京都大学ELCAS(エルキャス)

実施レポート

[基盤コース後期]海洋生物の健康増進の科学

農学研究科 海洋生物機能学分野

2018年2月10日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 農学研究科E-104

  • 当日の講師

    佐藤 健司 教授

  • チューター

    吉川 和伸、荒川 貴行

  • 実習の内容

    前回のアミノ酸分析の結果の計算を行い、これまでの結果と合わせパワーポイントを作成した。特にイトゴカイ捻出物中に放出されるアミノ酸の生理的な機能について議論した。

  • データの取りまとめ、パワーポイントの作成
  • データの取りまとめ、パワーポイントの作成
  • データの取りまとめ、パワーポイントの作成

活動を通して学んだこと

  • 前回のイトゴカイの分泌粘質液に含まれるアミノ酸組成が抗生物質を与えることでどう変化するか実験を行った結果から、イトゴカイの分泌粘質液中のアミノ酸の含有濃度を求めた。抗生物質なしの分泌粘質液はGluが多かったが、抗生物質ありの分泌粘質液はGlyが多かった。このことから、イトゴカイ体内のGluが体外に漏れ出し、それを分泌粘質液中にいる微生物がGlyに変えていると考えられた。イトゴカイは余ったアミノ酸を体外に分泌して微生物を育て餌にしたり、分泌粘質液中のアンモニアの無毒化を行ったりしているかもしれないという結論に至った。活動の最後には発表スライドの作成を行った。
  • イトゴカイの抗生物質の有無からアミノ酸の組成を調べたデータを処理した。また、次回の合宿のプレゼンテーションの準備をした。データをエクセルで処理をしていると本来の仮説と大いに異なり目的が異なってしまった。しかし、先生曰く、実験とはそのようなことがよくあるとおっしゃった。結果としては、イトゴカイが粘液内の微生物をD体のアミノ酸が抗菌作用で殺して生存していると考えられていたが、それとは裏腹に抗生物質を用いると体外に出ていたアミノ酸は微生物が出しておりイトゴカイが体外に抗菌性のD体のアミノ酸を出していたわけではなかった。つまり、イトゴカイは自らの粘液の巣で暮らし、微生物を家畜のように育て捕食していたと考えられる。このように、微生物を飼い育て捕食するのは人間や蟻などがするものだと思っていたが無脊椎動物がこれに似た行動をするのにはとても驚いた。短い期間での活動だったが充実した時間だった。これに似た生物の捕食行動などを研究を追求するために農学部に入るのも一つの将来の進路であると実感した。
  • 最初に前回の実験の結果を教えていただきました。今までイトゴカイは抗菌のために、粘出物にグリシンを多く含んでいたのだと思っていたけれど、予想とは全く逆の結果が出て、そのような生理作用はないことが分かりました。このことから、実験の奥深さを改めて感じました。仮説とは異なる結果が出たら、自分でまた新しい仮説をつくって実験、その過程がELCASの活動を通して非常に面白いと思いました。また、今回は主に今までのデータを、発表用にまとめる作業を行いました。実験の時に先生の言っていたデータ、気づいたことをこと細かに記録することが大切ということを感じました。実験方法を説明するだけでも、使った試薬の量や作用、それがサンプルに影響を及ぼさないかなど気にかけることが山ほどあり、大変だと感じました。
  • 色々やっていく中で、エクセルが凄く使いやすいということと、それがわかったことで、今までよりもコンピューターに馴染めたように思う。だから今回学んだことは、初めわからなかったことでも、回数を重ねるとだんだんわかってくるということ。それでも、今一人でやってみろって言われたら、それはそれで難しいと思うけれど。 今回が合宿前の最後の活動だったので、一応、今までで一番色々なことをわかった上で取り組めたと思う。
  • 計算と結果のまとめ・発表の準備を行いました。前回の実験は予想と大幅に違った結果となり、今までグルタミン酸に注目していたのですが、それよりもグリシンの値の変化が顕著に現れ、これまでの仮定が根底から覆されました。今まで何度も「実験結果が予想通りにいくとは限らない」と聞かされ続けていましたが、ここまで違うというのは初めてで新鮮さを感じました。結局もともとの分野の題名とはかけ離れた研究になってしまいましたが、計算を行い、結果をまとめました。とにかく今は実験時の基本データが非常に重要な情報となっており、試料の量などをきちんとメモをしていてよかったと心から思いました。後半はこれまでの実習のまとめと発表準備でした。もうどんな実験をしていたのかあまり覚えていないのもあり、とにかく記録をするのは大事であると、ひたすらに感じた一日でありました。

