京都大学ELCAS(エルキャス)

実施レポート

[基盤コース後期]地球環境学I(水と大気の環境)

2017年2月4日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 総合研究5号館2F 地球環境学舎大講義室

  • 当日の講師

    藤井 滋穂 教授(環境調和型産業論分野)
    鈴木 裕識 特定助教(環境調和型産業論分野)
    坂本 陽介 助教(大気環境化学論分野)

  • チューター

    高見 航、岸本 伊織、伊東 賢介

  • 実習の内容

    地球環境学Ⅰ,Ⅱ, Ⅲ の3分野合同で実習を行った。まず分野ごとに成果発表会の発表スライドの作成を行い、続いて発表練習(1分野につき発表時間12分+質疑応答5分)を行った。最後に残り時間を使い、発表スライドの修正を行った。

  • 地球環境学I(水と大気の環境)_実習風景スライド作成の話し合い
  • 地球環境学I(水と大気の環境)_実習風景発表スライドを作成、修正する

今回の活動を通して学んだこと(抜粋)

  • 今回は引き続き、スライドの作成を行い、最後の1時間半は地球環境学2・3と合同で発表をし合った。(特に2の藻をエネルギーにする実験は興味深かった。)彼らのスライドのまとめ方を参考にして、この2週間でより良いプレゼンを作ろうと思う。とても刺激を受けた発表会だった。
  • 発表を行うにあたって、実験の行程を主にするのか、実験の成果を主にするのか、というのは優劣つくものではない。限られた時間のなかでいかに伝えたい内容が伝わるのかというのが一番重要であるということ。
  • まず、作って来たスライドの訂正をしました。「もっとわかりやすくグラフを作ったほうがいいよ」など、丁寧なご指摘をいただきました。次にI、II、III合同で発表の練習をしました。どのグループの完成度も高く、驚きました。合宿が楽しみです。わたしは、放送部員であるにもかかわらず、噛みまくり、とても恥ずかしかったです。当日はもっと頑張ります。

2017年1月21日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 総合研究5号館 地球環境学舎大講義室

  • 当日の講師

    藤井 滋穂 教授(環境調和型産業論分野)
    鈴木 裕識 特定助教(環境調和型産業論分野)
    坂本 陽介 助教(大気環境化学論分野)

  • チューター

    高見 航、岸本 伊織、伊東 賢介

  • 実習の内容

    地球環境学Ⅰ,Ⅱ, Ⅲ の3分野合同で実習を行った。まず藤井教授が今後の実習の予定について説明を行い、その次に、分野ごとにこれまでの実習内容の復習と討論を行った。鈴木特定助教による2/19の発表会に向けた発表スライドの作り方の説明を行った後、各発表グループで発表スライドの作成を行った。

  • 地球環境学Ⅰ(水と大気の環境)_実習風景実験と結果の説明
  • 地球環境学Ⅰ(水と大気の環境)_実習風景鈴木特定助教による発表スライドの作り方の説明
  • 地球環境学Ⅰ(水と大気の環境)_実習風景グループごとに発表スライドの作成に取り組む

今回の活動を通して学んだこと(抜粋)

