱流の間の状態を調べて観察し、実際に値を出したレイノルズ数は理論値とくらべて大きな誤差もなく、またそれを求めるために学んだ次元解析という手法は斬新であり感動した。そしてそこから流体の慣性力と粘性力の比から複雑な流れの乱れを表せることを学んだ。
  • 水の流れが波であるということはよく聞きます。でも、実際の動きをみて、実は流体は回転しながら進んでいるということが分かり、驚きました。また、流体の動きは自然のものだから、層流と乱流の境目がはっきりしておらず、見分けることも大変で、グループ内でも、意見が分かれることがありました。そこから、ほかの人の観点や基準を知ることができ、新たな視点を発見できたのでよかったです。また、次元解析により、速度や周期の見積もりも行いました。パラメーターがいくつもあるものは、実際の数値を代入してみて、妥当なものを選ぶという方法をとりました。複雑な計算の中でも、最後は自然の数値に頼るという古典的で単純な方法を使っていて、そのギャップに驚きました。さらに、今回の実験結果をもとにレイノルズ数を求めました。これが求まることで、様々なシュミレーションが、相似なものとして、コンパクトな形で実行できたり、コンピュータで行なえたりするので、素晴らしい法則であると思いました。技術の進歩や、新たな発見へと繋がる大きな鍵であると思いました。決して簡単な話では無かったけど、様々な内容が一つに繋がった時は、とても気持ちよかったです。
  • 流れを穏やかにするために二枚並べられた細かい穴のあいた鉄板やラッパ状の入り口などレイノルズの実験の工夫がすごかった。レイノルズ実験は最初に行われてから時間がたっているのにもかかわらず現象が完全に解明にされていないことに驚いた。高校ではあまり習わない次元解析についてTAの方から習った。最後に粘度を測定する装置を見せてもらった。ガラス管の中に入っているガラス管の細さに驚いた。水が温度によって粘度がとても変わることを知った。

2017年11月18日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 工学部物理系校舎506号室

  • 当日の講師

    萩原 理加 教授(エネルギー科学研究科 エネルギー基礎科学専攻 萩原研究室)
    松本 一彦 准教授(エネルギー科学研究科 エネルギー基礎科学専攻 萩原研究室)

  • チューター

    岩本 健志、下地 大河、杉本 拓哉

  • 実習の内容

    太陽電池発電、水電解水素製造、燃料電池発電を実際に行うことにより、これらの原理と特性を学ぶとともに、水素エネルギーシステムの概念を理解する。実験によるデータの収集とそれらの理論的な解釈にわけて実習を行う。