2018年1月27日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 農学研究科E-104 N567

  • 当日の講師

    佐藤 健司 教授

  • チューター

    吉川 和伸、荒川 貴行

  • ボランティア

    宮崎 葵

  • 実習の内容

    イトゴカイを抗生物質を加えた海水と通常の海水で飼育し、粘出物を採取し、再びアミノ酸分析を行った。本日はサンプルの誘導化、高性能液体クロマトグラフィーでの分離までを行った。またこれまでの結果のまとめも一部行った。

  • サンプルの誘導化
  • 高性能液体クロマトグラフィーへのサンプルのセット

活動を通して学んだこと

  • 粘液の中にグルタミン酸が多かったのはなぜか、ということについて実験しました。グルタミン酸には抗菌作用があるので、それが関連しているのではと考えて、殺菌された場所で生活したイトゴカイとそうでないものを対照にして、実験を行いました。もし、グルタミン酸が通常よりも多ければ、自分のすみかを守っていることが、通常よりも少なければ、体内のアンモニア、尿素の量を調整していることが証明されます。このことを聞いて、あんなに小さなイトゴカイにも、人間の免疫のような機能があることに驚きました。また、そのほかにもアンモニアの量を調整するなどのはたらきがあるかもしれないことから、微生物であっても、自分の体を守るしくみは人間とそう変わらないのではないかということを感じました。
  • 今回の実習までに、イトゴカイの体内にはGly、Ala(D-Alaの方がL-Alaより多い)が、分泌粘質液にはGlu(特にL-Glu)が多く含まれていることがわかった。このことより、分泌粘質液に含まれているGluはイトゴカイが積極的に出していることがわかった。この結果から、今回はイトゴカイの分泌粘質液に含まれるGluが殺菌効果を持っているのか実験を行った。仮説として、抗生物質入りの培地と抗生物質なしの培地でイトゴカイを育て、その分泌粘質液のアミノ酸分析を行い、抗生物質入りの培地の分泌粘質液でGluが増えれば殺菌効果があり、増えなければ殺菌効果とは関係ないと考えられる。
    実験の手順をまとめた。1)標準となるトリエチルアミン(TEA)、抗生物質入り培地で育てたイトゴカイの分泌粘質液(以下、抗(+)とする)、抗生物質なしの培地で育てたイトゴカイの分泌粘質液(以下、抗(-)とする)をはかりとる。2)真空、乾固させる。3)メタノール:水:TEA=7:1:2を2)にそれぞれ入れ、塩基性にする。4)真空乾固させ、TEAを揮発させる。5)メタノール:水:TEA:フェニルイソチオシアネート(PITC)=7:1:1:1を4)にそれぞれ入れる。6)20分常温で放置し、PITCは塩基性でアミノ酸と反応するため、アミノ酸とPITCを反応させる。7)真空乾固させ、TEAを発揮させる。8)Pico Tag Bufferを7)にそれぞれ入れる。9)超音波で振動させた後、遠心分離にかけ、その後サンプルカップに移す。10)HPLCで分析する。
  • 前回やった実験と同じような工程で実験をしたので、いい復習になりました。こういう時に、メモは取っておいてよかったなと思いました。メモを取っていなかったら、うろ覚えでできなかったと思います。前の時には理解できなかった事や、操作ができるようになっていたので嬉しかったです。
  • 初回の実験と同じPITC法で、イトゴカイの粘液のアミノ酸分離実験を行いました。抗生物質の中で2日間飼育したサンプルと、通常の状態で飼育したサンプルを両方分析し、主にグルタミン酸の量の違いを調べるのが目的でした。増えても減っても興味深い仮説が立つということでしたが、残念ながら結果が出るまでに時間がかかるので、結果を確認できるのは次回です。非常に楽しみです。今回の実験は結果が全く予想できず、非常に興味深いものでありました。中々高校の実験で結果が予想できないものはやらないので、大変楽しめました。次回はまとめですから、今回が最後の実験になります。本来であればもう少し確認の実験をしたいところ(もし今回の結果が芳しいものであったなら)でありますが、時間の関係でここまでです。少し残念ですが、本物の研究というのはいかにも時間がかかるものであると実感しました。

