京都大学ELCAS(エルキャス)

実施レポート

[基盤コース後期]物理学

2018年2月3日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 理学研究科5号館

  • 当日の講師

    石井 陽子 助教(ソフトマター物理学)

  • チューター

    加藤 諒、高本幸希

  • 実習の内容

    現在まで実施された実習の内容計6回分から発表するテーマを2つ選定し、スライドの作成を行った。4人2班の発表グループを作り発表用のスライドを作成した。

  • プレゼンのスライドの見本を確認する様子
  • ブラウン運動についてのスライドを準備するグループ
  • 超伝導についてのスライドを準備するグループ

活動を通して学んだこと

  • PowerPointを使い、スライドで発表する準備をしました。私たちの班は、第4回実習の超伝導の発表をすることに決めました。高校では、情報の時間くらいでしかPowerPointを使うことがなく、操作にはかなり苦労しましたが、なんとかまとめられることが出来て良かったです。また、まとめている過程で実験やデータの解析に関してより深い理解ができました。
  • 成果発表会のためのスライドを作った。まず始めにスライドの作り方やデザインについての説明を受けた。次に発表するテーマを決めた。私たちの班は超伝導現象について発表することになった。それから二人一組になってスライドを作成した。スライドを作成する中でパワーポイントの使い方を教えてもらった。
  • これまで学んできたことのまとめ、および発表スライドづくりでした。これまでパワーポイントを使ったことはありましたが、見せていただいた実際に研究の発表で使うスライドは、とても見やすく驚いたほどでした。 まず、グラフを作りました。研究の資料などでもよく見るような簡潔なグラフを作る手順を指導していただきました。作ったのはグラフだけでも、研究者に一歩近づいた気分になりました。 そして、その他のスライドを作っていきました。そこでどんなことが大切だったか、また研究から得られたことは何だったのか新たに考えながら進めました。これまで学んできたことをより一層深く自分のものにできたのではないかと思います。
  • 成果発表会のためのスライドを作った。まず始めにスライドの作り方やデザインについての説明を受けた。次に発表するテーマを決めた。私たちの班は超伝導現象について発表することになった。それから二人一組になってスライドを作成した。スライドを作成する中でパワーポイントの使い方を教えてもらった。
  • これまで学んできたことのまとめ、および発表スライドづくりでした。これまでパワーポイントを使ったことはありましたが、見せていただいた実際に研究の発表で使うスライドは、とても見やすく驚いたほどでした。 まず、グラフを作りました。研究の資料などでもよく見るような簡潔なグラフを作る手順を指導していただきました。作ったのはグラフだけでも、研究者に一歩近づいた気分になりました。そして、その他のスライドを作っていきました。そこでどんなことが大切だったか、また研究から得られたことは何だったのか新たに考えながら進めました。これまで学んできたことをより一層深く自分のものにできたのではないかと思います。
  • 全6回の興味深い実験から1つ選び出すのは難しかったが、一番印象に残っていたブラウン運動を選んだ。難解な内容をいかに分かりやすくまとめるかは非常に難しい問題であった。ただ、実験の核心をしっかりとらえ、その実験の興味深さを言語化するのは、やっていてとても楽しい作業であった。得たものを他人に伝えること、それは容易ではないが、この先非常に重要になってくることなので、しっかりとやり遂げようと思った。

2018年1月20日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 理学研究科5号館228

  • 当日の講師

    市川 正敏 講師(時空間秩序・生命物理)

  • チューター

    幕田 将宏、小林 沙織

  • 実習の内容

    ブラウン運動の物理学史的解説(ブラウン・アインシュタイン・ペラン)
    ストークス・アインシュタインの式など理論的解説、実験測定の解説、顕微鏡による観察実習、印刷した動画スナップ像を用いた手作業の画像解析、画像解析データからの粒子追跡座標の作成、平均二乗変位と拡散係数の導出、アボガドロ数の導出、確率過程の解説

    まず、ブラウン運動についての発見から、アインシュタインの分子論的考察、ペランのノーベル賞の対象実験までを簡単に板書で解説。チューター作成のテキストを配布し、それを基にストークス・アインシュタインの式に至る、実験で使う式の理論的解説。実験測定手法の解説から倒立顕微鏡を用いた観察実習。その場で取得した動画から1秒おきの画像を抜き出し、印刷した画像群を実習生に配布。各実習生に解析区間を割り当て、それぞれの担当分で粒子追跡解析を手作業(定規と電卓・手計算)で行い、追跡座標を作成し、グラフ化。ランダム運動を確認する。そこから平均二乗変位、粒子拡散係数を算出し、それぞれの担当分の拡散係数のばらつきを見せ、確率過程の意味を体感させる。そこから実習生の人数分の拡散係数を平均し、アボガドロ数を算出した。

