京都大学ELCAS(エルキャス)

実施レポート

[基盤コース後期]数学

理学研究科 数学教室

2017年2月4日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 理学研究科6号館609号室

  • 当日の講師

    塩田 隆比呂 准教授、小西 由紀子 准教授

  • チューター

    曽我部 太郎、高松 哲平、藤田 遼

  • 実習の内容

    テキスト14章の発表、および全体でスライドを用いた発表練習を行った。

  • 数学_実習風景発表練習風景

今回の活動を通して学んだこと(抜粋)

  • 自分が読んできた章について発表した。コーシーの剛性定理という組み合わせ同値で対応する面が合同な2つの3次元凸多面体が合同であるということについて証明した。発表を通して2つ気がついたことがある。1つ目は、専門用語については、しっかり定義化することの大切さだ。なぜならば、日常用語と専門用語では、大きな違いがあるからだ。2つ目は、図式化することの大切さだ。なぜならば、図式化し具体的に行ったことを抽象化するからだ。これからは証明をするとき、この2つについて今まで以上に意識していきたい。また今回は、合宿に向けての発表練習も行なった。多くのアドバイスを頂いたので、次回までに修正したい。
  • 今回はコーシーの剛性定理というものについての発表だった。今までに聞いたことのない語句がいくつも出てきたり、今まで使ってきた意味とは違う意味の用語などが出てきたりして、とても難しかった。数学用語の定義はしっかり理解して証明を読まなければならないと感じた。証明そのものは少ししか触れることが出来なかったので自分で最後まで、読み進めておこうと思った。後半の発表練習では、発表時間に関しては大丈夫で、内容の補足を要求されただけであったので、この調子で本番の発表を頑張りたいと思った。

2017年1月21日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 理学研究科6号館609号室

  • 当日の講師

    塩田 隆比呂 准教授、小西 由紀子 准教授

  • チューター

    曽我部 太郎、高松 哲平

  • 実習の内容

    テキスト3章の続き、テキスト26章の内容を受講生が発表。

  • 数学_実習風景発表風景
  • 数学_実習風景発表風景

今回の活動を通して学んだこと(抜粋)

  • 自分ではわかっているつもりでも本当はわかっていないことに気づいた。
  • 地面に針を落として等間隔に引いた線の上に落ちる確率などを知った。非常に理路整然とした証明で、非常に分かりやすかった。

2017年1月7日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 理学研究科6号館609号室

  • 当日の講師

    塩田 隆比呂 准教授、小西 由紀子 准教授

  • チューター

    曽我部 太郎、高松 哲平、藤田 遼

  • 実習の内容

    テキスト8章の続き、テキスト3章の内容を受講生が発表した。

  • 数学_実習風景発表風景
  • 数学_実習風景発表風景

今回の活動を通して学んだこと(抜粋)

  • 自分ではわかっていてもうまく説明できないと意味がないということ。
  • 1つの章(代数学の基本定理)を読み終えることができた。

2016年12月17日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 理学研究科6号館609号室

  • 当日の講師

    塩田 隆比呂 准教授、小西 由紀子 准教授

  • チューター

    曽我部 太郎、高松 哲平、藤田 遼

  • 実習の内容

    テキスト8章と30章の内容を担当受講生が発表した。

  • 発表風景
  • 数学_実習風景発表風景

今回の活動を通して学んだこと(抜粋)

  • 普通に使っているπ(円周率)などが無理数だと証明することが大変難しいことなんだなと思った。
  • 今回は、2人の発表を聞いた。1つ目は、Shuffling cardsだった。The birthday paradoxやThe coupon collectorなど確率等の面白さを改めて感じることができた。Storong uniform stopping rulesの辺りからよく分からなくなったが、図式化されたことで何と無く理解できた。2つ目は、e,e^2,e^4が無理数であることの証明だった。e,e^2は、テイラー展開で処理できるが、e^4は、処理できずに違う手法を使ったことから、多角的な視点の重要性を改めて感じた。
  • 自分は理解できたと思っても、いざ説明してみるとうまく説明できなかったり、間違っていると指摘されたりして全然理解できていなかったということがよく判った。
  • トランプで、シャッフルの回数をどのくらい増やせばどのくらい均等に混ざるか、また円周率πとネイピア数eが無理数であることがわかった。

2016年12月3日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 理学研究科6号館609号室

  • 当日の講師

    塩田 隆比呂 准教授、小西 由紀子 准教授

  • チューター

    曽我部 太郎、高松 哲平

  • 実習の内容

    テキスト22章について、受講生が発表した。

  • 数学_実習風景発表風景

今回の活動を通して学んだこと(抜粋)

  • 自分が選んだ一問もほかの問題と同じく難しいものであるということを再確認できた。
  • 今回は1人の発表を聞いた。内容は、正方形を面積の等しいn個の三角形に分けるというものだった。nが偶数の時は分割でき、nが奇数の時は分割できないことについての証明だった。非アルキメデス的実付値や行列などを用いた高度な証明だった。しかし証明の流れを比較的良く掴むことができて良かった。また今まで余り扱いに慣れていなかったことについて理解することができて良かった。再度復習をして理解を深めるようにしたい。
  • 幾何についての証明の話だと思っていたのだが、証明の初めの段階は「非アルキメデス実付値」と呼ばれる関数についての話で、そこから証明が展開されていくことにとても面白いと感じた。前回よりも自分の知らない分野の言葉などが出てきて理解は難しかったが、先生に質問をしたことで、証明の大筋が理解できて良かった。数学上の難しい問題は、幾何の問題だけれど関数論や解析学の分野とリンクして解かれたりすることがあるといろいろ聞いていたので、今回、その一例を目にすることができ、とても嬉しかったし、このような問題をもっと知りたい、理解したいと思った。
  • 正方形を奇数個の等面積な三角形に分けられないという面白い事実を知った。

2016年11月19日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 理学研究科6号館609号室

  • 当日の講師

    塩田 隆比呂 准教授、小西 由紀子 准教授

  • チューター

    曽我部 太郎、高松 哲平、藤田 遼

  • 実習の内容

    テキストProofs from THE BOOK の9章にそって zeta(2)=pi^2/6となることの3とおりの証明を説明した。

  • 数学_実習風景発表の様子

今回の活動を通して学んだこと(抜粋)

  • 平方数の逆数和がπ^2/6に収束することの2つの証明やその収束の速さの評価、ζ関数との関係を学ぶことができた。広義積分や重積分など、自分がまだ勉強をあまりしていない手段がいくつかでてきたが、なんとかその場である程度理解ができた。収束条件や無限和などの無限を扱う操作はとても繊細で、細かくチェックする必要性があることがよくわかった。また、話に上がったコーシー列やヤコビ行列式なども勉強しておこうと思った。
  • 自然数の平方の逆数和がπ^2/6になる証明が3通りあることに驚いた。発表者の方の発表の質が高かったので自分もその後に続いて完成度と質を上げていきたいと思う。リーマン予想につながる議論で興味深かったので自分でも考察したいと思う。

2016年11月5日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 理学研究科6号館609号室

  • 当日の講師

    塩田 隆比呂 准教授、小西 由紀子 准教授

  • チューター

    曽我部 太郎、高松 哲平

  • 実習の内容

    塩田先生がセミナーの行い方の説明・テキストの紹介をした。受講生に自己紹介をしてもらい、次回以降の輪講の担当を決めた。

  • 数学_実習風景受講生に説明を行う

今回の活動を通して学んだこと(抜粋)

  • 今回は、基盤コース後期の初回だった。まず配布された教科書が厚く、洋書でとても驚いた。対応出来るようにしたい。また受講生のレベルは、高いとは思っていたが想像をはるかに超えていてとても驚いた。次回から本格的にセミナー形式で始まるので、一つでも多くの知識を身に付けたい。また自分の発表する所を詳しく学び、分かりやすく説明できるようにしたい。
  • 知られている非常に有名な定理を初等的に証明してるのがすごく面白くわかりやすかった。洋書なのもためになりそうだ。

[基盤コース後期]物理

2017年2月4日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 理学研究科5号館115号室

  • 当日の講師

    有川 敬 助教(光物性研究室)

  • チューター

    草場 哲、坂田 諒一

  • 実習の内容

    成果発表会の準備。二つのグループに別れ、それぞれで発表用の資料をパワーポイントを用いて作成。

  • 物理_実習風景パワーポイントで発表用資料を作成している様子
  • 物理_実習風景

今回の活動を通して学んだこと(抜粋)

  • 私のグループではコヒーレント長と超伝導について発表することになった。今までこのような形式で発表することがなかったため、内容のまとめ方やプロジェクターのレイアウトなど慣れないことが多かった。自分では分かっていても発表するときには聴衆にわかるようにしなければならない。また、漠然とした説明はできても質問された際に正確に答えられなければならない。そう考えると更に調べなければいけないことがいくつも見えてきたように思う。大学院生の方や先生に沢山助言をしていただき何とか形としてはまとまった。将来はこれを自力でやらなければいけないのでいい経験になると思う。そして、他の分野の発表もとても楽しみになった。積極的に質問もできればいいなと思う。
  • 僕たちの班は主に、マイケルソン干渉計を用いたレーザーのコヒーレンス長の測定、結晶格子、分光器の三つを中心に発表することにした。多くのことを学んだので、その内容を12分で伝えるのを非常に難しく感じた。また、要点をふまえて発表する必要があると思った。実際に発表資料を作ったとき、なかなかパワーポイントを使って自分のつたえたいことがあらわせず、苦戦した。しかし、チーム全員で協力したため、何とか作り上げられた。それを先生方に見てもらうと、単位のアルファベットは斜体で書くことや、x軸、y軸がそれぞれ何を表しているか明記すること、話の内容ごとにわかりやすく章立てすることなど、沢山アドバイスをいただいた。これらを踏まえて、自分たちの活動を最大限伝えられるよう、頑張っていきたい。

2017年1月21日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 基礎物理学研究所

  • 当日の講師

    諏訪 雄大 特定准教授(基礎物理学研究所)
    榎戸 輝揚 特定准教授(宇宙物理教室/白眉センター)

  • チューター

    橋本 一彦、松本 達也

  • 実習の内容

    「相対性理論とブラックホール」という題材で講義を行った。まずは、諏訪によるスライドを用いた講義を行なった。その後、黒板を使って、微分、積分、微分方程式、場の概念、力学のポテンシャル問題、重場中における粒子の軌道についての講義を行なった。適宜、演習の時間を入れて、受講生たちに大学レベルの問題を解いてもらうようにした。その後、榎戸による、最新のブラックホール観測のスライドを用いたレクチャーおよび、諏訪による重力レンズ効果の紹介を行なった。