2018年1月6日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 農学研究科E-104 N567

  • 当日の講師

    佐藤 健司 教授

  • チューター

    白子 紗希、蓮井 啓介

  • ボランティア

    宮崎 葵

  • 実習の内容

    前々回のアミノ酸分析の結果をエクセルで計算し、組成、含量を計算した。また前回行ったFLECによるアミノ酸のD/L分割の結果を解析し、アラニンがD型が存在することを見出した。両方の結果ともイトゴカイ体内と分泌粘質物では、グリシンとグルタミン酸がそれぞれの主要成分であり、アミノ酸の組成が明らかに異なることが明らかとなった。

  • アミノ酸組成と含量の計算
  • LC-MS/MSによるD/Lアミノ酸の解析

活動を通して学んだこと

  • 前回までに行なった実験データをグラフにまとめる作業をした。LC/MSのピーク検出時間とピーク面積から、イトゴカイの体内と分泌粘質液に含まれるアミノ酸の含有量について、(1)割合、(2)百分率、(3)濃度を求め、(1)から(3)の結果からグラフを作成した。(1)の濃度を求める時、表計算するのにどこの数式を使えば良いかわからず、手間取った。佐藤先生や大学生のチューターの方々に教わりながらも、グラフが完成した時、今までの実験結果が目に見え、達成感があった。前回までの結果では、イトゴカイの体内のアミノ酸はグリシンが最も多く、次にアラニンが多かった。これらを合わせると含有アミノ酸の7割を占めていた。外界の塩濃度に体液を合わせるためイトゴカイは、グリシン・アラニンで浸透圧の調整をしているそうだ。また、イトゴカイの体内のアミノ酸の多くはD体であった。一方、イトゴカイの分泌粘質液に含まれるアミノ酸はグルタミン酸が最も多く、次いでグリシン、アラニンが多かった。グルタミン酸は体内に多く含まれていないのに、分泌粘質液に沢山含まれていたことがわかった。アミノ酸の多くがL体であった。
  • 実験データの計算をしたり、それをパワーポイントで表したりとまとめの作業をしました。ただ数字を並べただけだと分からないことがグラフにする、絶対比を出すことで目に見えて理解することができました。また、濃度の計算は仕組みさえ理解すれば簡単にできたので、大学では使わないと思っていた高校や中学で習ったことも意外に活かされるんだということを感じました。また、先生が得られた結果からどんどん考えられる原因を挙げていて、どうなるか分からないことを研究するのは多くの仮説が出て、大変ですが、同時に楽しさを今まで以上に感じることの出来た活動になりました。
  • これまでの研究で出した結果をエクセルで計算してまとめ、グラフにして目視できるようにした。計算内容はスタンダードのデータと、自身のデータの面積比を求め、%比率を求めた。又、Pmolを絶対値としたumol/gの濃度も求めた。その時、濃度を求める際に、佐藤先生に単位を意識して計算することが大切と教えて頂いた。その他にも、グラフで見ることでイトゴカイの体液と粘液の差が一目で判断でき体液が断然多い特徴のあるグラフになった。今日の講義では研究のデータ処理の基礎を学び、次の発表へ生かせるような内容の講義でとても為になったと実感できた。発表に向けてグラフやパワーポイントで相手に印象づける技術なども大切だと思った。
  • 今回、自分達でした活動は、Excelを使って実験結果を表にまとめたことだけで、あとは先生や大学の学生さんが出した結果を見るというのがほとんどだった。最初の方は座学でやっとまともに先生の話内容が理解できた。でも自分はExcelの操作がとても苦手なので、先生が一つ一つ教えてくださったのはとてもやりやすかった。学校の情報の授業ももっと頑張らないといけないと感じた。そのあと、全員が作った表を並べて見てみた。すると、どんなアミノ酸がどこに含まれているかが一目瞭然で、そのときはグラフを見るまでもないなと思った。でも後から実際にグラフを見ると、更によくわかった。
  • アミノ酸の計算をした。Excelを使って計算したが、大学生になると難しい計算をパソコンで処理することが多くなると聞いたので、今Excelの使い方を学べて良かったとおもう。海洋生物に必要なアミノ酸と人間に必要なアミノ酸はちがうことが分かり面白いなと思った。海洋生物には美味しいとされているアミノ酸の成分が多く含まれていることが多いと知り、面白いと思いました。
  • 前回までに行った実験結果の整理と結果の算出、考察でした。前回行ったアミノ酸のDL分離実験はあまりうまくいかなったようですが、おおむねのデータから、予想とは違う結果が出たとわかりました。前で先生が新しい仮説を述べられましたが、今思い付きでしゃべっていると仰って驚きを感じました。今回は表計算ソフトを使用した計算がメインとなり、割と使用経験のあるものだったのでスムースに進みましたが、実験結果はすぐにまとめないと忘れてしまうという先生の言葉通り、どのデータがどういう意味だったのかをもう忘れていて苦労しました。ただ何となく言われた通りに取っていた実験のノートも、今となっては貴重な記録となっており、いかに記録することが重要かを思い知りました。