  • 「1.水と大気の実験の考察」大気の分野の考察では謎に思っていたことがかなり解決できた。スチレンとαピネンの時間挙動の違いがその一つである。スチレンはおよそ15分で最初のエアロゾルが発生したが、αピネンはたったの3分程度で最初のエアロゾルが発生した。これはオゾンの結合のし易さ/し難さが要因であるとわかった。またαピネンが数百万個ものエアロゾルを生成したのに対し、スチレンは数百個程度のエアロゾルしか生成しなかった。これには二つの要因がある。一つ目がαピネンとスチレンの重さ(分子量)の違いである。αピネンの方がスチレンより分子量が大きい、乃ち炭素原子の数が多い。これらの炭素原子はオゾンに含まれる酸素原子と結合する。この時、炭素原子と酸素原子の間で微妙な電荷の差が生じ、チャンバー中のαピネンが万有引力などにより物理的に引き合う。この結果めまぐるしいスピードでエアロゾルが生成された。もう一つの要因は、αピネンとスチレンの二重結合の場所の違いである。αピネンの二重結合は六炭素の内部に位置する。そのためオゾンと比較的結合しやすい。一方スチレンの二重結合は六炭素の外側に位置する。そのためオゾンと結合するときに二つに分離してしまうらしい。またスチレンの六炭素がベンゼン環であることが構造を脆くし、分離を促進する。だからエアロゾルができにくいのだ。水の分野の考察はほぼ前の時の考察と同じであったが、一つおもしろい発見があった。それは鴨川900L中にあるTOC量が日本酒1.3L中に含まれるTOC量と等しいということである。この結果はプレゼンで使いたい。
    「2.プレゼン方法の学習」プレゼンを作るのには慣れている方だが、知らないこともあった。例えば、日本語と英語を同時に使うときに適切なフォントの種類を知れて良かった。
    「3.プレゼンに向けた準備」僕は水の分野のプレゼンを作る担当になった。TOC量と鴨川の流量に関するプレゼンをすることに決定した。僕は流量に関するスライドを作ることになったが、時間がほとんどなく、家でスライドを作らざるを得なくなった。頑張りたいと思う。
  • プレゼンテーションにおける、相手に分かりやすいPower Pointの作成方法を知った。鴨川におけるTOCの値の計算で、コーラ・日本酒などによる有機汚濁の影響が相当大きいことを求めた。飲料にはあまりNaが含まれていないことを知った。スチレン・α-ピネンの実例によって、オゾンとの反応性の違い(付加する部分の違い)を学んだ。

2017年1月7日

  • 実施場所

    吉田南キャンパス 吉田南総合館317-2、吉田キャンパス総合研究10号館808

  • 当日の講師

    坂本 陽介 助教(大気環境化学論分野)

  • チューター

    岸本 伊織、伊東 賢介

  • 実習の内容

    スチレン、α-ピネンを用いたエアロゾル生成の実験

  • 地球環境学_実習風景データの解析中の写真
  • 地球環境学_実習風景レーザーによりエアロゾル生成を確認している写真

今回の活動を通して学んだこと(抜粋)

  • パソコンの操作を学ぶことの重要性。スチレンからのエアロゾルの生成は少しで、αピネンからはスチレンと比較するとそれなりに生成された。スチレンは二重結合を持つのでポリマー状になる。
  • 今日はスチレンとαピネンが生成するVOCの粒子数測定を行なった。スチレンは二重結合を有する工場等から排出される化合物で、車の排ガスの匂いがする(使用したスチレンはポリマー化しドロドロになっていた。重合禁止剤が抜けていたと考えられる)。またαピネンは植物由来の化合物である。結果から述べよう。スチレンはなかなかVOCを生成しなかった。20分間オゾンをチャンバー内へ放出させた後、ようやく250nm以上280nm未満の最小のVOCを検出した。その後計39分間オゾンを入れても、大きなVOCはほとんど検出されず、レーザー光を照射しても、レーザー光線は可視的ではなかった。(記憶は定かでないが、)15000個ほどの粒子が検出された。一方αピネンは、開始わずか4分で250nm以上280nm未満のVOCを検出し始めた。この大きさの粒子の数は徐々に上昇し、最高時には九百万個もの粒子が検出された。その後も400nmほどの大きさの粒子も検出され、レーザー光を照射した結果、緑・青・赤のレーザー光線が可視的だった。特に緑のレーザー光は反射光まで見られ、粒子数の多さを象徴していると言える。配布されたデータによると、αピネンの方がスチレンより6倍もオゾンと結合しやすいという。構造式を用いて家で考察した結果、スチレンは二重結合を3つ有しのに対して、αピネンは二重結合を1つだけ有している。二重結合を多く有するスチレンの方が結合力が高く、オゾンと結合しにくいと考えられる。またαピネンは3つのメタン分子(CH3)を持つ。メタンは不対電子を持つため、オゾンと結合しやすいのではないか。二つの物質の反応を比較し、どれについて考察するのは実に興味深かった。

2016年12月17日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 吉田南総合館317-2、工学部1号館808

  • 当日の講師

    坂本 陽介 助教(大気環境化学論分野)

  • チューター

    岸本 伊織、伊東 賢介

  • 実習の内容

    アロマオイルを用いたエアロゾル生成の実験

今回の活動を通して学んだこと(抜粋)