  • 物理_実習風景榎戸による講義
  • 物理_実習風景チューターが受講生に説明を行う様子
  • 物理_実習風景諏訪による説明の様子

今回の活動を通して学んだこと(抜粋)

  • 今回は、実験によって理論を理解した前回とは異なり、実験ではなく数式で天体の角運動量や重力場などの理論を表して、一般相対性理論の一部を理解しようとした。自分には物理現象を数式で表す経験がまだあまりなく、扱う文字が多く、しかも積分を用いる数式変形は理解に時間がかかり、ついていけない部分もあった。それでも変形結果の式が表す意味がなんとなくでも分かったときには、物理現象を数式で表して計算する楽しさを感じられたように思う。 特に、重力場Φの微分、すなわち傾きが重力を表すという考え方を学んだとき、重力によって平面が曲がるイメージ図は何度か見たことがあったが、それも紙の上の文字で表せるのかと驚いた。初めは戸惑ったが、数式で表すと確かに重力の大きさを直接何かの文字で表すよりもしっくり来た。また、ブラックホールの中心から、ブラックホールの引力に引き寄せられて脱出できなくなる「事象の地平面」までの距離を表すシュバルツシルト半径についても、これまでは、そんなものがあるのか、と思っていた程度であったが、天体からの脱出速度を表す式vesc=√2GM/Rに、脱出速度としてvesc=c、つまり光速を代入して求めた式であるのだと理解できた。さらに、地球をスーパーボールの大きさまで圧縮したら地球が重力崩壊を起こしてブラックホールの大きさになると聞いたことがあったが、この話もやはり脱出速度の式に地球の質量Mを代入して求められるのだと分かった。今まで豆知識だったものが、実際に数式で表されると、急に説得力を持ったように感じる。 今回の実習は特に難しい実習だったが、宇宙飛行士を目指す自分には将来大きく関わるだろうから、しっかり数学と物理を学習して、確実に自分の力にしたいと思った。ぜひ微分積分と物理を確実に勉強して、再び今回の一般相対性理論の問題に挑戦したい。
  • 一般相対性理論のうちの1つの式について、その式を導く過程を説明していただきました。実験を行わず、思考実験と式だけで物理法則を見つけ出す理論物理学についての理解が深まりました。途中、何回にもわたって微積分を用いていたことから、物理における微積分の重要性が分かりました。また、ブラックホールの特異性についても講義を受け、安定した軌道を持たない公転半径が存在するというケプラーの宇宙法則に当てはまらないという異常性は興味深い話でした。

2017年1月7日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 理学研究科5号館115号室

  • 当日の講師

    石田 憲二 教授(固体量子物性研究室)、北川 俊作 助教(固体量子物性研究室)

  • チューター

    真砂 全宏、河村 健志、仲嶺 元輝

  • 実習の内容

    前半は電気抵抗について説明した後、精確な電気抵抗測定、色々な物質の電気抵抗の温度依存性の測定を実践した。後半は、超伝導について簡単な講義をした後、ゼロ抵抗、マイスナー効果による磁気浮上の実験を行った。

  • 物理_実習風景講義風景
  • 物理_実習風景電気抵抗測定実験

今回の活動を通して学んだこと(抜粋)

  • テーマの通り、今回は学校で教えられていたことを覆されることがあった。そのひとつが4端子法だった。学校では抵抗を測るときは2つの端子で測ることしかしなかった。しかし線と試料の間には接触抵抗があったり、熱起電力がはたらいたりしているため、正確に測れないのである。線に抵抗があることには気づきそうなのに今まで気づかなかったことに驚いた。また、金属と半導体、絶縁体の違いを電気の流れやすさと教えられていたが正確にはそうではなく、温度依存性によって分けられているという講義もあった。実際に銅線を使って抵抗を測定するとその通りであった。自分が持っている知識をもっと深めていきたいと思った。1番面白みを感じたのは超伝導の実習だった。今回液体窒素を初めて使うことができた。また、BSCCO系の試料を使って抵抗が0に近づくグラフを見た。テレビで見たり本で読んだりしたことがあっても実際に見て体験するということはすごく大切だと感じた。液体窒素と超伝導物質、磁石を使ってマイスナー効果の実験をしたときに、自分が疑問に思ったことを確かめたり、質問したりすることは面白くだったと思う。
  • まず資料の抵抗を正確に測定する方法を学びました。私は、2端子法でしか測定したことがなかったので、それ以外の方法が用いられていることに驚きました。4端子法では、電圧計の抵抗が非常に大きいことを利用して、リード線や、それと資料との接触抵抗に電流をほとんど流さないようにすることで、資料以外の抵抗がゼロの状態をつくり、正確な測定が可能になることが理解でき、とても考えられていて、素晴らしく思いました。また、それだけではなく、電流が流れていない状態でも、わずかに発生している熱起電力も除去して考えなければならないことも学び、少しの誤差でも気にして、より正確に実験することが大切だと思いました。また、物体の温度を下げることで、熱運動の影響が小さくなり、電子や原子の固有の性質、またその集団の固有の性質があらわになるので、そこに魅力を感じました。最後に、マイスナー効果を利用し、「磁束のピン止め」と呼ばれる現象を、実際に超伝導体や磁石を用いて観察しました。普段なかなか学べないことをたくさん学べておもしろかったです。

2016年12月17日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 理学研究科5号館115号室

  • 当日の講師

    吉川 豊 助教(量子光学研究室)

  • チューター

    福島 由章、山中 修也

  • 実習の内容

    最初に講義で電磁波やレーザーに関する基礎知識を勉強したのち、回折格子フィルムを用いた簡易分光器を製作した。それを用いて各種光源(蛍光灯やレーザーなど)のスペクトルを観測し、分光器の原理や光学素子の使用法などを学習した。また、簡易分光器で太陽光のスペクトルを観測し、その中にフラウンホーファー線が現れることを確認した。この暗線の理解を通じて、原子の構造と光の吸収・放出について学習した。最後に、その応用実験としてルビジウム原子のレーザー冷却装置を見学し、200マイクロケルビン程度まで冷却された原子集団の蛍光を観測した。

  • 物理学_実習風景講義中の様子
  • 物理学_実習風景簡易分光器の製作

今回の活動を通して学んだこと(抜粋)

  • 主に原子と光、偏光板、光の粒子性の3点について履修しました。原子と光では簡易分光器を作成し、太陽と蛍光灯を例にし、原子による光の放出と吸収について学びました。自然光である太陽光から地球の大気だけででなく太陽の大気に含まれる原子によって吸収されたスペクトルが見え、前期の講義で学んだトランジット法についての理解が深まりました。偏光板ではその性質を用いた簡易的な実験とその原理の解説を受け、日常での応用を学びました。光の粒子性ではレーザー冷却について学び、原理についての理解を深めました。
  • 電磁波や光で見る原子について、たくさんのことを学べました。レーザーの特性などは、以前の活動で身につけた知識も一緒に考えられました。まず、電磁波とは何かについて講義を受けました。電場と磁場の考え方やその表し方、偏光、干渉、回折格子など、たくさんのことを知ることができました。次に、実際に回折格子を作りました。実際に作ってみると、スリットの向きと回折格子の向きが一致しないと、複数の光が回折し、うまく実験できないなどの問題点も見つけられました。また、実際にそれを使って光を見ました。自然光は電灯などの光と違って、スペクトルの変化がなめらかであり、また、その中に、黒い縦線が入っているのが見えました。縦線は、大気中の物質が、ある特定の波長の光を吸収していて、それが検出できないためだとわかりました。新しい知識をたくさん得られて、おもしろかったです。また、偏光板の透過光も観察しました。偏光板を2枚重ねて、それらを直角にすると光が見えなくなったり、その間にもう一枚の偏光板を、角度を変えて入れると見えたりといった様々なことを自分で試してみて、理解することができました。最後に原子のことも知り、光の粒子性やレーザー冷却と磁気光学トラップなど、初めて知ることが多く、特に磁気光学トラップを見てみて、模式図とは裏腹に、実際はとても複雑な装置で驚きました。良い経験ができました。

2016年12月3日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 理学研究科5号館211号室、023号室

  • 当日の講師

    松田 和博 准教授、永谷 清信 助教(不規則系物理学研究室)

  • チューター

    萩谷 透、渡部 真弓

  • 実習の内容

    「電磁波(光)を用いた物質のミクロ構造決定」の実習として、電磁波(光)の性質について簡単な講義を行った後、2種類の簡単な実習を行った。1つ目の実習では、光の回折・干渉を理解するための実験として透過型回折格子とレーザーを用いた光の回折実験の実習を行った。2つのグループに分かれて与えられたレーザーの波長の情報を元に、準備された回折格子の格子間隔を計測し、良い制度で格子間隔をえることに成功した。2つ目の実習は、x線回折装置によって測定されたシリコンのx線写真から、結晶の格子定数を計算した。チューターの大学院生2名の指導の元に、シリコン結晶の結晶型などを学び、それぞれが実際に計算を行って原子間距離の値をえることが出来た。この他に、関連する最近の研究の紹介なども講義で行った。

  • 物理学_実習風景講義を受講中の様子
  • 物理学_実習風景実験室でのレーザーを使った回折実験
  • 物理学_実習風景大学院生のチューターによるX線装置の説明

今回の活動を通して学んだこと(抜粋)

  • 積分が何においても必要だということ。一見難しそうなこともよく見れば基礎知識だけで成り立ってたりすること。不規則系でも規則的な解析像が見られること。フェムトがよく使われていること
  • 電磁波の軌跡や角度を幾何学的に捉えて計算し、1つ1つの値を式に代入するという実習をした。このことは物理学では当たり前のことなのだが、1年で物理を習わない自分には慣れない作業で、図形や数字の意味を理解するのにかなり時間がかかった。それでも、途中からしっかり理解できたので、一つ成長できたと思う。同じグループの友達はみんなすぐに理解して計算を進めていたので、自分も物理の勉強にしっかり取り組んで、来年には追い付こうと思った。 回折格子の格子の幅は、公式に光の波長と三角比を代入して求められるということを学んだ。今回三角比を用いたときに、先生が、三角関数は物理でよく使うとおっしゃっていた。実際、学校の先輩の課題研究で、風と傘の形の関係や水切りの強さなどについての研究があったが、どちらも三角比を用いていた。自分も来年には課題研究で物理の研究をしたいと思っているので、数学で習ったことを深めて、いろいろな場面ですぐ使えるようにしたい。 また、可視光線を用いて回折格子の幅を計算できるのと同じような仕組みで、X線を用いて原子の結晶構造や格子定数を計算できるといことを体験した。空間内の原子の位置を面でとらえるために、ミラー指数h,k,l(0≦h,k,l≦1)で表すことも学んだ。これらの計算は学校でもいずれ習うのだろうが、こういった機会に実際に体験して学べると、より理解できるように思う。 最後の方に学んだ、液体やガラスなどの不規則体結晶構造が「長距離秩序はないが、短距離秩序はある」状態のイメージがなんとなくわかった気がする。全体を見たらバラバラに見えるが、一部を取り出したときの幅や距離は平均値に近づいていくという。繊維研究にも関わるらしい。普通は全体を見れば見るほど平均や秩序が見えてくるものなのに、その逆になるのが面白いと思った。 X線解析からたんぱく質や、液体、ガラスの原子の構造を調べることから、やはり生物や化学に物理、そして数学が深く関わっているのだと改めて感じた。だから、物理の勉強は、特に楽しんで、深いところまで学習したい。

