京都大学ELCAS(エルキャス)

実施レポート

[基盤コース後期]合成化学・生物化学

2017年2月4日

  • 実施場所

    桂キャンパス A4棟3階ラウンジ

  • 当日の講師

    松田 建児 教授(合成・生物化学専攻 物理有機化学分野)

  • チューター

    前田 尚生、久保 拓夢、守田 直樹

  • 実習の内容

    ・前回の実習(松田研担当分2回目)のグループ分けを踏襲して6名の受講生をA、Bのグループに分けた。
    ・各自松田研で前回行った紫外可視吸収スペクトルのデータをエクセルを使ってグラフ化した。
    ・各グループごとに、杉野目研、跡見研、松田研の実習のどの部分を担当するか決めた。全部をカバーする必要がないことを説明し、希望を優先して担当を決めた。
    ・これまでの実習時の資料、データおよび写真をもとにパワーポイントスライドと発表原稿を作成した。
    ・3つのパートをつなげて一度通して練習した。

  • 合成化学・生物化学_実習風景スライド作成の様子
  • 合成化学・生物化学_実習風景発表練習の様子

今回の活動を通して学んだこと(抜粋)

  • 今日はもっぱらパソコンで今までの実習を発表内容にまとめました。分かり易いパワーポイントを作れるよう心がけましたが、なかなか難しかったです。また、たくさん話したいことがあって、簡潔にまとめるのが大変でした。いろいろ見落としていたことを改めて再確認する事が出来ました。最後の通し練習では、私一人で7分も話してしまって、12分以内に4人とも話し終えられるのかとても心配ですが、18日までにしっかり練習して悔いのない本番にしたいと思います。
  • 今回は発表準備ということで、パワーポイントを(人数的な問題があったことから)1人4,5枚作ることになりました。自分はelcasの中で一番最後の実習であった機能性色素の物性測定についてのスライドを作成しました。作成していて思ったことは、文章を読んで理解した気になっていても、それはきちんと理解できておらず、それを他人に分かりやすく説明するとなると、いっそう難しく感じました。ですが、これを機に深く理解できたように思います。

2017年1月21日

  • 実施場所

    桂キャンパス A4-321

  • 当日の講師

    東口 顕士 助教(工学研究科合成・生物化学専攻物理有機化学分野)

  • チューター

    阪口 彬、四辻 肇、久保 拓夢

  • 実習の内容

    今回は、(i) 再結晶による精製、(ii) NMRによる分析、(iii) 光異性化反応による着色の吸収スペクトル分析を行い、(iv)データまとめ(チューターが)も行った。 
     (i) 再結晶による精製により、純度>95%の目的化合物を得て、今回の実験目的であるNMRや光着色反応の測定を行えるようにした。まず前回の終了時、目的化合物(1,2-ビス(2-メチル-5-(4-メトキシフェニル)-3-チエニル)ペルフルオロシクロペンテン)のジクロロメタン溶液を放置しておいた。2週間経過により、今回の開始時には自然蒸発により乾固しており、薄片状結晶が析出していた。不純物をヘキサンで洗浄し、吸引濾過により濾別、収量・収率を求めた。 
     (ii) NMRの差異を分析することで、前回の有機合成反応が進行していることを確認した。NMRの測定は目的化合物だけでなく、原料化合物(1,2-ビス(2-メチル-5-ヨード-3-チエニル)ペルフルオロシクロペンテン)の測定も同時に行った。これらを比較し、シグナルの増分や化学シフトの変化、積分比により、それぞれの化合物を同定し、反応進行を確認した。
     (iii-a) TLCでも反応進行の確認を行った。原料化合物および精製済みの目的化合物を並べてTLC上に吸着させ、ヘキサンで展開し、ハンドランプ(低圧水銀ランプ)で紫外光 (254 nm) を照射し観察することで、それぞれ異なる展開速度Rfにスポットが形成されること、および異なる色調(それぞれ赤、青)に着色することを確認した。また事前に紫外光照射してからTLCを展開し再度紫外光照射すると、着色スポットがそれぞれに2つ現れることを確認し、無色体・着色体は互いに物性の異なる異性体であることを確認した。
     (iii-b) 光照射に伴う吸収スペクトル変化を測定することで、これらの化合物が着色・退色を可逆的に示すこと、およびそれぞれの化合物で異なる吸収極大波長を示すことを確認した。それぞれのヘキサン溶液を石英セルに入れ、紫外光 (313, 365 nm) を高圧水銀ランプ(色ガラスフィルターUV-29, UV-D33、モノクロメータ)で照射すると、溶液が着色した。適当な照射時間ごとに吸収スペクトルを測定することで時間変化を追跡した。続いて可視光(モノクロメータ 546 nm、または色ガラスフィルターUV-29, Y-45での>450 nm)を照射することで、溶液が完全に退色し元の無色に戻ることを確認した。吸収極大波長が、原料化合物と目的化合物とで異なる波長に現れることを確認し、分子のπ共役構造との関連、ならびに肉眼で認識される色調との関係について説明した。
     (iv) 今回の測定結果について、チューターがデータをPCでまとめ(光着色の写真、スペクトルデータなど)、次回の発表資料作成への準備とした。

