京都大学ELCAS(エルキャス)

実施レポート

[基盤コース後期]海洋生物の健康増進の科学

農学研究科 海洋生物機能学分野

2017年2月4日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 農学総合館E104、N567

  • 当日の講師

    佐藤 健司 教授

  • チューター

    蓮井 啓介、野尻 侑

  • 実習の内容

    再度アミノ酸分析を行い、クロマトグラムとそのピーク面積を得、アミノ酸組成とコラーゲン含量を求めた。その結果、従来の熱水抽出法と同様に、酸ペプシン可溶化法でも高純度のコラーゲンが可溶化でき、そこからコラーゲンペプチドが製造できていることが明らかになった。しかし、回収量が酸ペプシン法ではかなり低く、この点の改善が必要なことが明らかとなった。その後、これまでのまとめを全員で行い、発表のためのストーリーを議論した。

  • 海洋生物の健康増進の科学_実習風景アミノ酸分析の結果
  • 海洋生物の健康増進の科学_実習風景データの取りまとめ風景

今回の活動を通して学んだこと(抜粋)

  • 発表準備のためにエクセルで計算してグラフを作った。濃度計算がなかなか合わなくて大変だった。
  • 今日はExcelを利用し、実験のデータからグラフを作成しました。コラーゲンの回収率を計算する際に、単位換算をしていくのが難しかったです。また、実験の過程をわかりやすく残しておかないと計算をする時にどの値を使ってよいのかわからくなってしまうことを身を持って感じ、反省しました。このことから実験を行う際はもう一回したとしても同じことが出来るように記録すること、一つ一つの作業を段階ごとに整理して細かくまとめておくことの大切さを学びました。計算し比べてみると、ペプシンで処理して得られたコラーゲンのほうが回収率が明らかに悪かったので、酵素での処理の時間を長くするなどまだまだ改善の余地が考えられそうです。実験から得られた結果をグラフにし、そこから考察するということをしたのは初めての経験でした。グラフにすることで比較がしやすくなり新たな発見もありました。どのグラフを用いるかによっても見えてくることが違うので、それぞれの場合に適したグラフを作成できるようになりたいです。残すは成果発表合宿だけとなってしまいました。半年間、ELCASを通して学ばせて頂いたことをしっかりまとめ発表したいと思います。

2017年1月21日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 農学総合館E104、N567

  • 当日の講師

    佐藤 健司 教授

  • チューター

    白子 紗希、渡辺 隼斗

  • 実習の内容

    前回調製したゼラチンとコラーゲンのサーモライシン分解物を凍結乾燥し、回収した。凍結乾燥物を純水に1%,、5%、 10%となるように溶解し、室温および50℃に加熱後、ゼラチンの分解物とコラーゲンの酵素分解物に対して異臭の強さを比較した。試験は被検物質をブラインドで取り扱い、試験者はどちらがゼラチン・コラーゲンであるかを知らずに行った。その結果、10%溶液ではコラーゲン由来の分解物の方が異臭が強く、1%ではゼラチンの方が異臭が強い結果となった。このことはゼラチンの方がいつまでも異臭を感じると考えられる。今回、新たに考案した、酸性下で低温抽出したコラーゲンから調製したラーゲンペプチドと従来法のゼラチン化して抽出したペプチドが臭気で差があることが明らかとなった。

  • 海洋生物の健康増進の科学_実習風景マグロコラーゲン、ゼラチンから調製したサーモライシン分解物の凍結乾燥物
  • 海洋生物の健康増進の科学_実習風景官能試験の様子
  • 海洋生物の健康増進の科学_実習風景官能試験の様子

今回の活動を通して学んだこと(抜粋)