2016年11月19日

  • 実施場所

    宇治キャンパス レーザー物質科学棟

  • 当日の講師

    井上 峻介 助教(化学研究所 附属先端ビームナノ科学センター)

  • チューター

    古川 雄規

  • 実習の内容

    ナノメートルの世界を可視化・体験してもらうために、鏡や半透明鏡、手動ステージなどを用いて、マイケルソン干渉計を組み立ててた。構築したマイケルソン干渉計を用いて、レーザーの縦方向のコヒーレンスを観察し、レーザーの種類を変えることで、コヒーレンスがどのように変化するかを観察した。複数のレーザーのコヒーレンス長を評価するため、マイケルソン干渉計の2つのアームの光路差を変化させた時の明瞭度を測定した。最後に、理論的なコヒーレンス長の予想値と実験結果を比較してもらい、コヒーレンスが異なる原因について解説した。

  • 物理学_実習風景マイケルソン干渉計を組み立て
  • 物理学_実習風景干渉計を使ってコヒーレンス長を測定

今回の活動を通して学んだこと(抜粋)

  • レーザー(英語でLASOR,Light Amplification of Simulated Radiation「輻射の誘導放出による光増幅」)は、位相がそろっている波の光である。言い換えれば、レーザーはコヒーレントであり、同じ時間で位置の違う波や、同じ位置での異なる時間での波の振幅のタイミングが等しい。このことから、レーザーは波長のブレが少なく(単色性が高い)、真っ直ぐ進む。これを利用して、レーザーは月との距離の計測や、物質の微細な加工、絶対温度に近い低温までの冷却に用いられるのだと学んだ。この話で、物理学はものすごく小さなミクロの世界の運動や法則を、私たちの身の回りの世界や宇宙規模のマクロの世界と関連付ける、とても面白いものだと感じた。また、今回学んだことの他に、レーザーは医療に用いられると聞いたことがある。そうだとしたら、物理学や工学の内容が生物学に応用されているということだ。今まで物理学は自然や宇宙の姿を探求するもので、人の命を救うことにはあまり関わっていないと考えていたが、そんなことはないのだと学んで、うれしく思った。そして、柔軟にさまざまな分野や物事を学ぶことが大切だと考えた。 今回の実験で測定したコヒーレンス長は、レーザーを前後にずらしたときにコヒーレントになる範囲の長さだと捉えた。測定方法として、マイケルソン・モーリーがエーテルを観測しようと実験したときに用いたマイケルソン干渉計で、光が干渉した際に観測できる干渉縞の確認できる範囲を測定した。干渉縞の確認できる範囲とは、鮮明度Vの最大値からその半分の大きさまでの範囲とした。結果、半導体レーザーでは約0.3~0.4㎜のコヒーレンス長が確認されたが、ネオンヘリウムレーザーでは鮮明度がほぼ変化せず、コヒーレンス長が確認できなかった。ネオンヘリウムレーザーは、単色性がとても高く、コヒーレンス長が100mほどになるらしい。 前回も今回も、物理学の実習でコンピュータを使った。今後の実習や、大学での研究でもきっと使う機会は多いだろうから、少しずついろいろな使い方を学ぼうと思う。また、反省点として、危険だと分かっていたはずなのに、うっかりレーザーの反射光を確認しようと覗き込みそうになった。失敗すれば事故につながる危ない実験をするのだと再認識して、これからの研究も楽しく頑張りたい。
  • 今回の実習では、レーザーの特徴である干渉のしやすさ、コヒーレンスについてと、レーザーの種類ごとのコヒーレンス長の測定を行いました。結果は気体レーザーが半導体レーザーよりもコヒーレンスが高かったものの、インコヒーレントになる要因である原子の熱運動という面で考えると気体レーザーの方がインコヒーレントになると予想されるべきなのに対し、現実と違うのはなぜかという疑問が生まれました。また、実験結果を分析し、レポートに自分なりの言葉でまとめることの重要性を再認識しました。

2016年11月5日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 理学研究科5号館東棟

  • 当日の講師

    川畑 貴裕 准教授(原子核ハドロン物理学研究室)

  • チューター

    武田 朋也、高橋 祐羽、稲葉 健斗

  • 実習の内容

    はじめに、原子核と放射線についての講義を行い、そのあと、NaI検出器とγ線源を用いて放射線計測実習を行った。計測実習では137Cs, 133Ba, 22Na, 60Co線源を用いて検出器のエネルギー較正を行ったあと、アルミニウム、真鍮、鉛の遮蔽体を用いて、γ線の減衰長を測定した。また、自然放射線の測定を行い、核種の同定を行った。最後に、理学部5号館東棟の小型中性子源を見学した。

  • 物理学_実習風景エネルギー較正の測定データをホワイトボードに記録
  • 物理学_実習風景遮蔽体を用いてγ線の減衰長を測定
  • 物理学_実習風景グラフ用紙に測定結果をプロットし、減衰長を算出

今回の活動を通して学んだこと(抜粋)

  • 放射線と放射能は今まで似たようなものなのかと思っていたが放射線は放射性物質から出るもので放射能は放射線を出す能力のことである。放射線には様々な種類があり、その一つ一つが原子核の崩壊で発生する。そしてそれぞれの強さは違う。放射線は目に見えないが、MCAを使って電気信号に変換すると観測することができる。
  • まず放射線について、たくさんのことを学ぶことができました。放射線の種類と、それが発生する仕組み、放射線が人体に与える影響、放射線の減衰など、知らなかったことが多かったので、新しい発見ばかりで面白かったです。特に、ベータ崩壊を学んだとき、β⁻崩壊では、中性子が過剰な原子核から、電子・反電子ニュートリノを放出し、β⁺崩壊では、陽子が過剰な原子核から反電子・電子ニュートリノを放出して安定になると知って、電子や反電子が放出される仕組みはわかりましたが、なぜ電子と反電子ニュートリノ、反電子と電子ニュートリノという組み合わせで放出されるのか不思議に思ったので、そのことをより詳しく調べて、考えてみたいと思いました。また、ガンマ線を測定することもできました。実際に測定実験を行うことで、波高とエネルギーとの対応関係を知れ、ガンマ線が、物質中を通過し、それによって減衰している様子を見ることができて、とても良い経験となりました。研究施設や実験装置なども見ることができ、研究に没頭できるような素晴らしい環境の施設に驚きました。最後に、物質・反物質について、反物質のみが消滅した謎について、小林・益川理論のように、物質と反物質の性質の違いを示すことが今研究されていると知り、自分ももっと知識を増やして、それについて考えたいと思いました。

[基盤コース後期]化学

2017年2月4日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 理学研究科6号館北棟7階セミナー室

  • 当日の講師

    加納 太一 准教授(有機合成化学研究室)

  • チューター

    櫻井 舜也

  • 実習の内容

    成果発表会に向けた準備

今回の活動を通して学んだこと(抜粋)

  • 今まで行った実験の中から成果発表会で発表するテーマを決め、プレゼンの準備をした。自分の班では「高温超伝導体の物性」を選び、深めることにした。配布資料を見返したり、疑問に思うことを改めて質問しに行ったりしてまとめていった。液体窒素でも超伝導体にすることができるYBCOは、普通と比べると高温で超伝導体になるため、高温超電導体と呼ばれており、また実験でも使いやすい物質であると分かった。さらにこの物質は酸素の量によって性質が変わるので面白い物質であったと感じた。他の人の興味を引き付けられるパワポを完成させて、次回発表に望めるようにしたい。合宿が楽しみである。
  • 主に発表する内容決めとその内容理解、スライド作りを行った。私たちのグループは協議の結果、これまでで内容が最も難しかったが実験が多く、様々な器具や薬品、装置を使った「金属触媒を用いて炭素をつなごう」をテーマに発表を行うことにした。まずは研究室を再び訪れスライド用の写真を撮り、また先生やチューターの方々に疑問点を質問することで解消した。その後、活動内容を他の分野の方にも理解しやすくなるようにグループの皆で協力しながらスライドを作製した。完成はしなかったものの、発表までには間に合いそうだ。

2017年1月21日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 理学研究科6号館275号室

  • 当日の講師

    道岡 千城 助教(金相学研究室)

  • チューター

    稲盛 樹、金川 響、村川 譲一

  • 実習の内容

    ①超伝導に関する講義、②レール型ネオジム磁石および環状サマリウムコバルト磁石を用いた高温超伝導体YBCO試料におけるマイスナー効果の確認実験、③超伝導体YBCOと強磁性体LaCo2P2の磁石に対する挙動の違いの確認実験、④組成を振ることによって作成した超伝導体および半導体計2種のYBCO試料の室温から窒素温度(77K)までの電気抵抗測定

  • 化学_実習風景超伝導に関する講義
  • 化学_実習風景マイスナー効果を確認する
  • 化学_実習風景電気抵抗値を見て超伝導転移の様子を観察する

今回の活動を通して学んだこと(抜粋)

  • 今日使ったYBCO(YBa2Cu3O7)は液体窒素ほどの温度のもので冷やすことで超伝導体となるということが分かった。また、これの特徴として電気抵抗が0になったり、磁場中にあったら磁束をはねのけるマイスナー効果があったりと素晴らしい性質を持っていると分かった。特に電気抵抗が0になるという点が興味深く、電気を流した時にロスをなくすことができると思うので、発電など様々なところに使えそうと思った。また、実際に磁気浮上実験を見たが、きれいに浮いて感動した。さらにその後、四端子法による電気抵抗測定を行ったが、二端子ではなく四端子で行うことが大切であり、温度を下げていくと半導体は抵抗が∞に発散する一方、超伝導体は抵抗が0になることが分かった。
  • 超伝導は電気抵抗が突然ゼロになってしまうことで知られていると思うが、実際には、それによって引き起こされているマイスナー効果も存在しなくては超伝導とはいえない。超伝導は、Hgでの発見(Heの液化成功に伴って)から始まり、量子力学のBCS理論が考えられた。しかし、その理論によらない、YBCO (YBa2Cu3O6+x) が超伝導体として発見された。これは、90K (-183℃) で超伝導になるので、液体窒素(沸点:77K (-196℃))で冷やすと超伝導になり、磁石と反発しあうことを、実験によって確認できた。また、常温で温まると、超伝導体ではなくなり、その反応はなくなってしまう。これは、BEC(ボーズ・アインシュタイン凝縮)などで説明される。また、BCS理論では、原子核によって作られる格子が電子により歪み、電子が通り過ぎた後も、元に戻りにくいので、他の電子をひきつけるというものだ。電気抵抗が0になるものが存在するのは驚きだが、それを説明する理論があるのもすごいと思う。