  • 合成化学_実習風景合成した化合物を高純度にするための再結晶
  • 合成化学_実習風景核磁気共鳴装置による化合物の同定
  • 合成化学_実習風景色と分子構造についての解説

今回の活動を通して学んだこと(抜粋)

  • 今回の活動ではNMRやTLC等、今までに行った実験の総まとめ。そう感じる内容で、だんだんELCASが終了に近づいているように思いました。ですが、それだけでなく新たな操作もあり、次回はいよいよこの実習の総まとめに入る上、合宿に向けての用意が始まるので、今回行った内容について詳しく調べる必要があると感じました。
  • 今回は、最初前回生成した物質に含まれる不純物をろ過し、それから元の原料と生成物をNMRにかけ、ちゃんと予想通りの構造となっているか確認しました。次に、原料と生成物はそれぞれ紫外線にあてると、開環だったのが閉環になり、無色から有色へと変化するので、ちゃんとこの通りになるかをTLCで確認し、最後は吸収スペクトルはどう変化するのかということを見て、終わりました。NMRは以前1つ目の研究室のときにやったことがあったので、要領はなんとなくわかってはいましたが、グラフの読み方だったり、構造の決定だったりということは全く理解できていなかったので、それらのことが知れたのはとてもうれしかったです。また、TLCに関しても、今回が3回目くらいだったので、手馴れた感じで出来るようになった自分に成長を感じていました。吸収スペクトルの実験では、エネルギー準位の話だったりが関連してくるものだったので、自分には難しい部分はありましたが、自分の知ってる知識でも、何とか理解できるものだったので、よかったです。今回はやることが盛りだくさんで、終わった頃にはヘトヘトになりましたが、それくらい1日研究できたのはとてもうれしかったです。3つ目の研究室でしたが、不慣れな部分も多く、学生さんや教授にたくさん迷惑をかけてしまいました。でも、そんな私たちを明るくサポートしていただき、本当ににありがとうございました。

2017年1月7日

  • 実施場所

    桂キャンパス A-4棟 320号室

  • 当日の講師

    松田 建児 教授(工学研究科合成・生物化学専攻物理有機化学分野)
    廣瀬 崇至 助教(工学研究科合成・生物化学専攻物理有機化学分野)

  • チューター

    野口 拡、島田 信哉、溝川 翼

  • 実習の内容

       ・ フォトクロミック分子(ジアリールエテン誘導体)の有機合成(鈴木カップリング反応)
       ・ 薄層クロマトグラフィー(TLC)を用いた反応進度のモニタリング
       ・ ロータリーエバポレーターを用いた溶液の濃縮
       ・ 化合物の精製操作(抽出およびシリカゲルクロマトグラフィー)

