京都大学ELCAS(エルキャス)

実施レポート

[基盤コース前期]C群 2016年10月15日

藻類の多様性と地球環境

宮下 英明 教授

酸素を発生する光合成を行う生物の中からコケ植物、シダ植物、および種子植物を除いた残りのすべての生物を「藻類」と呼んでいます。藻類は、ミラクルな進化を遂げ、想像を遙かに超えた多様性をもつ生物の集まりです。地球史においては酸素を含んだ大気の形成を担った生物であるとともに、現在でも地球環境および地球生態系の維持に重要な役割を果たしています。本講義では、光合成の誕生から藻類の進化・多様化、地球生態系の維持における藻類の重要性、藻類を利用したバイオ燃料生産の現状と課題などについて紹介します。

社会基盤の構築と数学・物理のつながり

木村 亮 教授

人々の生活基盤となる様々な社会資本の整備においては、環境中における橋梁やトンネル構造物の挙動、水、地盤、人や交通の流れといった現象を、その根底にある原理を把握して、数学や物理的な知識を総動員して適切に「モデル化」することが必要となります。この講演では、私たちの身近にある社会資本の整備において、高校で学習する数学や物理の知識を用いて高度な「モデル化」がどのように行われているかを具体例に挙げて紹介します。

菌類学入門

田中 千尋 教授

菌類は、かび、酵母、きのこを包含する生物群で、陸上生態系において、植物( =生産者)、動物(=消費者)の生産物・消費物を系内でリサイクルする分解者として進化してきたと考えられている。しかし、菌類はこの進化の過程で植物と特に深い関係をもち、植物の分解者としてだけでなく、寄生者あるいは共生者として主要なものとなっており、農業生産に多大な影響を与えている。本講義では、これら菌類について、あまり知られていないヒトとの関わりを中心に概説するとともに、最新の菌類学の話題を基礎ならびに応用生物学の両側面から紹介する。

[基盤コース前期]C群 2016年10月1日

水を知る

藤井 滋穂 教授

水は我々のもっとも身近でかつもっとも重要な物質です。われわれの回りの水は、多少なりともそれ以外の成分を含んでいますが、その多少により水の価値が変わるとともに、時には水質汚濁・健康被害などを生じさせます。本授業では、水について、その成分と物理特性から、どのような影響が生じるのかを、身の回りレベルから地球レベルまでの多様なケースについて教えます。また、簡単な方法で成分を知る方法と、その結果の利用の仕方についても示します。

化学的手法に基づくアルツハイマー病の新しい予防戦略

入江 一浩 教授

アルツハイマー病は認知症の中で最も患者数の多い神経変性疾患であり、本疾患への対策が急務の課題となっています。私どもは、アルツハイマー病の原因物質と考えられているアミロイドβタンパク質(Aβ)を対象として、医学ではなく農芸化学(生物有機化学・天然物化学)の視点から研究を行ってきています。本講義では、Aβの神経細胞毒性を緩和する抗体の開発や、食品を含む天然素材に含まれるAβ凝集抑制物質の作用機序について紹介します。

身近な栄養素の意外な働き

佐藤 健司 教授

食品中の3 大栄養素の中で、糖質・脂質はエネルギー源となり、タンパク質は体のタンパク質を合成する材料になると習ってきたと思います。もちろん、これらは重要な働きではありますが、糖質、脂質、タンパク質の代謝産物は生体の炎症反応、解毒反応、創傷治癒に大きく関わっていることが急速に明らかになってきています。また意外な成分がエネルギー源になっていることも分かってきています。本講義では、これらの食品成分の新しい機能を紹介し、極端な食生活の問題点や食品成分を用いた健康増進や病者のサポートに関わる新しい動きを紹介します。

平成28年度 実施レポート

年度別の実施レポート