  • ブラウン運動の物理学史学的解説
  • 顕微鏡を用いた観察実習
  • 印刷した動画スナップ像を用いた手作業の画像解析
  • 解析結果

活動を通して学んだこと

  • 手計算でたくさんのデータを処理する作業で、とても疲れたけれども、最終的な数値がうまくでたときに、とても感慨深く感じた。
  • ブラウン運動について学んだ。まずブラウン運動とは粒子がその周りの分子の衝突によってランダムに動くという現象であり、ランダムウォークの考え方から移動距離が経過時間のルートに比例する運動であるということを学んだ。またアインシュタインの関係式について学び、粒子のブラウン運動からアボガドロ数が導かれることが分かった。 次に、ブラウン運動する粒子を観察するための顕微鏡に触れた。そしてブラウン運動する粒子からアボガドロ数を求める解析を行った。解析の方法は粒子の運動を100秒間撮影し、一秒ごとの粒子の座標を計り、次に時間間隔1秒から9秒でのそれぞれの平均二乗変位を求め、グラフにプロットし直線近似をしてその傾きを求め、10秒ごとの傾きの平均をとり、アインシュタインの関係式に代入するというものだった。この解析からアボガドロ数は5.98*(10^23)と求められた。
  • ブラウン運動を観察し、その運動からアボガドロ数を求めることに挑戦しました。粒子が水分子(とても小さい)に衝突することで、ガタガタ震えているブラウン運動を観察するだけでアボガドロ数を求められるという良い点があるEinsteinの式を学び、実際に求めました。計算ソフトを使わずに多くの計算をして(私の計算結果が結構大きい値になってしまったのでミスをしていないか心配ですが・・・)みんなの平均値を代入したところ
    アボガドロ数≒5.98×10^23(実際の値は、6.02×10^23)と求めることができました。
  • 今回学んだ中で興味深かったのは、「ゆらぎ」である。物理において、正しく実験を行った場合に理論値とのずれが生じた場合、それは「誤差」ではなく「ゆらぎ」となる。物理の分野において、実験結果を峻別し、それが失敗かゆらぎか確認することには大きな意義がある。今までのELCASの講義全体を通して、強く感じたのは物理学と統計学の強い結びつきであった。実験結果が1σの範囲に収まっているか否か、サンプルは十分か、実験内容に不備はないか、いろいろな点で統計学を応用する機会があった。都合の良い結果が出たとしても、次にそれが再現するとは限らない。実験の最も重要な「再現性」を守るために統計学が必要なのだとよくわかった。
  • ブラウン運動を観察し、アボガドロ定数を導き出すことをした。ブラウン運動と聞いて、私は化学の授業で習ったものなのですっかり化学の領域の話だと思っていたのだが、あのEinsteinが関係式を導き出しているほどで、物理の領域でもあると聞き、おどろいた。さて、アボガドロ定数の導き方であるが、粒子の移動距離の期待値をEinsteinの関係式に代入し、求める。文章ではすごく簡単そうにかけてしまったが、この計算量がとてつもなく多い。ポリスチレンの粒子を顕微鏡で見て、100秒の間動画をとり、1秒ごとにその粒子の写真を印刷する。そして、私達はその印刷された粒子が1秒間でどれだけ動いてるかをものさしで測り、計算していった。時間の関係上、1人10秒間の担当ではあったが、精密に行うのは大変であった。1人1人の計算結果は、バラバラではあったものの、全員の期待値を合わせて平均値を計算し、アインシュタインの関係式に代入すると、ほぼアボガドロ定数として現在知られている数値に近い値を求めることができた。今までの実習の中では一番実験らしいことはせず、正直地味に感じる部分もあったが、計算量が多かった割にはほぼ正確に行うことができ、1番達成感を感じることができた気がする。今はこの計算はコンピューターで行うことができるが、アインシュタインやブラウンや、ペランなどこの実験を行ってきた過去の偉人達はみんな私達のように地道に計算を重ね、この式を見つけ出したのだと思うとすごいなと思った。これから自分が何かを研究する上で、新しいことを発見する時にはこのような地道に見える作業をより正確に行っていく必要性があるのだなと感じた。
  • ブラウン運動でアボガドロ数を出そうというものでした。最初は意味がわからなく、資料を見てみると、式を変形していって出すというものでした。まず、大学の顕微鏡を触らせていただきました。レンズを覗かなくて済むので、Z軸方向に動かすのが楽でした。次に、ブラウン運動したビーズが一秒ごとにどれくらい動いたかでアボガドロ数を求めることをしました。とっっても地味な作業でしたが、みんなで協力して5.98×10^23個という近い数字を出せました。とても達成感がありました。アインシュタインの関係式で出てくる球の抵抗係数をもうちょっと深く知ろうと思ったのでまた調べます。
  • 今回はブラウン運動についてでした。学校でまだ化学が始まっていないため本で少し読んだことがある程度でした。しかし、TAの方が作ってくださっていた、数式を基にした解説書のおかげで深い理解ができました。 まず初めにデータの取得をしました。粒子一個が実際に水分子によって不規則に動いており、あまり知識のなかった私でも驚くとともに感動しました。 その次にデータの分析をしました。実験よりも長い時間がかかりました。1ミリ以下の違いが大切になってくるこの計測では測ること計算することともに経験したことのないほど大変な作業でした。最後に全員のデータをまとめ、求められるアボガドロ数を出しました。すると、偶然か必然かとても正確な値が出ました。これまであまりはっきりと結果が出せていなかったので、久しぶりに実験の楽しさを結果的には味わえたと思います。

2018年1月6日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 理学研究科5号館東棟

  • 当日の講師

    新山 雅之 助教(原子核ハドロン)

  • チューター

    阪上 朱音、小早川 亮、鈴木 一輝

  • 実習の内容

    原子核と放射線についての基礎知識を講義した。ガンマ線源からの放射線をNaI検出器で測定した。線源からの距離を変えて測定し、距離の二乗に強度が反比例することを調べた。線源と検出器の間に遮蔽体を置き、遮蔽体の厚さを変えて強度がべき乗でよわくなることを調べた。