  • 合成化学_実習風景分液ろう斗を用いた抽出精製
  • 合成化学_実習風景鈴木カップリング反応に関する説明
  • 合成化学_実習風景中圧カラムクロマトグラフィーを用いた精製

今回の活動を通して学んだこと(抜粋)

  • 鈴木ー宮浦クロスカップリングの反応機構(フロンティア軌道論) 普段の勉強で、どうしても有機金属触媒が理解できていなかったので、今回有機金属化学を勉強するきっかけになった。HOMOやLUMO、SOMOなどをよく理解しないまま有機化学を学んでいたので、数か月かけて軌道を勉強しようと思う。今まではC-C結合を作る反応はgrignard試薬を使う反応やwittig反応、アルドール縮合など限られた反応しか知らなかったので、知っている知識の幅が広がって嬉しい。いろいろな実験のコツ 普段することのない反応を仕込んだので、経験になった。実験は経験値がすべてだと思うので、普段しないことができるのは嬉しい。
  • 今回はジアリールエテンといる赤色の物質を4-メトキシフェニルボロン酸という物質と塩基性下でパラジウムを触媒としてカップリングさせ、青色の物質をつくるという、鈴木カップリング反応を利用した実験を行いました。私自身「鈴木カップリング反応」というものを知らなくて、最初説明されたときも、あんまりわからなかったのですが、助教授の方が親身に説明してくださったことで、しっかり理解することができました。また、今回は3つ目の研究室ということもあり、段々慣れてきたので、はかりで重さを量ったり、実験ノートを書くのはもちろん、TLCなどの作業もすぐにこなせるようになったことはこのELCASに参加したことの中で大きな成果の一つだなと少し感動していました。ただ、成長するとともに、1回1回の緊張感がなくなってきたこともあり、少し物質を入れすぎてしまったり、エーテルを少しこぼしてしまったりしたのは、次回反省すべき点だと感じました。実験結果は収率71%と修士の方が事前にやったときの数値より、よい数字がでてうれしかったのですが、NMRとかで次回しっかり解析していくので、どうなっているのか楽しみです。

2016年12月17日

  • 実施場所

    桂キャンパス A4棟214号室

  • 当日の講師

    跡見 晴幸 教授(工学研究科合成・生物化学専攻生物化学工学分野 )
    金井 保 講師(工学研究科合成・生物化学専攻生物化学工学分野 )
    佐藤 喬章 助教(工学研究科合成・生物化学専攻生物化学工学分野 )

  • チューター

    下坂 天洋

  • ボランティア

    藤澤 智子

  • 実習の内容

    (背景説明)
    ①DNAの構造と機能に関する講義
    ②DNA polymeraseの機能と役割に関する講義
    ③Polymerase Chain Reactionの原理に関する講義
    ④実習の説明
    (実験)
    ○予め用意された(i)Thermococcus kodakarensis由来ゲノムDNA、(ii)耐熱性DNA polymerase、(iii)dNTP類、(iv)DNA伸長反応に必要な他成分、を混合し、溶液を調製する。
    ○使用可能なプライマーから適切な組み合わせを検討し、前項で調製した溶液に添加する。
    ○Thermococcus kodakarensis由来ゲノムDNAの代わりに大腸菌のコロニーから一部の菌体を摂取し、PCRの鋳型とする。上記と同様にPCR反応に必要な成分を加える。
    ○PCR反応を行う。
    ○PCR反応産物解析に使用するアガロースゲルを調製する。
    ○PCR反応により得られるDNA断片の長さを予想し、使用したプライマーとの関係を考察する。
    ○PCR反応産物をアガロース電気泳動する。
    ○泳動後のゲルを撮影し、その結果から得られたDNA断片の長さを算出する。
    (実験後考察および討論)
    ①DNA断片の長さと泳動距離との関係について
    ②泳動結果に基づいてプライマーの位置関係を明らかにする
    ③PCR法の利用方法 について解説した。