  • 私の班のものは凍結乾燥したものからはほとんど臭気がしなかった。別の班では臭気がしているところがあった。しかしそれらを10倍に希釈し50℃で温めた時臭気がしていた班よりも臭気がほとんどしなかった私の班のものの方が臭くなった。実際にコラーゲンペプチドとして食べる時は水に溶かす時もあるので、水に溶かして臭気がしてはいけない。ゼラチンは魚臭さがあったがコラーゲンは違った。テストをした時10倍よりも100倍に希釈したほうが匂いの違いが分かりやすかったので100倍でもおこなった。やはり、100倍に希釈していても臭気はまだ残っていた。
  • 今回の活動を通して、実験結果に対して、常に謙虚な姿勢をもつことの大切さを学んだ。今回の実験では、前回凍結乾燥しておいたコラーゲン、ゼラチンを観察し、その後それぞれのサンプルに10倍量の水を加え、50℃の水で3分間加熱し、魚の臭いが強く残っているものを調べた。「官能検査」という方法だ。以前、この講義の中で、嗅覚を代表とする人間の五感を機械ではかることは難しいと学んだことがある。私は、この検査法に強い興味を抱き、佐藤教授にお尋ねしたところ、嗅覚を実験対象あるいは実験方法として用いる分野もあり、専門的な分野では、嗅覚を訓練した人を対象に行う実験もあるが、逆に実験内容によっては、素人を対象とした実験もあることを学んだ。また、専門的になると、どのにおいがどのレベルのにおいに相当するかなどを識別する能力を訓練した上で実験が行われることを知り、驚いた。今まで、私は、人間の五感も日々の生活の中で、もちろん重要な役割を果たしているが、実験方法としては、個人差があるので結果に曖昧さが残り、抽象的な内容になるのではないか、あるいは、数値化したデータを割り出す方が、より具体的で結果の裏付けがより確実になるのではないかと考えていた。しかし、機械よりもはるかに高い正確さや精度を人間の五感が兼ね備えていることを学び、生命の神秘さを感じた。しかし、数多くのサンプルのにおいを調べていくうちに、どちらのサンプルが魚臭いのか分からなくなることもあり、嗅覚の訓練はどのように行うのだろうと疑問に思った。 また、今回の実験を通して、実験結果に対して謙虚であることは、新たな発見を生み出し、失敗の原因を究明することが発想の転換を促し、思いがけない結果を得ることができると実感した。コラーゲン、ゼラチンを10%の濃度にしたサンプルよりも1%の濃度にしたサンプルの方がにおいの比較がしやすく、結果がはっきりと出たことから、10%のサンプルを9倍にして1%にし、それに加えて、加熱前後でもにおいの比較をすることで、魚臭いものをより特定できるのではないかと考えた。すると、薄めると、消えるにおいがあることが分かり、消えたにおいは特にゼラチンの中で強かったことが判明した。当然、ゼラチンの方が魚のにおいが強いことが分かったが、1班だけ他班と結果が逆になっていた。この不思議な結果に対して考察を行ったところ、その班のマグロの皮にうろこが多く混入していたことが結果に深く関係しているのではないかという考察に達した。 このように、実験を通して得た結果を様々な角度から分析することで、新たな考えや気付きと出合い、思考の幅がより一層広がることを実感した。柔軟に物事を考えることは、どの研究分野においても欠かせず、私たちにとって、宝となるような重要な役割を果たすことを身をもって学んだ。 基盤コース後期での実習も終盤を迎えようとしている。実験内容のみならず実験を通して学んだことを含めて、研究の集大成に向けて、気を引き締めて臨んでいきたい。

2017年1月7日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 農学総合館E104、N567

  • 当日の講師

    佐藤 健司 教授

  • チューター

    玉川 百代、渡辺 隼斗

  • 実習の内容

    前回のアミノ酸分析が完全に加水分解されておらず、コラーゲンとゼラチンの酵素分解物の濃度が不明であった。今回は、マグロ皮から調製したゼラチンとコラーゲンの酵素分解物から不溶性物質を遠心分離で除き、可溶性画分と不溶性画分の両方を調製した。可溶性画分は前回の結果から5倍に希釈して20 uLを気相加水分解した。また不溶性画分は6M塩酸中で液相加水分解を行った。加水分解物を乾燥して、フェニルイソチオシアネートで誘導化した。また可溶性画分はゼラチンで濁りが大きかった。酵素分解物はコラーゲンの方が臭気がすくなく、脂質の多いマグロから臭気の少ないコラーゲンペプチドを得ることができたと考える。最後に、これまでの実験の流れを確認して終了した。

  • 海洋生物_実習風景マグロコラーゲン、ゼラチンから調製したサーモライシン分解物の遠心後の可溶性画分
  • 海洋生物の健康増進の科学_実習風景実験の様子

今回の活動を通して学んだこと(抜粋)