  • 測定の様子1
  • 測定の様子2
  • 測定の様子3

活動を通して学んだこと

  • 今回の実習は「目に見えない放射線を測る」というテーマで行われた。そもそもの話だが、「放射線」と「放射能」が違うということを習った。放射能は放射線を出すもの。なので、「放射能を浴びる」という表現はおかしくて、「放射線を浴びる」という表現が正しい。分かってしまえば本当に基本的なことであるが、一時期ニュースで放射線の話題がよく取り上げられていた時にメディアは放射線と放射能を誤って用いてたような気がする。公式の場所などで、発言する時はこのように基本的なように見える言葉を正しく理解しているか気をつけたいなと思った。
    2つ実験を行った。ELCAS1回目の実習では宇宙放射線のミューオンを測ったが、今回は放射能を用意してγ線を測った。測るものは違ったが、放射線を光信号に変えて光電子増倍管に通してみるという測定の仕組みは一緒だったので以前に比べて、方法が頭に入りやすかった。
    実験1では放射線の強度と距離の関係を調べた。結果、理論値とは少しずれてしまった。この原因としてバックグラウンド測定時に放射能が近くにあったことが考えられた。
    実験2では遮蔽実験を行った。測定する機械の前に私達の班は真鍮を置いて、理論通りの値になるか調べた。実験1の失敗を活かし、実験2ではバックグラウンドを測る際、十分に放射能を遠ざけて測った。すると、ほぼ綺麗に理論値に近い値を得ることができた。
    毎度思うが実験は様々なことに気を使って、素早く行わないとうまく結果を得られることができないのかなと思った。「素早く」というのは今回、実験がもう1つ用意されていたのだができなかったからだ。これには恐らく慣れが必要だと思う。これは次回への目標にも繋がるが、普段学校であまり実験をしないので、せめて1回やった実験を2回目は、速く、確実に行えるようにしたいなと思った。
    実習内容以外にもTAさんが普段行っている研究の内容や、天然の放射性同位体が年代測定に使われていることなど、放射線を身近に感じるような話も聞くことが出来て面白かった。
  • 今回の実習ではγ線の観測とその性質を確かめる実験をしました。一つ目に、放射能であるCsからの距離との関係について、理論上では距離をa倍にすると、観測されるγ線の数が1/a^2になることを考えてから、実際にそうなっている事を実験しました。二つ目には、Csからのγ線を遮るために必要な鉛Pbの厚さを調べました。1枚2.2mm(実験後に、それぞれの厚さが微妙に違うことが分かってしまいましたが)の鉛を1枚増やすごとに、γ線が約0.8倍に減っていくことが分かりました。Excelで結果の解析をうまく行うことが出来たのも良かったです。
  • 実際に実験のデータを取って考察するのはこれまであまりしなかったからいい体験になったと思う
  • 失敗の原因を考察する前に、その結果が失敗なのか否かを判別する方法を学んだ。誤差の範囲と、その範囲に収まる確率を知り、「成功していた場合この結果が出る確率は1%に満たない」というような考察ができるようになった。実験命の物理学において、非常に重要な考え方であるので、しっかり肝に銘じたいと思った。
  • 今回は放射線の一つであるガンマ線の計測でした。放射線、放射能という言葉は原子力発電所の事故などもあり、多く耳にしていましたが、あまり調べたことはなく、初めの講義は知らないことばかりでした。しかし、これまでelcasで学んだことともつながる点が多く、最先端の研究を紹介していただいたのですが、どれもとても興味深いものでした。実験では、おなじみとなりつつあるシンチレーションと光電子増倍管を利用してガンマ線を距離や遮る物質を変えながら計測し、エクセルで解析していきました。なかなか思った通りのデータを取ることは難しかったですが、ガンマ線が距離のべき乗で減っていくという大まかな現象は捉えられました。また、データの解析方法を教えていただけたことも大きかったです。
  • 今回の活動では放射線について学んだ。まず原子核からエネルギーが放出される時、そのエネルギーは放射線の形で放出されること、放射線には高いエネルギーを持った電磁波であるX線、γ線や、粒子であるα線、β線、中性子線などがあり、α線はヘリウムの原子核、β線は電子、γ線は電磁波であるということを学んだ。 また、放射線の強度と距離の関係を求める実験と、放射線の遮蔽についての実験を行った。放射線源にはγ線を放出するセシウムを用いた。放射線量の測定方法はシンチレータと光電子増倍管を用いて放射線の情報を電気信号に変換しMCA(Multi Channel Analyzer)と呼ばれる装置に入力し、パソコンで読み取るというものだった。 放射線の強度と距離の関係を求める実験からは、γ線の強度は線源からの距離の二乗に反比例するという結果が得られ、放射線の遮蔽についての実験からは、γ線の強度と遮蔽体の厚さとは対数の関係にあるという結果が得られた。
  • 最初はスライドで放射線や放射能について学びました。ここで、どの放射線がどんな物質まで通り抜けることができるのかということを知りました。放射能は放射線を出す能力のことでした。シーベルトとかニュースで聞いたことがありました。次に、放射線の強度と距離の関係の実験をしました。MCAという装置を用いました。最初は、セシウムを線源としました。いろいろな距離とバックグラウンドによりだいたい予想された結果を得ることが出来ました。次に、距離は一定でMCAから線を鉛で遮蔽することをしました。鉛の1つ1つの幅が異なっていたので結果は思うようには行きませんでしたが、平均(?)をとるといい感じになって達成感がありました。今回は飛ぶように時間が過ぎていく実習でした。あと、Excelの勉強にもなりました。
  • 放射線を測定した。同じ原子だが原子核中の中性子の数が違うものを同位体という。同位体の中でも安定していないものは時間をかけて崩壊し、放射線を出す。これを放射性同位体という。例えばCには天然に質量数が12、13、14の3種類が存在し質量数が14のCは放射性同位体である。木などに含まれるCの放射性同位体の割合を調べることで、その木が死んだ年代を特定することもできるらしい。放射線とは高いエネルギーをもつ粒子の流れや電磁波のことである。様々な種類があり、それぞれ違う性質を持つ。今回はその中でもγ線を扱った。γ線は電磁波の一種で、神や薄いプラスチック板は通り抜けるが、鉛や鉄などの厚い板に通すと減少する。また、今回の実験ではMCAという装置を使い放射線を測定した。NaIの結晶にγ線があたるとγ線のエネルギーが光になりそれが光電子増倍管を通じて電気信号へと変換される。パソコンのソフトを使い、どのくらいのエネルギーをもった放射線がどれだけ多く検出されたかをグラフにし、そのデータをExcelで解析した。まず線源との距離と放射線の量について調べた。まず線源がない状態で環境放射線を計測し、線源との距離を変えて何度か計測した後環境放射線の値を引いた。その引いた値をグラフにし、線源からの放射線だと考えられる山の合計の値を、線源からの放射線とした。距離を2倍にすると、線源を中心とする球の表面積は4倍になるため放射線の数は1/4になるはずだったが、うまくいかなかった。次に測定機の前に真鍮を置いて放射線の量がどうなるかを調べた。真鍮を6mmずつ置いていくと、見事に放射線の量は3/4ずつ減少していった。非常に綺麗な数値が出せて気持ちが良かった。

2017年12月16日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 理学研究科5号館

  • 当日の講師

    笠原 成 助教(理学研究科 物理学専攻 量子凝縮物性研究室)

  • チューター

    末松 知夏、谷口 智哉、馬 斯嘯(理学研究科物理学専攻 量子凝縮物性研究室)

  • 実習の内容

    今回のELCASでは、「超伝導の物理」と題して、まず初めに物性物理学と極低温の世界、金属の性質と超伝導現象に関する解説を行った。その後、2-3人の班にわかれて銅酸化物高温超伝導体を用いた磁気浮上デモンストレーションを行った。さらに本実習におけるメインとして、銅酸化物高温超伝導体におけるゼロ抵抗状態の測定を行ってもらい、単結晶試料の整形と電極の設置といった微細な作業から液体窒素による冷却まで参加者主体で行うことで、実験の難しさ、測定上での工夫、結果が出た時の面白さを肌で感じてもらった。顕微鏡を用いた初めての細かい作業に対して難しさを感じた受講生も多くいたが、その分、結果が得られた際の達成感を感じた者が多かったように思う。

