京都大学ELCAS(エルキャス)

実施レポート

[基盤コース後期]生物学

2018年1月20日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 理学研究科2号館 植物分子細胞生物学研究室

  • 当日の講師

    嶋田 知生 講師(植物分子細胞生物学研究室)
    田村 謙太郎 助教(植物分子細胞生物学研究室)

  • チューター

    大坪 卓、櫻井 貴之、細川 智佳

  • 実習の内容

    1. スライドを用いた高等植物の細胞観察法の説明
    2. クリーンベンチを用いて、シロイヌナズナ種子を無菌的に寒天培地に播種した
    3. SDS-PAGE法を用いて、葉および種子に含まれるタンパク質成分を解析した
    4. タバコの葉における遺伝子の一過的発現を行った
    5. 共焦点レーザー顕微鏡と蛍光タンパク質を用いて、シロイヌナズナおよびタバコの細胞小器官の観察を行った
    6. 本実習に関する質疑応答を行った

  • SDS-PAGE法を用いて植物の葉および種子のタンパク質を解析している
  • タバコの葉での遺伝子の一過的発現を行っている
  • 共焦点レーザー顕微鏡を用いて植物の細胞小器官の観察を行っている

活動を通して学んだこと

  • シロイヌナズナの葉と種子のたんぱく質を電気泳動により比較し、シロイヌナズナ及びタバコの細胞小器官の顕微鏡観察を行いました。シロイヌナズナの種子は小さく、扱うのが難しかったですが、電気泳動すると、葉に含まれるたんぱく質と全く違う分子量のたんぱく質が表れたため、とても印象に残りました。又、顕微鏡観察によって、アクチンフィラメントと小胞体の位置関係が似ていたことと、小胞体が細胞質全体に広がっていたことに驚きました。
  • 植物細胞の不思議を探るということで、実習を行った。まずはじめに、植物の種子と葉では、構造を作っているタンパク質の性質が異なっていることを見るため、タンパク質の分析をした。マイクロピペットの使い方など、これまでの実習の経験を生かしてスムーズに使えて、嬉しかった。電気泳動する時に用いるゲルがいつものと違っていたので、先生に伺うと、ゲルには2種類あって、今日使ったゲルは、より詳しく結果が導き出せるものだとわかった。電気泳動の結果、植物の種子の方がプラス極に進むのが遅く、逆に葉の方がプラス極に進むのが速かった。その差約20くらいで、性質が異なることがはっきりと分かった。タンパク質の性質を知ることで新たな研究が出来たり、植物の起源にもつながっていけるのだと感じた。次にシロイヌナズナの種まきをした。学校にもあるが、使ったことのなかった、クリーンベンチ内で無菌的な状態で行った。学校の課題研究で納豆菌を育てたときに、無菌状態にすることの大切さを教わり、実際に今日体験することができて本当にいい経験になった。持ち帰った種子は、発芽するまで大事に育てたいと思う。そして最後に、植物の細胞小器官の観察を共焦点レーザーを使用して行った。教科書に載っている細胞小器官は、大雑把で構造がよくわからないけれど、今日実際に小胞体やアクチン、核をGPFで見た。驚いたことは、小胞体は核を取り囲むように周りを覆っていて、ザルのような形をしていたことだ。顕微鏡で観察することで、本当の細胞小器官の構造を知ることができたので、またいろんな細胞小器官を観察したいと思った。今日は前回に続いて植物に焦点を当てた実習を行った。研究者がすることと同じような実験をしたり、器具を使ったりすることが出来、幅広い知識を吸収することが出来た。植物でもやはり動物と同じで、タンパク質が最も重要な実験要素になってくるのだと知り、タンパク質の分析は、まだ様々な秘密があり、不思議いっぱいの物質なのだとしみじみと感じた。今回で実習は最後になるけれど、エルキャスで学んだ多くのことを糧にして大学で自分の興味のある分野で学んでいきたいと思う。とても面白く、そしてとても有意義な時間を過ごせた。
  • 今回の活動では、今までの集大成というか、したことのある実験が多かったが、全てうまくできて良かった。また、蛍光タンパク質に、様々な種類があることを知ってびっくりしました。葉に注射するのは生まれて初めてで、難しかったのですが、楽しかったです。貴重な体験となりました。また、失礼なのかもしれませんが、どの研究室も同じような器具を使って研究をしていることがわかった。都合の良い器具を作りたいと思う。独創的な発想を大切にしていたいです。
  • シロイヌナズナという植物の種子に含まれるタンパク質と葉に含まれるタンパク質との違いを電気泳動法によって比較した。その結果、種子は発芽・成長に必要なタンパク質を多く含み、葉はルビスコなどの光合成をするのに必要なタンパク質を多く含んでいた。このことから、異なる器官にはそれぞれの働きに適したタンパク質が含まれていることが分かった。それぞれの器官の持つDNAは同じであるから、異なる器官では異なる遺伝子が発現しているということを実感した。また、シロイヌナズナの種子をクリーンベンチで植える実習もした。学校や他の大学でもクリーンベンチを見たが実際に使ってみたのは今回が初めてだったので、とても良い経験になった。クリーンベンチの中の空気はHEPAフィルターを通しているのでとても清潔だとお聞きした。興味深かった。
  • シロイヌナズナは植物の研究のモデル植物と言うことだったが、実験に必要な条件によって各々の特色を考慮して使う植物を使い分けると言うことで、当たり前だがうまく実験する為にはよく考えなければいけないということ、それから学んだような種毎の植物に対する知見はこういったところで役に立つのだということを知った。電気泳動は以前にも何回か行ったが、今回泳動するサンプルのエッペンチューブを取り違えて条件と違う結果が出てしまったところがあったので、きちんとどこに何を置いたか、また出来るものは器具自体にも条件等記録しておくのは重要だと学んだ。