  • 担当教員による水素エネルギーシステムの解説
  • TAによる太陽電池の解説
  • 太陽電池の性能評価実験

活動を通して学んだこと

  • 「水素エネルギーシステムを理解しよう」という題のもと活動をしました。題の通り、活動が終わったときには水素エネルギーシステムになぜか愛着がわいてしまうほど身近なものに感じ、理解できました。実際どのような実験をしたのか、それは小さな水素エネルギーを作る実験装置を用いて実際に水素エネルギーはどのような仕組みでできているのか知る、ということでした。装置自体は既に完成しているのであとは二ヶ所に水を加え水素と酸素に分解するのを待ちます。はじめに太陽電池を用いてエネルギーを変換しました。すると、光エネルギーは運動エネルギーへと変換され、設置していたプロペラを回すことができました。プロペラは勢いよく回り、その後太陽電池に光を当てなくても、貯められたエネルギーによって長い間止まりませんでした。凄い❗太陽電池により水が分解されてこのプロペラは動いているのだと、私は感動しました。火力発電で化石燃料を燃やすときに発生する排気ガスや、原子力発電で扱うウランのようにリスクもないためクリーンな発電が可能だ、だから将来的に太陽電池による発電が瞬く間に火力発電と肩を並べるほどに増えるようになるだろうと思いました。しかし、それは見た目だけといっても過言ではないものでした。ηmax={(出力)/(入力)}×100と数式に代入して計算すると、なんとこの太陽電池の最大変換効率は10%にも満たない、9.9%という値を叩き出しました。この結果が示している通り、太陽電池は9割以上もロスをしながらエネルギー変換をしていることがわかります。私の家は屋根に太陽光パネルをつけているのですが、まさかそこまで効率が良くないとは思ってもいませんでした。本来なら私たちが浴びるだけの太陽光を発電として使うことは画期的な技術ですが、それだけに頼ることは効率が良くないということを実験を通して知りました。少し残念に思いましたが、それでも順調にたまっていく水素を見ると、人間の開発はとどまることを知らず、また、やはりクリーンな発電の素晴らしさに感じ入るほかありませんでした。私のように太陽電池の最大変換効率の低さを惜しいと思った人々は数えられないほど多く、そうしてまた太陽電池の効率をあげるために研究された方は山ほどいらっしゃることでしょう。そこで、タンデム式や追尾式が開発されました。私も同じく太陽電池の効率をあげることを望んでいるので、タンデム式について調べてみました。専門的な内容でしたが、タンデム式にするとなんと最大変換効率は15%を上回ることができると発表されていました。ただただ感銘を受けるばかりです。ここでわたしも太陽電池の効率をあげるためにできる理想像を考えてみました。太陽電池の弱点として、夜は発電しないことがあげられます。よって、夜も月から反射された太陽光を用いて、太陽光を光としてではなく、ある種のエネルギーを受けとる形として夜も発電できたらいいと思いました。そうすれば、太陽が地上に出ている時間以外、つまり従来の太陽光発電の倍は発電できることは確実です。理想像に少しでも近付けられたら、火力発電や原子力発電のようなリスクを負う必要が多少減るのではないでしょうか。 そして最後に、燃料電池における燃料利用率について書きたいと思います。この実験ではためていた水素を用いて、その水素の減り具合をもとに時間と電圧、電流を測って発電効率を求めるということでした。はじめは水素が順調に減っていきました。水素しかなかった容器に再度水が溜まっていき、水素が減っていく様子が可視化されていたため、あたかも実際の発電を間近で見ているようでした。水素の減り具合と時間は比例しているようには見えませんでしたが、理論的には比例するそうです。そして最後に発電効率を見たこともないような式に当てはめて求めました。そうして、私たちの班は約84%発電していることがわかりました。本当は100%にさらに近いそうです。このことから私は発電効率の高さに感動して、さらに燃料電池について深く知りたいと思いました。 今回は実験をたくさんできて、本当に良い機会でした。ずっと同じ水素エネルギーの装置を使っていたけれど、周りの環境を変えることで大きく変わるのだと実感した一日となりました。ありがとうございました。 