  • 今回は前回行ったアミノ酸分析がうまくいかなかったため、コラーゲンとゼラチンを遠心分離して再度アミノ酸分析を行う準備をしたり、実験の過程で現れた沈殿物がなにかを調べるためにどのような実験をすべきかを考えたりした。前回のアミノ酸分析がうまくいかなかった理由についてはその機械がどのように分析しているのかや、どういった状況下で分析を行わなければならないのかなど厳密には知らないことが多々あり全く検討がつかなく、とても悔しい。しかし、前回教授が「サンプルを注射針のようなもので機械がすいとることで分析をするがその注射針のようなもののうちの1つに空気があったため分析をしている間に圧力が上下していまっていてこれは良くない」とおっしゃっていたためこれも失敗の原因なのかもしれないと思う。また沈殿物が何であるかについて調べる実験方法については今は沈殿物はカルシウムなのではないかという結論に至ったためまずはカルシウムか否かを解明するために空気中で炎をあげて燃焼するか、水に加えると水素を発生するかなどなど簡単な実験から行おうと思う。
  • 前回のアミノ酸分析の結果が出たが、残念ながらトラブルが生じていた。ペプチドのピークが様々な所で見られたことから、サンプルの量が多すぎて塩酸の蒸気で加水分解しきれなかったことが考えられる。そこで今回はサンプルを5倍に希釈し、再びアミノ酸分析を行うための下準備をした。ゼラチン、コラーゲンを遠心分離にかけると沈殿と上澄みに分かれた。またコラーゲンのほうが上澄み液が、透明に近く臭いも少なかった。この沈殿が一体何から出来たものなのか調べるために液相加水分解を行った。タンパク質や脂肪が含まれているのではないかと予想されるが実際は何なのか調べてみたいなと思った。 そして凍結乾燥の仕組みについても学んだ。これはカップヌードルの具などに利用されている技術だ。真空ポンプにて減圧することで、凍結した乾燥物の沸点を下げ、昇華させる。またスプレードライについても知った。これは液体を微細な霧状にし、これを熱風中に噴出させ、瞬間的に粉状の乾燥物を得る方法だ。 次回はアミノ酸分析の結果を確認するとともに、ゼラチン、コラーゲンのサンプルの脂肪の量の違いを測定したい。

2016年12月18日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 農学総合館E104、N567

  • 当日の講師

    佐藤 健司 教授

  • チューター

    白子 紗希、野尻 侑

  • 実習の内容

    前回加水分解したゼラチンとコラーゲンの含量とその組成を明らかにするためアミノ酸分析を行った。加水分解物をフェニルイソチオシアネートで誘導化し、溶媒に溶解後、逆相HPLCでアミノ酸分析を行った。実験に先立ちこれまでの実習の内容の復習と、アミノ酸分析の原理を説明した。また誘導化、緩衝液への溶解、濾過後、オートサンプラーを用いて、HPLC分析を開始した。その後は自動運転で、明日の朝まで運転し、コンピューターに記録されたデータを次回分析する。

  • 海洋生物_実習風景アミノ酸の誘導化
  • 海洋生物_実習風景HPLCへのサンプル注入

今回の活動を通して学んだこと(抜粋)

  • 今回はアミノ酸分析で、緩衝液を入れ、分析装置にいれるところまでやった。クロマトグラフィーの仕組みがまだ理解しきれていない…。PITCやトリエチルアミンを入れる理由は理解することができた。化学でまだ習っていないことが多くてほとんどの内容はイメージでしか理解できていないので不安なところ(特にクロマトグラフィー)は自分でも調べておこうと思った。注射器を使ったり細かい作業が多くて緊張したが、こういった実験器具は学校では使えないので、貴重な良い経験になった。
  • 今回の活動を通して、実験結果は、様々な条件のもとに成り立っていることを改めて学んだ。実験の成功や失敗に関わらず、条件が全ての基礎となっているので、自分自身そのことを認知しておく必要があると思う。今回の活動の中で、サンプルを逆相クロマトグラフィーを用いて、成分ごとに分離するという実験があった。しかし、サンプルの液の中に、空気(気泡)が入っていたため、機械の中で、交互に液を流す仕組みがうまく働かず、成分ごとに分離されたグラフを得ることができなかった。私は、この実験を通して、液体クロマトグラフィーは、空気が詰まることにより、失敗することがあることを学んだ。同時に、実験の根幹にある条件を見直すことは、実験が失敗した場合、その原因究明につながり、次のステップに向けた改善点を見い出せることに気付いた。 また、研究を通して、実験をする度に、予想に反した意外な結果や驚きの結果など様々な結果に出合えることに実験の真のやりがいを感じ、それらの結果を通して、自分の気付きや学びが広がることを実感している。多様な可能性をもつ実験結果を吟味しながら考察していく過程では、「どうして○○という現象が起きたのか」、「試験管の中に残っている物質の正体は?」など様々な疑問にぶつかる。考えていくほど分からなくなるような感覚に陥ることもある。一方で、自分なりに仮定をたてた上で、その結果を受けて、次の実験内容を考えていくことも面白いと思う。現段階としては、それぞれの活動ごとに実験に取り組み、結果から考察をしたり、友と話し合ったりする中で、“マグロの皮を有効活用し、人々の健康促進を目指す”という目標に向かって奮闘している。 私は、様々な実験結果を得ることは、研究がより深められていくことにつながると思う。活動を重ねていく中で、多様な結果を正しく分析することで、研究がもつ可能性を広げていくことは、私たちの役目の1つであると考えるようになった。自分なりに考え、学び、飽くなき探求心をもって、研究に励んでいくことの大切さを実感している。今後の活動においても、“学び、探求する”姿勢をもち続けたい。 次回の活動では、どんな結果が得られるのか、とても楽しみにしている。実験の真のやりがいを学ぶ機会を得ることができたことに、深く感謝している。