2018年1月6日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 理学研究科6号館401室(標本庫見学は総合博物館)

  • 当日の講師

    布施 静香 助教(理学研究科 生物科学専攻 植物系統分類学研究室)

  • チューター

    伊藤 厳、村上 翔

  • 実習の内容

    14:00-14:15  実習概要と実験手順の説明
    14:15-15:00  PCR用サンプル調整
    15:00-15:30  系統分類の手法説明  
    15:30-16:00  植物標本庫の見学
    16:00-17:30  植物の塩基配列のダウンロード、系統樹構築実習
    17:30-18:00  PCR産物の電気泳動と撮影実習
           実体顕微鏡下での花の観察
           まとめ

  • 特定のDNA領域の増幅を行う1
  • 特定のDNA領域の増幅を行う2
  • DNA塩基配列を用いて分子系統樹を構築する
  • 植物標本庫の見学

活動を通して学んだこと

  • 今回の活動では、植物の系統樹の作成方法を新しく学びました。系統樹は教科書などでよく見ますが、どう作るか気になっていたので、楽しみでした。パソコンで一瞬で完成し、あっけなかく終わりましたが、面白かったです。種の整理をすることが、適応進化の研究に役立つことや、雑種や純系の存在比の理由に繋がることがわかり、非常におもしろかったです。植物って面白いな、と思うことが何回もあり、楽しかったです。
  • 植物の分類には、α、β、γの3種あり、今回の実習ではβ分類の分子系統樹の構築を行いました。これは従来のように、形質や形態で仲間分けをするのではなく、塩基配列の分析から分類をしていきます。この方法が確立したことで、今までユリ科だとされていたある植物は、実は芋類の方が近かったなど、大きく分類が変わりました。蛍光を付けたジデオキシリボースを用いたシーケンス反応によって、塩基配列を決定しますが、そのためのDNAの増幅と、その反応後のアライメントという、得たデータを並び替える作業を行い、系統樹を作成しました。DNA増幅は、以前の実習でも学んだことのある、PCR装置を用いました。そして、電気泳動によって、増幅を確認しました。アライメントには、MEGAというフリーソフトを用いました。また、標本庫を見学しました。非常に厳重に保管されていました。世界に1つしかないタイプ標本が多くあり、研究環境が素晴らしいなぁと思いました。今回、植物の進化に伴った機能の違いなどを学び、とても興味を持ったので、今日から道端の草花など、少し注目して見てみようと思います。
  • 今回は植物の分類と進化の道筋ということで、生物学で初めての植物について実習を行った。植物の多様性を調べるには、いくつかの方法があるけれど、その中でも今日はDNAを増幅させて精製した。今日でPCRを使うのは3回目で、実験器具の使い方はある程度慣れてきた。サンプルシートを作る時に入れるプライマーの働きや、DNAポリメラーゼを入れる理由など今まで曖昧だったことも理解できるようになった。PCR装置にセットすると、時間ごとに違う温度でプログラムが実施されることもわかった。まずはじめに94度にし、これはDNAの2本鎖を1本鎖にするためで、そのあと温度を下げるのは、1本鎖から2本鎖に戻すためであり、それから72度にするのは、2本鎖を伸長させるためであるとおっしゃっていた。PCR装置のこのような働きに感心した。電気泳動をすると、結果、1つしかDNAが増幅していなかったけれど、これはDNAポリメラーゼが十分に入っていなかったか、もしくは保存するときに適切な温度でなかったことが挙げられると考えている。