2017年1月7日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 理学研究科6号館355、380号室

  • 当日の講師

    堀尾 琢哉 助教(物理化学研究室)

  • チューター

    原 彩乃、東村 智佳、福岡 加奈江

  • 実習の内容

    7名を4 + 3名の2グループに分けて実習を行った。
    1.光速度の測定
     研究室所有のフェムト秒レーザーならびにオシロスコープを利用することで、実際に光速度の測定を行った。
    2.光の吸収
     同じく研究室所有の可視・紫外分光光度計を用いて、有機化合物および無機錯体の吸収スペクトルを測定し、ランベルト-ベールの法則について学習させた。

  • 化学_実習風景光速度測定
  • 化学_実習風景光速度測定
  • 化学_実習風景光吸収スペクトル測定

今回の活動を通して学んだこと(抜粋)

  • レーザー光は指向性が強く、光の速さの測定に優れていることが分かった。また、現代では技術が発展していて、レーザー光を当てることでごく微小な間の化学反応の進行具合を見ることができるということを聞いて、大変興味深いと思った。そして、レーザー光を用いて吸光度を計測する機械を使った実験を行うことができ、実際に鉄の錯体はどのような光を吸収しているのかをみることができた。そこで、コロイドの粒の変化を見ることができるのか疑問に思った。
  • 今回はやや物理学寄りの内容だった。まず最初に、水溶液の吸収スペクトルの測定方法についての講義があった。これまでにクロロフィルなどの吸収スペクトルのグラフは見たことがあったが、それがどのような原理で測定されているのかは知らなかったため、とても勉強になった。特にランベルト・ベールの法則とその求め方を、学校で学んだ指数・対数や微分の内容だけで理解できて、学習が役立っていると感じた。吸収スペクトルの測定器も実際に使用した。装置一つだけで一千万円以上もするとのことで驚いた。また、メインとなる光の速度の測定実験では、フェムト秒やピコ秒といったとても短い時間を扱った。実験装置の構成自体は単純だったが、そこまで短い時間を測定できるというのが驚きだった。計算結果は秒速約30万キロメートルとなり、文献値になかなか近くなったので良かった。この実験室では光の進む経路の長さの差で、電気的には不可能なごくわずかな時間差をつくり出し、それを用いて気体や液体の反応を観察しているとのことで、実際にその装置も見せていただいた。レーザーから観察装置までの長さはおそらく10メートルはあり、高校ではありえない規模で圧巻だった。最後には手持ちサイズのスペクトル測定器を見せていただいた。私の学校にはスペクトル測定器がないようで、前に植物の育成実験で光の強度と波長が測れず失敗した経験があるため、理科部の部費での購入を先生に打診してみようかと思う。さまざまな実用的な知識も学ぶことができてとても有意義な体験だった。

2016年12月17日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 総合研究5号館 4階402室

  • 当日の講師

    矢持 秀起 教授(分子性材料研究室)、中野 義明 助教(分子性材料研究室)

  • チューター

    村上 賢太朗

  • 実習の内容

    実習で使用する試薬(TCNQ)の昇華精製の演示実験を見学させた。昇華には時間がかかるので、これを待つ間に分子性導体(電気を流す有機物)に関して講義形式で説明を行った。 高等学校で学習する原子の構造、イオン結合、共有結合の範囲を復習後、分子軌道法を直感的に理解するための説明を行った。分子軌道を使って芳香族性の考え方、ならびに芳香族性を利用した電子供与体・受容体の分子設計を説明した。 電荷移動錯体の考え方と分子間での電子移動に関する説明を行い、電気を流す有機物についての分子軌道法的な理解の仕方を説明した。さらに、有機超伝導体などについて若干の説明を行った。 この説明の後、実習課題として2種類の電荷移動錯錯体の作製を行わせた。先ず、導電性の乏しい、(TTF)(クロラニル)錯体を作製・単離した。この錯体は温度変化に対して成分間での電荷分配量(電荷移動度)が変化する相転移を起こし、その際、明瞭な色変化が起きる。このことを、自らが作製した錯体試料を用いて体感させた。すなわち、ガラス板に挟んだし試料を液体窒素に浸すことにより緑色から茶褐色に変色する様子を観察させた。 この後、上記の演示実験で精製したTCNQ(赤色)と精製前の試薬(黄土色)の色の違い、ならびに精製試料を粉砕した時の色の変化(橙色となる)を観察させたのち、(TTF)(TCNQ)錯体を作製させた。この錯体が導電性を持つことを、テスターで確認させた。

  • 化学_実習風景電気を流す有機物についての講義。
  • 化学_実習風景電荷移動錯体生成の瞬間。溶液を混合し、混ざりあった部分から変色し始めている。

今回の活動を通して学んだこと(抜粋)

  • 有機物は電気を流すというイメージが無かったので、今回の実験で有機物にも電気が流れるものがあると分かり驚いた。それは(TTF)(TCNQ)錯体という物質であったが、TTF、TCNQそれぞれでは電気は流れないらしいが、この2つが錯体をつくることで電気が流れると分かり、興味深いと感じた。また授業で習った芳香族化合物の性質以外に「環状に単結合と二重結合が交互に並んだ時、4n+2個の電子なら非局在化」という性質があるのは初めて知った。いかに電子を隣の軌道に移動させやすく工夫できるかが電気を物質に流すことができるかの重要なカギになると思った。
  • (TTF)δ+(TCNQ)δ-という最初に発見された(と言われる)有機物の金属的電荷移動錯体を作った。 TTFやTCNQ、他に作った(TTF)(QCl4)は(TTF)(TCNQ)と同様に有機物であるが、これら有機物は一般に電気を流さない物質[絶縁体]である。 金属の銀、銅、アルミニウムなどは電気を流すのだから、電子配置だけで電気を通す、通さないが変わるのは驚くべきことなのだろう。 有機物である(TTF)(TCNQ)は特殊な構造を持っているから、例外的に電気を流すが、その理由が、炭素(C)原子が4つの原子の軌道を3+1個の2組に分けているというものであるから驚きだ。これを形にちなんでπ軌道と呼ぶが、このπ軌道はほかの起動と垂直にありそれも1つだけしか原子を持たない軌道であるので、イオン化が起こるという。 不思議だが、実際に起きているから興味深いことだ。

2016年12月3日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 理学研究科2号館518号室

  • 当日の講師

    中西 和樹 准教授(無機物質化学研究室)、金森 主祥 助教(無機物質化学研究室)

  • チューター

    清水 太陽、木村 知貴、田中 歩

  • 実習の内容

    最初に、これから行う実験で取り扱う無機物質についての簡単な講義と、実験内容の説明を行った。その後融液冷却法による無機ガラスの作製、ゾル―ゲル法によるゲルの作製、電子顕微鏡を用いての多孔体の微細構造観察を行った。無機ガラスの作製では酸化ホウ素をベースとするガラスにおいて、アルカリ金属イオン(Na+)の含有量が得られるガラスの外観にどのように影響するか、および加えたCo2+による色の変化を観察した。ゲルの作製では、ゾル―ゲル法における典型的な前駆体であるテトラエトキシシランと、有機無機ハイブリッド材料の作製に用いられるメチルトリエトキシシランをそれぞれ同条件で加水分解、重縮合反応を行い、得られるシリカゲルおよびメチルシルセスキオキサンゲルの違いを観察した。微細構造観察においては、身近にある細孔をもつ多孔性物質や、研究室で作製した共連続構造と呼ばれる整った細孔構造などを、走査型電子顕微鏡を用いて観察した。

  • 化学_実習風景融液冷却法により作製したガラス試料
  • 化学_実習風景ゾル−ゲル法の実験でアンモニア水を加え、ゲル化する様子を観察
  • 化学_実習風景走査型電子顕微鏡で多孔体の構造を観察

今回の活動を通して学んだこと(抜粋)

  • ゾル・ゲル法によるシリカゲルの作成の原理としては、ケイ素アルコキドが水によって加水分解され、そこから生じるアルコールが一定量まで蓄積されることで反応が急速に進み、水に溶けきれなくなった疎水性のものが分離するという一連の流れがあることが分かった。また、後半に行った融液冷却法によるガラスの作成では、実験を通して、アルカリ酸化物をより多く含有しているものの方にはガラス化したものとは独立して結晶化するものがあり、その影響で不透明なガラスになることが分かった。
  • 今回は無機材料系の研究室にお邪魔しました。私は今まで有機系の研究室が多かったので、今回の体験は私にとって新鮮なものでした。特に興味深かったことはアルカリ酸化物と酸化ホウ素を含む2成分混合物からガラスを作ったことでした。その実験の中で青色をガラスにつけるためにコバルトを入れました。コバルトのd軌道が周りの配位子の影響を受け、軌道のエネルギー準位が分裂すると、その分裂した間のエネルギー差が赤色くらいの波長のエネルギー差であるため、白色光に通すと、赤色付近の波長が吸収され、青色が私たちの目に見えるということが面白かったです。また、分裂の仕方にも種類があり、それは周りの酸素の配置に帰属します。周りのO2- の方向を向いているコバルトのd 軌道は静電的な反発により高エネルギー状態になります。向いてないものはその逆でエネルギーが低い状態になります。また、家に帰りある疑問が生まれました。先生からコバルトへ配位子の配位のしたかは二種類(6配位の八面体/4配位の四面体)あると教えられ、また、それがアルカリ酸化物の割合(今回はNaCO3)によって変わるとおっしゃれてましたが、それがなぜアルカリ酸化物によって配位の仕方が変わるのかが気になりました。以下私の考察です。今回使ったB2O3(酸化ホウ素)にアルカリ酸化物が加えられると最初酸素のホウ素に対する配位は3でしたが、それにより4に変わります。BO4の正四面体の過剰な負電荷をもちます。そうすると、コバルトに電子をもらいに行きます。しかし、このとき、コバルトに対する配位子は過剰な負荷電荷をもちます。(BO3に比べて)よって一つあたりの電子の欲しさがアルカリ酸化物を入れる前よりも強いので一つのコバルトに4しか配意できないのであると考えられます。また、あまりアルカリ酸化物を入れない場合、先ほどより配位子一つあたりの電子の欲しさは弱いので、一つのコバルトに6つ配位子が配位できると考えました。以上が考察です。有機の材料も面白いですが、無機の材料の面白さに触れた1日でした。