  • 実験試料準備の様子
  • 受講生が準備を行った高温超伝導体の単結晶試料
  • 高温超伝導体の電気抵抗測定の様子

活動を通して学んだこと

  • 超伝導を観測した。物質内の原子は常に動いていて、その中を電子が通ろうとするとうまく通ることが出来ず抵抗が生まれる。温度が低いほど原子の運動は穏やかになり、抵抗は小さくなる。特に金属に関して抵抗と温度は比例関係にある。しかし、一定温度まで物質を冷やすと抵抗が突然0になる現象が発生する。これを超伝導という。超伝導は本来フェルミ粒子である電子が格子を介してペアを組んでボース粒子となるというBCS理論によって説明されていたが、液体窒素よりもさらに高い温度で抵抗が0になる高温超伝導体についてはBCS理論だけでは説明することが出来ない。今回はこの高温超伝導体を使って超伝導を観測した。まず、超伝導体が磁界を弾き出すマイスナー効果と弱い部分に磁界が刺さるピン止め効果によって磁石を宙に浮かせる実験をした。超伝導体を冷やし磁石との間の割り箸をどけると、磁石が落下せず空中に留まっていた。想像以上に安定していて、つついても揺れるだけで落ちたりはしなかった。超伝導の不思議さが体感できて、感動した。次にBSCCOという高温超伝導体を使って抵抗の変化を測った。BSCCOをへき開させ、そこに金線を取り付けた。とても小さな試料を加工するのは難しく、本来4端子法という方法で抵抗を測るはずが、端子を3つしかつけることが出来なかった。温度を測るのには白金抵抗を使った。氷水と77Kである液体窒素の2つでの白金の抵抗を調べ、金属の抵抗が温度に比例する性質を利用して抵抗と温度の関数を求めた。白金抵抗とBSCCOを並べゆっくりと液体窒素を注いで温度を下げていくと、穏やかに下がっていっていたBSCCOの抵抗が100K程のところで突然下がり0になった。本当にまっ逆さまに急降下して、驚いた。
  • 総合的な点としては、実験の事前準備の大切さだった。手順のややこしい実験については、実験前に十分に手順を確認しておくことが非常に大切であると分かった。滞りなく実験を行うことが、時間の節約だけでなく実験の成否にも関わると分かった。分野の中においては、物性物理学というジャンルについてより深く知ることができた。あまり詳しくは知らなかったので、この機会に知ることができて良かった。
  • 今回の活動では超伝導現象について学んだ。まず、物体の電気抵抗は温度が低いほど小さくなり、また超伝導とはある温度以下になると電気抵抗がゼロになることてあるということを学んだ。100K位の温度でも超伝導体となる高温超伝導体が発見されたことで温応用が可能になったことを知った。 次に超伝導体が磁石の作る磁場をシャットアウトすることで磁石が浮かぶマイスナー効果を観測した。 そして超伝導体では電気抵抗がゼロになる現象を観測するための実験を行った。 今回用いた高温超伝導体は通称BSCCOと呼ばれるものだった。実験はまず試料のへき開をし、その試料と電圧計や電流計を繋げるための端子を試料に取り付けた。次に白金の電気抵抗は温度に比例するという性質を利用して白金の抵抗と温度の関係を導き出し温度計とした。次に試料を導線を載せた銅板に載せ、その導線と繋げた。導線を電圧計と電流計につなげ、ゆっくりとBSCCOを冷やしていった。 BSCCOを冷やすと抵抗は小さくなっていき、100K位で抵抗が突然ゼロになり超伝導現象を観測することができた。
  • 先ずは、マイスナー効果とピンどめ効果の実験をしました。超伝導体の上に割り箸を置いて、その上に磁石を置き、超伝導体を液体窒素で冷やし、割り箸を抜くと磁石がその場で固定しました。とても面白かったです。次に、超伝導の観察をしました。最初の説明で、「金属の電気抵抗は温度が低いと小さくなる」と教わりました。ここでは、比例関係が成り立っています。今回の実験ではBSCCOという超伝導体を使いました。いろいろな工程の中で、銀ペーストを付けた金線をBSCCOに付けるのが難しかったです。マウントの作業はチューターの方々にやって頂きましたがとても難しそうでした。そして、氷水と液体窒素の2点での値で関係式を出して超伝導の様子を観察しました。そして、100Kくらいで急激に電気抵抗値が下がりました。これまでのエルキャスでの実験において一番長い実験だったので、達成感がありました。実験の合間にチューターの女子大生の方がいろいろ話しかけてくれたのは凄くありがたかったです。
  • 今回は超伝導現象の実験をしました。ELCASに行く前、私の超伝導に関する知識は浅はかであったので、物理の教科書などで少し調べて行ったのですが、その私の想像を超える非常に興味深い内容でした。超伝導の代表的な現象は2つあり、一つは磁気浮上(マイスナー効果)で、もう一つが、電気抵抗がゼロになるということです。今回大きく取り扱ったのは、電気抵抗がゼロになる現象でした。超伝導の研究がなされ始めてから今に至るまで、高温超伝導体という液体窒素などの安価なもので、冷却できる温度で超伝導を観測することのできる物質があり、そのうちのひとつのBi2Sr2Ca2Cu3O10の超伝導を確かめました。まず、超伝導体の抵抗を図るための回路を作るために細かい作業をしました。また、普通の計では測れない程の低い温度を測定するために、白金が持っている抵抗と温度が比例関係にあるという関係を使って温度を測れるようにしました。そして、液体窒素で冷却していくと、座標平面上に綺麗に電気抵抗がゼロになる様子が現れ、実験を成功されることができました。この現象は超伝導リニアで応用され東京-大阪間が約1時間程度で移動できるようになるそうです。
  • 今回はBSCCOという単結晶の物質を利用しての超電導の実験でした。顕微鏡を用いての微視的環境の中で資料を作り、温度を測る白金温度計を校正し、実際にその資料を用いて超低温の中で実験をしました。 まず、少しの手の震えが大きなミスにつながってしまう、これまで経験した中で最も細かい作業で資料を作りました。やはり難航しましたが、手伝ってくださった大学院生の手つきはとても素早く、物理学を学ぶにあたって手先の器用さも必要だということを実感しました。 そして計測をしました。僕の班は想定していたものと一部が大きく離れたものとなりました。しかし、そこで院生の方々がどうしてそういう結果になったのか議論をぶつけあいながら考えていました。その姿を見て憧れを抱くともに、将来自分の持っている知識を利用して知らないことを探求していけるようになりたいと思いました。

2017年12月2日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 理学研究科5号館 東棟

  • 当日の講師

    ウェンデル ロジャー 准教授(理学研究科 物理学専攻 高エネルギー物理学研究室)