また今日は、実験だけでなく、京都大学の博物館にお邪魔して、普段は入れない標本庫を見学した。標本には、さく葉標本とタイプ標本があり、どちらも見ることができた。標本にはラベルを貼ることが絶対で、これは資料として全ての人に使ってもらえるためだとわかった。本当に多くの標本が保管されていて、世界には私たちの知らない生物が山ほどいるのだと改めて感じさせられた。また植物の標本は動物と違って紙で挟むようにして保管されることもわかった。また、実験の途中で植物の構造を、先生が話してくださった。その中でも花被片の話が印象に残っている。普通はがくの内側に花弁があり、またその内側におしべやめしべがあるのけれど、ユリやチューリップの花はがくと花弁がいっしょの位置に付いていることを知った。これは発達の過程でこのような構造になったらしい。このように植物を見ると、植物の進化、多様性がよくわかると思う。どの構造がほかの植物と違うのか、その観点から植物を見ると、構造の分岐点から今に至るまでの進化はそれぞれ異なってくるからである。植物の多様性を考えることは、まだ知られていない植物の発見にもつながるだろうし、より植物の解析も手助けできると考えた。
  • PCRの後電気泳動を行い、植物の系統樹解析を行いましたが、PCRによって、DNAが増えなかったため、自分たちの実験を通して、系統樹は作成できませんでしたが、コンピューター処理によって、インターネット上のDNAを解析できたので、系統樹の作り方や仕組みについて理解することができました。それによって、ショウジョウバナ科の系統樹の分岐の仕方を理解できました。
  • 京都大学総合博物館に行き、標本の保管庫の見学をさせていただいた。私が思っていたよりもたくさんの種類の植物があり、まだ種類の分からない標本もたくさんあると聞いて驚いた。植物を標本化する際には採集者名や日時、地名の他に色や環境など採集者しか知らないことをできる限り詳細に記録すると良いと教わった。こうした情報が何人もの研究者たちによって行われることで、その植物の生態が明確になるのだろうと考えた。また、ショウジョウバカラ属の植物の遺伝子の塩基配列から分子系統樹を製作した。最近はそうした専用のプログラムがつくられており、その使い方も教えていただいた。この分子系統樹が進化を証明するための証拠になると聞いたが、私はそうは思わなかった。もっと勉強して、この分野の真実を知りたいと思う。
  • 今回は、今までで行ってきた実習の復習を多く含んでいたので、すんなりと理解できた。
    私は、動植物の分類は主に外形で判断しているのだと思っていたが、DNAによって分類しているとは思いもしなかった。
    今回の実習では、植物のABCモデルが最も印象深かった。

2017年12月16日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 理学研究科1号館 301号室、306号室

  • 当日の講師

    田中 洋光 助教(平野研究室)
    藤井 俊平 特定助教(平野研究室)

  • チューター

    舩橋 潤一郎

  • 実習の内容

    哺乳類の脳神経細胞の機能や構造を知るために、2種類の実験を行った。1つ目はラットの海馬神経細胞を用いて、記憶・学習に重要と考えられているCa2+の細胞内流入の測定を行った。具体的には全反射顕微鏡を用いて、細胞にCa2+センサーであるGCaMP6を遺伝子導入し、電気刺激を与えてCa2+流入のライブイメージングを行った。2つ目はマウスの大脳または小脳の層構造を観察した。具体的には脳切片を準備して、NeuNやCalbindin等の細胞特異的に発現するタンパク質を抗体染色し、大脳または小脳の神経回路を共焦点顕微鏡で観察した。