2017年12月9日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 農学研究科 E-104 N567

  • 当日の講師

    佐藤 健司 教授

  • チューター

    荒川 貴行、渡辺 隼斗

  • ボランティア

    宮崎 葵

  • 実習の内容

    イトゴカイの捻出物、体の抽出物をFLECで誘導化し、D, L体の分割を行った。誘導物はLC-MS/MSで分析を行うところまでを行った。

  • FLEC試薬とLC-MS/MSを用いてアミノ酸のD,L分割を行っているところ
  • FLEC試薬とLC-MS/MSを用いてアミノ酸のD,L分割を行っているところ
  • FLEC試薬とLC-MS/MSを用いてアミノ酸のD,L分割を行っているところ

活動を通して学んだこと

  • 1回目の実験と同じサンプルで、アミノ酸のDL分離実験を行いました。実験操作は1回目と似たようなものでしたが、今回はLCマスを利用したので若干サンプル作成作業が楽な分待ち時間が増え、ほかの人との親交を深めることができました。Flec reagentが一本一万円以上というのは驚きでしたが、大学に入るとこのような高価な試薬も使えるのかと、素直に興味がわいてきました。最後に結果を見ることができなかったのは残念でしたが、実験は必ずうまくいくものでもないので、次回結果を見るのを楽しみにしています。
  • アミノ酸がD体かL体かの測定をした。 まず、アミノ酸は圧倒的にL体が多い。でも、アミノ酸が体外に放出されているということは、一般的ではないD体のアミノ酸ではないかという先生の話から予想を立てて実験をした。D体とL体のアミノ酸は光学異性体の関係にあり、鏡写しにすると重なるような物質なのに、性質が全然違う。原子レベルになると、一見同じに見えるような小さな違いも性質に大きく関わることが分かった。また、化学式を眺めていても、分からないことが多いので、実際に自分で実験してみて理解するということを教えていただき、なんでも実践することが大事だと感じました。
  • だんだん先生の話内容や、実験の目的などが把握できてきて、やっと活動を楽しいと思う余裕が出てきた。今回初めて実験に参加し、少しではあるけれど、使ったことのない実験器具を触ったりして、なんだかそれらしいことができたかなと思う。ここで驚いたのが、実験の一つ一つの作業が思った以上に時間がかかったことである。というのは、作業の一部は機械で行っているため、その間何もすることが無かった。でもその間にメンバーのみんなと色々な話ができたのが嬉しかった。何か一つの話題についてみんなで盛り上がれるというのはとても楽しかったし、新しいことも知ることができた。大学生の方とも話せて、実験についての質問などもできた。だから今回は、人と共同で何かを調べる、作るという、大学での実験というのをより身近に感じられたと思う。光学異性体と構造異性体など難しい言葉も多く学んだけれど、座学よりも実習のほうが理解するには近道だと分かった。そのおかげで、前回のグラフをどのように使っていくのか、あの構造式は何を表しているのかなどが分かるようになってきた。それがすごく楽しい。ただ、時間の関係で結果を最後まで見られなかったのが残念だった。実験をすることはやっぱり時間のいることなんだと学んだ。また次回を楽しみに待とうと思う。
  • 光学異性体の講義を受けた後、前の実験で使用したサンプルを使ってアミノ酸のD体、L体をLC/MS(液体クロマトグラフィー/質量分析法)で行った。光学異性体とは、物質に含まれる炭素4本の手にそれぞれ違う物質が結合しているときであり、光学異性体が2つある物質をジアステレオマーという。D体とL体の関係は、鏡にうつった自分(実像)と鏡を見ている自分(虚像)である。次に、アミノ酸のD体、L体の同定をLC/MSで行った。LC/MSとは、液体クロマトグラフィーで分離した種々の成分を質量分析部でイオン化させ、さらに質量電荷比毎に分離して検出する方法である。
    手順として、1)前の実験で使用したサンプルを常温に戻す。2)サンプルをボルテックスにかける。サンプル量が少ない場合はさらに遠心分離する。3)真空にして2)を乾燥させる。4)ホウ酸バッファーに標準液を入れる。5)3)にホウ酸バッファーを入れる。6)4)、5)にアセトン溶液を入れ、温め、遠心分離し、LC/MSにかける。
  • 今回も講習で前回のサンプルを使いDアミノ酸を調べてみるという目的で実験をした。アミノ酸分析の仕方で前回はPITC法で親水性を疎水性に誘導化して逆相クロマトグラフィーを用いて、測定した。もう一つの方法のFLEC誘導化という方法で測定した。試薬の使用する種類が少し違うだけでほとんどの操作は似ていた。又、FLEC誘導化の操作の際にさまざまな実験器具の扱い方の小さなコツを教えて頂いた。例えば、有機溶剤を使用する時、チップからすぐに液が漏れるために、漏れないようにする方法などを学んだ。今回は最後に実験の結果が見れるはずが、何らかの影響で見れなかった。これらも実験をする上でよくあることだと思う。次回の講義で結果を見れることを期待して講義の復習をして理解を深めようと思う。