  • エアロゾルは小さいものから順に検出されるということ。オゾンは身体に悪影響を及ぼし、現在オゾンは増加傾向にあるということ。複雑そうに見える機械の仕組みが割と単純だったこと。数学が実験で多く利用されていたこと。
  • エアロゾル生成実験における希釈の効果の評価、希釈の補正関数の求め方を知り希釈関数 f(t)=exp(-a*t)の係数aを計算した。VOCとオゾンの反応によるエアロゾルの生成実験において、粒子数濃度を測定し、レーザー光を当てることでエアロゾルの存在を確認した。EXCELによる多量のデータの処理法や、関数、グラフの利用法を学んだ。
  • 私たちの身近でエアロゾルは存在していて、地球温暖化の促進や健康被害を引き起こすなどの問題がある。でもエアロゾルを作るものには人の活動で出来るものもある。青い光は波長が短いため、小さな粒子でも光が反射して見ることが出来る。しかし赤い光は波長が大きいため、大きな粒子でなければ見えにくい。これは空が青いことでも同じ原理で言える。

2016年12月3日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 総合研究3号館、吉田南総合館317-2

  • 当日の講師

    藤井 滋穂 教授(環境調和型産業論分野)
    鈴木 裕識 特定助教(環境調和型産業論分野)
    坂本 陽介 助教 (大気環境化学論分野)

  • チューター

    高見 航、岸本 伊織、伊東 賢介

  • 実習の内容

    【前半】 前回の実習にて課題として与えた水質測定の実験レポートをもとに、実験結果についてディスカッションを行った。その後、第1回の実習で行った鴨川の流速測定の結果を用いて、鴨川の流量と、全有機炭素(TOC)の負荷量の算出を行った。
    【後半】研究内容についてと次回以降の実験、研究室の測定装置の説明を行った。

  • 地球環境学_実習風景水質測定の実験結果についてディスカッション
  • 地球環境学_実習風景鴨川の流量の算出方法に関する解説
  • 地球環境学_実習風景研究内容の説明
  • 地球環境学_実習風景測定装置の説明

今回の活動を通して学んだこと(抜粋)

  • まず前半の「水を知る」の話である。先生曰く、pH9.2の塩基性の川はよくあるらしい。原因はよくわかっていないようだが、鴨川水のpHが完全なる外れ値でないことは分かった。余談だが、降雨後は中性のpH7.0前後が川のpHとして検出されることが多いらしい。なお、ここで「緩衝溶液」について触れておきたい。これは、希釈したり外部から酸や塩基を加えても、それらの影響をあまり受けず、【H⁺】が変化しにくい物質である。コーラや日本酒、そして川の水の緩衝能が低い理由は、様々な物質が混在していることに起因する。 硬度とは水のCa²⁺やMg²⁺を含有する程度の事で、硬度が高い水は硬水、低い水は軟水と呼ばれる。S4(Cortexのミネラルウォーター)をウォーターバスで煮沸した際に白い粉が残ったのは、S4にミネラルが多く含まれていたからだと考えられる。また、日本酒やコカ・コーラなどの味のある試料のTOC値は大きかったため、味が有機成分に関連性があることが想像される。 話は変わるが、「水質汚染」という言葉は、科学者の間ではこれすなわち有機汚濁を差すらしい。そのため、下水処理場ではもっぱら有機成分のみを細菌に分解させるようだ。この際、下水で処理しきれない有機成分の例としてカフェインやクスリなどが挙げられるらしい。この時の話の中で出て来た「薬剤耐性菌」という言葉は、初めて聞いた。 川の流量の測定は実に面白く、学校で微分・積分を習ったのちに計算しなおしてみたい。 後半は「空気を知る」の概要説明を受けた。「ラジカル」と「レイリー散乱」には興味をそそられた。ラジカルとは、不対電子を有する化学物質で、水H₂Oから水素原子Hが離れる「OHラジカル」として登場した。レイリー散乱とは光の散乱のことで、空が青く見えるのはこれによって説明できる。
  • レポートを作成し、結果についての個々の考察を発表した。大気では次回以降の実験の説明、また大気中における化学、物理的な反応の仕組みについて学習した。

2016年11月19日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 総合研究3号館2F実験室

  • 当日の講師

    藤井 滋穂 教授(環境調和型産業論分野)
    鈴木 裕識 特定助教(環境調和型産業論分野)