2016年11月19日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 理学研究科6号館663号室

  • 当日の講師

    西村 貴洋 講師(有機化学研究室)、野木 馨介 助教(有機化学研究室)

  • チューター

    吉田 悠人、齊藤 颯、永井 将貴

  • 実習の内容

    1.有機化学と触媒および実験実習内容に関する講義を30分間行った。
    2.実験実習を行った。具体的には、ロジウムを触媒として用いて、アリールボロン酸を不飽和ケトンに付加させる炭素−炭素結合形成反応を行った。ヒドロキソロジウム触媒存在下、3種類のアリールボロン酸と2-シクロへキセン-1- オンとの反応をそれぞれ行い、反応の後処理後、反応混合物を薄層クロマトグラフィーで精製した。得られた化合物をNMRで測定し、その化合物の同定を行った。

  • 化学_実習風景反応操作
  • 化学_実習風景単離操作
  • 化学_実習風景MR測定

今回の活動を通して学んだこと(抜粋)

  • 触媒、特に金属触媒についてその働きの仕組みを教えていただいた。白金やロジウムの触媒は車の排ガス処理などに実際に用いられており、今回はロジウム触媒で炭素‐炭素結合を実際につくることができた。大学の研究室での、高校とは大きく異なる精密な実験方法や測定も体験することができた。
  • 今までほとんど又は全く使ったことがないような薬品や器具を使うことができ、また有機溶媒の独特な香りがする実験室の中ででき、楽しく実験できたので良かった。今回は、ロジウムを使って炭素と炭素をつなぐということをしたが、ロジウムは今までに使ったことがなく、また触媒として使われていることが初めて知った。一見単純そうに見える反応も高価であるロジウムを使ったり、時間がかかる複雑な手順を行ったりと、合成はそう簡単にはうまくいかないと感じた。分子について知るための機械としてGCMSを使ったが、同位体についてもピークが出て、便利で実験で是非使ってみたいものと感じた。時間が思った以上に短かったので、もっとやりたかった。

2016年11月5日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 理学研究科6号館252号室

  • 当日の講師

    林 重彦 教授(理論化学研究室)

  • チューター

    小山 糧、金曽 将弘

  • ボランティア

    田口 真彦、成 鋮

  • 実習の内容

    理論化学・量子化学の概略の理解のための講義とコンピュータを用いた量子化学の実習を行った。まず、講義では、生体分子を中心に分子機能の概略を説明し、次にそれらの分子の物理学的な記述のための量子力学の簡単な解説を行った。さらに、コンピュータを用いた実習の対象となる、物質の色の仕組みについて物理的な解説を行った。コンピュータを用いた量子化学の実習では、量子化学計算のシミュレーションを行い、一酸化炭素の電子分布の観察、及び、ポリエンの吸収波長に対するポリエン長の依存性や、視物質の発色団アナログ分子の静電相互作用による吸収波長の変化についての検討を行い、そのシミュレーション結果に関する量子力学からの解説を行った。

  • 化学_実習風景量子化学の講義
  • 化学_実習風景コンピュータ実習

今回の活動を通して学んだこと(抜粋)

  • 今回使ったソフトのような正確にシュレディンガー方程式の解を算出出来ないが経験的に解を算出するようなやり方で分子の反応性が可視化出来る事は驚いた。現在は遺伝子工学の分野で光により構造が変化するタンパク質を神経細胞に埋め込んでマウスの脳を操作する研究がされていると聞き、小説などでよく見る電脳世界などがとても近く思えました。
  • 計算機のシミュレーションが機能分子デザインに対して大きな役割を果たしており、脳科学にも影響を与えるということ。また、化学は実験だけではなくコンピュータを用いて全く実験をしない分野があり、コンピュータの進歩とともに理論分野でも多くのことが分かってきているということ。化学は量子力学の分野の理解が不可欠で、やはりサイエンスは互いに強いつながりを持っているということ。この3つを強く実感し、学ぶことが出来た。

[基盤コース後期]生物学

2017年2月4日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 理学研究科1号館101号室

  • 当日の講師

    船山 典子 准教授(生物科学専攻 生物物理学系 分子発生学分科)

  • チューター

    大川 真澄

  • 実習の内容

    前回の内容について個別にメールが質問があったとのことで、担当の生物物理学系理論生物物理学分科の岩部先生より10分ほど、置換と進化について、補足説明があった。
    発表時間が12分であるため、PowerPointのスライドを多くても11枚程度にまとめた方が良いこと、発表者は1人でも複数でも良いなどを説明した。受講生からは、1つの実習だけで良いのか、どちらの班も同じ実習に関してでも良いのかについて質問があった。自分たちで相談して3人ずつ2つのグループに分かれ、これまでの生物学の実習内容から、自分達が発表したいものを決め、資料などを振り返りながら、各班、活発に相談しながら、PPTスライドを作成した。 今年度はどの人もパソコンを持ってきていなかったので、準備しておいたことは良かったと思う反面、まとめについて事前に説明があったら自分の慣れたPCを持ってきたかった人もいたのかも知れないと思った。予想していたことだが、自分のスマートフォンでかなり検索している様子だったため、ELCASのPCを用いインターネット接続を行った。

  • 生物学_実習風景班ごとに発表の準備をしている様子
  • 生物学_実習風景
  • 生物学_実習風景

今回の活動を通して学んだこと(抜粋)

  • 他の人のノートのまとめ方は参考になった。私は時系列などを気にせずに書いて、後々何を書いたのかわからなかったりするが、他の人のノートを見ると、整理して綺麗に書いてあるなという印象を受けた。性格の違いなどもあるのかもしれないが、やはりきれいにまとめた方があとで見返す時にも良いので、見習っていきたいなと思った。他にもパワーポイントを作る時も他の人のやり方が自分のやり方よりも良いなと感じたり、文章一文打つだけでも3人で考えることでより良いものができたりと、共同作業でものを作ることの良さを実感できたと思う。また、複数の人で共有することで実は分かっていなかった部分が分かったり、逆に新たな疑問が出てきたりと一つの講義でいろいろ広げられたと思う。他の講義でもいろんな人と話してみたいなと思った。
  • 僕は発表の題材を一番印象に残っている、トリ胚を通して発生学を学ぶ実験にしました。実験をしていない生徒にも理解できるように手順や経過をこと細やかに書いたつもりですが、自分でもこれは伝わらないのではないか、と思う部分もありどのように説明すればよいか苦心しました。実験を行うだけでなく、それを人に伝えることはなかなか難しいことだと思い知りました。

2017年1月21日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 理学研究科1号館106号室

  • 当日の講師

    岩部 直之 助教(生物物理学教室・DNAタンパク質情報学講座)

  • チューター

    髙橋 慶祐

  • 実習の内容

    「コンピュータを使って生物の進化を探る」
    (1)分子細胞生物学の基礎知識を学ぶ(DNA、RNAの塩基配列情報、タンパク質のアミノ酸配列情報および突然変異・置換などについて解説)
    (2)分子進化学の基礎知識を学ぶ(分子時計、分子進化の中立説、分子系統樹推定法などについて解説)
    (3)コンピュータを用いてアミノ酸配列データ(hexokinaseなどの解糖系の6つの酵素のデータ)をBLAST検索により収集する(受講生自身がインターネット経由でアメリカの国立生物工学情報センター(NCBI)のデータベース(GenBank)からヒト、マウス、ニワトリ、グリーンアノール、アメリカアリゲーター、スッポン、ネッタイツメガエル、メダカの配列データを収集した)
    (4)(3)で収集した配列データについてコンピュータを用いて分子系統樹(加重平均距離法と近隣結合法)を推定する
    (5)推定した分子系統樹から鳥類(ニワトリ)、爬虫類の3つの系統(有鱗類(グリーンアノール)、ワニ類(アメリカアリゲーター)、カメ類(スッポン))、および哺乳類(ヒト、マウス)の間の系統関係について検討する
    (6)得られた結果について比較検討・考察を行う
    高校1、2年生向けの実習としてはやや高度な内容だったと思われるが、研究の本質に触れるような質問も幾つかあり、コンピュータを用いて遺伝子・タンパク質の配列情報から生物の進化に関する情報を得ることの意義を認識・理解するよいきっかけになったのではないかと思われる。

  • 生物学_実習風景アメリカの国立生物工学情報センター(NCBI)のデータベース(GenBank)からBLAST検索によりアミノ酸配列データをインターネット経由で収集し、得られた配列データについて解析用のコンピュータソフトウェアを用いて分子系統樹を推定しているところ。
  • 生物学_実習風景

今回の活動を通して学んだこと(抜粋)

  • 今回の講義が今までで一番難しかった。系統樹は教科書でみたが、その枝分かれに置換が関係している事は初めて知った。正直、分子系統樹の推定の仕方の原理はあまり分かっていないが、置換の数によって枝の長さが変わるので、分子時計があまり正確でなくても枝には関係がないという事は理解できた。加重平均結合はもう一度話を聞かないと分からないなと思った。今回与えられた近隣結合法のいくつかの系統樹を見て思ったのは、哺乳類は置換が多く、特にマウスが人よりも多いなと思った。人の方が知能的にも発達しているのに、変異が少ないのは多少疑問に思ったが、中立説を考えると、変異=進化ではないのかなと思った。また、同じ爬虫類でもなぜかワニ類と鳥類の方が系統が似ているという結果が多いのも疑問に思った。むしろ鳥類は同じ恒温動物の哺乳類と似ていてもおかしくないのに、なぜなのか。調べてみると先生がおっしゃっていた鳥類が恐竜の生まれ変わりという説がやはり出て来た。確かに、その説に沿っていけば鳥類がワニ類と系統が似ていることも納得がいく。ここまでくると、鳥類は爬虫類の一種なのかなと考えた。ただ、置換が鳥類は爬虫類に比べて少し多くなっているので、この置換の過程で飛ぶという能力を得たのかなと思った。メダカは独立して置換がとても多いことも分かった。魚類のなかでの系統樹も見て、てみたい。また、ナマコなどの軟体生物の系統樹も見たい。カエルは比較的に置換が起きてないように思えたので、このなかで一番種の起源に近いのは両生類だと考えられると思った。全体的に系統樹を見て思ったのは、データが少ないほど全体的に置換が多く、多くなると置換が少なくなっていた。またデータが少ないほど、特殊な結果が出ていた。これらのことから、やはりデータ量が多いほど正確な平均値が出やすいのかなとも思った。少し疑問に残ったのは系統樹の書き方である。同じ枝分かれの仕方でも、哺乳類が上の方に書かれてたり、爬虫類が上だったりと微妙に変わっていた。これらに意味があるのかまた調べて見たい。
  • どんな実験でも生物は様々な科目と融合して取り組むものが多かったのですが、今回は僕の最も苦手な数学だったので少し不安でした。僕は将来、生物学者になりたいので進化の研究がいかに重要かは知っていました。しかし今回まさか数式を使うとは思っていませんでした。 基本的に加重平均結合法と近隣結合法の2つの方法があり、状況によって使い分けます。この計算法が確立できたのは、日本の生物学のトップと数学のトップが協力して作り上げた努力の結晶なのです。研究は様々な分野が折り重なることで実を結ぶものだということを学びました。