  • 今回の内容は、夏休みに行った京都大学オープンキャンパスで行なった実験と同じだったので、より深く理解することができた。 具体的に言うと、水素エネルギーや太陽光パネルを元に、燃料電池を使って発電し、その発電効率を求めるというものだった。まず初めに、太陽光パネルを使って燃料電池を動かしたが、ここで気付いたのは、この発電は、自然のエネルギー以外のエネルギーを使うこと無しに電気を作れるということだ。すなわち、これがもっと普及すれば、エコな社会を作れるということなのだ。ただ、燃料電池の大規模な設備は、お金がかかる上、後述するように、他の発電と比べて、効率が悪いのだ。(火力発電では、だいたい60パーセント、原子力発電では30パーセント、その他の自然エネルギーを用いた発電では20パーセント程度、それに比べて、太陽電池と燃料電池を用いた場合、10パーセント程度の効率だった。)しかし、この発電は、太陽光発電と違って、光エネルギーがないとき、例えば、夜、雨の日、などでも水素が残っている限り、電気をつくり続けることができる点に、魅力を感じた。課題点としては授業で教わった通り、水素の輸出の際の保存方法、また燃料電池のコスト、などであろうか。燃料電池を発展させることで、よりエコな社会が作れると感じた。 次に、太陽電池パネルの発電効率の計測実験をした。太陽光発電は、とても効率が悪いことが分かった。燃料電池を使うための水素を取り出すために、太陽光ではなくて他の方法があるのではないか、と思う。しかし、そのために火力発電を使うのは、CO2の排出を増やすことになるのでやはり効率化を考えることが一番なのだろうか。 続いて行なった実験では、水の電気分解の効率の計算だった。この実験では、理論分解電圧という、ある一定以上の電圧をかけないと、電流が流れないという理論を学んだ。水分解は、水素を取り出す上で、とても効率がいいことが分かった。最後の実験は、大本の燃料電池の発電効率を計算した。これが非常に高いことには驚いた。自分の班では、計算の誤差によって100パーセントを超えたぐらいだった。これはすごいと思う。なぜなら、使った水素をほぼすべて変えることができるからだ。
    これらの実験では、グラフを描いて考察を行なったが、グラフを描く作業は、非常に緻密で手間がかかる作業なので、集中力と忍耐力をつけていきたいと思う。 未来のエネルギーになりうる、水素エネルギーについて知ることができたので、今はとても嬉しいような気持ちである。
  • 電気から水素を生み出しまた水素から電気を再び作ることは効率が非常に高く、また課題となる太陽光から電気を作る効率の悪さも太陽光は無尽蔵にあるために大きな問題点とはならないこの分野での研究はとても現実味と理想を兼ね備えた素晴らしいものだという事を学んだ。
  • 水素エネルギーはとてもクリーンで、今、世界で問題となっている、資源枯渇問題の解決の鍵になると思っていました。でも、実際は、太陽光パネルでの発電の時点で、1割のエネルギーしか残らないという現状を知り、もっとよい効率で発電できるように、光の採り入れ方、採り入れる素材の工夫が必要だと思った。また、その工夫ができたら、水素エネルギーでの発電量が大幅に増え、晴れの日にできたエネルギーで生活し、その一部で電気分解を行って、水素として貯めておき、曇や雨の日に燃料電池としてエネルギーを取り出すと、比較的安定して、エネルギーを得られ、火力発電に頼りっぱなしの今の状態を脱出できるのではないかと思った。また、記録をグラフ化する時に、軸の数値を自分で決めるところなどが、研究らしくて、新鮮であった。実際のデータからとったグラフで何かの法則性が見つかると、嬉しかった。
  • たくさん実験があってする事が多く、とても充実した時間になった。 太陽光発電は、太陽光から電気に変換するところの効率がとても悪く、その後の効率は30%~40%はあるので、その太陽光パネルの改良が現在進めらているということがわかった。 またここの改良が進めば日本や世界のエネルギー事情は大きく変わってくるんだろうなと思った。
  • 太陽電池発電の効率の低さに驚いた。また、少量の水素でモータが回り続ける様子を見て水素を使った発電の燃料利用率の良さに驚いた。先生の説明を聞きエネルギー問題の重要さ、水素エネルギのクリーンさにすごいと感じたが、水素の輸送方法やイオン交換膜に使われている金属の希少さなどの課題もありこれらの解決はとても重要なことだと学んだ。