2016年12月3日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 農学総合館E104、N567

  • 当日の講師

    佐藤 健司 教授

  • チューター

    早野 翔悟、玉川 百代

  • 実習の内容

    前回に調製したマグロ皮由来のゼラチンとペプシン可溶性コラーゲンのドープを50度で加熱変性させ、ゼラチンに変化させ、pHを7.5に調整後基質の1/100のサーモライシンで50度で分解した。また一部のコラーゲンは変性後10 mM HCl存在下で40度でペプシン分解を行った。反応時間は2時間とした。特にサーモライシン分解により灰色ー黒色の沈殿と透明な上清に分離した(写真参考)。次回両者を分離して回収する予定である。また、酵素投入後一部のサンプルを希釈し、塩酸で加水分解を行った。次回アミノ酸分析を行い、コラーゲンの純度等を検討する。 その他、酵素分解条件、アミノ酸分析のサンプル量の目安を計算する方法を講義した。

  • 海洋生物_実習風景実習風景
  • 海洋生物_実習風景マグロ皮のペプシン消化物から調製したゼラチン・コラーゲンをサーモライシンで分解した時に生じる沈殿

今回の活動を通して学んだこと(抜粋)

  • 今回1番驚いたのは、アミノ酸分析が10μℓというとても微量で、分析できることである。人の涙でも一滴ぐらいでアミノ酸を測定できるそうだ。私はまだアミノ酸分析は一度もしたことがなく、楽しみであったが、今回は準備で終わった。準備で行ったプロテアーゼ分解では、ゼラチンとコラーゲンに、酵素を加えると、それぞれ沈殿ができた。まだそれが何かは解明できなかったが、次回はできたら、それもアミノ酸分析するので楽しみである。
  • ガラスにはもともと不純物が付いていて精密な測定をするときには一度加水分解して汚れを落とさなければならない。付着物によって使う洗剤が違う。

2016年11月19日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 農学総合館E104、N567

  • 当日の講師

    佐藤 健司 教授

  • チューター

    早野 翔悟、小嶋 優実

  • 実習の内容

    前回に調製したマグロ皮熱水抽出物とペプシン限定分解物をミキサーで撹拌した。熱水抽出物は液体状であったが、ペプシン分解物はコラーゲンとして抽出されたため粘性が高いドープ状になった。いずれも鱗が混入しており、その後の分析・利用の問題となるためガーゼでこして除去した。しかし、鱗がガーゼにつまりろ過が困難であった。そのため、皮を撹拌した後に鱗を荒いふるいでおとし、皮と分離する必要が明らかとなった。ドープ状のコラーゲンは粘性も高く、また魚臭さも熱水抽出物より低いため、食品としての新しい用途が期待できる。 その後、両抽出法で抽出されたコラーゲンの量と純度を測定するためアミノ酸分析を次回行う。そのための前処理として、加水分解管の塩酸洗浄を行った。またアミノ酸分析の原理と操作について説明した。

  • 海洋生物の健康増進の科学_実習風景実習風景
  • 海洋生物の健康増進の科学_実習風景マグロ皮のペプシン消化物から調製したドープ

今回の活動を通して学んだこと(抜粋)