  • 全反射顕微鏡を用いてCaイメージングする様子
  • 共焦点顕微鏡を用いて染色した脳切片を観察する様子

活動を通して学んだこと

  • 脳神経細胞の機能と構造ということで、色々と見せて頂いたが、脳の神経細胞の様子を実際に見たときは本当にこういう風なのだなぁと少し感動した。カルシウムイオンの流入に伴ってGCaMP6が光る様子が面白かった。実験のときに、どうやったらカルシウムだけによって情報伝達が助けられているかが分かるか、と対照実験の考え方でやり方を考える場面があって、その時私は全然何も思い付かなかったので、知識だけではなくそこから考える力も養っていかねばと思った。
  • 私たちの思考や行動・記憶を司るニューロンの情報伝達の仕組みや、神経細胞の構造について学びました。はじめに、海馬の錐体細胞に電気シグナルを送り、樹状突起と軸索にカルシウムイオンが流入する様子を観察しました。電気シグナルの回数を増やすと、カルシウムイオンに反応して蛍光に光るGCaMPがより強く光り、ampaレセプターやナトリウムイオンチャネルを阻害すると、GCaMPの蛍光が弱くなるのが観察できました。化学シナプスには、活動電位による膜電位の変化と、チャネルが必要だということが分かりました。次に、マウスの大脳・小脳を抗体染色によって、興奮性神経細胞と抑制性神経細胞に染め分けしたものを観察しました。小脳は3層構造、大脳は層状の興奮性神経細胞とまばらに配置している抑制性神経細胞を見ることが出来ました。特に印象に残っているのは、プルキンエ細胞です。樹状突起がとても多く、複雑に絡み合っていました。あのチョコレートで有名?なGABAが伝達物質のニューロンです。
  • 事前に勉強していて知識が充足していました。そのために新しい知識ももちろんですが、考え方、について得られるものがありました。その考え方とは、『ある事象Xがxに起因することを示すには、xの量だけを変えた時の事象Xの変化を確認する』というものです。当たり前のようにしか聞こえませんが、瞬時に思いつくということではないので今後の研究活動に活かしたいです。また、ものは使いよう、ということも学びました。様々な実験手法は既存していて、それをどう組み合わせるのか、ということが大事だということです。このように今回は研究者としてやっていくための考え方をいくつか得られました。
  • 生きるうえで物事を記憶することは大切なもので、私は普段からその記憶がどのように行われているのか不思議でならなかった。今回GCaMP6を用いて観察した脳神経細胞は海馬で、記憶に関係した細胞であることは調べて知っていたので具体的にどのように関係しているのか質問したところ、昔てんかんの手術の際に切り取ると患者が新しく記憶できなくなったことから分かったそうだ。今考えると無謀であるし、人体実験のようだとも思えなくもないため、科学技術の発展は重要な課題なのだと分かった。また、その後脳神経細胞には興奮性のものと抑制性のものの2種類があるとお聞きし、それは交感神経や副交感神経と同じようなものなのかたずねたところ、交感神経や副交感神経の方が高次なもので、どのように関係しているのかはよく分からないという答えだった。生物学にはまだまだ分からないことが多いようだ。私も生物学の中では脳や神経に特に心惹かれるので、将来研究したいと思っている。
  • 今回は神経細胞の働きの観察を行いました。本で読んで得た知識を実際に観察することができたので興奮しました。中でも、テトロドトキシンを用いた実験には驚かされました。他の物質を入れてもそれほど大した差はでなかったのに、テトロドトキシンの投与で細胞の反応がピタリと止まりました。マウスの脳の切断面を抗体染色したものも観察しましたが、プルキンエ細胞と顆粒細胞の層がはっきりと分かれて見えたのが印象的でした。先生の問いかけにも考えさせられ、非常に勉強になりました。今回の体験の一番の目標としていた、考察力の向上にも努めることができたと思います。
  • 今回は脳神経細胞の機能と構造を探るということで、私たちの脳にある細胞の働きを実際に目で見て感じ取れた。まずニューロンについて話を伺った。ニューロンは、脳の全域にわたって張り巡らされた細胞で、さまざまな情報を電気信号として伝達している。一番長いニューロンは1メートル以上もあり、それほど、私たちの体で重要な位置を占めていることがわかった。今日の実験ではニューロンに刺激を与えるとどうなるのか、刺激の濃度に応じて明るさが変わるタンパク質を利用して観察した。刺激を受けとったニューロンは刺激が大きいほど明るくなっていき、逆に刺激を少なくすると暗くなっていった。今回は、この刺激はカルシウムイオンを流入することにより、観察した。なぜカルシウムイオンを使うのか疑問に思ったのでよく話を聞いて見ると、カルシウムイオンは、外で起こったことを神経に伝える働きが著しいからであることが分かった。これはチャネルにも関わりがあることが分かったので、もっと詳しく知りたいなと思う。続いて大脳と小脳の神経ネットワークを観察した。私たちの大脳や小脳には約1000億個もの細胞があると話していらっしゃって、正直に驚いた。これらが相互に関わり合って物事を考えることができているんだと思うと、脳のネットワークは複雑かつ神秘的に思った。今日は蛍光顕微鏡で細胞を観察させていただいた。その中で一番印象に残ったのは小脳の細胞だ。私が思っていたよりもきれいな3層構造をしていて、こんな構造をしているんだと思った。緑色と赤色ではっきり分かれていたのも面白かった。興奮神経細胞と抑制性神経細胞についてももっと詳しく知りたいので、また自分でも調べてみたいと思う。