  • 合成化学・生物化学_実習風景PCR反応溶液を調製している様子
  • 合成化学・生物化学_実習風景電気泳動用アガロースゲルにサンプルをアプライしている様子

今回の活動を通して学んだこと(抜粋)

  • 今回は前回よりも少し複雑な実験を扱いました。PCRは去年一度やったことがあって、なんとかなるだろうと思っていましたが、結果が全然でなくて残念でした。試薬や酵素、プライマーなど、いれる手順が多かったので、ところどころ入れ忘れや、量を間違えたりしたのかもしれません。ちゃんと投入確認もしていたのですが、やはりどこかで液量が間違っていた可能性がありました。家で写真を確認したら、視認できる程度にまで液面の高さが違っていたので、もっと早く気付けばよかったと思いました。思う結果は出ませんでしたが、また一つ学びがあってよかったです。これからの実験では、同じ動作だからと言っておろそかにせず一歩一歩もっと着実に、正確に進めたいです。ちょっと焦りすぎました。
  • 今回は前回に引き続いて同じ題材の元の実験でしたが、前回に比べ扱う薬品や機器がとても難しくなっていたように思います。それにともなってか、今なんの薬品を混ぜているのかということや、実験道具の扱いが難しいため一時も気を抜くことができませんでした。以上のことから今回では主に実験には速さと、正確さ、それに加え、多くの知識が必要だと再認識しました。

2016年12月3日

  • 実施場所

    桂キャンパス A4棟214号室

  • 当日の講師

    跡見 晴幸 教授(工学研究科合成・生物化学専攻生物化学工学分野 )
    金井 保 講師(工学研究科合成・生物化学専攻生物化学工学分野 )
    佐藤 喬章 助教(工学研究科合成・生物化学専攻生物化学工学分野 )

  • チューター

    下坂 天洋

  • ボランティア

    藤永 匠平、Mehwish Aslam

  • 実習の内容

    (背景説明)
    ①極限環境微生物に関する講義
    ②実習の説明
    ③実習:超好熱菌由来酵素(タンパク質)の熱安定性の評価
    (準備実験)
    ○ピペットマンの操作方法、微量溶液の混合方法等の練習。
    ○超好熱性アーキアPyrobaculum calidifontisの菌体破砕。
    ○牛肝臓由来カタラーゼの秤量と水溶液作製
    ○超好熱性アーキアPyrobaculum calidifontisの無細胞抽出液を含む水溶液の調整
    (実験)
    ○ヒートブロックを用いて卵の白身を加熱し、タンパク質の変性・凝集を観察する。
    ○牛肝臓由来カタラーゼを含む水溶液を室温で5分間放置し、その後に希釈された過酸化水素水を加え、酸素の発生を観察する(発生する)。
    ○牛肝臓由来カタラーゼを含む水溶液を90℃、5分間加熱し、その後に希釈された過酸化水素水を加え、酸素の発生の有無を観察する(発生しない)。
    ○Pyrobaculum calidifontisの無細胞抽出液を含む水溶液を室温で5分間放置し、その後に希釈された過酸化水素水を加え、酸素の発生を観察する(わずかに発生する)。
    ○Pyrobaculum calidifontisの無細胞抽出液を含む水溶液を90℃、5分間放置し、その後に希釈された過酸化水素水を加え、酸素の発生を観察する(発生する、また室温放置サンプルよりも多く発生する)。
    ○Pyrobaculum calidifontisの無細胞抽出液を含む水溶液を90℃、30〜50分間放置し、その後に希釈された過酸化水素水を加え、酸素の発生を観察する(上記と同程度発生する)。
    (実験後考察および討論)
    ①アミノ酸、タンパク質の構造
    ②タンパク質の折りたたみ状態と変性状態
    ③タンパク質の熱安定性に影響を与える因子 について解説した。