2017年12月2日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 農学研究科 E-104 N567

  • 当日の講師

    佐藤 健司 教授

  • チューター

    宮内 聡、渡辺 隼斗

  • 実習の内容

    前回行った、イトゴカイ、およびその分泌粘液(写真)抽出分のアミノ酸分析の結果の解析を行った。その結果、捻出物ではGlu, Gln, Ala, Proの比が高いことを確認した。

  • アミノ酸分析の解析とその説明

活動を通して学んだこと

  • 計測するアミノ酸の種類や、アミノ酸の計測方法など。また、アミノ酸を誘導化したのち、計測する
  • アミノ酸のクロマトグラフィーによる分離実験を行いました。細かな作業が多く、いちいち行った作業をすぐに忘れてしまい、記録を迅速に正確につけることの重要さを実感しました。実験機器は、操作を覚えることも原理を覚えることも重要である、との先生の言葉が頭に残っています。
  • ごく少量の液体のアミノ酸分析をするのに、あんなに細かい作業が必要だということを知り、精度の高い研究をするのには多くの時間と手間がかかるということを感じました。 どんなに細かいことでも、メモをするということを聞き、研究する際には些細な変化も見逃さない鋭い観察眼が必要だということを今回学びました。 また、実験で使った溶媒となる液体について興味深いと思いました。溶媒が調べたいものと混ざらないのも適していない。そして、実験の邪魔となってはならないので、あとで蒸発させなければならないと考えたら難しいなと思いました。今まで実験で使う溶媒にまで気を配っていなかったので、驚きました。
  • イトゴカイをすりつぶしたものと、イトゴカイから分泌される粘液質から実際に17種類のアミノ酸(Asp、Glu、Ser、Gly、His、Ars、Thr、Ala、Pro、Tyr、Val、Met、Cys-Cys、Ile、Len、Phe、Lys)の同定する実験を行った。時間の都合上結果は次回となった。 上記の17種類のアミノ酸の順番は、逆相クロマトグラフィーにかけたときに検出されるアミノ酸の溶出順である。 実験の手順は以下の通りである。1.イトゴカイの質量測定、2.酢酸60%と30%を溶媒とし、イトゴカイをすりつぶす(酢酸は揮発性のものを使うことで、分析の邪魔をしない)、3.2.を遠心分離する、4.上澄み液をとる、5.4.と標準試薬「TypeH」をそれぞれ10㎕とる、6.真空状態で遠心分離し、2.の酢酸を蒸発させる、7.誘導試薬の作成;(1)水:TEA(トリエチルアミン):メタノール=1:2:7、(2)水:TEA:メタノール:PITC=1:1:7:1、8.7.-(1)を6.に入れ、真空状態で7-(1)を蒸発、9.7-(2)を8に入れ20分待つ 乾燥させる 10. 9.のかたまりを超音波20秒でつぶす。11. 10.を逆相クロマトグラフィーのセルに注射器で入れ、吸光度を測定する。
  • メモは絶対! どんな些細なことでも後で重要になるので、とにかく忘れないようにメモ。特に実験の工程や数量などは必須だと教えてもらった。
  • イトゴカイの体内、粘液を分解してアミノ酸を解析した。これは、前回の講義の説明に基づいて実験をした。1つ1つの工程に長い時間をかけ、精密な機器を扱うことに緊張をした。最後の作業に長い時間かけ、そこで失敗をしてサンプルを失ったと考えると恐ろしいと思う。これからも、様々な実験で共通して言える。又、将来的にも重要である実験器具の細かい注意などもメモをし記録をつけた。これらが、今後の研究に生かせ、高度な実験にもつながると思うとより一層意欲が湧いた。 アミノ酸とは親水性で逆相クロマトグラフィーを用いるには、アミノ酸を疎水性へと変える必要がある。そのために、試薬とペプチドを結合させて作るということが、私にとって実験に工夫がされていると感動した。そして、機械を用いて実験で作ったものをアミノ酸へと解析する作業もあり綺麗にアルギニンやアスパラギン酸などのアミノ酸にわかれて、実験とは素晴らしいと実感した。