2017年1月7日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 理学研究科6号館403、404号室

  • 当日の講師

    今元 泰 准教授(分子生体情報学)

  • チューター

    馬渕 諒真、西尾 幸実

  • 実習の内容

    1.メダカの走流性のもととなる視運動反応(視覚刺激の方向に向かって動く反射行動)を解析した。
     ・周囲の縞模様を回転させることができる円筒形の水槽を用意した。
     ・メダカを円筒形の水槽に入れ、縞模様を静止したままで15分間メダカの様子を録画した。
     ・縞模様を60°/秒で回転させながら15分間メダカの様子を録画した。
     ・得られた画像データを ImageJ で白黒に二値化し、メダカを黒点であらわした。
     ・wrmtrckで自動的にメダカを追跡し、時間ごとのメダカの位置の直交座標(x, y)を得た。
     ・直交座標を極座標(r, q)に変換し、角速度を算出した。
     ・背景の回転に追随して泳ぐことが数値的にあらわされることを確認した。
    2.分光光度計を使用して、色素タンパク質の吸収スペクトルを測定した。
     ・バクテリオロドプシン(紫色のタンパク質)の吸光度を、700nm~400nmまで10nmおきに計測した。
     ・最も吸光度が大きい波長が550nmであることを確認した。
     ・550nm付近の光の色を観察し、見える色と吸収する光の色が補色になっていることを確認した。

  • 生物学_実習風景視運動反応の実験装置。まわりの縞模様が回転する。
  • 生物学_実習風景分光光度計の使い方を説明。
  • 生物学_実習風景赤ランプのもとで暗室実験

今回の活動を通して学んだこと(抜粋)

  • メダカを円筒形の水槽に入れ、周囲の縞模様を回転させると、それに追随する動きを見せるが、それを数値化して客観的に評価するために、今回はコンピュータを使った。画像データをImageJで処理したあと、wrmtrckで追跡し、移動の角速度に関するグラフを作ると、明らかに縞模様に追随していることがわかった。僕は、はじめ、そのうちメダカは学習して動き続けるのではないかと考えたが、これは反射的な反応で学習する事はないと聞き、納得すると同時にコントロール実験の必要性がわかった。また、この実験は、単にメダカの習性を調べるものではなく、実際は、遺伝子や分子レベルでの変化が、メダカ(特に視覚)にどのような影響を与えているのかを調べるために使われるものであると聞いた。分子レベルのミクロな生物学であっても、その分子などの働きを理解するためには、個体レベルのマクロな生物学も必要であり、大きさの階層を越えて研究していくことが大切なのだとわかった。高校では今年、課題研究があるので、そのときに、動物の行動の客観的な数値化のためにImageJやwrmtrckを利用してみたいと思う。
  • 今回の活動では、実際に大学生や大学院生が使われているソフトを使いこなすということが難しかった。特に、メダカの画像3600コマ分のものを白黒画像にした後、メダカ以外のものを消すという作業はとても時間がかかったし、集中力も必要とした。メダカが泳ぐ時に、周りにしま模様をつけてそれをまわすと、そのしま模様について行くというのは教科書で何度も見たことがあるが、画像解析からメダカの動いた位置を数値化したのは新鮮だった。また、普段Excelをあまり使ったことがなかったが、大体の使い方がわかったので、グラフや散布図を作成する際にも活用していきたいと思った。

2016年12月17日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 理学研究科2号館422号室

  • 当日の講師

    田所 竜介 助教(動物発生学分科)

  • チューター

    工藤 凌、鹿谷 有由希

  • ボランティア

    川地 輝明

  • 実習の内容

    脊椎動物の胚発生を理解するために、トリ胚を題材として胚の観察を行った。生物学において観察が大切であることを参加者に教え、実際に胚操作・解剖そしてスケッチを行ってもらい能動的に胚発生についての理解を深めた。1)トリ胚発生 0日目、1日目、2日目、3日目、4日目、6日目、12日目を観察した。2)体節の形成を観察した。3)血管パターンがどのように変化するかを観察した。デモンストレーションとして蛍光色素を血管にインジェクションし、血管パターンを見てもらった。

  • 生物学_実習風景ハサミを使ってトリの卵に穴を開ける
  • 生物学_実習風景トリ胚を観察するために卵にインクを注入
  • 生物学_実習風景指導風景

今回の活動を通して学んだこと(抜粋)

  • 第四の細胞と呼ばれる、神経堤細胞というものがあることを学んだ。鳥のエンブリオがそれぞれの発生の段階で、どのような形になっているかを学ぶことができた。胚の観察に墨を使うことを学んだ。鳥のエンブリオ観察の手順を実際に楽しく体験し、学ぶことができた。ガラスキャピラリーという器具を初めて見た。鳥胚の周りには、目に見えないような予想外に多くの血管が広がっていること。血管の観察に蛍光塗料を使うこと。鳥胚の体節形成は90分毎でした。
  • 動物分野では初の本格的な実習となった。ニワトリ胚の研究については一次選抜の講義で学んで、それで生物学を選択しようと思ったのだが、改めて自分でやってみて様々な発見があった。2日胚、3日胚、4日胚、6日胚、12日胚とみるみる大きく複雑になっていく様をこの目で見、また解剖できたのはとても稀有な体験だった。ただけがをしていたのもあるが、思ったより難易度が高くて観察用の墨を入れ過ぎて卵を何個か無駄にしてしまった。また体節の数を数えるのも、かなりあいまいな部分が多くて教科書の図のようにはっきりと数えられず、改めて観察の難しさを実感した。

2016年12月3日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 理学研究科2号館

  • 当日の講師

    森本 直記 助教(自然人類学研究室)

  • 実習の内容

    自然人類学において最も重要な課題のひとつである、壊れた化石の修復を体験した。材料として、東北地方で出土した縄文人の頭蓋骨を用いた。CT(コンピュータ断層)装置により得られた3次元データをもとに、全員が同じ材料を用いてコンピュータ上でのバーチャルな修復に取り組んだ。3チームに分かれ作業を行った。修復のために、骨の形態観察、解剖学書を用いた各骨の同定など、各チーム内で役割分担しながら作業を進めた。コンピュータ上での作業の他、実際の縄文人骨や頭蓋骨模型を手に取り観察しヒトの頭蓋骨の構造を学習した。また、古人骨の収蔵庫を見学することで、博物館の意義についても学習した。

  • コンピュータ上に映し出された修復途中の頭蓋骨で作業。
  • コンピュータ上での作業の様子。
  • 修復後の縄文人頭蓋と複眼を立体視。

今回の活動を通して学んだこと(抜粋)

  • 自然人類学とは、生物の一分野であり、ヒトの進化を知ることを目的としている。その方法は化石を復元したり、ヒトに近い現生種をヒトと比較する方法などがある。化石をCTでデジタル化することで、コンピュータ内で復元したり、内部構造のデータを取り出したりすることができる。今回は縄文人の頭の部分の骨を復元した。頭蓋骨はヒトが生まれるとき、頭を小さくすることが出来るように、いくつかの骨が組み合わさってできている。また、頭蓋骨の内側は滑らかになっていると考えていたが、実際には、すじや模様が入っていてこれも復元の手がかりとなった。顎の骨は歯が抜けたまま生活していると、歯が生えていた穴がふさがる。歯がなくなっても生活できていたということから、社会的な扶助関係があったこともわかると聞いて、化石というものだけから生活の様子までわかるということに驚いた。復元する作業の過程で(骨に関する)知識の必要性と、骨の厚さや、模様、特徴的な構造などから推測していくおもしろさを感じた。骨を復元した後は現代人の骨と皮や筋肉のつき方の関係を参考に、顔を復元していくそうだ。復元された縄文人の顔は、えらが張っていて、頬骨が出ていて、おでこが広いなどの特徴があった。僕は縄文人が硬いものを食べていて、よく噛む必要があったということが、これらの特徴があった要因の一つではないかと考えた。化石から非常に多くの様々な情報が分かり、また、復元の過程でヒトの骨について少し詳しくなれたので、有意義な学習だった。
  • 化石は昔のことを知る手がかりになることは理解していたが、せいぜいその当時にどんな種類の生物がいたかを知ることしかできないと思っていた。しかし、今回の講義で、私たちの祖先の骨を見ることで、当時の暮らしが分かったのは驚きだった。特に印象的だったのは、歯の話である。下顎を見るだけで、歯がいつ抜けたのかが分かるだけでなく、その当時にすでに人と人との助け合いがあったことまで分かるのは面白いなと思った。他には、完成した縄文人の顔と現代人の顔を比べた時、エラがしっかりしてたのは、当時は今に比べて食べ物が固かったのかなと思った。もう一つ疑問に思ったのは、バーチャルで復元した人骨の年齢である。老化によって歯が抜けたのかそれとも別の理由なのか気になった。また、今回はバーチャルの便利さにも体験できた。今まで、自然に実際に触れてこそ生物だと思っていたが、バーチャルだからこそできることもあるから、そことうまく付き合っていくことが、今後の研究には必要なのかなと思った。

2016年11月19日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 理学研究科2号館107号室

  • 当日の講師

    長谷 あきら 教授(生物科学専攻 植物生理学分科)

  • チューター

    大西 功人、菊池 美里、櫻井 裕子

  • 実習の内容

    1)スライドを用いた植物の光応答の基本の説明(講義)
    2)スライドを利用した光の基本的性質の説明(講義)
    3)赤・青色混合LED光源のデモ(実験)
    4)分光放射照度計を用いたスペクトル測定(実験)
    5)スライドを用いた植物の光応答の分子機構の説明(講義)
    6)スライドを用いたフィトクロムの説明(講義)
    7)各種植物組織の抽出液処理(実験)
    8)抽出液の回収(実験)
    9)フック解消応答の動画観察(実習)
    10)フック内側、外側の顕微鏡像の解析(実習)
    11)切り紙によるフック解放応答の再現(演習)
    12)光屈性実験のための、試料設営(実験)
    13)植物の環境応答に関する質疑応答、議論(講義・演習)