2017年12月2日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 理学研究科1号館 414

  • 当日の講師

    関山 直孝 助教(理学研究科生物学専攻杤尾研究室)

  • チューター

    西山 隆介、原之園 勝

  • 実習の内容

    RNA結合タンパク質を過剰発現させた大腸菌を破砕し、アフィニティークロマトグラフィー法により目的タンパク質を精製した。その後、SDS-PAGE法により目的タンパク質の分析を行った。

  • TALONカラムからタンパク質を溶出させる。1
  • TALONカラムからタンパク質を溶出させる。2
  • SDS-PAGEサンプルを調製する。

活動を通して学んだこと

  • 大腸菌から作って増やしたタンパク質を目標とするものだけ取り出す内容の実習だったが、なぜそんなことが必要かというと、タンパク質の構造を調べるためで、タンパク質の構造が立体的にわかることで、その働きを制御する(薬を作ったりする)ことができ、生命現象のコントロールに繋がるということの第一歩ということだった。タンパク質というのは、研究されるべきというか、展望のある分野なのだろうと思った。この実習のような作業が、生命現象の解明やそこで病気のときに助けてくれるものなどに繋がっていると思うと、とてもわくわくした。研究室の道具や装置などもたくさん見られて(説明してもらえて)良かった。
  • 分析や、実際に医薬品として使用するタンパク質の合成の実習を行いました。タンパク質は目に見えないし、とても小さいのに、目的の物質だけを取り出せるなんて本当にすごいと思いました。アフィニティークロマトグラフィーという、原子どうしの親和力を使って、目的のタンパク質だけをカラムの固定相に留めておき、その固定相と配位した物質の類似化合物を大量にカラムに流して、目的タンパク質を取り出すという方法で合成を行いました。その後、電気泳動で精製度の分析も行ったのですが、電気泳動に使用するゲルの扱いがとても難しくて大変でした。実験には手先の器用さも必要なんだなぁと痛感しました。しかし、目的物質がしっかり取り出すことが出来ていたので嬉しかったです。
  • 前期のB群の講義に於いて、薬と受容体について学んだが、薬の開発に欠かせない受容体となるタンパク質の構造を知る研究の第一歩となるのが今回の実験であるということ。
  • まず今回は何と言っても、アフィニティークロマトグラフィーという方法を知ることができて嬉しいです。おそらく、化学平衡を利用したものだと考えられる方法ですが、非常に興味深く、実験もシンプルで勉強になりました。ついつい、大腸菌にどうやってヒト由来のタンパク質を作らせるのか、と行った部分に目がいってしまいがちですが、できたタンパク質をどのようにして取り出すか、ということも大事だなんだと再認識しました。また、先生がおっしゃってたように、構造がわかれば、機能もわかり、そこからその機能の抑制や促進ができる、という考え方は、すごく勉強になりました。
  • アフィニティークロマトグラフィーという方法で大腸菌の破砕液からTIA-1というタンパク質を精製する方法を学び、実習した。アフィニティーというのは親和力と言う意味で、様々なタンパク質の混合物を固定相を通して流すと固定相との親和力が大きな物質のみが固定相と結合して残ることを利用してTIA-1を精製した。こうして同じタンパク質を大量に得ることができ、そうすればそのタンパク質の性質が分かる。こうしてこの構造をもとに薬剤をデザインすればそのタンパク質を制御でき、ひいては生体の機能を制御できる。薬剤はこのようにしてつくられているのだと知り、今まではあまり興味のなかった医学や薬学、化学という分野も生物学と関係しているということも分かった。
  • 今回の実験では、たんぱく質の解析を行いました。前回と同様に電気泳動を行い、たんぱく質の分子量を調べました。途中にクロマトグラフィーを行い、その過程との比較実験を行いました。かなり精度の高い結果が出て良かったと思います。又、電気泳動の結果を見て、大腸菌がかなり広い範囲の分子量のたんぱく質を合成していたことに驚きました。
  • 今日は大腸菌を活用したタンパク質合成の実験をした。まずはじめに、タンパク質の仕組みと実験の内容を伺った。学校でも、原核生物のタンパク質合成の勉強をしたばかりで、また興味がある内容だったのでとても面白かった。タンパク質は、たった数10nmの構造をしていて、私たちのからだをつくっている、重要な物質であることがわかった。タンパク質の構造が分かるとそれをもとにした薬剤が作れる、と先生がおっしゃっていてタンパク質の構造解明は、生命に関わってくるものだと思った。今回は大腸菌を使ってタンパク質合成を行った。まず大腸菌の中に欲しいタンパク質の塩基配列をくりこみ、次に菌体を破壊してタンパク質を抽出することであらゆるものに利用できることを知った。破壊するには、親和力の違いを利用する、アフィニティークロマトグラフィーを使った。アフィニティークロマトグラフィーは、欲しいタンパク質だけが取り出されることができるという特徴がある。外から見てもアフィニティークロマトグラフィーの構造が分からないけれど、実際は化学基が結合していて、特定のタンパク質のみが取り出されるのだとわかった。精製度の分析には電気泳動を利用した。自分たちで一からゲルを作り、液を注入し、帯電することが出来、とてもいい経験だった。大腸菌から合成されたタンパク質は、分子量45000で、そこのラインに青色の染色液があり、少し嬉しかった。タンパク質は温度に弱いなど、物質によって特徴は違うので、気をつけて実験をすることが大切だと教わった。