2017年11月19日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 農学研究科 E-104 N567

  • 当日の講師

    佐藤 健司 教授

  • チューター

    小嶋 優美、蓮井 啓介

  • 実習の内容

    イトゴカイ、およびその分泌粘液(写真)を採取し、30%酢酸で抽出し、乾燥後、アミノ酸をフェニルイソチオシアネートと反応させ、フェニルチオカルバミルアミノ酸に変換し、高性能液体クロマトグラフィーに注入した。

  • 海洋生物の健康増進の科学_実習風景イトゴカイのサンプリング
  • 誘導化処理中
  • 誘導化処理中

活動を通して学んだこと

  • カラムの中に調べるものを通すことで、親水性か疎水性かによってカラムを抜けてくる時間に差があるため、アミノ酸分析が出来るということ。ピークの間隔を適度に広げるために、移動層の疎水性をあげるアセトニトリルを用いるが、その際に徐々にアセトニトリルの量をあげていくグラジエント溶出を行うこと。
  • 前回行ったイトゴカイのアミノ酸分離同定実験の原理を復習し、データの計算を途中まで行いました。 まず驚いたのは、イトゴカイ自体は数百ミリグラムというわづかな量であったのに、アミノ酸の量がはっきりと計測できたということです。今までに知っている実験と違って、本当に見えない世界の実験であったので、興味をそそられました。今まで何回か聞いてきたもののあやふやになっていた実験の原理を確認し、先生の「加える薬品には全部意味がある」という言葉にその通りだなあと思いながら聞いていました。 データの計算分析は、原理がわかってしまえば割と簡単で、逆に間違っていないか心配になりました。日ごろから計算ミスの多い私ですが、こういうところで間違えると実験がすべて台無しになることを思うとミスをしていられないと学びました。
  • 今回、前回の結果を分析すると、ELCASの前期での結果と同じ結果が出て、今までの考察がほぼ当たっていたことがわかりました。また、アミノ酸以外にもペプチドがでていたかもしれないことが、分かりました。体に含まれていたアミノ酸が拈出液になると減少するのは、自分の体の栄養にしたのかと理解できますが、増加する、自分で作り出してそれをさらに外に出すというのは本当に不思議だなと思いました。パソコンでデータ解析をしたのも、初めてでしたが、パソコンがすべての処理をしてくれるわけではなく、自分で実験結果をしっかり考察し、理解した上で作業することが必要だと感じました。
  • 前回の活動に参加出来ていないので、今回の活動は分からないことが多かった。でも今回は実験とかいう感じではなく、コンピュータを使用しての実験のまとめなどが主な内容だったので、前の内容を知らなくても全くついていけないわけではなかったので良かった。先生の説明は細かかったけれど、聞いているだけでは難しそうに思えた。でも実際に一人一人コンピュータを使ってやることができたので自分でやってみると、意外とわかった。学校の情報の授業で習った知識もいくつか使えたのが嬉しいかった。先生がわざと適当な数値を入れて表を作ったのは、最初は面白くて笑ったけど、自分がやってみると、なんだかまるで自分でとったデータを手直ししてるような気がして、やってやった感があって楽しかった。