  • 生物学_実習風景顕微鏡像の解析
  • 生物学_実習風景植物組織抽出液
  • 生物学_実習風景光屈性の実験結果

今回の活動を通して学んだこと(抜粋)

  • 植物が「光を感じる」といえば光合成などが一番に思いつくが、実際はただただ日光を浴びているのではなく、その強さや向きなどを目で見るように判断していることが分かった。植物どうしの生存競争では日陰の個体と日当たりの良い場所の個体では成長の仕方が異なることはよく知られているが、同一個体内でも生存競争が行われていて様々な育ち方があると知って驚いた。また今回はかなりいろいろな実験をしたが、カメラを使った長期実験など高校ではやったことのないものが多かったので、新鮮であったとともに大学でのより詳細な実験への期待が膨らんだ。
  • 今回の実習では、植物が光を感じる仕組みについて学んだ。私は、植物は暗いところでは光合成を行うことができないため、すぐに枯れてしまうのではないかと考えていた。しかし、植物が発芽してすぐの「芽生え」の時期は、親から栄養をたくさんもらっているため暗い中でもずいぶん長い間生きることが出来るということを知った。また明るいところでは葉っぱを早く広げ始めるが、暗いところでは、茎を伸ばそうとするなど植物の機能を改めて素晴らしいと感じた。植物間の生存競争は身の回りでも観察出来るのではないかと考えたので、観察したいと思う。

2016年11月5日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 理学研究科2号館314号室

  • 当日の講師

    伊藤 照悟 助教(植物学教室 形態統御学分科)
    小山 時隆 准教授(植物学教室 形態統御学分科)

  • チューター

    磯田 珠奈子、中澤 詩風

  • 実習の内容

    種子植物の単子葉類に属するサトイモ科のウキクサ植物の形態を観察することで、分裂組織からフロンド原基が分化成長してくる様子を理解する。発芽時(胚発生時)に決定すると考えられる、分裂組織の右・左ききを観察するとともに、花成シグナルを感知した場合に主・副メリステム領域のどちらから花芽が発生してくるのか観察して理解を深める。遺伝子発現変動ををリアルタイムで非侵襲的にモニターすることの出来るルシフェラーゼレポーターについて理解し、肉眼でその生物発光を観察する。

  • 生物学_実習風景実習内容についてのイントロを説明
  • 生物学_実習風景ウキクサ植物を解剖し、分裂組織から葉原基花芽原基が発生してくるところを観察
  • 生物学_実習風景ウキクサ植物を解剖し、分裂組織から葉原基花芽原基が発生してくるところを観察

今回の活動を通して学んだこと(抜粋)

  • 生物学の中に時間生物学という学問があることにとても驚きました。僕は植物より動物の方に関心が強く、ましてやウキクサのように小さくて目立った特徴のないものに興味がありませんでしたが、実験を通して顕微鏡使ったりしながらこんな小さな生物でも生きるためにさまざまな工夫をしているのだと分かり、生命の神秘を感じました。それだけでなくウキクサにまつわる様々な用語をたくさん知ることができ、顕微鏡でしか見ることのできない世界最小の花やここでしか見ることのできない光るウキクサ、そしてまだ名前のついていないウキクサに自分で和名をつけたりすることにとても興奮しました。生物はどんなものにでも規則があり、それに従って成長していることが分かりました。 
  • 今回は水田などでよく見かけるウキクサの観察を行った。京都大学でしか見ることのできない発光するウキクサや世界一小さい花を顕微鏡で観察した。実際の研究室は思ったよりも整理整頓されているというよりは、まさに今研究を行っていることを強く感じる部屋だった(本などが多く積まれていたり黒板に難しいことが書かれていたりするところ)。実際のところ、ウキクサを利用する方法などはないと思っていたが、工業廃水を浄化したり将来の新たな資源となるバイオエタノールとして利用する多種多様な分野に利用できると分かった。時間生物学という分野も聞いたことがなかったが、人の行動パターンを明らかにすることで、薬の投与の時間の参考にする分野で生物の分野は幅が広いと感じた。

[基盤コース後期]宇宙地球

2017年2月4日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 理学研究科1号館466号室

  • 当日の講師

    河上 哲生 准教授(地球惑星科学専攻 地質学鉱物学分野)

  • チューター

    門田 康弘

  • 実習の内容

    成果発表会に向けて、発表用パワーポイントスライドの作成指導を行った。はじめの20分程度で発表会の概要説明とパワーポイントを使ったプレゼンテーションのコツを説明し、残りの時間を2班に分かれての発表テーマ決定、構成の議論、実際のファイル作成に充てた。

  • 宇宙地球_実習風景2班に分かれての、パワーポイントスライド作成実習風景
  • 宇宙地球_実習風景
  • 宇宙地球_実習風景

今回の活動を通して学んだこと(抜粋)

  • これまでの実習のまとめをして共通点が見つかったのが興味深かった。例えば、3回目の活動で学んだ回折が6回目の活動の鉱物の分野で用いられており、後半の地球分野の3回は地球の様子を見る点で似ていた。これらを考察することで全体としての振り返りができ、内容の理解をより深めることができた。また、プレゼンテーションの詳しいノウハウを教えてくださったため、高校の活動発表にも生かすことができるという点においても有意義な活動だった。パワーポイントは、伝えたい内容を12分で発表できるように絞り込み、聞き手に分かりやすいようにかみ砕きながら作成し始めた。しかし、取捨選択は予想以上に難しく作成は難航すると思われる。ただ、学んだことを発表できるという素晴らしい機会が折角与えられているので存分に楽しむつもりだ。
  • まず、どれだけの実習内容を発表に取り入れるかで非常に悩んだ。そして、宇宙地球の中でも地球の分野に絞って発表することに決まった。パワーポイントの作成はまだまだで、次の活動で完璧に仕上げたい。

2017年1月21日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 理学研究科1号館466号室、062号室、063号室

  • 当日の講師

    三宅 亮 准教授(地球惑星科学地質学鉱物学分野)

  • チューター

    北山 晃、伊神 洋平

  • 実習の内容

    イリデッセンス(屈折率の異なる2相の薄膜干渉による構造色)を示す長石の一種であるラブラドライトを、集束イオンビーム加工装置により試料加工し、透過型電子顕微鏡にて観察した。
     はじめに、講義形式で長石および電子顕微鏡の原理を紹介するとともに、イリデッセンスを示す長石としてラブラドライトを手に取って見てもらい、その後、担当教員のサポートのもと、実際に電子顕微鏡を用いてラブラドライトの観察を以下のとおり実施した。

    ・まず、ラブラドライトの表面を偏光顕微鏡で観察した。
    ・集束イオンビーム加工装置を用いて、透過型電子顕微鏡観察用の試料作製を行った(観察したい領域を削り出し試料のピックアップを行った)。
    ・最後に、実際に加工したラブラドライト試料を、透過型電子顕微鏡にセットし、電子回折図形の取得や組織観察をおこなった。
    ・観察結果(化学組成の異なる2相の薄膜が交互に並んでいる様子)を踏まえて、ラブラドライトのイリデッセンスについて考察してもらい、解説を行った。

  • 宇宙地球_実習風景講義の様子
  • 宇宙地球_実習風景集束イオンビームを用いた透過型電子顕微鏡試料の作製
  • 宇宙地球_実習風景透過型電子顕微鏡による長石試料の観察

今回の活動を通して学んだこと(抜粋)

  • 鉱物の基礎を学んだ後、長石の一種であるラブラドライトを透過型電子顕微鏡を用いて観察した。ラブラドライトは干渉して青く見える鉱物であり、この干渉がどのようにして生じるのかを調べるのがこの観察の目的である。透過型電子顕微鏡(TEM)のピント合わせなどの基本操作を学び、実際に試料を観察して細かい縞状の模様を見た。さらに試料の傾きを調整して電子線回折像を作った。回折像は長方形の格子状に点が並んだものであった。また、鉱物の元素組成を調べその情報を2次元にマッピングすることで、元素の分布が僅かに縞状になっていることを確認した。これが、試料に見えた縞状の模様と対応しているという。これは電子線を照射したときに発生するX線のエネルギーが異なることを応用している。そして、試料作りの一部の作業も実際に行うことができた。走査型電子顕微鏡(SEM)で見ながら、鉱物からマイクロメートル単位の試料を針で取り出し、白金の蒸気を吹きかけて観察するための小さな台に台に固定した。マイクロメートル単位の操作を初心者でも難なくできるような現代の技術に感動した。ラブラドライトの青色は多重膜干渉の原理で説明できることや、この現象を構造色ということを学んだ。また、ラブラドライトには低温で不混和領域があり、ナトリウムとカルシウムが分離することから、層状の構造ができるそうである。
  • 鉱物の構造を調べるために電子顕微鏡は必要ないだろうと思っていたが、結晶の構造と原子の並び方に深い関係があることを知り、実際に実習で確かめることが出来た。試料作成の一部は、試料をうっかり壊してしまわないように慎重に装置を動かさねばならず、神経を使った。試料を電子顕微鏡で覗く時には、フォーカスがきっちり合うように何度もピントを合わせねばならず、根気の要る実験だった。

2017年1月7日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 理学研究科1号館462号室

  • 当日の講師

    風間 卓仁 助教(地球惑星科学専攻)

  • チューター

    石井 杏佳、栗原 剛志

  • 実習の内容

    本実習では、まず最初に測地学に関する本「地球が丸いってほんとうですか?」の感想を話し合い、地球の形やその時間変化を把握するのに測地学が有効であることを確認した。次に、重力観測実習にあたり、重力加速度や微分といった事前知識について学んだ。その後、可搬型相対重力計を用いて理学部1号館の各階における重力値を測定した。講義室に戻って今回の測定結果を解析した結果、理論計算によって予想される各階間の重力差よりも、測定された各階間の重力差のほうが小さいことが分かった。理論値と測定値のずれについて考察したところ、建物の万有引力の影響が無視できないことが指摘された。最後に、地上や上空からさまざまな方法で重力測定を行うことで、地震時地殻変動・火山活動・氷床融解・地下水流動といった質量分布時空間変化を把握でき、地球表層およびその近傍の物理現象ダイナミクスを理解できることを知った。

  • 宇宙地球_実習風景理学部1号館における相対重力測定
  • 宇宙地球_実習風景相対重力測定の解析結果
  • 宇宙地球_実習風景重力測定データの解析

今回の活動を通して学んだこと(抜粋)