  • 実習の内容

    「宇宙空間上の最高速度を計る」というタイトルで光速を求める実験を行った。光らせたLEDの光を光検出器に照らし、発光時間と検出した時間との差で光が通った距離を割ると、光速の値を求めるという実験を受験生に行ってもらった。より正確な値を出すため、5つの距離で測定した。この実験を行うには、物理学実験によく使われる測定器を理解する必要があるため、まず受験生に実験セットアップを説明しながら、基本原理に関する質問をし、答えてもらった。それからセットアップを組んで貰い、光検出器の動作確認や邪魔となる背景事象の測定等、物理学実験を行う上で必要不可欠な準備をしてもらった。受験生を二つのグループに分けて、2基の測定器でそれぞれ光速を行ってもらった。実験中で取得したデータの確認やトラブルの対応を一緒に行った。測定が終わった後、皆でデータ解析を行った。光検出器の動作原理と求めたい物理量という観点から、どのようなデータが使えるかそしてどれを排除すべきかを議論してもらった。受験生が考えた条件でデータを選び抜いた後、二つのグレープに光速の計算を行ってもらった。結果としては、ファクター位の精度で光速を測られた。

  • オシロスコープで光検出機の信号とLEDを光らせる信号を確認する
  • 光検出機の場所を変えてLEDまでの距離を計っている

活動を通して学んだこと

  • 光の速さを測った。トリガーの電圧とLEDを光らせる電圧を同時に出し、LEDから離れた場所に光検出器をおいてトリガーとの時間差を測ることで光の速度を求めた。LEDと光検出器間の時間差以外にも機械内で要する時間などがあるかもしれないので、距離を変えて複数箇所で観測し、その距離の差とそれぞれの時間差から速さを計算した。使用した器具の原理の説明もあった。LEDは内部にp型半導体とn型半導体があり、それぞれから流れてきた電子がぶつかることで光が出される。光検出器に使用したのはAPDが集まったMPPCというもので、p型半導体とn型半導体が重ね合わせてあり、光を吸収して電子を発生させ上向きの電場をかけて下向きに流していき、それを増幅させて電流にする。僅かな光を観測するのに向いていて、1つの電子を10の6乗にまで増幅させることができる。LEDとMPPCを離して設置し距離を測り、LEDの前にはカメラ用の遮光板をおいて光を弱めた。その上に黒い板を被せ、それをさらに黒い布で包み、端を捻って内部に光が入らないようにした。まず最初はオシロスコープを使って波を確認し、その後PCを使ってデータを集めた。それぞれの長さで5000回ずつ程調べる必要があり、5つの種類の距離で調べた。様々な波の中でもトリガーからおおよそ一定の時間差で来る波で、かつピークが一つだけの波のみを取り出して平均を求めた。解析して値を出すことが出来たのは3つだけでその値も計算の結果実際の光の速度の約2倍の速度が出てきた。正しい値を求めることは出来なかったが、とても興味深かった。
  • 実験は上手くいかなかったが、その理由を考察することによってより深い理解を得ることができるということが分かった。むしろ事前予想通りになるよりも、失敗したほうがその理由を考えることにより得るものは大きいと思った。
  • 外国出身の先生も日本語を巧みにつかっていて、やはり言語を学ぶことが大切だと思った。実験における正確性の追求を、大きな誤差のでやすい実験を通して学べたと思う
  • 今回の活動では光の速さを計測した。まず、LEDの機構やMPPSという光電子を増倍させる装置、今回用いる電源について知った。またオシロスコープの使い方を再確認した。光の速さを計測する方法は黒いシートで覆った中でLEDを光らせMPPSで電子として増倍させて電気信号を装置に伝えてパソコンで読み取って解析するというものだった。MPPSの位置を5箇所に変えて計測した。思うような結果はでなかったが、このようにして計測できるということを知った。また実験が上手くいくようにするために考えることの重要性を知った。
  • 先ずは、オシロスコープです。前々回の講座でオシロスコープのトリガーをいじる方法とか、光電子増倍管の使い方とか習ったばっかりだったのに、もう忘れてしまっていました(みんなも忘れていた)。ですが、もう大丈夫です。今回の光の速さの測り方は、ある一定の距離を測って、その距離を進んだ時間でわるという想像の範囲内の測定方法でした。ですが、僕のグループは光速の半分の速さが出ました。もう一つのグループは2倍でした。今回はほとんど実験だったので充実できました。
  • 今回の実習は実習以外もとても有意義なものであったので、まず実習が始まる前の待ち時間の雑談のことから記録しようと思う。雑談の話題は「重力波」についてだった。私はもともと将来重力波の研究に関わることを目標としているぐらい好きなので興奮してじぶんでもわかるぐらいかなり前のめりで話を聞いたり話した。でも、「好き」と言っても得られる情報はネットニュースや雑誌や一般公開されてる論文だけだったので疑問があったし正直分かっていないところがあって、LIGOが実際地図上でどこにあるか。や、レーザーの位相のずれを観測して、そこからどのようにしてどこで起こった重力波か計算するのか。など知ることができた。とても腑に落ちたし、モチベーションが上がって良かった。さて、実習内容の記録に入る。今回は「宇宙上の最高速度」を考察した。もちろん光の速さのことだが、あえて「宇宙上」とついているのは、宇宙外では光より速い速度があると考えられるからだ。LEDから五つの異なる距離に置いたMPPCで、LEDがついてからの時間を測って、光の速さを計算した。LEDがついてからの時間といっても、LEDの構造や場所によって微妙な差が出るのを考えて、差を測った。MPPCとは光電子増倍管のことだが、1回目の実習の時に使ったものとは違い、アバランジェ増幅を利用した小型のものだ。測定機械として、NIMクレート、VEMクレート、オシロスコープなど使った。前に使ったことが一応あったが慣れていなかったので苦労した。最初はオシロスコープで目測で測ったが、正確ではないし、ノイズが大きく測定が難しかったので、上記の機械を使ってデジタル化して計算すると光より少し遅い速さになった。今回は既存の研究で「正しい」とされている結果には沿うことは出来なかったが、自分達なりに出来て良かったと思う。正確にできなかったのは誤差の他に、MPPCの繊細さも考えられる。絶対に光に当たらないように気を付けていたがどこかで入っていたかもしれない。物理系の研究は今回使ったような機材が高いものが多いため触りなれておらず、苦労するが一回一回でしっかり学び、身につけていきたいと思う。この実習後、私は光電子増倍管の違いについて質問があり(自分で行っている研究のこともあって)先生とお話していたが、スーパーカミオカンデのリーダーグループの方だとそこで知った。自分は神岡鉱山で行われている研究は基本だいたい興味があって調べていたし、丁度スーパーカミオカンデについて調べていたので、また実習前のように前のめりで疑問にずっと思っていたことを質問した。そもそもの原理についての質問から細かいところも丁寧に答えてくださってとてもお世話になった。ロジャー先生へとても感謝している。これからも今回のように有意義な活動にできるようさらに勉強していきたい。
  • 前回、前々回と光の話題でしたが、今回は直接的に光の速度を測定する実験をしました。実験自体は光の速度を距離/時間で出そうという明瞭なものでした。まずオシロスコープを使って波を見ましたがノイズが多かったりして、上手くいかず、測定することができませんでした。そこでソフトを使って正確に測定したのですが、データから速度を測定しましたが、データから速度を測定しても、実際の速度(3.0×10^8m/s)とはかなり違う値が出てきてしまいました。この実験で改善出来たところがなかったか、考えたいと思います。
  •  今回は宇宙空間での最高速度を計測しようということで、mppcという半導体を利用した光検出器を使ってLEDから発射した光を観測し、n秒単位で分析しました。一秒間で3×10^8メートルもの速さを持つ光をこんなに短い距離で測ることもできるということにはとても驚きましたが、やはり計測は難航しました。実験結果では光速が実際の2倍の速さになってしまいました。今回ははっきりと結果を出すことはできませんでしたがロジャー先生が何度も僕たちに問題を投げかけてくれていたように、自分でどうしてダメだったのか考えてみて忍耐のもと試行錯誤を重ねることが大切なんだと気づきました。これまでのどんな研究成果も失敗が積み重ねられて初めて結果が出たのだと思います。自ら考える姿勢、そして忍耐強さが大切だと気づく、人生の中でも大きな一歩となったと言っても過言ではない一日になりました。