  • 合成化学・生物化学_実習風景カタラーゼ水溶液を調製
  • 合成化学・生物化学_実習風景カタラーゼ水溶液を加熱

今回の活動を通して学んだこと(抜粋)

  • 地球上では、高温に生息する微生物、低温に生息する微生物、pH=12やpH=2の環境に生息する微生物など多種多様な微生物がいる。その中で超好熱菌とは、一般に80℃以上の温度を好んで生育する微生物の総称である。超好熱菌は生物のルーツにあたるもので、過去の地球の環境が過酷であったことを示している。好熱菌は英語で、thermophileといい、phileが「好」を意味している。卵白を加熱すると白く変性する事は有名だ。それは、加熱されることによって、疎水部分が内部に親水部分が外部にある状態から、ほどかれてひも状のようになる。すると、疎水基がひも状になった別の蛋白質の疎水基とひっついて凝集し安定する。これが、卵白の加熱の反応が不可逆反応であることの理由だ。身近にある現象について詳しく知ることが出来、興味が一層深まった。
  • 今回、好熱菌というものにフォーカスして様々なお話、また実験をさせていただきました。私自身、好熱菌というものには、あまり馴染みはなくて、熱を加えても活性がある酵素とくらいしか思っていませんでしたが、実は生物の源流にあるかもしれないときき、本当に驚きました。私たち人間は、大腸菌だったり酵母菌だったり、室温でまたpHも7.0くらいで生きている生物を最初に発見したので、それらが勝手に生物の祖だと思い込んでいましたが、この状況自体、普通の状態なのかもわからないし、極限状態に住んでいる生物たちの方が、生物界で見たらメジャーだったりすることも大いに有り得ることは、当たり前といえば当たり前なのですが、そういうことに気づけることが研究をしていく上で、私がもっと身につけていかなければならない力だと感じました。実験は非常にシンプルで、様々な種類のカタラーゼを、室温にさらしたり、90度に温めたりしてから、過酸化水素を加え、酸素が発生するかどうかを見ました。結果は予想通り、牛の肝臓のカタラーゼは失活しましたが、好熱菌は全然酸素を発生させていました。次回はPCRとかをするとおっしゃっていたのですごく楽しみです。

2016年11月19日

  • 実施場所

    桂キャンパス A4棟3階ラウンジ、A4-301号室

  • 当日の講師

    杉野目 道紀 教授(工学研究科合成・生物化学専攻有機設計学分野)
    大村 智通 准教授(工学研究科合成・生物化学専攻有機設計学分野)
    長田 裕也 助教(工学研究科合成・生物化学専攻有機設計学分野)
    山本 武司 助教(工学研究科合成・生物化学専攻有機設計学分野)

  • チューター

    良永 裕佳子、佐々木 郁男、杉原 弘亮

  • 実習の内容

    「らせん高分子を触媒として用いる不斉反応(II)」を実施した。まず講義を行い、核磁気共鳴装置を用いた分子構造解析ならびにクロマトグラフによる鏡像異性体の分割に関する基礎的知識を理解させるとともに、実験の概要を説明した。次に、白衣・保護メガネを着用させ実験室に移動し、実験を開始した。実験は前回同様2人1組、計4グループに分かれて行った。3グループの生成物には固体の不純物が見受けられたため、再度濾過による分離とロータリーエバポレーターを用いた濃縮、乾燥、および収量・収率の算出を行った。核磁気共鳴装置を用いて純度の確認と分子構造の解析を行うとともに、超臨界流体クロマトグラフを用いて鏡像異性体過剰率を求めた。最後にグループディスカッションを行い、それぞれのグループで得られた結果について比較し考察を行った。

  • 合成化学・生物化学_実習風景ロータリーエバポレーターを用いて濃縮を行う
  • 合成化学・生物化学_実習風景核磁気共鳴装置(NMR)を用いた分子構造の解析
  • 合成化学・生物化学_実習風景実験結果についてのグループディスカッション