2017年11月18日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 理学研究科2号館 308号室

  • 当日の講師

    渡辺 勝敏 准教授(動物生態学)

  • チューター

    福家 悠介、小泉 佳祐

  • 実習の内容

    動物の生態適応と進化に関する研究を体験するために、淡水魚の隠蔽種標本を対象に、形態観察および遺伝分析を用いた種判別実験を行った。

  • 魚類の形態観察を行っている風景
  • PCR産物のアガロース電気泳動を行っているところ

活動を通して学んだこと

  • カマツカのミトコンドリアDNAを調べ、種の分岐、生物の進化ということについて学んだ。一見同じように見える魚が地域によってDNAが異なり進入の経路などが異なるということを知って驚いた。生物の種というのは思っていたより曖昧で流動的なものなのかもしれない。また、現在存在している個体は地球の生物の長い歴史のなかで様々に適応しながら一度も途絶えなかった血筋を持つということが、当たり前ながら改めてすごいことなのだと思った。その種の違いがわかることで何が出来るのかという質問に対して先生が「何も知らない状態ではなく知識や見通しをもつことで見る世界が変わる、その方が良いじゃないか」というようなことを答えてらしたのが印象的だった。知的好奇心というものの根本、根底に触れたようだった。
  • カマツカという川魚の鱗からDNAを抽出し、地域差から生まれるDNAの差を見ました。同じ魚なのに、地域の差で魚の「顔」が異なっていたり、DNAまでもが違うなんて知りませんでした。また、想像しているよりも簡易な方法でDNAの違いを見ることが出来て、驚きました。実験は大成功…と言える結果ではありませんでしたが、はじめて見る機械や、器具を使った実験はとても楽しかったです。インターネットを使った文献調査の方法も教えていただきました。魚のデータベースのサイトをたくさん見ました。それぞれに特徴があって、綺麗な写真があったり、3Dスキャン画像をあらゆる方向から見れたり、DNAの塩基配列が全て書かれていたりしました。今まで、昔に戻ることは出来ないのにどのように進化について研究しているのか不思議でしたが、積み上げられてきた情報や、DNA分析によって行われていることが分かりました。
  • 実験をする前の入念な準備の重要性や、実験をする際に細心の注意を払う事の必要性、また、成功させることの難しさを学んだ。また、実験や研究をする際に活用することができるインターネットのサイトの使い方などを学んだ。
  • 今回は、カマツカのmtDNAの塩基配列の比較によって、進化や適応の有無を調べる、といった内容でしたが、実験方法は全て知っているものでした。技術が上がったと思います。また、観察が難しい、、と感じました。どこをポイントにして、観察するのかを話し合って決めるなど、一工夫必要だと思います。
  • 私が今回の活動を通して学んだことのうち最も大切だと感じたのは、研究における情報収集の方法だった。方法としては、図鑑や総説の利用、Googleなどの利用、文献検索、データベースの利用、詳しい人に聞くという大きく五つのものがあるが、私は文献検索とデータベースの利用に関心を持った。文献検索では、世界中の研究者の学術論文を年代別に調べられるため、現時点でその分野における研究がどこまで進んでいるかをいち早く知ることができるのが利点だと思う。またデータベースは、今回はCatalog of FishesやFishBaseを用いたが、全国の淡水魚の種類などを簡単に調べられたため、生態研究にはとても便利だと感じた。将来生物の研究をする際は、情報収集にデータベースなどを利用して取り組もうと思った。