2017年11月18日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 理学研究科5号館 121号室

  • 当日の講師

    有川 敬 助教(光物性研究室)

  • チューター

    永井 恒平

  • 実習の内容

    光(電磁波)についての基礎的知識の確認を行ったのち、可視光、赤外線、テラヘルツ波の3種類の光で身の回りのものを観察し、その見え方の違いについて考えた。まず、プリズム分光器と回折格子分光器を用いて可視光の波長域の測定や各種LEDのスペクトル測定を行った。次に、赤外線カメラを使って目視(可視光)による見え方との違いを確認し、考察を行った。さらに、「電磁波における最後の未踏領域」と呼ばれるテラヘルツ波を用いたイメージング実験を行い、可視光や赤外線では見えない物質の内部構造が見えることを確かめた。

  • プリズムを使った白色光の分光
  • 赤外線カメラによる観察
  • 光の種類による見え方の違いに関して考察

活動を通して学んだこと

  • 光について学んだ。光とはつまり電磁波のことで、特定の波長のものだけが光として目に見え、それを可視光線という。まず最初は、プリズムを使って白色の可視光線が色々な色が混ざってできていることを確認した。このように光を波長ごとに分けることを分光というを分光という。プリズムを通して蛍光灯を見ると何本かの異なる色の線に分かれていた。その後、回折格子を使って同様に白い光を分け、どこまで目に見えるかを調べた。多少の個人差があったが、おおよそ400~780nmまでが可視光線であることが分かった。次に、光の波長を調べる装置を使って色々な光の波長を調べた。蛍光灯の光はすべての波長の光が満遍なく混ざっているのではなく、飛び抜けて多い特定の波長がいくつかあった。だからプリズムで見た時何本かの線に分かれて見えたのかもしれない。他にもLED電球などを調べた。一見薄く赤色に光っているだけに見えても調べると赤外線が出ていたりして興味深かった。ノーベル賞で話題になった青色LEDもあった。青色LEDと塗料を組み合わせることで白色のLEDは作られている。次に赤外線カメラを使った。人の顔や電気など暖かいものから多くの赤外線が出ていた。黒い紙や不透明なシリコンも赤外線カメラを通してみると透明に見えて、興味深かった。特に興味深かったのは、ホワイトボートが赤外線カメラで見るとまるで鏡のように見えたことだ。他にもエタノールと水を混ぜて温度が上がって赤外線が出されることやLEDは光っていても温度が上がらないのを赤外線カメラを使って調べた。最後に、テラヘルツ波について学んだ。テラヘルツ波は現在開発されている電磁波で、X線と違い人体への適用ができ、荷物検査などに活かされることが期待されている。また、検出されるテラヘルツ波から物質の特定をすることもでき、これを指紋スペクトルという。ICカードをテラヘルツ波を使って見ると、中身の金属部が透けて見えて驚いた。いつかテラヘルツ波が日常的に使われるようになるかもしれない。
  • 光自体にもともと興味をもっていたので、基礎知識を増やすことができてよかった。帰りに、京大の大学院に行っている学生の方から、色々な話をきかせてもらった。とても参考になった。
  • 今回の活動ではプリズムや分光器を使って白い光が赤から紫までの色の光からなることを確かめた。また可視光線の波長は380ナノメートルから780ナノメートルくらいであることを知った。別の機械を用いて蛍光灯は様々な波長の光が不均一に混ざって白い光を出すのに対して、LEDは青と緑から黄の光が混ざって白い光を出すことがわかった。また、赤外線カメラを使ってものを見た。次にテラヘルツ波が最近研究されているもので人体にむけても被曝しないので、X線の欠点をカバーできるということを知った。またテラヘルツ波を用いてものを見る装置を見させてもらった。これらのことから、ひと口に光といっても見え方、見る方法が違うことに気付き、興味深いと思った。
  • 分光器での観察は色の変化がはっきりわかれていて、分光器の中のギザギザがとてもギザギザしていて驚いた。赤外線カメラでの観察はとても興味深いものでした。精製水とエタノールが反応する様子について、肉眼で見ると透明なままだが、赤外線カメラで見ると、熱が発生しているので混ざった部分がほかのところより温度が高くなっていました。今回一番面白かったのはテラヘルツ波です。今は少し使いにくいけれど、将来的に有望なものと学びました。テラヘルツ波の実験室みたいなところはまさに研究所みたいでわくわくしていました。とてもいい経験でした。
  • 今回は「光の正体」について学んだ。私達が物を認識できるのは光が物に当たって反射し、その光を認識しているからだ。光は電磁波に電子が乗ったもので、波長や周波数で変わる。だから例えば無線LANや、水道についているセンサーなど、光(電磁波)はとても身近なところで生活を便利にしている。まず、その光を分光器で使ってみてみた。分光器を使って肉眼で観測するのでもちろん可視光の範囲だ。小学校の実験などでよく使われるプリズム分光器を用いた。私の小学校で使ったものとは違い、とても大きく三角柱のプリズムで角度の調節などは難しかったがとても綺麗に見ることが出来た。次に回折格子を用いて実験した。回折格子は1mmに何本ものスリットが入った板に反射させて肉眼でみる。ちょうど学校で習ったばかりであったので、実際にどういうものか使えて嬉しかった。可視光は紫から赤の範囲まで見えるのでその限界がどこであるか波長を確認した。結果はメンバーそれぞれの感覚であるのでばらつきはあったが合わせると波長が369nm~812nmの範囲が見えたことになった。