  • 前回の抽出物に水を加え撹拌したところ大きな違いが見られ驚いた。加熱処理をした方は粘度が低く、冷えているときはゲル状であった。一方、ペプシンを加え処理していたものはミキサーにかけるとドロドロの状態になり、ドープが得られた。冷凍して食品に混ぜれば商品化できる可能性はあるが、粘度が高いためガーゼでこすのが大変であるのが問題だ。このことから、予め鱗は取り除いておいたほうが良いことがわかった。ここまでの処理は全て低温で進めることができており、新鮮なマグロの皮を使ったり、酵素分解すればさらに臭いを抑えることができるのではないかと思う。 次回はこれら2つのアミノ酸分析を行い、コラーゲンがどのくらい溶けているのかを調べる。見た目ではペプシンで分解したもののほうがコラーゲンが多そうに思われるが、実際の結果が楽しみだ。少しでも臭いが少なく、味の良い実用性の高いものを作りたい。実験しながら改善点を見つけていくことが大切なのだと感じた。
  • アミノ酸分析にはいくつかの方法があり、それぞれに長所・短所があった。実験をするとき試験管加熱洗浄し、減圧下で150℃に加熱し塩酸の蒸気で加水分解した。この過程を経ないと試験管からなにかが溶け、アミノ酸分析に影響がでることがわかった。前回のコラーゲン・ゼラチンに水を混ぜてミキサーにかけたものをガーゼでこすとき、うろこが多いとすごくこしにくかったため、うろこは先に除去すべきだったことがわかった。

2016年11月5日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 農学総合館E104、N567

  • 当日の講師

    佐藤 健司 教授

  • チューター

    淺井 智子、玉川 百代

  • 実習の内容

    実習の背景と操作の説明をE104で行った。具体的には、海産物の副産物である、魚皮の利用状況、また魚皮からコラーゲンペプチドが調製されており、その経口摂取で傷の修復等が促進されるヒト試験を紹介し、ペプチド摂取後に血中に吸収されるペプチドがあり、その中のPro-Hypが線維芽細胞の増殖を促進することを説明した。しかし、マグロなどの皮は脂肪が多く、脂肪中に含まれるDHAは酸化しやすく、マグロ皮から調製したコラーゲンペプチドは臭気があり、利用されていない現状を説明した。一方、従来のコラーゲンペプチドは魚皮を熱水でゼラチンとして抽出し、その後に酵素分解され作成されている。熱水抽出時に加熱する為臭気が発生する可能性を説明した。その為、酸性下でペプシンで限定分解してコラーゲンを抽出し、比較的低温で変性後、コラーゲンペプチドを製造する方法を試みることを説明した。実習はN567で行った。マグロの皮をミキサーで撹拌し、付着組織を除き、水洗し、一部はオートクレーブを用い121℃で熱水抽出を行った。一部は100μM HClで洗浄後、10 mM HCl中で固形物あたり1/100のペプシンで酵素分解を行い、可溶性コラーゲンを得た。本日はここまでとし、可溶化したゼラチンとコラーゲンを冷凍保存した。その後、ペプシンで、コラーゲンが完全に分解されずに可溶化される原理を説明した。

  • 海洋生物の健康増進の科学_実習風景洗浄後のマグロ皮
  • 海洋生物の健康増進の科学_実習風景実習風景

今回の活動を通して学んだこと(抜粋)

  • 「コラーゲンは肌に良い」ということは知識として知っていたがどの様な過程を経て肌に作用するのかは知り得なかったが、実際の研究結果をもとにコラーゲンの作用について知ることができた。私も老化が気になりはじめたらコラーゲンを摂取しようと思う。また、コラーゲンを抽出するのに使われるのがテラピアという魚であり、マグロに含まれるコラーゲンは廃棄されるということについて。その理由に、酸化しやすく「臭い」からということがあることには人の身勝手さを痛感した。しかし、今回の実習で、その廃棄されてしまっているコラーゲンを臭いを発生させずにうまく抽出できればマグロの皮が活用されると思うと嬉しかった。結果のわからない研究はとてもワクワクする。
  • 今回は、農学部がどのようなところであるかと、水産物、特に廃棄処分してしまうものを有効利用させる研究について学びました。その一つの例が、今回から行う、マグロやカツオの皮からゼラチン(タンパク質)を抽出し、その利用効果を実験も交えながら理論的に発見するということです。他には、ヒトの皮膚構造や、マゼランの乗組員が脚気を患った理由、ある資料からシワの改善にコラーゲンが利用されたことがわかったことなど、多くのことを学びました。ペプチドを利用した再利用方法を他にも調べてみたいと思いました。

平成28年度 実施レポート

年度別の実施レポート