ここから何かを学んだというよりかは、一見難しそうに見えてもまとめてみると分かりやすくなるということかわかった。  しかし、その後の実験結果の報告みたいなときは、本当に話についていけなかった。ただわかったことは、酢酸はアミノ酸を調べるのに影響を及ぼさず、適しているのだろうなーということくらいである。また、グラフ化してみるとピークは大きくでているように見えたけれど、計算はかなり小さい単位でのものだったので、こんな小さな世界での実験なんて大変だったろうなと思った。 結果的に私が今回の活動から学んだことは、聞いて理解出来ないものはとりあえず書き出してまとめてみるとわかるようになるということだと思う。
  • 前回行った実験の手順と結果をまとめた。各班のデータを全員で共有した。その後、実験で使用した薬品の解説を聞いた。また、実験のデータ処理の仕方を教わり、実際に行った。 すなわち、トリエチルアミンとフェニルイソチオシアネートの性質や反応性、逆相クロマトグラフィーの仕組み、そして吸光度を学び、前回の実験手順を理解した。次に、イトゴカイとイトゴカイが分泌する粘液のアミノ酸をPITC法(フェニルイソチオシアネートを利用した逆相クロマトグラフィー)で測定したクロマトグラフから、ピーク面積を求め、各アミノ酸の同定を行った。
  • メモを、早く取らないと話についていけない。 このペースで大学の講義もやっているのだと思うと、今から慣れておく必要があるなと感じた。また、書きながら理解していくことが大事だ他わかった。コンピュータのソフトを、同じ作業を一人ずつやったが、何回も見たりする事で、しっかりと体が覚えていくとわかった。前、行った実験から数値を求める準備をしたが、取ったデータが少しでも変わると結果も大きく変わってしまうので、何回も確認したのは、大事なのだと感じた。
  • 前回のアミノ酸の逆相クロマトグラフィーの結果をコンピューターを用いて解析した。そして、パソコンで実験器具のコンピューターを使い一人ずつ使い操作した。普段はエクセルやパワーポイントなどのサービスしか利用したことがなかったが、実際に操作をして通常のものとは異なり最初は戸惑いがあった。次第に慣れてゆくと思うので、使い方を復習していく必要を感じた。結果として、前回の受講生の結果と同様のデータを得られ実証できよかったと思う。又、再び使用したコンピューターの仕組みの講習もあり、より深く理解できた。次回は分析した体内と分泌した液のアミノ酸を比較し、分泌液のアミノ酸をL体D体と分ける作業をする。

2017年11月4日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 農学研究科 E-104

  • 当日の講師

    佐藤 健司 教授

  • チューター

    小嶋 優美、蓮井 啓介

  • 実習の内容

    今回の実習のための背景と目的を説明した。具体的にはアミノ酸・ペプチドの構造の説明。海産イトゴカイ体内と分泌捻出液に存在するアミノ酸、ペプチドの構造を説明した。またアミノ酸・ペプチドの分離のためのクロマトグラフィーの原理を説明した。その後、一般実験室、高性能液体クロマトグラフィー、質量分析系を見学させた。