理論上は360nm~830nmまで見えるらしく、正しい結果が得られたと言えるが、観測者の目によって観測できる波長が違うであろうから何をもってそういう理論が得られたのか疑問に思った。この可視光に関するニュースで最近話題になった青LEDのノーベル賞受賞があった。青色の波長は405nmだといわれているが、この光を分析して見てみると、白色の光はほとんど青色の光でできていることがわかった。この技術はこれから様々な場面で活躍し、生活をより豊かにしていってくれるだろう。次に赤外線カメラを使って色々なところを見てみた。すると、ホワイトボードをうつしているはずなのに、人影がうつった。私は一瞬幽霊でも見てしまったかと思ったが最初に述べたように光は物に反射してそれを私たちが認識している。この場合、メンバーを通ってホワイトボードに反射した光を赤外線カメラが認識したのだ。赤外線は可視光の範囲ではないので日頃私たちが認識できていないだけで、赤外線の世界ではホワイトボードが鏡の役割を果たすことが分かり、とても面白かった。そこに実際にはあるものが可視光範囲外だから見えないという結果は応用すれば透明マントも開発できるようになるのではないかと思ったが大体は覗き見などの犯罪に使用されそうなので開発できても公表しない方がいいかもしれないと思った。最後に研究室の方が日頃研究しているテラヘルツ波というものについて学んだ。テラヘルツ波は最近見つかった領域の光で、可視光外である。例えば私たちが空港などで行われる手荷物検査ではX線がつかわれている。しかし、X線は被爆するので人体には使用出来ず人体は金属探知器だけである。しかし、現在テロなど多発するようになり、どちらの検査もくぐり抜けられることのできるプラスチック爆弾などが使用されたり、もっと改善の余地がある。そこで注目されているのがこのテラヘルツ波である。被曝もせず、人体に使用することができる。まだ認識するのに時間がかかったり、解析度が低いため実際にはまだ一般には使われていないが研究室にあるテラヘルツ波を観測する機械で袋に入ったグミとICカードをみてみた。すると、ちゃんとグミの形が分かった上にICカードの中の回路を確認することができた。この研究は進んで、もしかしたら10年後など近い未来、私たちが利用する空港で使われていて空の上でのテロがなくなっているかもしれないなと思った。
  • 光の波としての性質に着目して実験とその考察を行いました。まず、目に見える電磁波である可視光線に、プリズムを使って光のスペクトルを見ました。その実験で、波長の異なる可視光線があることを確認しました。更に精度を上げるために、回折格子分光器を用いて、可視光線の波長の範囲を測定しました。また、パソコンで、どの波長の光が1番強いかを見たのですが、特に、赤外線(可視光線より波長が長い)の光を出すLEDを測定すると確かにその位置に表示されて感動しました。目に見えないけれど、波がそこにあると初めて実感しました。さらに、最先端の研究をみせていただきました。今、検査等に使われているX線は波長が短くエネルギーが高いので少し被爆してしまうというデメリットがありますが、京都大学で研究されている、「テラヘルツ波」は赤外線よりも波長が短く、エネルギーが低いため、被爆せずに検査できるというメリットがあります。実際に研究室で、テラヘルツ波を使って、ICOCAの内部を見てみて実際に実用化したら人体への健康被害がないので、空港や医療機関での利用が一気に進むだろうなあと感じました。
  • これまで虹についての講演をテレビで見て、面白いなと思い調べたことがありました。その延長線上の、また人間には見ることのできない光について学びました。 特に今回印象に残ったのは二つ。 一つ目は赤外線のカメラを利用して身の回りを「見たことです。人間には可視光線しか見えません。。しかし、例えば赤外線の観測できるカメラを利用するとその物体の持つ温度が分かり、白いものは反射して反対側にあるものが見えます。実際に触れていないのに温度が分かったり、見えないはずのものがはっきりと見えたりすることに不思議に感じましたが、人間の目から見えるものがすべてではなく、ただある限定されたスペクトルの中で生きているだけなんだと気づきました。 二つ目はテラヘルツ波での観測についてです。将来実用化されるであろうテラヘルツ波の、現在は数少ない実験室に入らせていただき、実際にテラヘルツ波での観測をしました。irucaやグミを実際に中身まで観測できることにも驚きましたが、扱いにくいテラヘルツ波をとても小さな出力する機械で発生させられるようになったその進歩にとても驚きました。

2017年11月4日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 理学研究科5号館 262号室

  • 当日の講師

    田中 孝明 助教(理学研究科 物理学第二教室 宇宙線研究室)

  • チューター

    奥野 智行

  • 実習の内容

    最初に宇宙線や用いる実験器具に関する基礎的な情報について説明を受けた後に、プラスチックシンチレータと光電子増倍管を用いて宇宙線からの信号を測定した。まず、光電子増倍管からの信号を観察することを通じて、オシロスコープを始めとする実験器具の使い方に慣れてもらった。その後、複数の回路モジュールを組み合わせて光電子増倍管からの信号を処理することで、水平方向からくる宇宙線よりも鉛直方向から来る宇宙線が多いことを測定によって明らかにした。次に、プラスチックシンチレータを1メートル程度離して設置して信号の時間差を測定することで宇宙線の速度の測定に挑戦し、宇宙線の速度が光の速度と同程度であるという結果を得ることができた。最後に実験の総括と、宇宙線の起源について最新の研究成果を交えながら説明を受けた。