  • チューター

    雪岡 聖、高見 航

  • 実習の内容

    前の実習に引き続き、8種の水試料(①鴨川水、②水道水、③ボトル水1(軟水)、④ボトル水2(硬水)、⑤ボトル水3(炭酸水)、⑥コーラ、⑦日本酒、⑧超純水(ブランク))を対象に、強熱減量、パックテスト(カルシウム、マグネシウム、残留塩素)の実験を行い、さらに、全有機炭素(TOC計)とカルシウム、マグネシウム、鉄、ナトリウム、カリウム、カドミウムの6種の元素(ICP-OES計)を高度分析装置を用いて測定した。 実験終了後は、Excelを用いて実験結果のデータ入力を行い、それぞれの実験結果について考察、ディスカッションを行い、実験レポート(A4用紙2~4枚)の作成を課題として与えた。

  • 地球環境学I(水と大気の環境)_実習風景パックテストによる炭酸水のマグネシウム濃度の測定
  • 地球環境学I(水と大気の環境)_実習風景TOC計を見学
  • 地球環境学I(水と大気の環境)_実習風景Excelを用いた実験結果のデータ入力

今回の活動を通して学んだこと(抜粋)

  • 水道水の残留塩素量は、塩素の匂いがかすかにするだけあって、相当多いようだ。また、海外のボトル水(おそらく硬水)では、実際にMg,Caが多く含まれていることも学んだ。蒸発・強熱減量の実験では、細かい数値をとろうとすると、誤差の影響が大きくなりすぎることが分かった。
  • 電気炉、TOC計、ICP_OES計という、普段なかなかお目にかかれないような機械を使う(見る)ことができました。ICPで、プラズマを見られたことが嬉しかったです。目には見えないごく微量の物質まで測ることができました。これをもとにすると、考察も進みそうです。また、パックテストでは、意外な結果も出ました。ブランクにカルシウム、マグネシウムが含まれていました。パックテストは、中学の時のESDでも使った実験方法ですが、改めて考えてみると、面白い、と思いました。また、機会があれば、その時のデータも引っ張り出して、比べてみたいです。

2016年11月5日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 総合研究3号館4F会議室

  • 当日の講師

    藤井 滋穂 教授(環境調和型産業論分野)
    鈴木 裕識 特定助教(環境調和型産業論分野)

  • チューター

    雪岡 聖、高見 航

  • 実習の内容

    藤井教授による基盤コースの概要、今後の実習スケジュール等の説明、鈴木特定助教による水質とその測定方法に関する説明を行った。 次に、鴨川に向かい、河川水の採水と流速の測定を行った。野外調査終了後、採取した河川水を含めた8種の水試料(①鴨川水、②水道水、③ボトル水1(軟水)、④ボトル水2(硬水)、⑤ボトル水3(炭酸水)、⑥コーラ、⑦日本酒、⑧超純水(ブランク))を対象に、pH、電気伝導度、TR(蒸発残留物)の水質測定実験を行った。

  • 地球環境学I(水と大気の環境)_実習風景胴長を着用し、流速計を用いて鴨川の流速を測定
  • 地球環境学I(水と大気の環境)_実習風景pHメーターを用いて実験試料のpHを測定
  • 地球環境学I(水と大気の環境)_実習風景TR(蒸発残留物)測定のため、ウォーターバスを用いて実験試料の水分を蒸発

今回の活動を通して学んだこと(抜粋)

  • 蒸発残留物や強熱減量などのデータについて理解した。また、実験で初めて使用した器具の使い方を覚えられた。実際に川へ行って測定することは大変だと思い知った。簡易pH計の値がおかしく、その信頼性について考えた。一方、試験紙では細かい値は得られないが、常に正確であると分かった。
  • 今回の活動では基本的な水質の測定を学んだ。高校では使えない機械による測定は、いかに水質調査の精密さが重要かということを知ることが出来た。電子天秤は小数第4位まではかることができ、小さな誤差が調査では大きなものになってしまうのかなと思った。今後も測っていくデータがレポート作成に不可欠なのでミスの無いように行っていきたいと思う。

平成28年度 実施レポート

年度別の実施レポート