  • 海洋生物の健康増進の科学_実習風景背景の説明の様子

活動を通して学んだこと

  • 前期の講義から予想していたことではあるのですが、今回の講義は非常に難しく、なかなか理解できないものでした。特にアミノ酸の構造のはなしが難しく感じられました。 しかしながら、クロマトグラフィーは化学基礎で、アミノ酸は生物基礎の高校の授業で既習の範囲であったことは大変心強く、高校の学習がそのまま大学につながっていくことを再確認いたしました。 また、今回の活動は次回以降の実験に向けての準備ということで、研究室や実験室等も見せていただき、ますますこれからやることに興味がわいてきました。
  • 今回の講義で思ったのは、なにごとにも疑問を持つことが大切ということです。先生が不思議だと思うことをいろいろお話してくださいましたが、普通に話を聞いているだけでは、そのことに疑問を持つことは難しいなと思いました。そう思うには、その問題をしっかり理解しているのが条件だと感じたし、すぐに聞いたことを受け入れるのではなく、自分の中で一度整理することが大切だと感じました。 イトゴカイが特定のアミノ酸を放出しているという話を聞いて、先生がおっしゃっていたように、わざわざ自分のエネルギーを外に出すのはなぜかすごく気になりました。それをエサがわりにして、自分の食料をよびのせているのか、その栄養分はイトゴカイにとって何か不都合なのか、まだこたえは分からないけど、それが自分の手で調べることができるというところに研究の魅力を感じました。
  • アミノ酸については学校で少し習ってはいたけれど、具体的に何がどんな構造になっているかなんていうのは知らなかった。だから前半の話は難しかったけど、知っていることをより深く学べたようで良かった。そのあとに聞いた光学異性体やそのD体とL体の違いなどについての話には少し興味が持てた。また、同じことでも学校とは違う方向から教えてもらえることがあり、酸素と水素の結合の人体に役立つところなど、生物と化学の関係についても学ぶことができた。 小腸の中には菌がいないということ、無脊椎動物の一部の生き物は免疫力に長けていて、人間と同じくらい生きるということなどは初めて知った。ここから学んだことは、今回の講義内容とほとんど関係ないけれど、生き物の体ってすごいなということである。
    次回からの実験方法については、自分が一番興味を持ったL体とD体についてだったから、後半の話は確かに難しいかったけれど、楽しんで聞くことができた。ここでは、名前だけ知っていたけど詳しい働きについては知らなかったアミノ酸や養分の詳細を学んだ。 クロマトグラフィについてはペーパークロマトグラフィー以外知らなかったので分離ロトを使っての分離の仕方はややこしかったけど勉強になった。また、その続きでカラムの表面積がテニスコートくらいあるというのに驚いた。 自分が唯一完璧に理解できたのがアミノ酸分析の透過度と吸光度である。例えがわかりやすく、次回の実験の本質についてが詳しく分かった。
  • 研究テーマの説明と研究に関する基礎知識を教えて頂いた。テーマは、(1)イトゴカイが体外に分泌するアミノ酸の構造決定、(2)イトゴカイが体外に分泌するアミノ酸(アラニン、プロリン、グルタミン酸)がL体かD体かを調べる、の2つである。まず、イトゴカイについて説明を教えて頂いた。イトゴカイとは土の中に住んでいるゴカイの仲間で、生き物にとって大切な栄養素であるアミノ酸のうち、アラニン、プロリン、グルタミン酸を粘出液として体外に分泌する。研究では、イトゴカイがアミノ酸を体外に分泌する理由に迫る。 (1)体外に分泌するアミノ酸の構造決定。 分子量を正確に測ることのできる機械に質量分析計がある。しかし、質量分析計では分子量が同じでも構造が異なる分子の区別はつけることができない。このような場合には逆相クロマトグラフィーを利用して構造別に分離、分類する。逆相クロマトグラフィーとは、固定相が疎水性、移動相が親水性の物質を使って分離する方法で、脂肪酸や無機化合物などの分類に用いられる。イトゴカイのペプチドの分子量は分かっているものの、構造が分からないので、疎水性で吸光度の大きい試薬とアミノ酸を反応させた後、逆相クロマトグラフィーで分離する。 (2)体外に分泌するアミノ酸がL体かD体か。 アミノ酸にはL体とD体と呼ばれる2つの構造パターンがあり、ほとんどのアミノ酸はL体である。イトゴカイは何らかの理由でアミノ酸を体外に分泌するので、このアミノ酸が特殊なD体かどうかを調べる。 最後にクロマトグラフィーを行う機械の見学や、液体クロマトグラフィーのカラムに触れる体験、マイクロピペットの使用方法の解説、研究室の見学をさせて頂いた。

平成29年度 実施レポート

年度別の実施レポート