  • 相対重力計を用いて建物の階ごとの重力を測定し、重力鉛直勾配を求め、それが理論的に求められる値より小さいのはなぜかを考察した。相対重力計の使い方を学ぶことができた。重力計の目盛りの読み方が難しかった。しかし、自分の測定を再現できるように、毎回同じように測定することが重要であるとわかった。その後の考察では、建物が建物内で重力を及ぼしているため、重力勾配が理論値より小さくなったと考えた。実際に、建物がどの程度、寄与しているのか計算できたらしてみたいと思った。重力観測が火山や地震、氷河など地球科学の様々な分野で応用されていることも学んだ。
  • 微分などまだ習ってない事柄が使われた大学生レベルの活動だったので、非常に難しかったですが風間先生のおかげで大部分を理解することができよかったです。重力測定は一見地味で大変なものでしたが、その仕組みはとても興味深く装置を使えて楽しかったです。そして、この活動で最もおもしろかったのは実際に重力測定を行うことで周辺の物質の影響を実感できることでした。質量を持つものが引力を持つことは知っていたのですが微々たるものだと思っていたので、測定値が理論値と違う理由が頭上の建物だとは考えていなかったので貴重な体験ができました。また、光では見えづらい地下のマグマや海洋の動きを重力で見られるという応用もおもしろかったです。

2016年12月17日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 理学研究科1号館462号室

  • 当日の講師

    風間 卓仁 助教(地球惑星科学専攻)

  • チューター

    石井 杏佳、関 淳平

  • 実習の内容

    本実習では、まず最初に地球物理学や測地学について理解を深め、測地学を通して地球を観測することの重要性を認識した。次に、屋外でGPS受信機を携帯しながら吉田キャンパス北部構内を歩き、1秒ごとにGPS衛星から来る信号を受信した。その後、収録したデータを部屋に持ち帰って測位解析することで、自分たちの歩いた軌跡が得られることを確認した。最後に、GPSを用いて地球のさまざまな物理現象を観測することで、地球表層およびその近傍の物理現象ダイナミクスを理解できることを知った。

  • 宇宙地球_実習風景キャンパス内におけるGPS移動観測
  • 宇宙地球_実習風景理学部1号館屋上におけるGPS固定観測
  • 宇宙地球_実習風景GPSデータ解析

今回の活動を通して学んだこと(抜粋)

  • 測地学というものの定義から教わることができ、幅広い研究内容に興味がわいた。大学の構内で何ヶ所でも観測を行うのがはじめは不思議に思っていたが、高い建物に囲まれていたことが原因だと分かって納得できた。実習後半はGPSが何に活用されているかの説明を受け、その中でもGPS波浪計が印象に残った。東日本大震災の時の津波警報の更新に使われたというのはすごいことだと思った。
  • 地球物理学という分野にはあまり馴染みが無かったが、今回の実習で大きく関心が持てた。一番驚いたのはGNSSを用いた測量で地球上で起こる諸現象のメカニズムが物理的に解き明かせるということで、火山の噴火を予測したり地震時の地殻変動が分かるだけでなく、天気予報や積雪量までもが分かるという応用範囲の広さにびっくりした。今回の実習では地球物理学の中の一分野である測地学についての実習で、京大構内を歩き回ってGPSでの測量を行い、取得したデータの解析と解釈を体験した。実習では受信側の位置をGPS衛星から得る単独測位と、既知点に対する相対的な座標を決める相対測位を行ったが、解析してみると2つのデータに大きなズレがあり、また単独測位ではまともにデータが得られていない点もあったりした。カーナビにも利用されている単独測位にも、建物が多い場所や森の中、地下では性能を発揮できないという弱点がある理由が分かった。またデータの誤差についての説明もして下さり、性質の違う2種類の誤差があることを学んだ。

2016年12月3日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 理学研究科4号館504号室

  • 当日の講師

    岩室 史英 准教授(宇宙物理学教室)

  • チューター

    和田 一馬

  • 実習の内容

    レーザー光源とレンズなどの光学機器を利用し、光の性質に関する以下の実験と、それに関連した観測天文学に関する話題の講義を行った。
    実験内容
    1. レンズの性質と焦点距離の確認
    2. 回折現象の実験
    3. 光の干渉の実験
    4. 干渉計の組み立て
    詳細は以下参照
    http://www.kusastro.kyoto-u.ac.jp/~iwamuro/LECTURE/ELCAS/index.html

  • 宇宙地球_実習風景レンズの性質を確認
  • 宇宙地球_実習風景平行光線の調整
  • 宇宙地球_実習風景実験結果を解説

今回の活動を通して学んだこと(抜粋)

  • 今回の講義は、後期の中で最も難しい内容だったと感じました。それにもかかわらず、ただ分からなかったと終わるのではなく、楽しかったなと終われるのがELCASの良さだと思いました。そのような中で最も興味を持ったのは回折についてでした。ELCASの講義で度々出てくるスペクトルの詳しい仕組みが分かった時には少し感動を覚えました。また、光の性質は天文学の観測において分かっていなければならないことだと痛感したので、さらに深く知りたいと思われました。
  • 光学の実験を行い、光の屈折やレンズの公式、回折、干渉などについて学んだ。様々な種類の干渉計があり、様々な用途で活用されていることを知った。例えば、恒星からの光を干渉させると、一つだけの望遠鏡ではわからない恒星の大きさが分かる。また、フィゾー干渉計は、平であることがすでにわかっている参照面とサンプルの鏡のそれぞれで反射した光を干渉させ、サンプルの鏡の歪みを測定できるというものである。マイケルソン干渉計は光を2方向に分割して干渉させるものであり、重力波望遠鏡にも応用されている。

2016年11月19日

  • 実施場所

    理学研究科附属花山天文台

  • 当日の講師

    野上 大作 准教授(宇宙物理学教室)
    石井 貴子 研究員(附属天文台)

  • チューター

    鄭 祥子

  • 実習の内容

    花山天文台の施設見学と太陽自転速度の測定を行った。70cmシーロスタット望遠鏡、18cm屈折望遠鏡、歴史館、45cm屈折望遠鏡の見学を行った。シーロスタット望遠鏡による分光観測も行う予定であったが、曇りのため観測は行えなかったため、今年の9月に他の高校生が取得したデータを用いて、測定を行った。同じデータを用いて各自で測定を行い、結果を比較することにより、測定誤差についても議論した。また、撮像データからも黒点やフィラメントの移動から自転周期を求めることができる点を、飛騨天文台SMART望遠鏡のデータをもとに確認した。

  • 宇宙地球_実習風景シーロスタット望遠鏡の動きを確認
  • 宇宙地球_実習風景18cm屈折望遠鏡の見学
  • 宇宙地球_実習風景各自の測定結果のまとめ

今回の活動を通して学んだこと(抜粋)

  • 実際に天文台に行くことができたのが何よりも嬉しかった。今回の活動で1番学んだと思うのは、ドップラー効果についてだ。基盤コース前期の講演で系外惑星の観測方法の1つにドップラー効果の利用が挙げられていたため、やや意外な関連性に興味が湧いた。太陽の自転速度を計算するのに私は黒点の位置を追うことしか考え付かなかったので、太陽の端の光のスペクトルのグラフを、太陽が止まっているとした時の値を基準値として比較するというのに始めは戸惑ったが、太陽の西端と東端で2回計算をしている内に理解できた。また、有効数字の取り方や手作業の部分でかなり求めた値に差が出るということが分かった。 
  • 実際に望遠鏡を手動で動かしてみることで、昔の研究者達の研究の大変さを知ることが出来た。太陽の観測は天気の都合で出来ず残念だったが、蛍光灯や白熱電球からの光を回折格子に当てて分光することで、輝線やスペクトルを見ることが出来た。太陽の西端と東端の光の波長のズレを調べ、ドップラー効果の式を利用することで、太陽の自転周期を計算することが出来た。

2016年11月5日

  • 実施場所

    吉田キャンパス 理学研究科4号館504号室

  • 当日の講師

    長田 哲也 教授(宇宙物理学教室)

  • チューター

    長友 峻、善光 哲哉

  • 実習の内容

    最初に宇宙物理学教室屋上にある望遠鏡の見学をした。ファインダーで昼間の三日月を見てみた。次に可視光が電磁波の一種であること、さまざまな電磁波を観測して宇宙の研究が進んでいること、光が波と粒子の二重性を示すことを聞いた後、発光ダイオードに関する英語の解説を読んだ。続いて、ブレッドボードに抵抗と電池と発光ダイオードをつないで発光ダイオードを光らせてみた。発光ダイオードは5種類あり、どの色の光を発するかを実際に見てから抵抗の電圧とダイオードの電圧を測定し、各色の発光ダイオードで電圧が異なることを確認した。さらに抵抗を変えた場合の電圧を測定してその違いについて考察した。複数の発光ダイオードを並列につないだり、5種類のダイオードの中で唯一光っているように見えなかったものを携帯のカメラで撮影し、実は赤外線で光っていることを確認した。最後に受講生から天文学に対する質問を出して、それについて教員が1つずつ答えていった。

  • 宇宙地球_実習風景宇宙物理学教室屋上の望遠鏡をのぞく受講生
  • 宇宙地球_実習風景最初にスライドで今日の星空についての解説を聞く
  • 宇宙地球_実習風景電子回路での測定の結果をそれぞれ発表し、白板にまとめていく

今回の活動を通して学んだこと(抜粋)

  • 初めて望遠鏡のドームに入った。マルチメータやブレッドボードの使い方を教えていただいて、LEDの電子回路の抵抗や電圧などの様々な量を測定した。電子回路を色々と組み変えて調べた結果をもとに、LEDの性質を考えた。LEDと光電効果は逆の関係にあるということを学んだ。LEDの電圧は色によって異なり波長の長いものは低く、波長の短いものは高いという傾向が実験結果から読み取れた。しかし、緑色と青色に関しては緑色の方が電圧が高いという結果になった。緑色のLEDは発光するのに必要な電圧以上に電圧を降下させ、余分な電圧を捨てているというような説明があったが、それは熱の形で出されているのだろうかと思った。実験ノートを整理して書くのが難しかった。自分の考えや実験の内容、結果をうまくまとめられるようにしたい。 
  • 小、中学校とかでは、実験するときに先生の指示を聞いたり、プリントに書いてあることを見たりしてそれ通りに実験していたけど、今回は自分の好きなように、自分が知りたいことを実験して、メモをして、考えたので、とても面白かった。自分で考えることはとても大切だと思った。

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平成28年度 実施レポート

年度別の実施レポート