  • 今回は、魚類の形態と進化という単元で鱗からのDNA採集と、PCAによる増幅の後、電気泳動を行い、亜種間のミトコンドリアDNAの相違を調べました。相違がわかるような結果は出ませんでしたが、僕が本で読んでしてみたいと思っていた実験だったので良い経験になりました。活動を通して、マイクロピペットの使い方や、種分化の仕組み等がわかりました。まだ、器具の使い方に慣れた訳ではないので、これからの実習を通して身に付けたいと思います。
  • 今回は動物の生態適応と進化ということで、淡水魚のカマツカのウロコを取り、DNA抽出を行い、生態を観察した。実験にあたり、渡辺先生から生物について話があった。私たち、生物と言われている種は名前がついているもので約150万種あるそうだ。その中でも脊椎動物は5万種で、特に魚は2万5千種いる。まだまだ知られていない生物もいるらしくて、生物の多様さに驚きを覚えた。今回扱ったカマツカは北海道と青森県の一部以外に生息していて、主に砂地にいると知った。地域によって口やヒゲ、腹の色が異なっていることが目でも観察できて、とても興味深かった。PCRを用いた実験は初めてで、マイクロピペットなどの器具を使うのになかなか慣れなかったけれど、いい経験だった。DNA抽出の際にプライマーを入れたけれど、そのプライマーは生物のからだからどのように取り出しているのか疑問に思い、先生に聞いてみると、ミトコンドリアをぶつ切りにしてプラスミドを使っていると教えてくださった。先人から受け継いだ研究結果も利用していることを知り、研究は今行っているのではなくて、過去から行っているものだと実感した。また、魚類に関するインターネットを使った調査も体験した。Google scalarというものを使ったことがなかったけれど、文献を調べるのにとても便利なものだと知り、これからも利用していきたいと思う。今回の実験は16個のサンプルのうち3つしか成功しなかった。何か失敗した原因があると思う。しかし研究では失敗も重要なので、今回の実験結果も大切にしたいと思う。前回のカエルの実験に次いで、今回もとても興味深い実験をすることができた。また次も楽しんで取り組みたい。

2017年11月4日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 理学研究科1号館 301号室、306号室

  • 当日の講師

    森 晢 准教授(理学研究科 生物科学専攻 動物行動学研究室)

  • チューター

    伊藤 杏奈

  • 実習の内容

    ニホンアマガエルが背景の色や柄に対してどのように体色を変化させるかを、数値化して評価する方法を学ぶことを目的とした。動物の体色には、捕食者から身を守るための保護色や、雄から雌に対する求愛の信号などの役割がある。動物の中には、より効果的にこれらの機能を果たすために、体の色を変化させる種もある。ニホンアマガエルは体色を短時間で背景の色に合わせて身を守ることができる。アマガエルが背景の色や模様に対してどのように体色を変化させるかを調べるために、4種類の異なる背景にカエルを置き、5分間隔で45分間にわたって体色をデジタルカメラで撮影した。撮影した画像をパソコンに取り込み、Photoshopを使って、体色をRGB式の色評価基準を用いて数値化した。さらに、これらの数値を一元化した指標を作成し、時間経過とともに体色がどのように変化していくかをグラフ化した。これにより、体色変化の様子や、異なる背景における体色変化の違いを数値として比較することを学んだ。

  • 生物学_実習風景パソコンを用いての、カエルの体色変化の数値解析(白い背景のカエル)
  • 生物学_実習風景パソコンを用いての、カエルの体色変化の数値解析(碁盤目模様の背景のカエル)
  • 生物学_実習風景カエルを実験装置に入れるところ