2017年11月4日

  • 実施場所

    宇治キャンパス 風洞実験室(工学研究科)

  • 当日の講師

    横山 直人 助教(工学研究科 航空宇宙工学専攻 航空宇宙力学講座)

  • チューター

    山本 隆正、廣田 翔

  • 実習の内容

    諸注意、流れと構造の連成問題の概略、実験の説明を1時間ほど行なったのち、休憩を挟みながらwing rock(流れによって三角翼が振動する)現象の実験を行なった。 Wing rock実験では、流れが三角翼を振動させることを観察し、どのような流れが安定な振動が生じるかを議論した。

  • 物理工学_実習風景三角翼の振動状態での流れの可視化
  • 物理工学_実習風景三角翼を静止させた状態での流れの可視化
  • 物理工学_実習風景可視化映像を用いて議論

活動を通して学んだこと

  • 「流れと物体運動の相互作用の観察」という題の活動をしました。はじめに物理工学の基礎について易しく説明をしていただき、実験についての予備知識を蓄えました。 まずはじめに私が驚いたことは、装置の大きさです。思ったより「大きすぎる‼」という印象を受けた実験室でした。それにはなんと理由がありました。まず捻れを殺すために長い風の道を作る、次に渦ができないようにcorner vaneで渦を消す、最後に太いと遅いのでしぼって加速できるようにします。この行程が細かいので大きい装置が必要だと思いました。 実験の中で私が驚いたこと(というよりも今回の実験結果のメイン)は、三角翼の回り方と角度と渦の関係です。今回の議論の軸は簡単にまとめると、「三角翼の回り方はどの部分を見れば安定していると分かるか」というものでした。私はまず、渦の大きさから観察しました。それでもあまり分からなかったので、次は渦の形、その次は渦の長さ……という風に観察していきました。結局、渦の振動は元に戻ろうとする三角翼の運動に対して、さらに進んでしまうために起こる現象だと教わりました。ここで私が学んだのは、もちろん結果もそうなのですが、考察する時間の大切さです。今まで学校でも考察に何時間もかけたことはありません。だから今回の考察は人生で初の長い考察時間となりました。最後に仰ってたように、数値を使わない実験も楽しいなと思いました。しかし実験にはいろいろ方法があるため、今回のが一番だとは決めかねにくいと思います。数値を使わない実験ではひたすら考察→仮説を立てる→実験、を繰り返してきました。このサイクルもまた考えるのに最適だと思いました。
  • 今回は、流れの可視化というテーマで、wing rockの実験をした。高校では使わないような大きな実験装置を使った実験は、迫力があって、とても面白かった。実験用メガネをしたことも初めてだったので、興奮した(メガネが重くて頭が痛かったのでこれから慣れていきたいと思う)。 今回の実験で学んだことは、たくさんある。三角翼の端に渦ができているということや、風の向きと、翼の角度が大きかったら、翼が振動すること、また小さかったら、振動が収まるということである。翼の運動は、渦によってのものだということも知った。このような実験は、戦闘機などにも実用されているということも知り、面白いと感じた。 今回の実験は、細かい数式などを使って解析するということはあまりせず、むしろ、観察によって解析するというものだった。このような実験も大切であると聞いた。今回は、正しい答えや、考えを出すことはできなかったので、今後は観察からの解析をする実験と出会ったときに、答えを出すために観察力と思考力を身に付けていきたいと思う。
  • 計算できない、わからない事柄でも、工夫することで何とかしてみるという姿勢を持つことも大切だという事を学んだ。
  • 普段学校で行うような対照実験を、1から組み立てることは、条件をどのように変えたらどうなるかという仮説を立てる必要があり、大変難しいと思った。現象を解明する際には、もっと豊かな想像力、またそれを支える多くの知識が必要であると感じた。ほかの人と話し合うことで、新たなアイデアが生まれたり、解決の糸口が見つかったりすることが楽しかった。
  • これほど大きな機材を使って大掛かりな実験をするのは初めてだったので、とても貴重な経験になった。 学校の授業などでやる実験では与えられた事をそのままやるものが多いが、今回は自分たちで何をすべきかも考えてしたので、それをするのは大変だったが、得るものも多かった。また、今までは数値をとる実験をしてきたが、数値をとるのではない実験をすることでそれの重要性も知ることができた。
  • カメラ係としてグループの役に立つために努力することが出来た。また仲間との議論を通して議論の大切さを学ぶことが出来た。
  • 風洞に取り付けた三角形の板の振動の原因を説明せよという課題で自分は三角板の上にできる渦に注目して観察していたが先生に不安定の方向について指摘され、定性的な実験において物事をしっかり観察することの大切さを学んだ。講義後の実習の時に先生から与えられた課題について先生に班の人たちとデスカッションしながら考えるというアドバイスをいただいたが、初対面であまり良いデスカッションをすることができなかった。デスカッションをすることで自分の観察できていなかった事実について気付くこともできたので、もっとデスカッションをしていれば課題の答えに近づけたのではないかと思った。このことから、デスカッションの重要さを学んだ。

平成29年度 実施レポート

年度別の実施レポート