  • 物理学_実習風景実習に先立ち宇宙線や実験器具に関する説明を受ける
  • 物理学_実習風景回路モジュールへの配線を繋いで宇宙線測定セットアップを組み立てる

活動を通して学んだこと

  • 宇宙線を観測した。宇宙線は内側にから降り注ぐ放射線であり大きなエネルギーをもっており、超新星残骸によって加速されると考えられている。宇宙線には一次宇宙線と二次宇宙線があり、一次宇宙線が大気に入ると二次宇宙線になる。大半は陽子で出来ているが、地上に来るまでに変化を起こしいくつもの種類に分かれていく。今回観測したのはπ中間子がニュートリノと別れ生まれるμ粒子。まずミューオンを通すと光を出す素材と光を電圧に変え増幅させる装置を使用しミューオンを確認した。トリガーを調整しノイズを除去して求めたい波だけを切り取った。次に、二つの装置を縦に重ねて、両方に一致する波だけを観測した。その後二つの装置を横に重ねて同様に観測し、それぞれの数を数えたところ縦に重ねた場合により多く一致していた。このことからμ粒子は縦方向に飛来していることが分かった。最後に、四つの装置を二つずつ重ね距離をとって配置し、波のズレの時間をはかることでμ粒子の速度を求めた。結果、およそ光と同じ速度だと分かった。後日、μ粒子の観測によってピラミッドの内部に未知の空間が発見された、というニュースを目にした。宇宙から降り注ぐ放射線によって、地球上の見えない場所が見えるようになるというのはとても興味深いことだと思った。
  • 実験をする前に推論を立て、なぜその通りになったか、なぜその通りにならなかったかを考えることは重要だと感じた。物理という分野において、実験の結果は何よりも大切なものなので、それをうまく生かして考えを組み立てることが必要なのだと分かった。
  • オシロスコープの使い方は難しいので、はじめて知った。学校にもあるので、実験に使えると思う。
  • 宇宙線の種類や性質について知り、プラスチックシンチレータと光電子増倍管の機構について学んだ、また高圧電源とオシロスコープの使い方を学んだ。宇宙線がどれくらいやってくるか調べる実験からは20cm*20cmのシンチレータに30秒で93の宇宙線(だいだい手のひらに毎秒1つ)がやってくるという結果を得た。また先の実験では鉛直方向からの宇宙線を調べたのに対して水平方向からの宇宙線を調べ、水平方向からは30秒で21という結果を得、宇宙線のほとんどは上からくるということが分かった。宇宙線の速さを調べる実験からは宇宙線の速さは光とほぼ等しいということが分かった。最後に宇宙線の起源についての仮説や研究方法などを知った。
  • 宇宙線(μ粒子)についての実験でした。初め、僕は宇宙線を知らなかったので焦りました。実験についてですが、プラスチックシンチレータやオシロスコープなどを用いて宇宙線の速さ、向き、さらに電圧器とオシロスコープを結ぶ線の結び方などを学びました。
  • 今回は宇宙線をプラスチックシンチレータを用いて測定した。まず、スパークチェンバーで撮影した動画を見せてもらい、意外にも宇宙線は多く降り注いでいて、手のひらサイズに毎秒一本の割合で届いていることを知った。そもそも宇宙線の存在はどうやって発見されたかというと昔、はく検電器を用いてきっかけができた。はくが開いた状態が放置すると閉じることから、地球の放射線の影響ではないかと考えられたが、Hessの実験によって高度依存性がわかり、宇宙からの放射線であることがわかった。このHessはのちにノーベル賞をとるが、命がけで5kmも上まで気球で上がり、実験したHessや他の研究者などすごいなと尊敬できるし、その方たちのおかげで今私たちが夢を抱けているんだなと改めて思った。また、はく検電器は私が今まで触った実験器具の中で一番興味を持って大好きだったもので、私も自然にはくが閉じる現象が起こった時、すごく疑問に思い学校の先生に聞きに行ったが器具が古いから。という理由を言われてそれに納得してしまっていたことがあった。私はたぶんあの時恐らく宇宙線を観測していたんだろうなと思う。そう考えるともうちょっと考えれば良かったという思いと私も昔何人もの研究者が疑問に思ったものを疑問に思えたという事実が嬉しくなった。
    私たちは今回、一次宇宙線が空気原子核に当たり、π中間子になり、さらに、μ粒子とニュートリノに分かれたうちのμ粒子を観測した。ニュートリノは電荷がないため、観測するのが難しく、そのためスーパーカミオカンデで観測されたのはノーベル賞級の発見だったのだ。プラスチックシンチレータで、光を信号に変え、光電子増倍管でその信号を大きくして測定した。測定する際、オシロスコープを使ったが私は一度しか触ったことのなかったため、すごく勉強になった。30秒の間にこの装置(プラスチックシンチレータと光電子増倍管)で観測できたパルスは1つで168回、2つで93回、さらに横向きにして測ると21回となった。このことから宇宙線が横ではなく、上からきていると言える。先生には下から宇宙線が来ることはないと昔の実験で分かったと教わったので後で調べてみようと思う。次に速度を測った。まず、予想をして見た時、先ほどの観測の結果から光と同じぐらいの速さではないかという仮説が生まれた。そこで、2つ装置を用意して78cm離し実験を行うと約2.5nsズレて計算によるとほぼ光の速さに近いことがわかった。このように計算に基づいた仮説を立てて、実験をするという体験は初めてだったのでドキドキして楽しかった。宇宙線がそもそもどこから来ているのか。超新星爆発の残骸が生み出したのではないかという研究がある。もし、本当にそうだとしたら、数十年に一度しか起きないと言われている超新星爆発が本当にその頻度で起きているのか疑問だ。あんなに大量の宇宙線をずっと降り注げるだけの大規模な爆発なのか、本当は超新星爆発がもっと起きているのではないかと思った。宇宙線の観測で、もし途切れる時期などがあったらそれは超新星爆発がその時期に起こっていなかったとかの発見もできていくのかもしれないと思った。また、異常に多くなるときは超新星爆発がどの規模で起こったなど予測することができるのではないかと思った。いま、人類はスイスのCERNのLHCという加速器を作ったが、それを超える加速器が宇宙には天然に存在しているという話は「天然の加速器」というのは宇宙にとっては自然なメカニズムなのであろうけどもそのメカニズムがある宇宙に対してさらに興味が湧いた。
  • 宇宙から降る宇宙線のうち電荷を持つミューオンを観測しました。まず宇宙線が上から来ていることを、プラスチックシンチレータと光電子増倍管の向きを変え、オシロスコープで確認しました。また、宇宙線の速度を測定するために、装置を上下に80cmほど離して、観測されたミューオンの時間の差が5.0nsだったので宇宙線の速さがだいたい1.6×10^8m/sとなり、光の速さが3.0×10^8m/sだから近い速度であることが分かりました。
  • 今回は今まであまり調べたことのなかった宇宙線についてでした。宇宙線についての知識はもちろん増えましたが、実験物理の基礎基本についても学ぶことができました。配線をつなぎオシロスコープで実験結果を出す。簡単なことだろうと思っていましたが、実際にはとても難しくなかなか難航しました。 そして、現在このように観測できている宇宙船に関しても、未だに発生源がどのような天体かという根本的なことも分かっていないということで、早く解明してほしいと思うとともに、何らかの形で、将来僕自身も関わってみたいなと思いました。

平成29年度 実施レポート

年度別の実施レポート