今回の活動を通して学んだこと(抜粋)

  • NMRの原理、スペクトルの読み方、steglich反応の反応機構など。用いる溶媒の差によって中間体の安定性が変わってR体、S体のeeが変化すると予想していたが、あれほど顕著に差が現れるとは思っていなかった。理由として、溶媒によって、触媒部位のひげの構造の立体配置が変わるからだそうだ。これからもまた気になることを質問してもっと有機化学を勉強したいと思う。
  • 今回のelcasでは前回に引き続きキラルらせん高分子を触媒として用いる不斉反応でしたが、今回も見たこのない装置や薬品、手法等が次々と出てきて、わくわくが止まりませんでした。今回と前回での最先端の研究を通して思ったのことは、研究とは途方もない努力がいることです。自分が今まで行ってきた実験は早ければ数分。遅くても40分程で結果が出るものでした。ですが、今回の実験では2日合わせて約7時間という長さで、しかも誰もしたことのない前例のない実験となると、手法を初め、何から何まで自分で用意する必要があり、結果が出るかすらわからないからです。

2016年11月5日

  • 実施場所

    桂キャンパス A4棟3階ラウンジ、A4-301号室

  • 当日の講師

    杉野目 道紀 教授(工学研究科合成・生物化学専攻有機設計学分野)
    大村 智通 准教授(工学研究科合成・生物化学専攻有機設計学分野)
    長田 裕也 助教(工学研究科合成・生物化学専攻有機設計学分野)
    山本 武司 助教(工学研究科合成・生物化学専攻有機設計学分野)

  • チューター

    村上 遼、小松 聡子、柿原 佑亮

  • 実習の内容

    「らせん高分子を触媒として用いる不斉反応(I)」を実施した。まず講義を行い、実験内容に関する基礎的知識を理解させるとともに、実験の概要を説明した。次に、実験の安全に関する諸注意を与えた後、白衣・保護メガネを着用させ実験室に移動し、実験を開始した。実験は2人1組、計4グループに分かれて行った。触媒と試薬の秤量、反応(60℃で加熱)、薄層クロマトを用いた反応の解析、濾過による触媒と生成物の分離、ロータリーエバポレーターを用いた濃縮、乾燥、および収量・収率の算出を行い、この日の実験を終了した。次回は実験の続きを行うとともに、それぞれの組で得られた結果を比較し考察する予定である。

  • 合成化学・生物化学_実習風景教員(中央)から実験器具の操作方法について説明を受ける
  • 合成化学・生物化学_実習風景電子天秤を用いて試薬を秤量
  • 合成化学・生物化学_実習風景反応容器に試薬を加えている

今回の活動を通して学んだこと(抜粋)

  • これまで使用したことのない実験器具(ナスフラスコやエバポレータなど)を使用し、その使用法や形状を理解することができた。キラルな物質は作り分けが難しいと思ってましたが、触媒1つでそれができることに驚きました。
  • 学校の授業でまだあまり触れていない分野である有機化学がメインだったのですが、分からないことも先生方が丁寧に教えてくださいました。アキラルである分子から、触媒を用いてキラルな分子が生成できることも驚きでしたが、その量をコントロールできる、ということが印象深かったです。触媒がらせん状になっていて、それ自体がキラルな物質であるのが興味深かったし、触媒自体を作るところもぜひ見てみたかったです。 実験においては、二人一組で効率よくできたと思います。トルエンなど、揮発性のある物質も使ったし、始めて使う器具も多かったですが、おおむねうまくいきました。最後のろ液も綺麗になったので、うまくいったのかなと思いました。実験中、反応を開始した時間などきっちりノートにとることが大切だと教わったことや、「やり方は一通りではない、人によって異なることもある」と聞いたことが印象的でした。その他にもエバポレーターなどの機械のシステムを知れてよかったです。

平成28年度 実施レポート

年度別の実施レポート