活動を通して学んだこと

  • ニホンアマガエルの体色の変化を数値で観察した。動物が身を守ったりコミュニケーションをしたりするために工夫して体の色を変化させるという行動を見ることが出来た。この分野では、実験の装置や方法がハンドメイドでアナログなところが多いということに驚いた。どう工夫すればもっと正確な値がとれるか考えていた。また、データの入力でエクセルを使用したとき、学校の情報の授業でつい最近習ったことを応用して少し役に立てたのが嬉しかった。
  • 動物の体色変化について、今まではカメレオンなど特殊な動物にしか備わっていない生態だと思っていました。しかし、今回はニホンアマガエルという、近所でもよく見かける動物の生理的体色変化について実験をしました。黒・白・細かいチェック・粗いチェックの箱に45分間入れておいて、フォトショップを使用して体色変化をLab値でグラフ化しました。まず驚いたことは、デジカメ・パソコンという家にもある機器だけで研究を行うことができるという事です。動物行動学の分野はあまり詳しくは知りませんでしたが、自分の工夫しだいで様々な研究が行えるという点において、とても魅力的な分野だなぁと思いました。結果は予想通り、黒の箱のカエルが一番体色が変化しました。カモフラージュして天敵から身を守るためだと考えます。興味深いデータだなぁと思ったのは、チェックの箱のカエルたちです。粗い方のカエルだけがとても動き回っていました。おそらく、チェックがカエルほどの大きさだったので、白か黒かどちらの方が身を隠せるのかを迷っていたのだと思います。どれ程の大きさのチェックならじっとしているのかを調べてみたいです。
  • 生きている物を使った実験での注意点など。ルートの関数の使い方。
  • 今回、色の変化を測定するということで、色の感じ方は人それぞれなのにどのようにして測定するのだろうと思っていたが、全ての写真の色温度など基準を揃えた状態で明るさ、赤み、黄みという3つの座標間の距離を色の数値として表すと知って、納得した。基準を決定し数値化するならば人間の感覚に左右されずにものを表現できることが分かった。また、この体色変化をグラフ化した時にExcelを使用したが、1年生で経験の浅い私は2年生の方に教わらないと累乗や平方根の入力ができなかった。これからの研究においてExcelが使えないことは大きな障壁になるだろうと感じた。家のパソコンでもExcelは使用できるので、今回の復習やこれからのためにもよく練習しておこうと思う。
  • 今回はコンピューター処理により生物の体色変化の実験を行いました。生物の実験でコンピューターを使うのは全くの初めてで、馴れないところがあったため時間はかかりましたが、よい経験になりました。各比較実験に対象生物を一匹しか使えなかったので実験としては精度はよくなかったかもしれませんが、それ以外に関してはほぼ誤差はなかったと思います。生物学において誤差はつきものだということとその誤差を極力なくすように実験の環境にどのような配慮をすればよいかについて深く学べました。
  • 今回は動物の体色の変化を測る実験をした。まずはじめに動物の体色には様々な機能を持つことを知った。その機能には大きく3つに分かれていて、身を守るための隠蔽色や毒を示す警告色、種内の信号がある。今日実験に使ったのは、隠蔽するためのニホンアマガエルだった。そして体色変化にも、速く変化する生理的体色変化と長い時間がかかる、形態的体色変化があるそうだ。また、色とは何か?ということも教わった。色の正体は、電磁波であり、私たちが見えている光は可視光線と言って、ほんのわずかなものであることが分かった。次にニホンアマガエルの体色変化の実験を行った。カエルを4つの柄でどのような体色変化をするのか、5分ごとにカメラを撮ってグラフ化した。対照実験するために条件を揃えることの大切さを実感した。カエルを同じ状態にするため、45分間白い画用紙の上にカエルを置き、ならす作業をした。また、人が近づくと体色を変えるので出来るだけ近づかないように心がけた。研究をするにあたって、こういう配慮は本当に重要なことなのだと学んだ。そして実際に体色変化をグラフ化してみた。グラフ化をするのにAdobe Photoshopを使用した。最新のコンピュータに驚きを覚えた。Excelを使って数値を出していったけれど、手間取ってしまい、スムーズに作業できなかった。しかしいい経験だった。この実験から、カエルは自分と同じくらいの大きさの白と黒のチェック柄のところでは、辺りを移動して自分に合った色を見つけようとしていて、一面黒のところでは周りに合わせて黒色になっていった。結果のデータが手元にないので、詳しく考察ができないので、またデータが届くとじっくり考察したい。今日はたくさんのことを収穫できた。次も楽しみだ。

平成29年度 実施レポート

年度別の実施レポート